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2017年6月14日水曜日

加計問題で法案審議が停滞 内閣府に負けた文部科学省の“遠ぼえ”より建設的な議論を ―【私の論評】森友・加計問題では馬鹿と悪意ある人間をあぶり出せた(゚д゚)!

加計問題で法案審議が停滞 内閣府に負けた文部科学省の“遠ぼえ”より建設的な議論を 

会見で負け犬の遠吠えをした前文科次官前川氏 写真はブログ管理人挿入以下同じ
国会の会期について、1~2週間の延長論が出ている。背景には、加計学園問題で重要な法案の審議が進んでいないことがある。

 その1つは「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案だ。同改正案が衆院を通過したのは先月23日である。今月18日の会期を10日程度延長すれば、成立はほぼ確実になるだろう。

 政府が延長を小幅にせざるを得ない理由は、連立を組む公明党が、東京都議選を優先するためだ。今月23日告示、7月2日投開票という日程への影響を最小限度にとどめたいという意向もうかがえる。

 野党が加計学園の追及を強めているからだというのはあくまで野党の言い分に過ぎない。本コラムで何度も書いたように、「総理の意向」はなく、単に規制緩和論争で内閣府に負けた文部科学省の“遠ぼえ”といえ、国会審議に費やす時間がもったいないくらいだ。

 組織犯罪処罰法改正案について、自民、公明、日本維新の会は、法案の一部を維新による提案(取り調べの可視化やGPS捜査の制度化への検討)を受けて修正している。一方、民進党や共産党などは強硬に反対している。

 野党やマスコミは「共謀罪」と呼ぶが、「共謀」は英語では「conspiracy」で、海外にも存在する概念である。それを罰する法制度があるのが通例だ。ところが、日本ではなかったので作ろうというのがそもそもの発端だ。

 反対派の言い分は「一般人が対象になり得る」「警察などの捜査権限が拡大し、公権力による監視が強まる」というものだ。一方、賛成派は、そうした懸念も分かるので、弊害を少なくして、海外並みに「共謀」を罰する法制度を作るというものだ。

 反対派の懸念は、統計学でいうところの「第一種の過誤」という。警察が何か証拠をつかんであわてて逮捕してみたら犯罪に無関係な人ということで、「あわてんぼうの誤り」ともいわれている。

 統計学でいう「第二種の過誤」は、警察がうかつにもテロリストを見逃してしまうもので、「ぼんやりの誤り」という。

表はブログ管理人挿入
何もしない前提では、「あわてんぼうの誤り」と「ぼんやりの誤り」はトレードオフ(二律背反)の関係だ。「あわてんぼうの誤り」を小さくしようとすると、残念なことに「ぼんやりの誤り」が大きくなってしまう。

 これに即して言えば、反対派の主張は、一般人の冤罪(えんざい)逮捕は絶対防がなくてはいけないが、そのためには多少テロリストを見逃してもいいと聞こえる。

 ここは、一般人の冤罪逮捕とテロリストの取り逃がしという両方のリスクを減少させるように、種々の対策を提案すべきである。維新の修正はその理にかなっている。民進、共産なども反対だけではなく、一般人の冤罪逮捕のリスクを減少させ、テロリストも見逃さないような対策も提案すべきではないか。

 意味のない加計学園問題の追及より、そうした建設的な議論をしてもわらないと国民としても困る。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】森友・加計問題では馬鹿と悪意ある人間をあぶり出せた(゚д゚)!

加計問題では、このまま安倍官邸が圧勝で終わるのは間違いありません。民進党がいくら頑張っても、もうこれだけは変えようがありません。

それは、以下のようなことから最初からあまりにもはっきりしすぎています。

それは、以下の文書を分析すれば、明らかになります。
①2015年6月8日国家戦略特区ワーキンググループ議事録(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/hearing_s/150608_gijiyoushi_02.pdf) 
②2015年6月29日閣議決定(文科省部分、http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu22/siryo/__icsFiles/afieldfile/2015/09/02/1361479_14.pdf) 
③2016年9月16日国家戦略特区ワーキンググループ議事録(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/h28/shouchou/160916_gijiyoushi_2.pdf
しかし、マスコミも民進党などの野党もなぜかこの文書に関しては全く言及しません。だから、この問題がいたずらに長引いているのです。民進党も、新聞などのメデイアもこの文書を最初に読めば、いわゆる『加計問題』などもともと存在しないということを十分理解できたでしょう。

