2016年10月26日水曜日

【スクープ最前線】ドゥテルテ比大統領、米国憎悪の真相 CIAによる暗殺計画の噂まで浮上―【私の論評】歴史を振り返えらなければ、米国への暴言の背景を理解できない(゚д゚)!

【スクープ最前線】ドゥテルテ比大統領、米国憎悪の真相 CIAによる暗殺計画の噂まで浮上

握手するドゥテルテ比大統領と、安倍首相
「暴言王」こと、フィリピンのドゥテルテ大統領が25日午後、来日した。26日に安倍晋三首相との首脳会談に臨み、27日に天皇陛下に拝謁する予定だ。ただ、ドゥテルテ氏は先週の中国訪問で、「対中接近」「米国離反」の姿勢をあらわにし、東アジアの平和と安定を危機的状況に追い込んだ。ドゥテルテ氏の過剰な反米感情の背景と、中国とロシアによる狡猾な情報戦とは。ジャーナリストの加賀孝英氏が緊急リポートする。

「日比首脳会談がどうなるか。南シナ海だけでなく、東アジアの行方が決まりかねない。米国をはじめ、世界各国が注視している」

旧知の米政府関係者はこう語った。その懸念は当然だ。

ドゥテルテ氏は18日から21日まで訪中し、習近平国家主席と20日、首脳会談を行った。同日のビジネス会合での演説では、「軍事的にも経済的にも米国と決別する」と、同盟国である米国が驚愕する宣言を行った。一番喜んだのはもちろん習氏、中国だ。

翌21日、共同声明が発表された。ご存じのように、中国は南シナ海で軍事的覇権を拡大し、世界各国から「無法国家」と批判されている。だが、ドゥテルテ氏は南シナ海問題で大幅に譲歩し、総額240億ドル(約2兆5000億円)相当の経済協力を得る見通しとなった。破格の大盤振る舞いである。

中国外務省の華春螢報道官は同日の定例記者会見で、「南シナ海問題は2国間対話の正しい軌道に戻った」と勝利宣言した。中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報も同日の社説で「中国とフィリピンは再び抱擁した」「(日米など諸外国)外部は南シナ海を放棄しろ」とまで書いた。

何たることか! これでは、「ドゥテルテ氏が米国を裏切り、中国の札束攻撃の前に屈した」と思われても仕方ないではないか。

日本の外務省関係者はこう説明する。

「現在、ドゥテルテ氏の真意について、日米両国は情報収集と分析を急いでいる。日米や世界各国はこれまで、中国の南シナ海での暴挙に対して『国際法の順守』と『航行の自由』を求めてきた。だが、当事国のフィリピンが寝返ったとなれば、すべての戦略を見直さなければならない」

実は、とんでもない情報がある。なぜ、ドゥテルテ氏が米国を憎悪するのか。以下、複数の米軍、米情報当局関係者から得た情報だ。

「ドゥテルテ氏は容赦のない『麻薬撲滅運動』を展開しており、麻薬密売人など数千人が殺害されている。オバマ米大統領がこれを『人権問題だ』として非難したことが、関係悪化を深めた。加えて、混乱の中で『ドゥテルテ氏が自分の政敵を殺害した』というデマが流された。発信地は中華街のようだが、ドゥテルテ氏は『米国が流した』と思い込んだ」

「中国は、南シナ海の島々を軍事基地化しながら、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国に、裏ですさまじい圧力をかけた。米国はそれを知りながら、島の近くに駆逐艦を航行させるぐらいしか手を打たなかった。『米国は頼りにならない』『中国についた方が得ではないか』と考える国が増えた」

決定的なのは、ドゥテルテ氏の暗殺計画情報だ。

ドゥテルテ氏は今月7日、地元・ダバオで就任100日目の演説を行った。CIA(米中央情報局)が画策する失脚工作や暗殺計画の噂に触れ、オバマ氏を罵倒して、「やれるならやってみろ!」と挑発した。衝撃情報はこう続く。

「CIAによる暗殺計画の噂は9月に流された。発信地はロシアに近い情報筋とみられている。今年7月にトルコでクーデター未遂が起きたときも、ロシアはいち早く、トルコのエルドアン大統領に暗殺危機を知らせ、同国を『反米親露国』に劇的に変えた。構図はそっくりだ」

フィリピンの事情に詳しい大使経験者がいう。

「ドゥテルテ氏は大の親日家だ。『最初の外国訪問は日本に』と固く決めていた。それを中国にひっくり返された。日本外務省の大失態だ。日本が先なら、こんな事態にはなっていない。だが、『ドゥテルテ氏が中国に寝返った』とみるのは、早計で失礼だ。彼は愛国者で戦略家、そして策士だ。だから、(中国嫌いが多い)国民の90%前後が支持している」

ドゥテルテ氏は22日、ダバオでの記者会見で、記者から外交政策について聞かれ、「米国との決別とは、外交関係を断ち切る断交ではない」「(ただ)外交政策は米国と完全に一致する必要はない」と説明した。

安倍首相との首脳会談について聞かれると、「協議の多くは経済協力についてだ」といいながら、南シナ海問題についても「平和的に話をし、課題を解決して、良い方策を考え出すことで合意できる」と語った。

世界が日比首脳会談を注目している。フィリピンを自由主義陣営に引き留めなければならない。安倍外交の神髄を見せてほしい。

加賀孝英(かが・こうえい)

【私の論評】歴史を振り返えらなければ、米国への暴言の背景を理解できない(゚д゚)!

上の記事では、フイリピンの過去の歴史については全く触れられていません。無論、この記事を書いた加賀孝英氏は、それについて熟知していると思います。しかし、この記事の中に歴史まで含めてしまうと、記事が長大になってしまうため、敢えてそうしなかったのでしょう。

現在の日本人の多くは、フイリピンの歴史を知らないのではないでしょうか。そうして、日本マスコミもこれに関してはほとんど報道しません。しかし、これを知ればなぜドゥテルテ大統領がアメリカのオバマ大統領にあのような暴言を吐いたのか、かなりの程度理解できます。

そうして、かつてフイリピンがアメリカ軍を国内から撤退させたのかも理解できると思います。無論この完全撤退は中国の南シナ海への進出を促したという点では失敗であったことにはかわりはありません。おそらく、フイリピンの左翼系が、フイリピンの歴史を利用して、この撤退を促したのだと思います。

しかし、フイリピンの過去の歴史を知れば、なぜこのようなことになったのか、そこにはそれなりの背景があるということに気づくはずです。

以下に、大雑把にフイリピンの歴史を振り返っておきます。関心のある方は、もっと詳しい資料にあたって頂きたいと思います。

■フイリピンの歴史概要■

まだ、フィリピンが大陸と陸続きであった時代、フィリピンにはネグリト族などが住んでいたといわれています。どれくらい昔から住んでいたのかは正確にはわからないのですが2万年くらい前からではないかといわれています。

その後、島々が大陸から離れてからは新石器の技術を持った原始マレー人が住み、紀元前2000年~紀元前1500年頃には水田農耕文化を持った古マレー人が、紀元前500年頃からは新マレー人が移住して定住を始めるようになりました。

14世紀頃になると中国、東南アジア、インド、中東を繋ぐ航路上で海上貿易を行っていたイスラム商人たちが盛んに訪れるようになり、フィリピンにもイスラム教が広まりました。また、スールー諸島からミンダナオ島西部にはスールー王国やマギンダナオ王国といったイスラム教国の王であるスルタンが支配する国家も成立しました。

■スペイン植民地時代

1521年。フィリピンにフェルディナンド・マゼランという人物がスペイン船団を率いてやってきました。彼らは、現地の人々にキリスト教への改宗やスペイン王国への忠誠を要求し部族長を次々に服従させていきました。しかし、イスラムの部族長ラプ・ラプはこれを拒絶。スペインと住民の間で争いが起きました。この争いに勝利したのはラプ・ラプ。スペイン船員らは戦いに敗れてマゼランも戦死してしまいました。

しかし、その後もスペインはフィリピンに向け攻撃を仕掛け続けました。1542年に艦隊で襲撃。しかし、これも失敗。1565年にはミゲル・ロペス・デ・レガスがセブ島を落とすことにやっと成功。1570年には彼の孫がマニラを制圧。翌年、フィリピンはスペイン領であることを宣言するとこの地はスペインの副王領であるメキシコ政府の統治下に入ることになりました。

17世紀に入ると政治的にスペインと対立していたオランダの攻撃や華人の反乱が起き、1762年にはフィリピンとの間で密輸を続けてたイギリス東インド会社によりマニラが占領されました。このイギリスによるマニラ占領は2年間でイギリスは撤退したのですが、当時勢力を拡大していたイギリスは1809年にマニラに商館を建設。ところが、イギリスが清の攻略に乗り出していたこともありフィリピンを領有することはありませんでした。

スペインは、1821年にメキシコ独立戦争に敗北。副王領が廃止されるとフィリピンはスペイン本国の直接統治下に置かれることになりました。

1565年からフィリピンはスペインの植民地となっていたのですが、それは1898年まで続きました。1898年の米西戦争(アメリカとスペインがキューバを舞台に戦争)が始まるまで続きました。

アメリカ海軍の巡洋艦「U.S.S.ローリー」現在はペンシルベニア州フィラデルフィアのインディペンデンス・シーポート・ミュージアムで、現存する唯一の米西戦争を経験した艦として公開されている。
■アメリカ植民地時代

当時は、フィリピン国内にて独立を目指し運動を起こす人が大勢いました。アメリカはそこに目をつけ、フィリピンに独立の支援を約束し、見返りに戦争に協力をしてくれるように要請しました。フィリピンの革命家たちは軍を組織してフィリピンに駐留しているスペイン軍と戦い勝利。1898年6月12日にフィリピンは独立を宣言し国歌と国旗を定めました。

これで長かったスペインからの支配に終止符を打ったと、思いきや、フィリピンはアメリカに見事裏切られてしまいました。

アメリカはスペインとの間で2千万ドルを支払うことでフィリピンを譲り受けることになったのです。これに怒ったフィリピン側はアメリカとの戦争を決意しました。アメリカが初代総督として派遣したのは、あの有名なダグラス・マッカサーの父、アーサー・マッカーサーでした。

