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2014年8月25日月曜日

消費税10%「予定通りに」3割 本社世論調査 ―【私の論評】再増税すれば、安倍政権への支持率はかなり下り、やがて安倍おろしの嵐が吹き荒れる。共産党の党勢拡大は安倍政権への警鐘であるとみなすべき(゚д゚)!

消費税10%「予定通りに」3割 本社世論調査 


日本経済新聞社とテレビ東京による22~24日の世論調査で、消費税率を予定通り2015年10月に10%に引き上げることに関して「反対」が63%で「賛成」の30%を上回った。7月の前回調査より賛成は6ポイント下がり、反対は4ポイント上昇した。内閣支持率は7月の前回調査より1ポイント上昇の49%で、ほぼ横ばいだった。



4月の消費税率の8%への引き上げによる影響で、4~6月の実質国内総生産(GDP)は前期比年率で6.8%減少した。安倍晋三首相は7~9月の景気動向をみて判断する考え。今後は景気の下支え策が必要になる可能性がある。

安倍政権の経済政策を「評価する」は47%で前月より3ポイント上昇した。「評価しない」は34%で3ポイント下がった。経済政策を評価する人のうち、52%は予定通りの消費増税に反対と答えた。

15年10月の消費増税に反対と答えた人にどうすべきかを聞くと「引き上げるべきでない」が50%で最も多かった。「時期を遅らせるべきだ」が25%、「引き上げ幅を見直すべきだ」は21%だった。

内閣を支持する理由(複数回答)は「安定感がある」が35%で最も多い。支持しない理由(同)は「政策が悪い」が4ポイント上昇して39%で最多になった。

この記事の詳細は、こちらか(゚д゚)!

【私の論評】再増税すれば、安倍政権への支持率はかなり下り、やがて安倍おろしの嵐が吹き荒れる。共産党の党勢拡大は安倍政権への警鐘であるとみなすべき(゚д゚)!

安倍内閣の支持率と、増税には密接な関係がある。それは、そうだろう。まずは、有権者は例外をのぞいて、まずは経済的安定ほ望み、その後で天下国家を論じるというのが普通です。

まずは、日々の生活が安定してこそ、天下国家に目を向けます。

これについて、古谷経衡氏は以下のようなツイートをしています。
古屋氏のツイートにもある、産経新聞の記事のそのさわりだけを以下に掲載します。
安倍政権の「暴走」に感謝?! 共産が空前の党勢拡大産経新聞8月24日(日)13時35分 
 日本共産党が党勢拡大に向けて全党に号令をかけた党創立92周年をめぐる「躍進月間」(5月15日〜7月31日)で、「空前の前進」(党関係者)を果たした。集団的自衛権の行使容認はじめ安倍政権の政策をことごとく「反動的暴走」と決めつけ、それにブレーキをかけようと喧伝(けんでん)するキャンペーンが奏効したとみられる。しかし裏を返せば、党勢拡大を続けるには同党がいう「暴走」を安倍政権に続けてもらわなければ困るわけだ。
党勢拡大で大感激の志位委員長


集団的自衛権の容認、特定秘密保護法の導入など確かに、現在の我が国にとって、必要不可欠のものであり、私自身は反対はしません。多くの、保守系の人々でこれに異議を唱える人はいないでしょう。また、政治的に左でも右てもない人々は、これを頭から反対する人々はいないてじょう。

安倍総理が、2012年に総裁になった直後に行なわれた衆議院議員選挙や、昨年夏の参議院議員選挙で、安倍自民党は大勝利を収めました。

そうして、これらの二回の選挙で安部総理は、二回とも、集団的自衛権の容認や特定秘密保護法の導入などについて、選挙公約ではっきり明言しました。

だから、これらを実行しないということは、公約違反です。だから、実行すのは当然のことと思います。これについて、マスコミや野党は、国民への説明が不十分などとしています。

しかし、これらについては、安部総理は第一次安倍内閣のときもその必要性を主張してきましたし、上で述べてきたように二回の選挙でも主張してきました。そうして、安部総理になったのですから、もしこれを実行しないというのであれば、その自体が非難の対象となります。