加計問題の本質は、これら3つの文書を読めばすぐに理解できてしまいます。

まず①と③を読むと、内閣府・特区有識者委員と文科省(農水省)による規制緩和議論は、前者の規制緩和推進派の完勝であることがわかります。

②の閣議決定では、要求されている獣医学部新設の需要見通しについて、許認可をもち需要見通しの挙証責任がある文科省が、まったくその役割を果たせていないことが分かります。しかも、②では、2015年度内(2016年3月までに)に獣医学部の新設の是非について検討するという期限が切られているのですが、それすら文科省は守れていないことがわかります。

これでは、文科省の完敗です。加計問題に係る規制緩和の議論は、課長レベルの事務交渉で決着がついてしまっていたののです。総理の参加する諮問会議の前にこれだけ完膚なきまでに文部省は負けてしまい、さらにはその無能ぶりまでさらけ出してしまってるのです。この問題のいずれかの過程で「総理の意向」が出てくる余地はまったくありません。

仮に総理が、何とか"加計学園に獣医学部を"などと秘めた思いを持っていたとしても、その思いを誰に伝えなくても、もうこの時点で、文部省の負けは誰の目にも明らかっだったことがわかります。

院決算委員会で加計学園問題について答弁する安倍首相(5日午後、国会で)
だから、総理が「総理のご意向」なるものを、総理自身が誰かに伝えるなどという重大なリスクをおかしてまで、加計学園に獣医学部をもってくることをゴリ押しするというのは、あり得ないことです。

にもかかわらず、マスコミは、あの文科省文書が本物かどうかに焦点を当てています。おそらく本物であっても、それらが作成されたのは2016年9月後半ですから、文科省への宿題の期限(2016年3月)の後になり、しかも、③が作成された(2016年9月)後でもあります。

結局勝負のついた後に、文科省は言い訳を言っているだけにすぎないです。「文書」にある「総理の意向」という文言は、文科省側のでっち上げです。それ以前に文部省は完敗しています。この内容をみると、前川氏をはじめとする、文科省官僚の根性の悪さも明らからになったと思います。まったく潔くないですし、この時点で「総理のご意向」をでっちあげたとして、それが何になるのか、全く理解不能です。小さな子どもが駄々をこねているようです。

駄々をこねる子どもに対応するには、子どもの気持ちに共感することが大事だそうですが、こと規制改革に関しては安倍総理もそうして、我々国民も文科省官僚の気持ちに共感することはできません。

駄々をこねる子どもには共感するのが大事なのだが、官僚には共感できない
上の文書を読めば、「総理の意向」など入り込む余地がないことはすぐにわかります。にもかかわらず、マスコミも民進党などの野党もこの文書を読んで分析したのかどうかはわかりませんが、いずれににせよあまりに無責任です。

結局、無理筋であるはずの「総理の意向」という点にこだわり、思い込みで間違えてしまった民進党は、森友学園問題のときと同じように、何も影響を与えられないまま、またしても空回りして終わります。

共謀罪反対デモに参加する蓮舫代表
こんなざまでは、民進党はまともに「テロ等準備罪」なども議論できないでしょう。民進党は、森友問題、加計問題、テロ等準備在の審議過程などで、国民の目の前に、無様な自分たちの無能さ加減をさらけ出し今後もますます衰退していくことでしょう。

森友・加計問題では、一見何も良いことはなかったようにも思えますが、見方によっては、馬鹿と悪意ある人間をあぶり出したということでそれなりに意義があったものと私は、思います。

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2016年12月29日木曜日

【日本の解き方】1人当たりGDPが世界20位 ドル建てに一喜一憂不要だが、デフレによる経済停滞は深刻―【私の論評】来年も、馬鹿や政局利用のための経済珍説に騙されるな(゚д゚)!