この戦いでは、フイリピン人の犠牲者が多く発生しました。たとえば、1901年9月28日、サマール島でバランギガの虐殺が発生。小さな村でパトロール中の米軍二個小隊が待ち伏せされ、半数の38人が殺されました。アーサー・マッカーサーは報復にサマール島とレイテ島の島民の皆殺しを命じました。少なくとも10万人は殺されたと推定されています。

マッカーサーはアギナルド軍兵士の出身者が多いマニラ南部のバタンガスの掃討を命じ、家も畑も家畜も焼き払い、餓死する者多数と報告されました。アメリカ軍は、フィリピン軍を次々に撃破すると1901年にフィリピンの英雄アギナルドを捕らえアメリカに忠誠を誓わせ休戦となりました。
アーサー・マッカサー(左)とダグラス・マッカーサー(右)
1915年にはスペインからの統治からはまぬがれていた南部のイスラム・スルタン国家にもアメリカは支配の手を伸ばしました。フィリピン諸島を完全に支配下に取り込んだのでした。

しかし、その後フィリピンを統制する上でアメリカは柔軟な政策も見せるようになりました。将来的にはフイリピンを独立させることを約束したのです。

1916年には、フイリピンをフィリピン人が統治するアメリカの自治区にするという、フィリピン自治法が制定されました。フィリピン人の閣僚なども登用されました。この頃には公教育で英語が教えられ1934年にはフィリピン独立法が可決され、ついに1946年までにフイリピンを独立させることがアメリカによって約束されました。

1935年には現地生まれのマニュエル・ケソンが大統領に就任しました。

■日本によるマニラ制圧

しかし、フィリピンの苦難は続きます。太平洋戦争の勃発です。1942年に日本軍はマニラを制圧。すると日本はフィリピンの人々の心を掴むために1943年ホセ・ラウレルを大統領とするフィリピン第二共和国の独立を認めました。

マニュエル・ケソン氏は日本がマニラを制圧したときにアメリカに亡命していました。そして、日本は日本よりのホセ・ラウレル氏を大統領に据えたのです。


大東亜会議に出席したホセ・ラウレル大統領(右から二人目)(1943年東京)
しかし、この政権は長く続きませんでした。ラウレルと日本はフイリピンをめぐる政策で仲違いしたことと、ラウレル自身も、民衆の支持を広く得ることはできなかったのです。さらに、ラウレル政権は戦前からの地主支配の継続を認めたためにフィリピン親日勢力の離反を招き、ラウレル政権側も日本との協力を拒否する姿勢をとったため、日本は1944年12月にベニグノ・ラモスとアルテミオ・リカルテをはじめとするフィリピン独立運動家達によって設立されたフィリピン愛国連盟(マカピリ)を新たな協力者としました。

1945年には、マニラの戦いが行われました。これは、第二次世界大戦末期の1945年2月3日から同年3月3日までフィリピンの首都のマニラで行われた日本軍と連合軍の市街戦のことを指します。日本軍は敗れ、三年間に及んだ日本のフィリピン支配は幕を閉じました。

このマニラの戦いでは、市民70万人が残っており、10万人もの死者をだしたとされています。市民の犠牲者について、単に市街戦の巻き添えになっただけでなく日本軍によって抗日ゲリラと疑われた市民が虐殺されたとされています。山下大将は市民虐殺についての責任を問われてマニラ軍事裁判で裁かれ、絞首刑となりました。ただし、大岡昇平氏の『レイテ戦記(下)』20版 中央公論新社〈中公文庫〉、1999年、309頁によれば、「米軍の行ったマニラ破壊を日本軍に転嫁するため」との見方をしています。
マニラの戦いで崩壊した市内
1945年には日本が太平洋戦争に敗戦。日本がフィリピンから撤退すると1946年に選挙が行われマニュエル・ロハスが大統領となりフィリピンは共和国(第三共和国)として独立を果たすことになりました。
■マルコス大統領の登場

1965年に大統領に就任したのがフィルディナンド・マルコス大統領。イメルダ夫人も有名です。高級ブランドの靴を3000足も持っていたといわれています。

マルコス大統領は、当初失業率の減少などに貢献したのですが、やがて独裁政権を打ちたて国家資産を横領したりしました。1983年には、アメリカに亡命していたベニグノ・アキノ上院議員が民主化推進の為、帰国を決意。しかし、彼は到着し飛行機を降りた途端に射殺されてしまいました。

この様子はテレビでも報道されたのですが、本当に飛行機を降りた直後でした。飛行機を降りるときにタラップが渡されますが、この階段を降りきったか、もしくは階段を下りている途中に射殺されてしまいました。この様子は世界中に報道されマルコス政権に大打撃を与えました。


ベニグノ・アキノ氏


その後、1986年の選挙では、暗殺されたアキノ上院議員の妻であったコラソン・アキノが出馬。彼女が勝利したように思えたのですが、なぜか発表ではマルコスの圧勝しました。しかし民衆は猛反発し、やがてマルコスはハワイへ亡命せざるをえなくなります。

その後、コラソン・アキノ氏が大統領に就任。フィリピンを民主化へと導いていくことになりました。

以上フイリピンの歴史をざっと振り返りました。この歴史を振り返れば、ドゥテルテ氏がオバマ大統領に対して悪態をつくというのもわかるような気がします。

私の知人であるフィリピン人は、「フィリピンの不幸は、日本じゃなくて、アメリカの植民地になった事だ」と語っていました。ことわっておきますが、彼は決してドゥテルテ氏のようなタイプではなく、大学院を卒業し英語も流暢な知的なタイプです。

彼の考えを以下に簡単にまとめます。
マッカーサーは搾取しか考えていなかった。しかし日本に比較的長い間統治されたインドネシアやマレーシアは、あのように発展している。韓国や台湾などは、日本が本格的なインフラ整備と産業拠点を置いたために、今や先進国の仲間入りをしたような状況である。

18世紀に、フィリピンよりも劣等国だった韓国が、日本のインフラと教育で、あれだけ発展できた。今やインドネシアやマレーシアは、既に先進国に見える。タイはまがりなりにも、日本に独立を認められ日本の統治はなかった。だからそれ以下の発展しかしていない。

日本がフィリピンに対し、インフラや教育を十分行える位の期間フイリピンが日本に統治されていたら、今頃どれだけ素晴らしくなっていただろう。絶対にインドネシアやマレーシア以上だったに違いない。
非常に筋の通った論理です。このような考えをする、知識層もフイリピンでは多いのではないかと思います。

日本国内では、フイリピンは、マニラの市街戦による死傷者が多かったことや、バターンの死の行軍などで、フイリピン人は反日との思い込みもあるようですが、これは戦後のアメリカのプロパガンダによるものもかなり影響しているものと思います。

ドゥテルテ氏は、戦後日本の経済協力やイスラム武装勢力との和平協議支援などを高く評価し、親日家とされています。東日本大震災では、海外の自治体の中でいち早く被災者受け入れを表明しました。日本の戦没者供養などにもよく顔を出し、13年には日本人墓地に記念碑を建立。家族旅行で来日していいます。(産経ニュース「ドゥテルテ比大統領、「親中」「反米」そして「親日」」10/24)

さて、ドゥテルテ氏、米国離反、中国接近の姿勢をみせていますが、フイリピンの中国接近は、日本にとっても脅威ですし、フイリピンが完璧に中国の傘下に入ってしまうことになれば、安倍総理の日本の安全保障政策、そうしてアメリカのそれも根本から見直しを迫られることになります。それだけではありません。両国とも、この戦略見直しには莫大な経費と労力と時間を強いられることになります。

まさに、今回のドゥテルテ比大統領との会談は、安倍総理の外交手腕が問われるものとなります。

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2016年10月25日火曜日

総裁任期「3期9年」に延長=26日に全体会合へ提示―自民―【私の論評】財務省とわたりあえる人材が出てくるまでは安倍総裁とすべき(゚д゚)!


自民党役員連絡会であいさつする高村正彦副総裁
(中央右)。同左は下村博文幹事長代行=25日午前、国会内
自民党は25日、党総裁任期を現行の連続2期6年から連続3期9年に延長する方針を固めた。

総裁任期延長「なぜ今なのか」=自民・小泉氏が疑義

 党・政治制度改革実行本部(本部長・高村正彦副総裁)では、「期数制限撤廃案」も検討されたが、高村氏は26日に、党所属国会議員全員が参加できる全体会合に「3期9年」案のみを諮る方針だ。

 高村氏は25日の党役員連絡会で、「あした私の考えを伝えて、全体会合に諮る」と述べた。これに関し、党幹部は記者団に「期数撤廃はない」と指摘し、3期9年の方が「国民に受け入れられやすい」との認識を示した。

 現行の党則は、総裁任期を1期3年と定め、連続3選を禁止している。任期延長はこれを改正するもので、安倍晋三首相(総裁)に限定しない。実行本部で了承が得られれば、総務会などを経て、来年3月の党大会で正式決定する運びだ。

 安倍総裁は2018年9月に任期満了を迎えるが、党則改正後は次期総裁選に出馬できる。当選すれば、自ら招致に当たった20年東京五輪・パラリンピックに首相として臨む可能性も出てくる。

【私の論評】財務省とわたりあえる人材が出てくるまでは安倍総裁とすべき(゚д゚)! 