それこそ、結局何もできなかった民主党政権のように、マニフェストをほとんど何も実行せずに、ただただ、3年間漂流して、国民から大避難を浴びたようになってしまいます。

しかし、現実的に考えれば、天下国家論を論ずるためには、先ほども述べたようにまずは、経済が安定していなければなりません。

だから、本来は、経済を悪化させる懸念のある増税などすべきではなかったのです。

このことを査証するものとして、以下の2つをあげておきます。

まず一つ目は、上でも述べたように、2012年年末の衆議院議員選挙において、安倍自民党は大勝利しました。

その原因は、はっきりしています。それまで、日銀は、ずっと金融引き締め政策をしてきましたが、安部総理は金融緩和をすると明言しました。

この明言を市場は好感して、まずは株価があがりました。その後、実際に4月から異次元の包括的金融緩和をしました。これに対して、野党や、マスコミ等一斉にこれを批判しましたが、にもかかわらず、経済指標はのきなみ良くなりました。

一時、株価は少し下がりましたが、それも落ち着き、安定した後に、参議院銀選挙が行なわれ、これでも安部自民党は、大勝利でした。

そうなんです。市場関係者はもとより、国民の多数もやはり、実体経済を良くする政党を指示するのです。

第2は、過去の池田勇人総理大臣による、所得倍増計画です。

国会で演説する池田隼人氏


所得倍増計画(しょとくばいぞうけいかく)とは1960年池田内閣の下で策定された長期経済計画です。閣議決定された際の名称は国民所得倍増計画(こくみんしょとくばいぞうけいかく)といいます。この計画では翌1961年からの10年間に名目国民所得国民総生産)を26兆円に倍増させることを目標に掲げましたが、その後日本経済は計画以上の成長に至りました。立案は経済学者の下村治氏です。

この所得倍増計画は、大成功し、10年を待たずして、本当に国民の所得は倍増しました。

この過程で何が起こったかといば、終戦直後より当時のソビエトは、戦前から日本国内にいわゆるコミンテルンというスパイを送り込み、日本国内で暗躍させ、日本国内の様々な勢力がソビエトにとって都合良く動くように様々な工作をおこなっていましたが、これが全く無力になってしまったのです。

1960年より前の時点では、国民の大多数が貧乏であり、ソビエトのコミンテルンに扇動ざれる人も大勢いましたが、経済が発展するにおよび、国民のほとんどはコミンテルンの工作にものらなくなり、やがて、日本国内におけるソビエトの力も地に落ちました。

やはり、経済がよくなって、明日への希望が生まれてしまうと、これを実現した政府に対して、反対して、わざわざコミンテルンの甘言に乗る必要もなくなってしまってのです。

この2つの事柄を思えば、やはり国内の経済対策はかなり重要です。経済か良くなれば、時の政権は安定して、様々政策を実行しやすくなるのです。

これを考えた場合、やはり、4月からの増税は大失敗でした。だからこそ、共産党のそうして、さらに来年の10%増税を決めてしまえば、かなり支持率は低下します。

私自身は、古屋氏の主張である、「保守派が天下国家論ばかりを取り上げ、格差や労働問題をなおざりにしてきたことが、共産党を利する結果になった」ということには、全面的に賛成ではありません。

私は、どちらかというと、「格差や労働問題」をなおざりにしてきたことが、その主な原因であると思います。そうして、格差、労働問題というと多くの人は、経済に目を向けず、なにやら、この問題は厚生労働省管轄の問題であると考えがちですが、そうではありません。

いくら厚生労働省が頑張ったとしても、できることは、雇用のミスマッチを是正することだけで、それ以上のことはできません。特に、雇用自体を増やすことはできません。

そうして、雇用を改善するのは、なぜか日本ではほとんどに認識されていませんが、まずは第一に日銀による、金融政策によって達成することができます。

デフレでは、雇用状況が悪化するのは当然のことです。緩やかなインフレにすることができれば、雇用は黙っていても増えます。ほんの数パーセント、インフレ率があがっただけで、日本のような国では、数百万の雇用が生まれます。

これは、事実てず。そうして、第二は、政府による積極財政です。これは、公共工事を増やすとか、減税するとか、給付金を支給するとか、いくつかの方法があります。

この二本柱が、経済を良くして、それによって、格差や労働問題はかなり改善されます。ただし、いくら経済が良くなっても、様々な社会システムの不備などがあれば、格差・労働問題は完璧には解決されず、そこで、厚生労働省の出番となるわけです。