【日本の解き方】1人当たりGDPが世界20位 ドル建てに一喜一憂不要だが、デフレによる経済停滞は深刻

日本の1人当たり名目GDP推移およびBRICs各国の水準(2015年)比較と円/米ドルの
為替レートの推移(期間 : 1960年~2015年)グラフはブログ管理人挿入以下同じ
 内閣府は22日、2015年の日本の1人当たり名目国内総生産(GDP)がドル換算で3万4522ドルだったと発表した。これは、経済協力開発機構(OECD)加盟35カ国中20位にあたる。ちなみにGDPの総額では世界3位だ。

 基本的なことであるが、GDPについておさらいしておこう。GDPは一国の経済活動を付加価値ベースで明らかにする統計だ。名目値のままの名目GDPと、物価上昇を考慮し、それを除いた実質GDPがある。

 これらには「三面等価の原則」がある。生産面、分配面、支出面の3方向からみた値は同じで、分配面からみたGDPは、おおざっぱに言えば国民の所得の総額である。こうしてみると、1人当たりの名目GDPは、平均的な国民の名目所得といえる。


 こうした議論は自国通貨建てでは重要な意味がある。ドル表示でGDPが少なくなった、多くなったという議論は、所得をドル表示で見て、少なくなった、多くなったという議論と同じである。日本国内の法定通貨は円であるので、いくらドル表示で所得が少なくなっても、逆に増えても国民生活には直接的には関係がない。

 この意味で、そもそも自国経済を議論するときに、GDPや1人当たりGDPの他国通貨表示には意味はない。また、GDPがドル表示で少なくなっているという問題意識は、円高指向ともいえる。円高は円がドルに対して相対的に少なくなることで起こるが、モノに対しても相対的に過小になっていることが多く、デフレ指向にもなる。

 以上のことから、ドル建ての1人当たりGDPの数字をみて、一喜一憂するのはあまり意味がない。しかし、長い目で、その推移をみると、一定のインプリケーション(意味合い)がある。

 というのは、円高になると、形式的にドル建ての名目GDPは大きくなるが、その一方で円高・デフレで名目GDPを減少させている場合が少なくない。短期的には、前者のほうが大きいが、長い目でみれば両者はかなり相殺されるとみられる。ということは、長い目でみたドル建ての1人あたり名目GDPの推移、特に国際比較した日本の順番には一定の意味があるといってよい。

 1990年前後、日本の1人当たりGDPはOECD加盟国中トップクラスだった。ところが、失われた20年で、その地位は徐々に低下してきた。

 他の先進国で日本ほど順位を下げた国はなく、これは日本だけがデフレで経済成長が停滞した証しだろう。

 しばしば、この失われた20年間の要因として人口減少が挙げられるが、世界各国でみると人口と1人当たりGDPとの間には明確な相関がないことから、人口の要因ではなく、デフレというマクロ経済運営の失敗であった公算が大きい。何度も本コラムで指摘しているように、デフレ克服が日本経済再生のカギとなる。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】来年も、馬鹿や政局利用のための経済珍説に騙されるな(゚д゚)!

上の記事を簡単にまとめると、国民1人あたりのGDPは短期で、ドル建てで他国と比較することは意味がないのですが、長期みると意味があるということです。その例として、日本は他の先進国と比較する順位を下げていますが、その原因は日本だけが長期デフレで経済成長が停滞したということです。

そうして、人口と1人あたりGDPとの間には相関関係はないということです。それは、以下のグラフをみても良くわかります。


上のグラフは、人口の増加率と1人当たりのGDP伸び率を示したものですが、両者の相関係数は0.09であり、全く相関関係はありません。人口減が、デフレの原因などとする見解はまったくあてはまりません。

さて、ドル建ての1人あたりのGDPの数字をみて、一喜一憂するのはあまり意味がないという格好の事例があります。その事例を以下に示します。

以下は、韓国の中央日報の記事です。
日本の1人当たりGDP、OECD加盟国で20位に下落…韓国が追い越す可能性
2016年12月23日09時31分  [ 中央日報日本語版]
日本の1人当たり名目国内総生産(GDP)が3年連続で減少したことが分かった。

22日、内閣府は2015年ドルで換算した日本の1人当たりGDPが3万4522ドルと集計されたと明らかにした。

これは、昨年より9.6%も下落したもので、2013年以来続いている減少傾向から抜け出すことができなかった。

日本の1人当たりGDPを経済協力開発機構(OECD)加盟国の他国に比べると、35カ国の中で20位だ。OECD加盟国のうち2位だった2000年に比べれば、15年間で18段階も下落した。

このように、日本の1人当たりGDPが次第に落ちているのは、物価の下落やデフレーションが長引いているためだとみられる。しかも、円安が進んでドルで換算した1人当たりGDPがより低下した。