上の記事を読んでまず思ったのは、財務省と渡り合い時には死んだふりや、やるとき衆院を解散しても増税を阻止した安倍総理のような総裁候補が出てこない限りは、安倍総裁であるべきということです。

先日行われた民進党の代表戦では、候補者の3人が3人とも増税論者であり、経済に関してはまるで擦り切れたテープのように財務省のパンフレットのような経済論を繰り返すばかりでした。

そうして、代表は蓮舫氏になったのですが、蓮舫氏の人選によって、幹事長に決まったのは野田氏であり、これも消費税狂の馬鹿でした。

野田元総理の増税狂発言。おまけ、安住元財務省の増税狂発言。
最近野田氏は、最近北方領土の2島返還「馬鹿も休み休み言え」 と語っています。本当に消費税増税狂のバカにこのようなことは言われたくはないです。最近、偽装右翼などといわれていますが、野田氏こそまさに偽装右翼の名にふさわしい人物かもしれません。

民進党のほとんどは、増税狂であり、例外はほんの一部です。金子洋一元参議院議員は、増税狂ではないのですが、残念ながら今年の夏の参院選で落選してしまいました。あと増税狂でないのは、馬渕氏くらいなものです。

他の議員はことごとく幹部も含めて、増税狂です。そうして、かつての民主党政権は単なる財務省に使い捨て政党でした。これについては、このブログにも以前掲載したことがあります。
臨時国会も安倍政権VS財務省 民進党の本音は消費増税優先か―【私の論評】元々財務省の使い捨て政党民進党にはその自覚がない(゚д゚)!
参院本会議で、民進党の蓮舫代表の代表質問を
聞く安倍晋三首相(左奥右)=28日午前
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、民進党が民主党として政権を担っていたときに、財務省の使い捨て政党であったことを示す内容を以下に引用します。


"
民進党と財務省といえば、民進党が民主党だったときの民主党政権の最後の、2012年の野田総理による衆院解散に関して、当時みんなの党の代表であった渡辺喜美氏が会見で興味深い話をしていました。その動画を以下に掲載します。


この動画の7:30あたりのところから、渡辺氏が記者になぜこのタイミングでの解散になったのか、問われて以下のように話しています。
「これは、財務省の路線そのものなのであって、とにかく新製権で、予算編成をしたいと・・・。旧政権でつくった予算をグタグタにされるのは困るという財務省の路線が、そっくりそのまま、野田総理を動かしたというだけのことですね。 
党首会談をやったときに、もう自分は財務省に見放されているということを、はっきりと言っていました。その見放された総理が、最後まで財務省路線に乗っからざるをえないと、まあー、非常に情けない内閣ですね」。
後は、ご存知のように野田佳彦氏は財務省の意向を反映した自民党が提案した消費税増税を法定化して民主党政権が壊滅する道を突き進みました。これは、本当に理解に苦しみます。民主党は政権交代直前の選挙の公約では「民主党が政権の座についている間は増税しない」としていました。

民主党政権というと、蓮舫氏による事業仕分けが有名ですが、蓮舫氏がどうして専門知識を有する官僚を「公開処刑」できたのかというと「仕分け人」たちは、財務省が作った“極秘の査定マニュアル”に基づいて発言、追及していたからです。

要するに行政刷新会議の概算要求の無駄を洗い出すという「事業仕分け」は、「政治主導」ではなく、「官僚主導」のパフォーマンスだったのです。何のことはない、官僚官僚の手の上で踊ったに過ぎなかったのです。法的にも何の権限もなく本格化する財務省の査定の下馴らしとPRをしただけだったのです。 
"  
現在の民進党の議員のほとんどは、増税推進派で、経済や財政について語るときは、まるで財務省のスポークスマンのようです。民主党政権だったときの、民主党は上記の事実でもわかるように、財務省の使い捨て政党です。その性質は昔から変わらず、現在もそうであり、将来も継承続けていくことでしょう。

一方自民党はどうかというと、これも民進党と同じように、財務省の影響下にあったのは間違いないです。というより、自民党でも安倍総理が、衆院を解散してまで、財務省に反旗を翻して増税を阻止して、真正面からわたりあった最初の総裁ということになります。

自民党も民進党の財務省の使い捨て政党というところまではいかないものの、同じように財務省の影響下にあって、財務省にはなかなか正面切って逆らえなかったというのが実体です。

ただし、今の自民党は、安倍総理と一部の安倍総理に近いブレーンが財務省と渡り合っているだけであって、他の自民党議員はなかなか財務省に諜略されているか、諜略されないまでも正面切って逆らえないというのが実体です。

例えばかって小泉純一郎元首相は在任時に「景気が回復すると構造改革ができなくなる」と明言していました。これは、平たくいうと、構造改革をするためには、金融緩和や積極財政はしてはならないということです。これでは、まるで財務省のスポークスマンのようです。

そのためでしょうか、財務省がかつての日銀を含む大蔵省であったときから、日本では本来金融緩和をすべきときに、金融緩和どころか、金融引き締めを行い、積極財政をすべきところを緊縮財政を行なうといことで、失われた20年という不毛の時代を招いてしまいました。

大蔵省が、財務省と日銀に分離された後も、この政策はしばらく温存され、日銀が金融緩和に転じたのは、2013年のことです。そのため雇用は最近に至るまで、一環して良くなって今います。ところが、財務省は、積極財政をするどころか、結局のところ8%増税をするという失策を行い、経済は低迷しました。

実際に8%増税は、大失敗だったことは統計数値をみれば明らかなのに、民進党は先ほど述べたように、ほとんどが増税狂です。

しかし、自民党でも安倍総理とこれに近いブレーンは別として、ほとんどの議員は金融政策の意味や、財政政策の正しい運用の仕方を理解してないか、理解していたとしても、財務省に正面切って逆らえないでいるようです。

財務省にとって消費増税が自己目的化していますから、それに貢献する政治家たちもすべて消費増税のための手段でしかないのです。なんといっても財務省的な経済政策観をもつ政治家やそうでなくても、財務省に逆らえない政治家が今の日本の政治家のほとんど占めているといのが実情なのです。

ちなみに自民党の中の「ポスト安倍」と目されている人たち、たとえば、稲田朋美防衛大臣、小泉進次郎衆議院議員、石破茂衆議院議員らの過去の発言をみれば、消費増税ありきの財政再建主義か、もしくは金融政策中心のデフレ脱却への懐疑的であったり批判的であることが明瞭です。


稲田大臣は、先の再延期の前には「消費税をまず1%引き上げる」案をだしていましたが、そもそも消費増税を経済が低迷しているときになぜ増税にそこまでこだわるのか、その背景についての説明は全くありませんでした。最初から消費引き上げ自体を目的とした発言としか思えません。

そうして、小泉議員はより深刻です。先の再延期のときの報道を読むかぎりでは、消費増税先送りへの懐疑的な態度にくわえて、親譲りなのでしょうか、とにかく社会保障の見直しなどで、倹約という視点しかありません。景気循環的な発想が全くありません。増税延期が決まった直後の、「延期するけれども決まっていた(社会保障)充実策はやるというなら、こんなおいしい話はない。そんなおいしい話に若い人たちはだまされない」と発言にはほんとうに驚いてしまいました。これでは、まるで財務省のスポークスマンであり、経済・財政などに関しては、民主党議員とほとんど変わりありません。


むしろ消費増税は積極的に先送りすることで、経済成長を安定化させ、そこで財政再建(社会保障制度の積極的な拡充)も実現していくべきなのですが、その手の発想は過去の発言をみるかぎり皆無です。石破議員は、デフレ脱却を金融政策中心で行うと高いインフレに帰結するなど副作用の可能性を指摘してきました。

石破茂氏
いずれも財務省の消費増税路線やその背景にある財政再建主義や税と社会保障の一体改革という考え方に親和的です。とりあえず代表的な三者をあげたのですが、さきほど指摘したように他の政治家もごく少数を抜かして同じ考えです。

今の日本では、安倍総理自身と、その身近な一部のブレーンたちのみが、政治家の中では、財務省と渡り合えるだけの、力量を持っているだけです。そうして、稲田朋美氏のように、安倍総理の身近な一部のブレーンと目される人ですから、この有様なのですから、本当に自民党内に安倍総理の経済に関する考え方を理解しつつ、財務省と対等に渡り合える人材が自民党総裁になれるまで成長を待たなければ、ポスト安倍の後は、安倍としか言いようがありません。

もし、そうしなければ、日本経済はまたデフレ・スパイラルのどん底に沈み、せっかくの金融政策の効果も台無しになり、雇用はずたずたになり、若者はまた異様な就活で苦しむことになります。自殺者も増えることでしょう。

今回の総裁任期の延長は、経済や財政などとは関係なく、おそらく政治的駆け引きや、派閥の均衡などでそのように決まったのでしょうが、いずれにしても当面の日本経済のことを考えた場合、良い選択であったと言わざるを得ません。

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2016年10月24日月曜日

電通東大卒女性社員自殺 一般家庭出身社員へのしわ寄せ―【私の論評】日本人を駄目にする悪魔企業電通は使うな、入るな、入れさせるな(゚д゚)!