無論、これには、民間の努力も必要ではあります。厚生労働書だけではなかなかできることではありません。しかし、厚生労働省としては、規制緩和をしたり、新たなシステムを構築したり、新たな法律を制定したりして、民間の力も借りながら実行していけばかなり良くなります。

ただし、デフレのときに日銀や、財務省抜きで、厚生労働省だけが何かを実行したとしてしても、そもそも、雇用がないわけですから、どうしようもないわけで、「格差や労働問題」を解消することはできません。何かやっても、必ず他の何かが悪くなり、結局モグラたたきにおわります。

これを考えると、やはり、増税は完璧な間違いでした。今後このままだと、8%増税の悪影響が来年
3月まで続きます。そうなると、安倍政権の支持率は確実に落ちていきます。

東京オリンピック招致を決めた安部総理


そうして、来年の10%増税を実行したとしたら、安倍政権の支持率は坂道を転がり落ちるように低下していきます。それでも、何もしないとか、対処療法的な対策をしなければ、さらに景気は落ち込み、かなり落ち込み、挙句の果ては、安倍おろしがはじまり、第一位安倍内閣が崩壊したときと同じような状況に見舞われることになります。

このようなことを防ぐには、まずは、10%増税は絶対にやめること。そうして、8%増税の悪影響をなくするために、積極財政を実行することです。

積極財政とはいっても、現状では、公共工事を増やそうにも、人手不足などにより、公共工事の供給制限があるので、これは今のところ、経済対策に大きく寄与することはありません。

であれば、特に多くの人々を集めて工事をする必要のない、所得税減税や、給付金対策を行えば、かなり効果があります。

さて、共産党が党勢拡大をしたからといって、共産党が次の政権を担うことはないでしょうし、そこまでいかなくとも、大きな影響力を持つには至らないでしう。

しかし、かつてないほどの、党勢拡大ができたのは、やはり無党派層などの一部が取り込まれているとみるべぎてす。そうして、これ自体が安倍政権に致命傷を与えることはありませんが、それにしても、これはある意味、安倍政権への警鐘であると受け止めるべきであると思います。

私は、そう思います。

皆さんは、どう思われますか?

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2013年2月15日金曜日

「10%よりも10倍のムーンショットを」:グーグル X責任者からの提言

「10%よりも10倍のムーンショットを」:グーグル X責任者からの提言:



ある事柄を現状より10倍良くするほうが、10%良くするよりも実は簡単なことがよくある……そう聞くと驚くかもしれないが、これは本当のことである。

何かを10%良くしようとするから、どうしても既存の手段や前提に注意が向くことになる。何かを10%良くしようとするから、多くの人々がたくさんの時間を費やして考え出した既存の解決策をベースに答えを見つけようとすることになる。ただし、そんなやり方で改善を進めようとすると、労力、資金、その他の資源が余計に必要になる。こうした形の改善からは、ある種の満足感も得られる。自分が真面目に働いているという感じ、ほかの人が失敗したかもしれないところでも、自分は歯を食いしばって辛抱を続けているという感じがしてくる。だがほとんどの場合、人は結局、以前と同じところで停滞し続けることになる。

それに対して10倍の結果を手に入れるとなると、どうしても勇ましさや創造性が必要になってくる。アポロ計画の月面着陸(「ムーンショット」)のような偉業は、そんな勇ましさや創造性の賜物といえる。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


この記事の続きはこちらから!!



【私の論評】アベノミックスの一本の矢でもある「成長戦略」には池田勇人の「所得倍増計画」のような"ムーン・ショット"で臨め!!

上の記事でも述べているように、確かにアポロ計画は、人類を10年待たずして、送り込むことに成功しました。この計画では、とにかく10年後に人類を月に送り込むこととして、NASAが主体となって、10年後にはすでに人類が月に降り立ったものとして、そこから、逆算して、当時存在しなかった技術などを開発していったといわれています。見事に月に降り立つという「思い」を実現させました。

アポロ計画は不可能にみえたが人類を10年たたずし月に送りこんだ
このブログではアベノミクスについて、何回かとりあげていて、その三本の柱である、「大胆な金融緩和」、「起動的な財政出動」、「民間投資を喚起する成長戦略」のうち、一番最後の「成長戦略」に関しては、非常に懐疑的であることを掲載しました。

なぜ懐疑的なのかは、本日は本題ではないので、詳細をここで記すようなことはしません。以下にそれに関するこのブログの記事を掲載しますので、どうして懐疑的なのか、その理由を知りたい方はこの記事を参照して下さい。

【アベノミクスの希望と不安】規制緩和、自由化、TPP推進はデフレ対策を無効化 構造改革を阻止せよ―【私の論評】成長戦略においても、国は計画をたてたり主導することなく、インフラ整備だけに徹するのが筋!!余計なことをやれば、大失敗する!!

詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では、ノキアをひきあいに出して、ノキアのような民間企業ですら成長分野を見誤ったのですから、ましてや、官僚が成長分野を見つけられるはずはないこと、だから、政府はあくまでインフラ整備に専念すべきことを掲載しました。そうして、もし優秀な官僚が成長分野を見定めることができるなら、共産主義は大成功したはずなのにそうはなっていないことも掲載しました。

だから、私は官僚の成長戦略などには、かなり懐疑的なのです。しかし、一つのやり方として、上記の「ムーンショット」は非常に参考になりました。NASAは官僚組織ではありますが、人類を月に到達させるという目的のため、多くの民間人を雇用したり、あるいは、NASAだけではなく、外部の様々な民間企業などの数々の組織にも、仕事を依頼しています。だからこそ、うまく行ったのだと思います。NASAのアポロ計画に従事した航空宇宙産業企業によって導入されたプロダクト・マネージャー制に端を発したマトリックス型組織は今でも大規模なブロジェクトに使われることがあります。

特に、上の記事では、10%良くするということでは、「何かを10%良くしようとするから、どうしても既存の手段や前提に注意が向くことになる。何かを10%良くしようとするから、多くの人々がたくさんの時間を費やして考え出した既存の解決策をベースに答えを見つけようとすることになる。ただし、そんなやり方で改善を進めようとすると、労力、資金、その他の資源が余計に必要になる。こうした形の改善からは、ある種の満足感も得られる。自分が真面目に働いているという感じ、ほかの人が失敗したかもしれないところでも、自分は歯を食いしばって辛抱を続けているという感じがしてくる。だがほとんどの場合、人は結局、以前と同じところで停滞し続けることになる」ということが掲載されており。これは、まさに官僚か陥りがちな陥穽ではないかと思います。

経済対策でも、官僚は、10%良くするどころか、数バーセント良くすることを考えるのみで、大きな飛躍が期待できないどころか、後退してしまいかねません。このようなことは、私たちは過去にさんざぱら見せつけられて、多くの方々が辟易としているのではないかと思います。だかこそ、多くの人びとが、あの民主党の「官僚主導ではなく政治主導」という言葉に一時でも、魅力を感じたのではないでしょうか?

1951年5月25日の上下両院合同会議で、はじめて
月着陸計画の決定を発表するケネディー大統領
しかし、上の記事など読んでいると、NASAは官僚組織ですから、官僚が物事を推進したからといって、何もかもが駄目とうことではなさそうです。根本は、どこが主導するかということではなく、ムーンショットにするかどうかということが大事なようです。ただし、この計画は確かに官僚主導でしたが、最初に提唱したのは、当時のケネデイー大統領です。そうして、ケネディー大統領がは、最初から10年以内にと国民に向かって宣言していました。やはり、アポロ計画も政治主導から始まったの゛です。ただし、政治主導がムーンショットであったということです。


上の動画は、1962年9月12日ライス大学でのケネデイー大統領の演説です。この時、はっきりと人類を10年以内に月に送ると発表しました。

アベノミクスの「成長戦略」も10倍のムーンショットを狙うべきです。そうして、過去の日本のムーンショットを振り返ってみると、「池田政権」の「所得倍増政策」があります。この「所得倍増計画」は、10倍ではないものの、後でも説明しますが、当時の日本としては、不可能にも思えた、素晴らしいムーンショットでした。

所得倍増計画とは、ご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんので、以下にwikipediaより引用させていただきます。