これを受け、韓国が1人当たりGDPで日本を追い越す可能性があるという見通しも出ている。国際通貨基金(IMF)は、韓国の1人当たりGDPが2020年に日本と同様の水準である3万6000ドル台に増加するものと見込んでいる。特に、購買力平価(PPP)基準に1人当たりGDPは2018年に4万1966ドルと、日本の4万1428ドルを追い越すとの予想を明らかにした。

一方、昨年韓国の1人当たりGDPは2万7200万ドルと、OECD加盟国のうち22位となった。
ドル換算による日本、韓国、米国の一人あたりGDPの推移
韓国は、昨年OECD加盟国のうちで22位になっていたことをもって、日本を追い抜くかもしれないとしています。ひよっとするとそうなるかもしれません。しかし、ここで冷静に分析すれば、最近はウォン高、円安の傾向が著しいので、このようなことが起こっているだけであって、別に韓国経済が著しく成長しているとか、日本経済が著しく停滞しているということもありません。

もし、来年韓国の一人あたりのGDPが、日本のGDPを追い越すことがあれば、それは韓国経済が致命的な打撃を受けたという証左になるだけであり、韓国経済の好転を意味することにはならないでしょう。

韓国経済は昨年から断末魔の状況にありましたし、今年に入ってからもその状況は変わらず、とんでもない状況です。やはりドル建ての1人当たりの短期のGDPの推移をみて、一喜一憂するのは全くの間違いであることがわかります。

さらに、もう一つ事例があります。

それは、民主党政権時代と安倍晋三政権を比べて、ドル建ての1人当たりGDPで民主党時代の方が良かったという愚かな言説もありましたが、これはまったく意味がありません。なにしろ、日本人は円で生活しており、1人当たりの円建て名目GDPは安倍政権の方が高いです。安倍政権の方が民主党時代より経済パフォーマンスが良いのは、失業率などの雇用指標をみても明白です。

それは、以下のグラフを見ても容易に理解できることです。

f:id:kibashiri:20141118161710p:image

ドル建てによる、GDPの短期(数年)での国際比較は、あまり意味を持たないということです。これだけをもってして、経済に関する主張をすることは、全くの無意味であるということです。そんなことよりも、過去20年近くにもわたって、日本がデフレだったことのほうが、余程大問題です。

今年も、あとわずかになりました。来年も、また新たな手口で、政局利用や馬鹿による経済珍説が続々と出てくるでしょう。何しろ、今の日本では政治家も官僚も、メディアも、経済で大嘘をついても、全く責任も取らないし、取らされもしません。だから、無責任で出鱈目を放言し放題です。そうして、それを頑なに信じこむ人々も大勢います。私たちは、騙されないように、お互いに気をつけましょう。

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2016年12月20日火曜日

中国が抗議…空自「妨害弾」の真実 オスプレイ報道も疑問 ジャーナリスト・桜林美佐氏が迫る―【私の論評】日本のマスコミ、翁長知事、民進党は中国スパイでなくて馬鹿であって欲しい(゚д゚)!


那覇基地からスクランブル発進する、航空自衛隊のF15戦闘機
 

中国軍機6機が10日、沖縄本島と宮古島の間を通過した際、航空自衛隊のF-15戦闘機がスクランブル(緊急発進)した。当然の防衛行動だが、中国国防省は「空自機が『妨害弾』を発射して安全を脅かした」と発表し、日本政府は「事実と異なる」と反論・抗議した。日本に迫る危機について、ジャーナリストの桜林美佐氏が迫った。

「クリーピング・エクスパンション」とは、ほふく前進でいつの間にか敵の陣地を奪うことをいう。中国がまた歩を進めてきた。

沖縄での件について、中国が主張する「妨害弾」が、何を指すかは不明だ。仮にミサイルを欺瞞(ぎまん)するフレアが発射されたとしても、それは危険回避のための措置であり「防御弾」と言った方がいいだろう。

防衛省はフレア使用を明白にしていない。ハッキリしているのは、現場空域で、中国機がかなり危険なことを仕掛けてきていることと、あらぬ言い掛かりをつけてきていることだ。

気になるのは「戦闘機にはパイロットが乗っている」という当たり前のことを、国民が忘れているのではないかということだ。危険にさらされているのは鉄の塊ではなく、生身の人間なのだ。