電通東大卒女性社員自殺 一般家庭出身社員へのしわ寄せ

電通本社ビル

 《男性上司から女子力がないだのなんだの言われるの、笑いを取るためのいじりだとしても我慢の限界である》--。そうツイートした5日後、彼女は社員寮4階から身を投げた。

大手広告代理店「電通」社員の高橋まつりさん(当時24才)が昨年12月25日に自殺。9か月後の9月30日、労災が認定された。

以下《》内は、彼女が残したLINEやツイッターの一部だ。

《神様、会社行きたくないです》(10月4日)

《土日も出勤しなければならないことがまた決定し、本気で死んでしまいたい》(11月5日)

《今から帰宅だが、どう見積もっても時間が足りないぞ?》(12月9日午前4時)

過重労働が極限状態に達していたことがうかがえる。

「遺族の弁護士の集計によれば、残業時間は昨年10月が130時間、11月が99時間。ただし、“70時間を超えてはいけない”という上司の指導で、会社へは10月は69.9時間、11月は69.5時間と過少に申告させられていた」(大手紙社会部記者)

高橋さんを追い込んだのは残業だけではなかった。

《部長(中略)「髪ボサボサ、目が充血したまま出勤するな」「今の残業量で辛いのはキャパがなさすぎる」わたし「充血もダメなの?」》(10月31日)

前出の《女子力がない》もそうだが、疲れ切った体に追い打ちをかけるパワハラに、高橋さんの心も悲鳴を上げていた。

《死にたいと思いながらこんなストレスフルな毎日を乗り越えた先に何が残るんだろうか》(12月16日)

高橋さんが所属していたのはインターネット関連の広告を扱う部署で、人手不足のうえに厳しいノルマが課されていた。加えて、電通では社員同士の酒宴の準備も新入社員が担当し、司会や余興に先輩社員がダメ出しをしていたという。

「それらは高橋さんにとってとても“嫌な仕事”だった」(代理人弁護士)

実際、自殺した12月25日には年納めの飲み会が予定されていた。この問題に詳しいノンフィクションライターの窪田順生氏は、電通の“体育会系ノリ”の企業風土が高橋さんを追い込んだ可能性が高いと話す。

「先輩社員たちには“オレができたことをお前ら若い連中はなぜできないんだ”という思想が蔓延している。電通マンにとって“朝まで接待で飲んで吐いて、そのまま会社でプレゼン”が日常風景で、そんな地獄の日々を生き残った一部の社員が上司になり、下にもそれを強要する。“オレが新入社員の頃はもっと酷かった”と言って、さらに追い込むのです」

しかも高橋さんは、こうした過重労働やパワハラの“被害”を受けやすい立場にあったという。

「電通には大手企業幹部の子息や中堅オーナー企業の跡継ぎが多い。それはその企業から広告を取りやすくするためで、有力者の子供を入社させること自体が“営業活動の一環”といえる。親の七光りで入ったボンボンたちは仕事ができないことが多い」(社員)

上司たちが彼らに過酷な残業をさせたり、パワハラで追いこんだりすることはほとんどないという。

「親に告げ口されると大変なことになるので、働かせすぎないし、厳しく指導もしない。でも、誰かが仕事をしなければいけないから、そのしわ寄せは“有力者の家柄”ではなく、実力で厳しい採用試験を通ってきた一般家庭出身の社員にいく。結局、一部の人が何倍も働くことになるんです」(別の社員)

高橋さんは彼女が中学の時に両親が離婚し、母親に女手ひとつで育てられた。

「彼女は“お母さんを楽にしてあげたい”という一心で勉強に励み、東大に進学しました。東大でも成績は優秀で、すごくできる人だった」(知人)

※女性セブン2016年11月3日号

【私の論評】日本人を駄目にする悪魔企業電通は使うな、入るな、入れさせるな(゚д゚)!

上の記事、高橋まつりさんのことや、電通という会社の体質を伝えていますが、これは本当に電通という企業のほんの一面を伝えているに過ぎません。

では、現実の電通はどのような会社かといえば、一言でいえば、「悪魔企業」とでも形容したくなるようなおぞましい姿です。

悪魔のイラスト
電通は、単体では世界最大の約1兆4千億円の年間売上高を誇る広告代理店です。(株)電通は、社員約5700人を抱えるメディア・政財界に巨大な影響力をもつ企業です。日本ではトヨタも日産もマツダも電通、家庭電器でも東芝、松下、日立、サンヨー、ソニーが、揃って電通に広告を任せています。

電通は、広告面を買い取るのではなく、上半期や下半期という単位で紙面を買い切り、それを広告主に売り捌くやり方で、完全におおもとから利権を掌握しています。さらにこの事自体が広告で経営が成り立つマスコミからはタブー視され、電通に関しては表立った報道がされることはありません。

これが日本のマスメディアの異常な状況の現況となっています。まずは、マスメディア、特にTV報道の質が低いという事実厳然たる事実があります。これは世界的にも言える事なのですが、特に日本のマスメディアの質は諸外国と比較してこの上なく低いです。

その理由として、先ずはマスメディアの支配構造に目を向けることが必要不可欠です。以下に、現状の電通によるメデイア支配の図式を掲載します。


すでに知っている方にとっては取るに足らないあまりにも当たり前の話ですが、マスメディアを下支えしているのは所謂「スポンサー」と呼ばれる企業群で、TV関連事業は視聴者の視聴料では無く、このスポンサーの広告料を得ることで成立しています。

スポンサーが番組の合間に出す広告が「CM」であり、番組の視聴者に自社の商品/サービスの認知を図り、購買意欲を喚起することが目的です。

そしてその「CM」の製作を請け負っている企業が「電通」です。そうして、現在のマスメディアはこの「電通」によって支配されているのです。

この事実を知らない方が、このようなことをを聞くと、CM制作会社ふぜいがマスメディアを支配することなど出来る訳が無いだろう、思われるかもしれません。

しかし、マスコミ業界の全体の構造を見れば、そのような構造になっていることが誰にでも理解できると思います。

そうして、電通は日米政府の世論形成をするため、日本国内で権力を振るうとてつもない、怪物のような存在にすらなっています。以下にその図式を掲載します。


では、電通がなぜそしてどのようにそれを実現するための「権力」を得るに至ったかをそ

その前に、そもそも「権力」とは何かということを掲載します。

人間は誰しもが、まずは自らの生命を維持すること、できることを前提としてさまざまな活動をしています。まずは、これが保障されなければ、人は誰でもその他のまともな活動はできません。この前提は、人類に共通する行動基盤であり、国や人種を問いません。

そして人間はこの「生命維持」を脅かす可能性のある存在に畏怖の念を抱き、これに本能的に従おうとします。私は、この従属行動を呼び起こす存在が「権力」であると考えています。

生命維持を脅かすモノとは、古くは「暴力」でした。力の強いものが弱いものを自分の通りに動かす、自分の思う通り動かなれば、生命を奪うってしまう。このような単純な原理から物理的な「強さ」を持つ人間に、殺されまいとする恐怖心から、これに屈服せざるを得ないという状況に追い込まれました。

しかし、現代社会においてはその形を変え「カネ」がその役回りを演じています。

文明が進み法が整備されるにつれて、暴力は悪であるという社会通念が形成され、暴力による直接的な生命の奪取という危険性は、一部を除き大幅に減少したようにもみえます。しかし、本質的には今も暴力が支配しているのかもしれません。しかし、今の社会では多くの人々がその本質に気づかいように巧妙にその事実は隠蔽されています。

現代社会においては、衣食住が生命維持の基盤であり、これを実現するには「カネ」が必要不可欠です。現代人が「カネ」への影響力を持つ個人、或いは集団を、イコール「権力を持つモノ」と考えるのは至極当然のことです。

またその権力を形成する要因として、別の視点から見ると、もう一つ大切な要素があります。それは「情報」です。

例えば会社組織のような比較的小規模なヒエラルキーの中でさえ、一般社員<管理職<役員<社長という順に取得できる情報は増加します。

情報を他者よりも多く持つ人間は様々な場面において、自らが得た情報を駆使し、的確な判断が出来るようになります。ところが、情報を持たない人間はそれが出来ず、様々な場面で誤った判断をしてしまい、場合によっては「死」に繋がる事もあります。

以上の事を考えると、権力とはすなわち「カネと情報」この双方を持つ個人、或いは集団に与えられる「見得ざる力」であるといえます。

では、次に、電通が何故マスメディアを支配可能なほどの権力(カネと情報)を手中に収める事が出来たのでしょうかこの点について考えてみます。

これを考えるにあたって以下の2点について掘り下げる必要があります。
電通の収益源とは 
電通の歴史とは
最初に電通の収益源について説明します。彼らの収益源は、先に記した「CM制作」のみにとどまりません。

TV番組側が提供する広告枠についても、電通が仲介役となりスポンサー企業に対しその枠が売り渡されます。今の日本ではこの仲介の殆どを電通が取り仕切っているのです。TV側はスポンサー企業からの広告収入で成り立っています。

そのため、お客様であるスポンサー企業の不祥事等をTVで流すことは、ビジネスの性質上困難です。

震災後、東電の問題体質をTVニュースがほとんど言及しかったのも、これらの図式から考えれば当然の事であり、「ジャーナリズムはカネの力で圧殺される」という事態に陥るのも必然なのです。

そして、電通が仲介役を独占しているという事実から、実はスポンサー側もTV側も電通に頭が上がらない状況となっているのです。

本来単なる広告代理店に過ぎなかった電通は、は広告代理市場の独占するような企業に随分前からなっていました。そうなると、電通に嫌われると企業は広告を出しづらくなりますし、そうなればTV側も収益源が絶たれてしまうといった図式を作り上げることに成功したのです。

このように、スポンサー/TV側のそれぞれの生命維持活動に必要な「カネ」の流れを、この電通が握るという図式を作り上げ、事実上電通こそがこの3角関形のトップに君臨する存在(権力者)となったのです。

そして、電通はスポンサー企業とTVメディアそれぞれの情報を握る立場にあり、まさに「カネと情報」からメディアを支配しているのです。今回の、電通東大卒女性社員自殺のような不祥事は以前からあったのですが、これがTVニュースで過去にはほとんど見る機会がなかったのも、このような図式によるものです。

この図式では、例えば電通が知り得た情報を自由に操って、彼らにとってデメリットとなる報道内容の規制や、スポンサー企業のプロパガンダをTV番組に流させる、という事さえも可能なのです。

彼らの商売の本質であるビジネスモデルが理解いただけただけたでしょうか。

では電通のビジネルモデルをご理解いただいたところで、次は歴史的観点から、電通が権力を握るに至った経緯について考えてみます。以下に電通の歴史を掲載します。


電通の歴史は古く、それは明治時代にまで遡ります。

日本電報通信社は、1907年に日本広告株式会社を併合して誕生しました。誕生当初は、「広告業と通信業をセットで」行っていました。これは、世界史における通信社の歴史と同じです。

世界初の通信社は、フランスのアヴァス(後のAFP通信)だと言われています。ロスチャイルドが情報を操作して、資産を大きく膨らませていた時代に誕生しました。このアヴァスからロイター通信などが生まれました。ロイター通信は、後のイギリス諜報部(MI6)の母体となりました。