国民所得倍増計画は1957年に岸内閣のもとで策定された「新長期経済計画」に代わり、1960年12月27日に池田内閣において閣議決定された。岸内閣の安保政策重視から一転、経済政策を前面に押し出す格好となった。 
日米安全保障条約の締結により日本は国土の防衛をアメリカに一任できるようになり、高コストの軍事費(防衛費)を抑え経済政策に優先的に配分できるようになった。国民所得倍増計画の目的は輸出増進による外貨獲得を主要な手段として国民所得(国民総生産)を倍増させ、これによって雇用を拡大し失業問題を解決する(完全雇用を目指す)ことで生活水準を引上げることにある。またこの過程で地域間・産業間における所得格差の是正もその目的とされている。具体的には農業近代化、中小企業の近代化、経済的な後進地域の開発(工業の分散)である。 
これらは特に目新しい政策というわけではない。岸内閣の「新長期経済計画」において既に国民総生産と経済成長率という概念を用いており、さらに完全雇用についても言及されている。ただ、岸政権が経済成長よりは政治大国としての復活を意図し、近い将来の改憲まで視野に入れていたことや、佐藤栄作、福田赳夫といった有力政治家、エコノミストの多くが「安定成長論者」として高度成長路線に批判的であったことを考えれば、池田が他の様々な可能性の中からあえて強気の成長路線を選択し、「所得倍増」という卓抜なスローガンと共に推進したことには大きな意味があるといえよう。
国民所得倍増計画は経済政策として劇的な成果を上げた。計画の数値目標は1960年度の国民総生産額である13兆6000億円の2倍、26兆円を10年以内に達成するというもので、1960年度から年間平均11%の経済成長率を維持し、以後3年で17兆6000億円に到達させることが中期目標とされた。しかし日本経済は予想以上の成長を遂げた。実質国民総生産は約6年で、国民1人当りの実質国民所得は7年(1967年)で倍増を達成した。経済成長率も驚異的な記録を見せ、計画開始1年目(1961年度)にして早くも目標が達成された。これによって政府は計画の上方修正を迫られ、早くも高度成長の「その後」の手当を図ることとなった。
また、所得倍増計画は日本共産党の勢力拡大を大幅に抑制する効果もあった。従来共産党の主要な支持層であった賃金労働者の雇用が安定し賃金が上昇して生活水準が向上したことで、会社に対する不満が急速に解消し、共産党が推進する労働組合活動に参加するよりも仕事に専念した方が会社の業績が上がって自分達の賃金もより上昇したためである。
その後、佐藤内閣によって高度成長によるひずみの是正や社会資本整備を目的とする「中期経済計画」(1965年策定)および「経済社会発展計画」(1967年策定)が策定されてゆく。
アポロ計画で初めての有人宇宙飛行を行なっアポロ7号の打ち上げ

当時の池田政権は、10年で所得を倍増することを目標としたのですが、実際には、10年どころか7年で実現しています。

無論、倍増は、10倍ではありませんが、高度成長末期には、ささら所得は増えて、池田内閣発足当時から比較すれば、貧乏国から世界第二位の経済大国となり、10倍以上なりました。まさに、ムーンショットです。それに、その時までの日本は軍事大国であったことはありますが、経済大国になどなったことは一度も経験したことがなく、当時の所得倍増政策は、まさにムーンショットと言っても過言ではないと思います。

1961年6月の訪米中に、ケネディ大統領(右)の専用ヨットで会談する池田勇人首相。

こんなことから、私は、アベノミクスにおける「成長戦略」もこのような、ムーンショットにすべきと思います。池田政権のムーンショットは、あくまでも、「所得倍増」をうたいましたが、政府が成長戦略の設計図を描いてそれに向かって政府が直接財政支出して、これに民間企業が乗って成長したというわけではありません。政府はあくまで、インフラを整備しただけです。

このような歴史を持つ我が国においては、政府による成長戦略はあくまでも、ムーンショットで政府主導ではなく、民間主導であり、あくまでも政府はインフラ整備に徹するべきと思います。なかなか、良いムーンショットがないというのなら、再度10年で、所得倍増計画を実施しても良いのではないかと思います。そんなことは、不可能ですて?そんなことはありません。実際、日本がデフレ基調に入ってから、国民の所得は横ばいから少し下がる傾向でしたが、他の先進国では、同じ期間で倍になっています。日本だけが、デフレ政策で、所得が伸びませんでした。であれば、日本だって、デフレをやめ、経済成長戦略をとれば、十分可能だと思います。私はそう思います。皆さんは、どう思われますか?

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