連日のように、中国軍などによる恫喝(どうかつ)を受けて、命のやり取りをしているのだとしたら、どのような精神状態だろうか。案じる理由は、日本独特のいびつな状況にある。

防衛ジャーナリストになる以前の桜林美佐氏
元戦闘機パイロットで、航空自衛隊南西航空混成団司令を務めた佐藤守・元空将は「万が一、沖縄県・尖閣諸島上空で、『領空侵犯事態』が起きた場合、どうすべきかが問題です」という。

今回のスクランブルを「領空侵犯機」への対応と捉えるような記事の見出しが散見されるが、正確ではない。自衛隊はあくまでも「領空侵犯を阻むための措置」をしているのである。

しかし、一線を越えられてしまっても、法的には撃墜はできないことになっている。安全保障法制論議でも忌避された法的不備を、政治はどうするつもりなのか。

佐藤氏は「毅然として、列国空軍と同様の対応を取ることが必要です。中国の戦闘機が反抗してきたなら撃墜することです。必ず撃墜しなければ相手がつけ上がるばかりです」という。

そのための法的根拠がなければ、国の意志が示されないことは言うまでもない。責任まで現場に丸投げは許されない。

さらに、ひどいのは一部マスコミだ。

まさに一触即発の防空がなされている最中、空自基地で情報管理のために通話記録を任意で集めたとして、批判的記事が出ていたのには驚いた。

沖縄で不時着したオスプレイ
 沖縄でのオスプレイ事故も、米軍パイロットは乗員の命を守り、沖縄県民も被害に遭わせない、ギリギリの操縦をした。熊本地震の救援にも駆け付けた人物という。報道は批判一色で、同盟国の軍人に対する、お見舞いの言葉も見られない。中国には数日後にやっと抗議したのに、米軍にはすぐに苦言を呈した。

一体、日本の置かれた状況を分かっているのだろうか?

【私の論評】日本のマスコミ、翁長知事、民進党は中国スパイでなくて馬鹿であって欲しい(゚д゚)!

現在の日本の対応は、領空侵犯前に所属不明機等が防空識別圏に侵入した場合は戦闘機が緊急発進し、所属不明機に張り付きます。同時に、無線と戦闘機による警告が実施され領空侵犯が確実と場合は警告射撃を行い、強制着陸をさせます。

実例として、1987年12月9日に発生した対ソ連軍領空侵犯機警告射撃事件があります。この時は領空侵犯機がTu-16J型機でしたが、堂々と沖縄上空を飛翔しています。

領空侵犯の時点で迎撃に上がった航空自衛隊第302飛行隊所属のF-4EJ戦闘機2機の内1機が警告射撃を実施していますが効果はなく、悠々と空域を離脱したそうです。

このようときのロシアのTu-16Jように警告に従わず、領空を侵犯する所属不明機を撃墜するような規定は日本にはありません。

ただし、攻撃されは場合は、その限りにはありません。たとえば、国籍不明機が武装して1直線に原子力発電所に向かっている状況があれば防衛大臣は総理大臣に報告して決断を迫ることになるでしょう。

総理大臣が、防衛出動を命じて撃墜と同時に解除してしまえば国会承認は必要ありません。自衛隊法では防衛庁が政府に出動の承認は求める必要性はあるものの、出動の可否は求めていません。

中国機が明らかに日本のいずれかの場所に攻撃を加えることが明らかな場合は、内閣総理大臣の責任において、無論反撃することは可能ではあります。

緊急事態に決断力のない総理大臣を筆頭とする軟弱な内閣が現れない事を祈るしかありません。いずれにせよ、おそらく、映画「シンゴジラ」での官邸でのやりとりのような事が行われてからようやっと動くということになると思います。


この映画を観ていたとき、官邸の頓珍漢な動きに、周りで視聴していた多くの人から笑い声が巻き起こりました。シンゴジラへの対応を決定する意思決定がもどかしいので、それをおかしく感じたのでしょう。