アヴァスは、同時期に登場していた新聞社に、情報を売っていくようになりました。新聞社はアヴァスがもたらす情報によって、紙面を生めることが可能になったのです。

しかし、新聞社が通信社を頼る度合いが強まると、通信社に払う金が嵩み、通信料を払えないという事態が頻発しました。そこでアヴァスは、通信料の換わりに、広告枠を引き受け、広告を出そうとするスポンサーからカネを取るという手法を編み出したのです。
これを初期の電通も踏襲しました。このことは、紙面のほとんど全てを電通が握ってしまったことを意味します。新聞社(メディア)に絶大な権力を持ったのも当然でした。

以下に電通の歴史をたどります。

●通信社の一本化
満州事変の際には、国策によって国内の通信社が一本化されました。これは、政府・軍部が国内の情報統制をやりやすくするためでした。この結果新聞総合社の広告部門が電通に、電通の通信部門が新聞総合社(→同盟通信)に吸収されました。
●戦時中
同盟通信は南方の通信機器の独占使用や対外謀略放送の任務を軍部から託され、事実上軍部の国策の手足となって大本営発表を流し続けていました。一方で、日本電報通信社(電通)は、広告のノウハウを生かして占領地で特務機関まがいの活動を行っていたとされ、軍部と密接な動きを見せていました。
●分かれてはいるが、根っこは一緒の電通・共同通信・時事通信
戦後の財閥解体の流れを受けて、同盟通信社が共同通信と時事通信に分割現在の、電通、共同通信、時事通信になりました。これらの会社は3つの会社に分かれているのですが、起源は一緒で、しかも、電通、共同通信、時事通信は、互いの株を持ち合っているのです。
●日本中に張り巡らされた電通人脈
一方で、日本電報通信社は戦前の準特務機関としての性格を生かし、政府・GHQに食い込むことに成功しました。1947年、新社長に「鬼十則」で有名な吉田秀雄が就任すると、この動きはさらに加速しました。
吉田は満州や上海から引き上げてきた、旧軍人・満鉄関係者を電通に大量に採用しました。彼らは広告のノウハウを持っていたわけではなく、電通で実質的にフィクサーとしての活動を行っていました。大陸人脈や政財界との近さ、そしてCIAとの関係など、彼らはミニ児玉・ミニ笹川の集団だったと表現しても過言ではありません。 
1951年に公職追放が緩和・解除されると、電通の旧軍人・満鉄関係者が続々と政財界に復帰していきます。このようにして、電通人脈が日本中に張り巡らされていったのです。 
1952年に、自民党・吉田茂から政党PRを依頼されてから、政府筋と電通との癒着は、決定的となりました。
●アメリカのプロパガンダ手法を取り入れた電通
この社長吉田秀雄は、戦後の「大電通」を確立させた功労者だと言われます。電通の「フィクサー化」だけに留まらず、アメリカ式広告法(プロパガンダ手法)の導入などの、電通近代化を推し進めました。
●テレビ放送を巡る暗闘 電通vs正力
1951年には民放ラジオ放送局が続々と発足し、発信し始める。ウラで糸を引いていたのが、電通・吉田秀雄だった。彼は、未経験の領域への進出を渋る新聞社を説得して、ラジオ局を設立させた。現在でも先発放送局に電通の所有株が残っています。 
その一方で、CIAのエージェントとして読売新聞を全国紙に押し上げた正力松太郎が「民間テレビ放送」作りに奔走しました。電通・吉田にとっては、これは自らの主導権に他する重大な挑戦でした。そこで、新聞社、電電公社などを使って猛烈な反対攻撃を浴びせました。 
しかし、1953年にテレビ放送が開始され、正力松太郎の日本テレビが民間テレビ放送第一号となりました。 
ラジオ防衛線に失敗した電通・吉田は、次の手としてTBSとそのネットワークを使って、日本テレビのイニシアティブを退ける試みに挑戦しました。この結果、日本テレビと東京放送(TBS)の競争が激化していきました。 
こうして、アメリカ発日本弱体化のための世論支配は
CIA→正力→読売・日本テレビ
アメリカ政府→アメリカ広告業界→電通→TBS
という形でスタートしました。
しかし、電通のメディア支配力が強まり、今や読売・日テレでさえ逆らえない状況にあります。 
「アメリカによる日本のマスコミ支配」を考える際に、その中核にいるのが『電通』という一企業だということになります。
ただし、アメリカによる日本マスコミの支配という図式の中のアメリカとは何を指すのでしょうか。実は、このように日本を弱体化しようという勢力がアメリカの全部ではないのです。それは大きな部分を占めています。

しかし、他方別のアメリカもあります。それはアメリカの保守層です。アメリカ保守層は、日米が戦争したのは間違いであるし、その決断をしたルーズベルト大統領が当時のソ連と組んだことが、歴史上の大きな間違いだったとしています。

実は、このような保守層は、アメリカの半分くらいはいると推測できるのですが、アメリカのマスコミの実に90%がリベラル・左派に押さえられてしまっているので、アメリカ保守メディアは10%程度に過ぎません。米国の保守の声は圧殺されいてます。

この状況は酷いもので、 日本では電通がメディアを支配していることもあって、日本人の多くはアメリカの現実の半分しか知らないし、その半分をアメリカの全体だと思ってしまっています。そうして、電通電通を介して行われる日米による世論形成における、米国とはこの保守層ではなく、アメリカのメディアで大勢を占めるリベラル・左派ということです。

この文脈で電通や、アメリカを見なければ、事実を見誤ります。

しかし、現在は、従来と異なり、電通による情報力とカネによる優勢性は下がっています。何しろインターネットが台頭してきています。このメディアに関しては、さすがに電通はもとより、他のどんな巨大組織であっても、いかなる権力をもってしても、制御したり操作することはできません。例外中国ですが、その中国だって現在でも、完璧に制御しきれてはいないですし、いずれ機能不全に至るのは目に見えています。

電通東大卒女性社員自殺が、10ヶ月程遅れたとはいえ、テレビでも報道されるようになり、しかも、電通に対する強制捜査が行われたということは従来なら考えられないことです。

これは、アメリカのリベラル・左派による戦後体制がほころびつつあることの証左であるものと思います。

今は権勢を誇り、驕り高ぶっている電通ですが、この状況はこれから未来永劫にわたって続くことはないです。

なお、電通の実体を掲載している動画を以下に貼り付けておきます。



今回の記事と併せてご覧いただけますと、電通に対する理解がさらに深まります。この動画でも、述べていますが、電通には極端に働く社員層と、極端に働かない社員層があります。

極端に働く社員層とは、たとえば、高橋まつりさんのような一般家庭の出身者です。極端に働かない社員層とは、著名・有名人・社会的地位の高い人達の師弟です。

高橋まつりさんは、極端に働かない社員たちの犠牲になったのです。このあたりは、厚生労働省あたりもしっかりと調査をして、明るみにだしていただきたいものです。

そうして、悪魔企業電通を弱体化するために、私達としては、日本人を駄目にする悪魔企業電通は、広告媒体としてなるべく使うな、雇用先として最悪の電通には入るな、入れさせるなという方針を貫くべきでしょう。

広告媒体として使わないということは、現在では大企業には無理なのかもしれません。しかし、大企業の日本に占める割合は数%にすぎません。その他多くの星の数ほどある中堅企業や中小企業などは電通など直接にも間接的にもつかわずに、新興インターネット媒体などを使うべきです。

就職を考える学生やその親たちも、絶対に電通を就職先に選ぶべきでもないし、選ばせるべきではありません。一般家庭出身の人であれば、電通に入ってしまえば、奴隷のように働かされるだけです。

電通に師弟を入れた著名有名人・社会的地位の高い人達は、来高畑淳子のように公開の臍を噛むかも
著名・有名人・社会的地位の高い人達の師弟も、電通に入るべきではありません。入って、10年もすれば、他社では使いものにならなくなってしまいます。単なる馬鹿に成り果てて、社会に不適応な人間になるだけです。

自分たちの子どもや孫を電通に入れるべきではありません。電通に子どもを人質にとられると、自分の仕事や事業に支障がでるかもしれません。何よりも、自分たちのこどもが、いわゆるバカ息子、バカ娘になる可能性が高まり、バカ息子にはバカ嫁が、バカ娘にはバカ婿が来ることになり将来に大きな禍根を残すことになります。

このようなことを地道に続けていけば、電通はやがて姿を消すか、姿を消さないまでも、悪魔ではなくなり、普通の企業になることでしょう。電通が普通の企業になり、まともにイノベーションできる組織になれば、それはそれで良いことです。しかし、今のままでは日本人にとって良いことは一つもありません。

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2016年10月23日日曜日

【衆院ダブル補選】東京10区は小池百合子氏支援の自民・若狭勝氏が勝利 福岡6区は鳩山邦夫氏の次男が分裂選挙を制す―【私の論評】知事選等で野党勝利でも国政レベルでは何も変わらない(゚д゚)!

【衆院ダブル補選】東京10区は小池百合子氏支援の自民・若狭勝氏が勝利 福岡6区は鳩山邦夫氏の次男が分裂選挙を制す

 7月の参院選後、初めての国政選挙となる衆院東京10区と福岡6区の補欠選挙は23日、投開票が行われた。東京10区は自民党前職の若狭勝氏(59)=公明推薦、福岡6区は無所属新人で前大川市長の鳩山二郎氏(37)の当選が確実となった。

 補選は8月に発足した第3次安倍再改造内閣、9月に就任した民進党の蓮舫代表にとっても初の国政選挙。16日投開票の新潟県知事選で与党系候補が敗れ、いったんは遠のいたとみられた衆院解散だが、今回の2補選での勝利で再び「解散風」が強まり、首相の背中を押す可能性もある。

東京10区補選候補者
 東京10区補選は、7月の東京都知事選で転身した小池百合子知事の議員失職に伴って行われた。都知事選で自民党の方針に反して小池氏を支援した若狭氏だったが公募の結果、党公認として出馬。民進党新人の鈴木庸介氏(40)との事実上の一騎打ちとなった。若狭陣営は、小池氏が頻繁に応援に入ったほか、安倍晋三首相や公明党の山口那津男代表も応援に駆け付け、終始優位に選挙戦を進めた。


 福岡6区補選は、鳩山邦夫元総務相の死去に伴い実施。自民党からは、邦夫氏の次男の二郎氏に加え、県連が推す蔵内謙氏(35)も出馬。党本部は候補者の一本化を図ったが、不調に終わって両氏の公認を見送った。二郎氏が当選したことで、党本部は追加公認する方針だ。民進党は新人の新井富美子氏(49)を擁立したが及ばなかった。

 野党は両補選とも民進党候補に一本化し、共産、自由、社民各党が支援。共産党は野党共闘を進めるためとして、擁立する予定だった公認候補を取り下げていた。


【私の論評】知事選等で野党勝利でも国政レベルでは何も変わらない(゚д゚)!