しかし、あの対応はもしほんとうにシンゴジラのような生物が存在し日本に上陸した場合、あのような対応にならざるをえないというが実情です。

一番恐ろしいのは、上の記事で桜林さんは、直接指摘はしていませんでしたが、中国が明らかな意図をもって、自衛隊の航空機に攻撃を加えようとしたり、日本のどこかを爆撃しようとした場合、その対応するのに、それこそシンゴジラへの対応のように、すぐに意思決定ができない場合、失わなくても良かったはずの、最前線の戦闘機のパイロットの命は、最前線の基地などの自衛隊員の命が奪われてしまうことです。

失う必要もなかった、自衛隊員の命が奪われてからはじめて、今のままでは、反撃に移るという愚かなことが起こってしまうこともあり得るのです。

このような危機については、マスコミや野党などもほとんど取り上げません。

しかし、オスプレイの不時着となると、マスコミや沖縄県など全く筋違いの批判を繰り返したりします。

オスプレイが墜落したというのなら、まだしも、不時着したことをあそこまでセンセーショナルに伝える必要性など全くありません。

米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの飛行再開を受け、民進党など野党や沖縄県側は19日、「拙速な飛行再開は沖縄県民の気持ちに寄り添っていない」(大串博志民進党政調会長)などと、飛行再開に理解を示す政権への攻撃材料とする構えを見せました。ですが「拙速」と判断する根拠は弱く、「オスプレイは危険」というイメージばかりが先行しています。

そもそもオスプレイが24年10月に米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備された際、同機の安全性を強調したのはほかならぬ民主党政権でした。オスプレイの10万時間当たりの事故率は昨年9月時点で2・64で、他の海兵隊機も含めた平均値と変わりがありません。

今回の事故は、空中給油訓練中のMC130特殊作戦機の給油ホースと接触したオスプレイのプロペラが損傷し、飛行困難となったことが原因です。米軍は「搭載システム、機械系統、機体構造を原因とするものではない」と説明しています。


翁長氏らは、今回の事故が「不時着」ではなく「墜落」だと主張し、重大な事故と印象づけようともしているようです。ですが、自衛隊のあるヘリコプターパイロットは「残骸は1カ所に固まっており、狙ったところに着陸した証拠だ。『墜落』ならバラバラになる」と証言しています。これは、オスプレイの不時着現場をみれば、誰でも容易に理解できるのではないでしょうか。

下の写真は、ノルウェーのヘリコプターが墜落したところの現場写真です。この事故では、13人が死亡しています。機体はバラバラになってあちらこちらに散乱している状態です。


写真に写っているのは、ローターの一部だと思われます。

オスプレイというと、中国にとってはまさに「悪魔のヘリコプター」です。なぜなら、航続距離が異常に長いからです。沖縄のオスプレイは、給油をしながら、ネパール震災のとき沖縄からネパールに直接飛行して、現地入りしました。

普通のヘリコプターだと航続距離が短いため、給油をしてでさえ沖縄からネパールまで直接飛行することは不可能です。ヘリコプターを遠いところに運ぶ際には、分解をして船や、車両に載せて現地まで運び、それをまた現地で組み立てるということになります。しかし、そんなことをしていては、被災地の支援には間に合いません。

しかし、オスプレイは給油しながらであれば、沖縄からネパールまで直接飛行することができます。これは、他のヘリコプターにはできない芸当です。

この意味するところは、給油さえすれば、オスプレイで中国全土のどこへでも、兵員をピンポイントで輸送できることを意味します。

中国側からみれば、習近平氏個人をオスプレイを使って、拉致することも可能であるということです。あるいは、中国に対して軍事作戦をする際に、本当に中国の軍事上の拠点で、弱点となるところに、ピンポイントで兵員を輸送できることを意味します。

これは、日米にとっては、安全保証上の優位です。まさに、日米にとっては「天使のヘリコプター」です。

しかし、日本のマスコミや野党、翁長知事などは、まるでオスプレイを「悪魔のヘリコプター」呼ばわりしています。これでは、彼らのことを、中国スパイか余程の馬鹿であると断ずる以外に理解のしようがありません。

私としては、彼らが馬鹿であって欲しいと思います。なぜなら、馬鹿はかなり難しいかもしれませんが、心を入れ替えたり、本気で物事を知るように努めれば、まだ治る見込みもあるからです。しかし、中国スパイであれば、治りようがありません。一度スパイを働いたものは、もう元には戻しようがありません。日本国、日本国民の敵です。
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【編集日誌】中国軍艦侵入にもだんまり…翁長沖縄県知事、発言なしですか―【私の論評】何か語れば保守派に利用されることを極度に恐れている翁長知事(゚д゚)!


2016年11月25日金曜日

【痛快!テキサス親父】韓国の大規模集会、親北朝鮮勢力のにおいプンプンしてくるぜ 統一プラカードに同じ言葉―【私の論評】単純に朴槿恵辞任が正義と語る奴らは、北朝鮮スパイか馬鹿のいずれか(゚д゚)!

【痛快!テキサス親父】韓国の大規模集会、親北朝鮮勢力のにおいプンプンしてくるぜ 統一プラカードに同じ言葉

「朴槿恵退陣」のプラカードを手にソウルのデモに集まった人々
写真はブログ管理人挿入以下同じ
ハ~イ! みなさん。

あの韓国が大変らしいな。朴槿恵(パク・クネ)大統領の親友による国政介入疑惑など、スキャンダルが続出して、ソウルでは4週連続で、朴氏退陣を求める大規模集会が開かれているそうじゃないか。

韓国には「川に落ちた犬は、棒でたたけ」という諺(ことわざ)があるそうだ。動物愛護団体が激怒しそうだぜ。支持率が限りなくゼロに近い朴氏を引きずり下ろし、二度とはい上がってこないように、みんなでたたいているんだろう。

大体、韓国の歴代大統領の多くは任期途中や退任後に、亡命や暗殺、投獄、自殺など過酷な運命にさらされている。先進国じゃ考えられないよな。穏やかじゃないぜ。

ネットを検索していたら、大規模集会について「韓国内の親北朝鮮勢力が扇動した可能性がある」という分析が載っていた。確かに、北朝鮮は多数の工作員を韓国国内に送り込んでいると聞いたことがあるぜ。

加えて、参加者が掲げていた「統一されたプラカード」を見て、「それはあり得るかもな」と思った。同じ色のボードに、同じ言葉が書かれ、みんなが一斉に掲げていた。あの姿は中国や北朝鮮の「マスゲーム」を連想させる。自由主義国家ではなく、全体主義国家の臭いがプンプンしてくるぜ。

韓国で行われる集会やデモでは、何万人もの参加者に帽子やハチマキなどが配られることもあるという。これが意味するものは、「扇動者と資金提供者がいる可能性が高い」ということだ。いわゆるキャンペーンだな。

米国の反トランプデモ

米国でもデモや集会はある。最近でも、ドナルド・トランプ次期大統領に対する抗議デモが全米各地で起きていた。ただ、ほとんどの場合、参加者がそれぞれ、思い思いの言葉を段ボールなどに手書きして掲げている。時々、暴力行為に及ぶひどい輩もいるが、組織だった行為は少ない。これは米国の自由主義の影響だろうな。

ほかの国ではどうなのかと、ネット上で「demonstration」(=示威運動)や、「protest」(=抗議者)などの単語で画像検索をしてみた。すると、世界各国のデモの大半は、米国と同じスタイルだったぜ。

日本の友人によると、日本でも特定政党が関わる「反基地」「反原発」「反安倍政権」のデモでは、同じような光景が見られると聞いた。全体主義勢力の影響があるのかもしれないな。

親愛なるみなさんと、日本と米国に神のご加護がありますように。全体主義国家や勢力による分断・弱体化工作に十分気をつけてくれ。

では、また会おう!

 ■トニー・マラーノ 

【私の論評】単純に朴槿恵辞任が正義と語る奴らは、北朝鮮スパイか馬鹿のいずれか(゚д゚)!

トニー・マラーノ氏

トニー・マラーノ氏は米国人であり、日本には何度か着たことはありますが、やはり韓国の状況に関しては、あまり知らないというのが実情なのだと思います。しかしながら、普段は米国にいながらも、ブログ冒頭の記事のような分析をしています。