上の記事では、「16日投開票の新潟県知事選で与党系候補が敗れ、いったんは遠のいたとみられた衆院解散だが、今回の2補選での勝利で再び「解散風」が強まり、首相の背中を押す可能性もある」とありますが私は新潟知事選挙に関しては国政選挙である衆院選には最初から影響は全くなかったと思います。
それも、安倍晋三首相の解散戦略だけでなく、今後のエネルギー政策についても、ともに国の政策なので、地方選で左右されるものでは全くありません。

エネルギー政策に関しては、新潟県知事選では、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働問題が争点となり、県民の過半が再稼働に慎重だったので、米山氏に風が一気に吹いたのでしょう。

原子力行政について、実は与党と野党との政策の差はあまりありません。ほとんどの政党は脱原発という方向性は同じで、そのスピードに差があるという程度に過ぎません。

エネルギー政策は、原発即ゼムというのでなければ、現状の政府と方向性は同じ
先の参院選での公約を見ても、自民党は原発依存度を下げ、安全性の確保を前提として原子力規制委員会に認められたものを立地自治体の理解を得て再稼働を進めるという立場です。

民進党は「脱原発」ですが「原発即ゼロ」とは言ってはいません。

公明党は原発新設を認めず、原発ゼロを目指すとしていますが再稼働については自民と同じです。日本維新の会は「原発フェードアウト」、共産党や生活の党などは「原発即ゼロ」という具合です。

では、米山氏はどういう考え方だったのでしょう。米山氏は10年ほど前に政界に入ったのですが、当初は自民党でした。その後、維新に移り、維新が民進党に吸収され、今回は無所属での出馬でした。維新は脱原発の方向ですが、原発即ゼロという立場ではなく、民進も原発即ゼロではありません。

原発即ゼロでない限り、再稼働は、安全確保の上で原子力規制委員会が認めたものを地元自治体の理解を得て行うという政府方針と大差がありません。

新潟県の場合、前任の泉田裕彦氏は再稼働に慎重で、県の「技術委員会」もあり、福島第1原発事故を独自に検証しています。泉田氏は「福島事故の検証と総括なしには再稼働の議論はしない」という立場で、米山氏もそれを踏襲すると考えられます。

そうした科学的見地からの意見が出てくるのは県民のために望ましいことです。それらが県の見解となって、政府判断における「地元の理解」を形成することになるのでしょう。

衆院解散は、安倍首相の専権事項です。安倍首相自身が国会において「ない」と否定しました。そもそも地方固有の話と国政は別物です。そして米山氏が原発即ゼロでない限り、再稼働に慎重という意味では与党方針と大差はないのです。

新潟県知事選で勝利し、万歳する米山隆一氏(右)=16日夜、新潟市
新潟県知事選で与党候補は、こうした「慎重判断」の流れを理解しないまま、県民に支持されていた泉田県政を批判したことで、昔ながらの行政をすると見切られて敗北したのでしょう。

いずれにせよ、新潟知事選挙は地元の事情を反映したものに過ぎず、国政レベルでは元々何も変わらなかったとみるべきです。

これについては、公明党の斉藤鉄夫選対委員長も同じようなことを語っています。16日夜、同日投開票された新潟県知事選で自民、公明両党が推薦する前長岡市長、森民夫氏の敗北が確実となったことを受け、斉藤委員長は「県民生活向上に向けた森候補の訴えが十分に浸透せず残念だ。支援くださった皆様に心から御礼申し上げる。国政への影響はないと考えている」との談話を発表していました。

これに関しては、沖縄も同じことです。野党も沖縄を即独立させよなどと言っているわけではありません。民進党等が沖縄独立を主張するというのなら別にして、そうでない限り、結局のところ沖縄の基地問題など、「地元の理解」を得ながら、辺野古への基地移転をはかるということですから、沖縄の知事やその他の自治体の首長がいかに反対しようとも、野党も結局「地元民の理解」を得ながら基地移転するなどの選択肢しかありません。

沖縄県民で独立賛成派は1%に過ぎない
沖縄の防衛に関する県民意識調査
そもそも地方自治体レベルで、安全保障を考えるなどということは、それこそ江戸時代の幕藩体制に戻るということであり、それはどう考えても成り立ちません。単なるアナクロニズムであり、どんな理屈を持ってしても、これを沖縄県が考えるようにするとしたら、沖縄が独立して一つの国となり、その国において考えるということでなければ、成り立ちません。

これは、あの鳩山由紀夫氏の「勉強すれば勉強するほど、沖縄の米海兵隊の重要性がわかってきた」という発言からみても、明らかです。いくら地元の自治体等が騒いだにしても、野党も政府とは全く異なった見解を持っているように装ったにしても、結局国政レベルでは安全保障の責任は政府が持つものであり、地方自治体が担うものではないという原則は、動かすことはできず、結局政府と同じようなやり方になるし、もし野党が沖縄独立を主張したりすれば、それこそ、国政選挙では大きなマイナスになるだけです。

結局、仮に野党が政権をとった場合、現政府と同じようなやり方しかできません。そのようなことはわかりきっているのに、野党はエネルギー問題でも、沖縄基地問題、安全保障でも、政府と全く異なった見解を持っているように装っているだけです。

このあたりに目覚めず、沖縄問題をことさら大きく扱う野党は、共産党のように万年野党になるか、選挙で負け続けるだけになり、いずれ社会党のように消えてなくなります。

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2016年10月22日土曜日

トランプ氏の支持率上昇、クリントン氏に4ポイント差まで迫る―【私の論評】驚天動地の急上昇の背景には何があるのか、日本はどう対処すべきか(゚д゚)!


10月21日、ロイター/イプソスが発表した米大統領選に向けた支持率調査によると、共和党候補の
ドナルド・トランプ氏の支持率が上昇した。写真は同日、ノースカロライナ州で演説するトランプ氏
ロイター/イプソスが21日発表した米大統領選に向けた支持率調査によると、共和党候補のドナルド・トランプ氏の支持率が上昇。トランプ氏による女性へのセクハラ疑惑などが取り沙汰されているにも関わらず、民主党候補ヒラリー・クリントン氏との差を縮めた。

調査は14─20日、全米50州で有権者1640人を対象にオンラインで実施。クリントン氏の支持率は44%、トランプ氏は40%となった。7─13日に実施された調査ではクリントン氏が8ポイントの差をつけていたが、そのリードは半分に縮まった。

また、今回の調査からは、トランプ氏が過去に女性に対するわいせつ行為を働いたと考えているとの回答が63%に達したこともわかった。

【私の論評】驚天動地の急上昇の背景には何があるのか、日本はどう対処すべきか(゚д゚)!

この驚天動地の急上昇の背景には何があるかといえば、大きく言って2つの事柄があると考えられます。

まず一つ目は、ヒラリー候補が大統領になった場合、おそらく現オバマ大統領の政策が継承され、あまり変わりがないことが予想されるということです。

アメリカではオバマ大統領の評判は地に堕ちています。日本で例えると、それこそオバマ大統領にルーピーと呼ばれた、鳩山元首相よりもまだ酷いというような感覚です。

ここで、オバマの失政を振り返っておきます。

2011年12月にオバマ大統領は、イラクから米軍を撤退させましたが、その時期があまりに早すぎました。この判断によって、中東はさらに混乱することになりました。そもそも、イラクからの撤退はオバマにとっては2008年大統領選挙戦略の切り札の一つでした。同年の大統領選では、「イラク戦争反対を表明していた唯一の有力候補」として、自己PRに全面的に使い、厭戦気分が高まっていたアメリカ国民の心を捕らえました。

 2012年アフガニスタンに向かう米軍兵士たち
大統領就任後、オバマは、アルカイダとの戦いの「主戦場」と位置づけるアフガニスタンに米軍をシフトさせるという大きな方針を掲げます。同時にイラクの都市部から戦闘部隊を撤収、郊外の基地に再配置するとともに、「2010年8月末までにイラク駐留の主力部隊の撤退を開始し、2011年末までにイラクから完全撤退する」という出口政策のシナリオを打ちたてます。

実際、このシナリオ通りにイラクからの撤退が進んでいきました。2011年末というイラク撤退日程は、12年選挙でのオバマ自身再選を後押しする “手柄”の一つにしようという狙いもありました。

さらに、2014年5月には、「アルカイダは相当部分掃討した」として、アフガニスタンからの米軍撤退期限も2016年末に設定することを発表しました。このアフガン撤退の2016年末という日程は、オバマ政権の8年間のフィナーレの時期です。「イラク・アフガン戦争の完全終結」は、オバマ政権の華々しい最大の遺産(レガシー)がとなるはずでした。しかし、イラク早期撤退の代償として、ISISが台頭するという事態を招いてしまいました。

ISISはシーア派色の強いマリキ政権に反発するスンニ派の住民も味方につけ、勢力を拡大させてきました。イラク情勢がさらに不安定化すれば、米軍の再び軍事介入する可能性も高まります。

アフガン撤退を遅らようとする意見も既に次第に大きくなっています。オバマ政権の「イラク・アフガン戦争の完全終結」までのこれまでのシナリオは完全に崩壊しました。

拘束されたアメリカ人5人がイランによって開放されたことを伝えるCNNのニュース
さらに、核武装を目指すイランに弱腰な姿勢をとったことも、5人のアメリカ人がイラン当局に拘束されたことを受けて、16年1月に4億ドル(約408億円)の金を秘密裏に支払ったのも大失敗でした。

8月になってそれが明らかになったときは、多くのアメリカ人が憤激したはずです。これによってオバマはアメリカ人を人質にすれば多額の身代金を得られるという、悪しき前例を作ってしまったようなものです。共和党は、4億ドルの金がシリアのアサド政権に流れる恐れもあると批判していましたが、本当にその通りかもしれません。

移民制度改革を発表したオバマ大統領
そうして、さらに酷いのはオバマ大統領が不法移民に対して寛容な措置をとったことです。確かにアメリカは「移民の国」です。アメリカの「建国の理念」に賛同する移民たちが、アメリカに活力を与え、発展させてきたというのは事実です。しかし、アメリカは断じて「不法移民の国」ではありません。

にもかかわらず、オバマ大統領はアメリカ国内に1100万人いるとされる不法移民の強制送還免除を目的とした「移民制度改革」まで打ち出したのです。もしこの法律が施行されていたとしたらアメリカ生まれの子を持つ親など不法移民の約500万人に合法滞在が認められる可能性がありました。

結局はテキサス州などアメリカの26州が「大統領の権限を逸脱している」として提訴し、米連邦最高裁の判断が真っ二つに分かれ、米連邦高裁の「移民制度改革は無効」との判断が維持されたことにより、この政策は何とか食い止めることができました。しかし、オバマ政権下の8年間で不法移民が増えたのは事実です。それが治安の悪化など、アメリカ国内で現在大きな問題になっています。

さらに、ここでは詳細は述べませんが、ウクライナ問題でも煮え切らない態度を取り続けたオバマは、結局ロシアのクリミア併合を許してしまいました。

このような失政続きのオバマです。オバマと同じく民主党のクリントン候補が大統領になった場合、このような外交政策が継承される可能性が大きいです。これに関しては、多くのアメリカ国民が懸念を抱くのは当然のことです。

二つ目には、このブログにも何度か掲載したように、アメリカのメディアは非常に偏っていて、そのほとんど9割がリベラル・左派勢力に握られており、保守派は1割に過ぎないという実体があるということです。そのため、日本でも報道されるアメリカは、アメリカのメディアによるものがほとんどで、多くの日本人はアメリカの半分しか知らないというのが実情です。

米大統領選の第3回テレビ討論会で司会を勤めた米FOXニュースのクリス・ウォーレス氏
この状況は、日本国内の状況にたとえると、産経新聞は存在せず全部の新聞がリベラル・左派新聞であり、保守派新聞は、テレビなどのマスコミもほとんど全部がリベラル・左派であり、唯一FOXニュースだけが例外で保守であるという状況です。

この状況ですから、米国内では民主党のクリントン候補に対して肯定的に、共和党のトランプ氏に対しては否定的という傾向があります。だから、米国ではトランプ氏に否定的な報道が多くなるのは当たり前といえば当たり前です。

これに関しては、以下の動画をご覧いただくとさらに良くご理解いただけるものと思います。


これに関しては、トランプ氏自身も以前から懸念を述べていました。米西部ネバダ州ラスベガスで今月19日開かれた米大統領選の第3回テレビ討論会では、司会は保守系の米FOXニュースのクリス・ウォーレス氏が務めました。FOXニュースから大統領候補討論会の司会者が出るのは初めてのことです。トランプ氏は過去の討論会で、CNNテレビなどリベラル派の司会がクリントン氏の味方をしていると不満を漏らしていました。

ウォーレス氏は告発サイト「ウィキリークス」の流出メールで、クリントン氏が環太平洋経済連携協定(TPP)など自由貿易に前向きな姿勢を示していたことを追及。トランプ氏が「ありがとう」と応じる場面もありました。

今回のトランプ氏の支持率の上昇は、最後のテレビ討論会の司会者がFOXニュースのクリス・ウォーレス氏だったことや、このままではアメリカは大変なことになると考え焦燥感を抱いた保守層が、以前よりもより積極的に大統領選挙に関与するようになったからと考えられます。

アメリカ大統領選に関する報道で、日本のメディアは盛んに「アメリカは内向きになっている」という報道を続けています。

確かに各候補者は、外交問題ではなく国内問題に関して主張する機会が多かったのですが、だからといって、アメリカが内向きになっているというわけでもありません。というより、アメリカは「原点回帰」をしようとしているとみるべきです。

典型的なリベラルの発言を掲載した共和党派によるfacebookの写真
現在、アメリカには歪な「米国型リベラリズム」はびこっています。これは、多くのまともなアメリカ人なら誰もが感じていることでしょう。そうして「米国型リベラリズム」の象徴がオバマ大統領であり、民主党なのです。

だからこそ、メディアではほとんど報道されないものの、現実には半分を占める、保守層はリベラリズムをたたき潰して、強いアメリカを取り戻そうとしているのです。

「原点回帰」の動きはアメリカだけの話ではありません。ヨーロッパでも同様の動きが起きています。イギリスの欧州連合(EU)離脱もその象徴といえるものと思います。

イギリスは財政破綻や難民問題など、ヨーロッパが抱える問題に巻き込まれることに嫌気がさし、EU離脱の道を選んだのです。

この動きはまさに「原点回帰」です。だからといってイギリスが内向きになっているかといえば、そんなことはありません。イギリスはEU離脱で国境をはっきりさせただけです。

そうして、共和党の大統領候補であるドナルド・トランプ氏も同様の考えを持っているようです。彼が不法移民について激しく批判しているのも、国家の破壊につながりかねない、うさん臭いグローバリズムにはうんざりしているからです。

しかし、ニューヨーク・タイムズ紙やCNNなど、民主党の広告塔といっても過言ではないアメリカのリベラル・左派メディアは、トランプ氏の考えが気に入らないようです。トランプ氏が共和党予備選挙に出馬して以降、ずっと批判を続けてきました。

日本のメデイアもこれに右にならえであり、同じく最初からトランプ氏を色物、際物として色眼鏡で見た報道を繰り返してきました。

米国の「リベラルメデイアの顔」。多くの日本人は彼らの主張が
アメリカの主流であると信じて疑わないが、彼らの主張は
アメリカの半分しか現していない。クリックすると拡大します。
しかし、現時点でもトランプ氏が大統領になる可能性は捨て切れません。にもかかわらず、上の動画にもあったように、安倍総理はクリントン氏とは会談したものの、トランプ氏とは会談していません。

もし、トランプ氏が大統領になったとしたら、現在の日本ではトランプ氏と全くパイプも何もない状態で、アメリカとの外交をしなければならないことになります。

さらに、ヒラリー氏が大統領になったとしても、ヒラリー大統領が代表するのはアメリカの半分にしか過ぎないどころか、もっと小さいかもしれないことを認識すべきです。

議会は、今でも共和党のほうが多数です。そうして、忘れてならないのは、アメリカ大統領は平時においては、世界で最も権力のないリーダーであるということです。

多くの人は、アメリカでは大統領に権限が集中していると勘違いしているようですが、実はそうではありません。なぜこのような勘違いがはびこったかというと、第二次世界大戦中の大統領などを思い浮かべからでしょう。

アメリカでは、総力戦のような戦争になると、戦争を遂行するために、権力が大統領に集中する仕組みになっているのです。だから、多くの人は戦争中のアメリカの大統領を思い浮かべ、アメリカの大統領は強大な権力を持っていると勘違いしているのでしょう。しかし、平時の大統領はアメリカ議会の承認がなければ何もできません。さらに、平時のアメリカでは司法がかなり強い権力を握っています。

トランプ氏が大統領になれなかったにしても、それに対する反動として議会はさらに共和党の勢力が強くなる可能性が十分ありますし、今でも共和党のほうが多数派です。

そうなると、日本も保守層とのパイプを持っておく必要がありますし、私達も、アメリカの報道に関しても、アメリカや日本のリベラル・左派的なものだけではアメリカの半分しか知ることが出来ないことを認識して、FOXニュースや弱小なその他のアメリカ保守メディアに注目していくべきでしょう。

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2016年10月21日金曜日

【痛快!テキサス親父】日本は予算不足の国連に「アメとムチ」で対応せよ―【私の論評】腐れ組織国連抜本的組織改革をしなければ何も成果をあげられない(゚д゚)!


国連は、一般企業なら破綻必至だぜ
 ハ~イ! みなさん。

 先週に続き、俺が「無用の長物」と言い続けている国連について書くぜ。

 国連の2016年の通常予算は25億4900万ドル(約2640億円)なんだが、このうち11億8900万ドル(約1230億円)の分担金が加盟国から支払われていないという。率にして約47%にもなるんだ。

 加盟国193カ国中、2月の期日までに全額支払った国は27カ国しかなく、10月半ばまでに、やっと104カ国が払ったっていうんだから、「システム自体がまともに機能していない」と言えるよな。今年の不足分は、昨年に比べて1億3600万ドル(約141億円)も増加しているという。

 一般企業ならリストラに取り組むだろうが、国連は米ニューヨークと、スイス・ジュネーブ、オーストリア・ウィーン、ケニア・ナイロビなどに事務所を持ち、職員数は約4万4000人のままだ。慢性的な資金不足(=太り過ぎ)なのに、官僚体質のせいかダイエットする気もない。経営破綻、必至かもな。

 国連の分担金だが、国民総所得(GNI)の世界合計に対する比率を基準として、3年ごとに見直される。日本の負担率は16~18年、10%を切って9・68%となったが、依然として、米国(22%)に次ぐ2位だ。日米両国だけで31・68%、8億3100万ドル(約860億円)も支払っている。

 日本はこのほか、PKOやWHO(世界保健機関)、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)などに、毎年、1000億円程度を支出している。国連常任理事国の中国やロシア、フランスよりも、世界のために多額の資金を出している。

 それなのに、日本を対象にした国連憲章の「敵国条項」は削除されていない。朝日新聞が慰安婦問題の大誤報を認めたが「慰安婦=性奴隷」との認識を決定づけた国連のクマラスワミ報告書(1996年)は撤回されていない。米国人の俺でも「ふざけるな!」と思うぜ。

 日本政府が先日、ユネスコへの分担金など計約44億円の支払いを留保していることを明らかにした。ユネスコが昨年10月、「南京事件」関連資料を世界記憶遺産に登録したことに対抗したようだ。よくやった! 日本はもっと、「アメとムチ」で対応すべきだぜ。

 さて、俺の新著『テキサス親父の大予言 日本は、世界の悪を撃退できる』(産経新聞出版)が20日出版されたぜ。日本国が素晴らしい文化や伝統を守るために、周囲の野蛮な国にどう対処すべきかをまとめてある。ぜひ、読んでほしい。

 親愛なるみなさんと、日本と米国に神のご加護がありますように。

 では、また会おう!

 トニー・マラーノ 

【私の論評】腐れ組織国連抜本的組織改革をしなければ何も成果をあげられない(゚д゚)!

トニー・マラーノ氏

冒頭の記事、トニー・マラーノ氏のは、本当にもっともなことで、そもそも国連は何の成果もあげていないということがいえます。

さて、国連も公的機関であることには変わらず、やはりいずれの国の官僚組織にみられるように、機能不全に至っています。

さて、この国連を含めた公的機関について、ドラッカー氏が興味深いことを語っています。
公的機関が成果をあげるようにすることは容易でない。しかし、公的機関が成果をあげないようにすることは簡単である。6つの罪のうちどの2つを犯しても、成果は立ちどころにあがらなくなる。今日、公的機関の多くが6つの罪のすべてを犯しているが、その必要はない。2つで十分である。(『日本 成功の代償』)
 これは、1980年、ドラッカーが「パブリック・アドミニストレーション・レヴュー」誌に寄稿した論文の一文です。『日本 成功の代償』に収載されているのですが、日本の公的機関についてだけ書いたものではありません。世界中の公的機関が抱える問題を論じていくます。その中には当然のことながら、国連などの国際機関も含んでいます。

ドラッカーは、公的機関が成果を上げないようにするための第1の方法は、目的として、「保健」や「身体障害者福祉」などのあいまいなスローガンを掲げることであるとしています。
この種のスローガンは、設立趣意書に書かれるだけの値打のものであり、いかなる趣旨のもとに設立したかは明らかにしても、いかなる成果をあげるべきかは明らかにしないからである。
確かに、国連も設立の趣旨は明らかにしても、いかなる成果をあげるべきか明らかにしていません。今後10年以内に何をどの水準にするとか、何をどの程度なくすなどの具体的な目標を聴いたことがありません。

第2の方法は、複数の事業に同時に取り組むことです。優先順位を決め、それに従うことを拒否することです。優先順位がなければ、努力は分散するだけとなります。

国連は、まさにいくつもの委員会があり、複数の事業に同時に取り組んでいます。巨大な組織ですから、いたしかたないところもありますが、それにしてもあまりにも多くの委員会や部会や、組織まであり、何かはやっているようであるのですが、では具体的に何をどうしたのか、あるいはこれからどうするのか全く見えない組織です。

第3の方法は、「肥満が美しい」とすることです。ドラッカー氏は痛烈です。
金で問題の解決を図ることは間違いだと言われる。だが頻繁に目にするのは、人手で解決を図ることである。人員過剰は資金過剰よりも始末に負えない。
これも、国連にぴったりとあてはまります。上の記事でトニー・マラーノ氏は、「国連は米ニューヨークと、スイス・ジュネーブ、オーストリア・ウィーン、ケニア・ナイロビなどに事務所を持ち、職員数は約4万4000人のままだ。慢性的な資金不足(=太り過ぎ)なのに、官僚体質のせいかダイエットする気もない」と述べています。

第4の方法は、実験抜きに信念に基づいて活動することです。ドラッカーは、これについて以下のように語っています。
初めから大規模にやれ、改善はそれからだといのが今日の公的機関に一般的に見られる態度だ。
これもまさに、国連に当てはまります。本来は、どこかの国の何かを改善することに狙いを定めて、いくつか優先的な施策を実行し、それが成功すれば、それを手本として、様々な国々の事情にあわせて適用するというような方策をとれば良いものを、初めから大規模に実行して、何やら成功しているようなしていないような、成果の見えない状況に至っています。

第5の方法は、経験から学ぼうとしないことです。
何を期待するかを事前に検討することなく、したがって、「結果」を「期待」にフィードバックさせないことである。
これも国連によく当てはまります。そのため、まともなフィードバックもありません。

第6の方法は、何ものも廃棄しないことです。もちろん、この方法によれば、ほとんどただちに成果を上げなくなることができなくなります。
政府機関であれ民間機関であれ、公的機関はすべて不滅の存在と前提している。馬鹿げた前提である。そのような前提が、公的機関をして成果をあげなくさせている。
廃棄とは、もはや必要でなくなった事業やシステムなどをやめることです。ドラッカー氏は真にイノベーティブな企業は、これを定期的・体系的に行っていると語っています。確かに、いつまでも古いものにしがみついている組織は、成果をあげることはできません。しかし、国連ではそのようなことは滅多に行われません。

ドラッカー氏
こんな腐れ組織は、廃棄すべきときであると思います。なぜなら、国連は最早役にたたないだけではなく、悪を成す組織に堕ちたからです。たとえば、上の記事にもあったように、ユネスコが昨年10月、「南京事件」関連資料を世界記憶遺産に登録していますがこれは、中国が申請したものであり「南京大虐殺文書」登録がされています。

そもそも、中国の主張する数十万にも及ぶ「大虐殺」など、単なるフィクションに過ぎません。中国や台湾などの日本や他の先進国のように正規軍を数十万人以上投入した、会戦など経験をしたことがないので、正規軍が数十万人虐殺するということはどういうことなのかをまともに想像することすらできず、ファンタジーでこのな虚構をつくりあげ信じ込んでいるとしか思えません。このくらいの規模以上になれば、まともに考えれば、ナチスドイツの行ったような方法でなければ、到底不可能です。

それに、このブログでも以前述べたように、南京における蒋介石らの責任はいまだにそのまま放置されています。これは、どう考えても理不尽としか言いようがありません。

これについては、以前このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
「尖閣は台湾のもの?」“二重国籍”蓮舫新代表が知っておくべき日本と台湾の対立点―【私の論評】南京・尖閣問題で台湾は決して親日ではない(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に南京事件に関する部分を引用します。



日本軍の南京入場
『南京事件』は当時の新聞に、国民党軍(現在の台湾軍)が南京を去るとき8万人の市民を犠牲にした、と記載しています。南京虐殺の真実は、南京では通常の戦闘ではなく、異常な戦闘が行われたということです。 
なぜ、異常な戦闘になったかといえば、国民党政府軍軍事委員長・蒋介石が戦いの途中で麾下の数万の兵士を置き去りにして高級将校とともに南京から逃げたからです。この時蒋は督戦隊を残して逃亡しています。 
督戦隊とは、逃げる兵士を撃ち殺す部隊のことです。そのため、南京市内の国民党軍兵士は逃げるに逃げられなかったのです。 
1937年(昭和12年)12月13日に日本軍は南京城に入城しました。当時毛沢東の共産党軍は南京にはおらず、大陸中国の奥地を逃げまわっていました。日本軍は開城を勧告したが応じなかったというか、司令官も存在せず督戦隊が存在したので、国民党軍兵士は降伏することができませんせんでしたので攻城戦となりました。 
そうして、日本軍に包囲され、指揮官を失い、逃げ道を失った彼らは、投降するより軍服を脱ぎ捨てて便衣を着て民間人になりすましたのです。南京入した日本軍は、脱ぎ捨てられたおびたたしい数の国民党軍の軍服を発見しました。
日本軍は当惑しました。南京市内には一般市民がいる。彼らと便衣を着て、一般市民になりすましている便衣兵とを見分けるのは難しいです。 
結局当時の中支那方面軍司令官の松井石根大将は、便衣兵の掃蕩作戦を行わざるを得ませんでした。そうして、掃蕩した便衣兵の中には、一般中国人が含まれていた可能性は否定できません。ただし、この人数が20万人〜30万人というのは、虚構にすぎません。 
松井石根大将は、この事件のため戦後に極東軍事裁判において死刑になっています。しかし、この事件の大元の責任者である、蒋介石と高級将校たちには、いっさい何の罪にも問われていません。 
南京に蒋介石が残っていたら、あるい蒋介石ではなくとも、高級将校が一人でも残っていて、日本軍に降伏していたら、あるいは南京の国民党軍がはやめに全員が南京から逃れていたら事態は混乱せず、日本軍が便衣兵を処刑する必要もなかったはずです。 
この所業は、どこの国においても、とんでもない敵前逃亡です。国民党としては、この事実を隠蔽したかったのでしょう。すべての責任を日本軍押し付け「日本軍による市民大量虐殺」という虚構を作り出し、今に至っています。 
蒋介石らの責任を問うこともなく、日本が南京市民を数十万人も虐殺したという途方もないデマにすぎない「南京大虐殺文書」を世界記憶遺産に登録したのが、ユネスコです。このような事を平気でするのが、ユネスコです。日本に対して、このようなことをする組織ですから、他でもどのような悪さをしているかわかったものではありません。

南京事件の最大の責任者である蒋介石
このような悪に染まった組織は、廃棄すべきです。国連をまともにするには、まずは、この国連という組織そのものを解体すべきです。そうして、現在よりもはるかに小さな組織(現在の1/100以下の組織)として、この組織は新しい国連があげるべき成果を徹底的に検証し、その成果に沿った、目的・目標・アクションプランを明確にして、実際のアクションは自分たちがするのではなく、公募制にすべきです。

世界各地のNGOやNPOが新しい国連の公募に応じることができるようにして、実績のある組織を優先して、新しい国連はこれらを慎重に選ぶようにすべきです。そうして、実行させてみて、期限内になかなか成果を挙げられないようなNGOやNPOは容赦なく切り捨てるような方式で、新しい国連の事業を運営すべきです。

このようにしたほうが、はるかに大きな成果をあげられる可能性が高まります。とにかく、今のままの腐れ組織では結局何も成果をあげられません。

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