彼の分析を一言で表わせば「朴槿恵辞任デモを繰り広げる連中の背後には親北朝鮮の勢力が関係しているらしいという」ということです。そうして、この分析は正しいです。

ただし、「らしい」のではなく、デモを繰り広げる連中の背後には間違いなく、直接であれ、間接であれ親北朝鮮の勢力が関係しています。

それに関しては、つい最近もこのブログに掲載したばかりです。その記事のリンク以下に掲載します。
東京基督教大学教授・西岡力氏
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では西岡氏の以下の主張を掲載しました。
朴槿恵大統領スキャンダルに関する大量の報道は、重要な2つの論点を欠落させている。 
第1に大規模なデモを主催している勢力が過激な親北反体制派であることがほとんど伝えられていない。 
第2に半島全体の政治スペクトラム(各政治勢力の配置)の中で事件を位置づける見方がほとんどない。 
その結果、韓国の自由民主主義体制が重大な危機を迎えているという事態の本質が分からない。
 そうして、この主張に呼応して、私自身の意見ものべました。

私の意見としては、上の記事でトニー・マラーノ氏も述べているように、朴槿恵大統領のスキャンダルのみならず、韓国の歴代大統領の多くは任期途中や退任後に、亡命や暗殺、投獄、自殺など過酷な運命にさらされています。

とにかく、大統領をめぐっては何度も問題がおこつているわけです。であれば、大統領制によ統治のシステムに何か根本的な問題がはるはずです。このように、何度も同じような問題が発生するということは、最早朴槿恵氏個人の倫理的な問題ではなく、システムの問題であり、このシステムを変えないかぎり、これからも何度も同じことが発生し、問題の根本的解決にはなりません。

だから、統治のシステムの改善・改革が必要であるというのが私の主張でした。そうして、大統領制による統治のシステムを些細に分析すれば、当然のことながら、西岡氏の主張するような問題も明らかになり、それに対処することにもなったはずです。

しかし、朴槿恵辞任要求デモでは、このような問題を一切ふれず、ただただ問題を朴槿恵氏の倫理的な問題に絞り、退陣を要求するばかりです。

親北朝鮮派にすれば、システムの改善・改革などやってもらいたくないのでしょう、そうなれば、自分たちの存在がクローズアップされることにもなります。そうして、システムに北朝鮮の浸透を防ぐような、サブシステムが組み入れられかねません。

そんなことより、彼らは、とにかく朴槿恵を辞任に追い込み与党を弱体化させ、あわよくば次の大統領選挙で、新北朝鮮派の大統領を当選させ、自分たちの勢力を拡大させ、最終的には韓国を事実上北朝鮮の影響下に置きたいというのが真の目的です。

さてこの状況に関して、ランダムヨーコさんも、非常に興味深い見解を動画で述べていました。その動画を以下に掲載します。



詳細はこの動画をご覧いただくものとして、この動画でランダムヨーコさんは、もし親北朝鮮政権が、韓国に成立した場合、西岡氏も述べているように、アジアはかなり不安定になるし、さらに反日的になるとしています。そうして、朴槿恵政権は北に関しては、かなり厳しくやってきており、親北朝鮮などよりはるかにましであるとしています。

トランプ氏を応援し、バイリンガル保守としても有名なランダムヨーコさん
韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領に対する弾劾の動きが加速する中、弾劾による大統領権限停止の際に国政のかじ取りを代行する黄教安(ファン・ギョアン)首相です。

韓国憲法は「大統領が職務を遂行できない場合、首相が権限を代行する」と規定。朴氏への弾劾訴追が国会で成立すれば黄氏が代行することになるのですが、重要な人事案や協定締結など、国益に関わる課題までは踏み込めないとみられている。

しかし、黄氏は「骨の髄まで朴氏側の人間」(韓国紙)とされています。検察出身で首相の前は法相を務めました。

黄氏は、「骨の髄まで朴氏側の人間」ということですから、北に対しても厳しい態度をとる事が期待できます。

いずにせよ、韓国は朴槿恵の辞任など当面は棚上げして、私が主張したように、大統領による統治システムの問題を明らかにし、それを改革・改善し、その後に朴槿恵氏の処分を決めるようにして、親北朝鮮勢力の大統領などができるようなことを極力防いでいただきたいものです。

それにしても、左下の韓国メディアも日本メディアも本当にこういった視点からの報道は全くしません。実際、彼らは相当の馬鹿か、北朝鮮のスパイのいずれかです。

とにかく、単純に朴槿恵辞任が正義と語る奴らは、スパイか馬鹿のいずれかとみるべきです。

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2016年9月9日金曜日

醜悪さ満載の杭州G20宣言 中国の問題を「世界的な課題」とはよく言うよ―【私の論評】世間知らずの馬鹿が馬鹿話をして、世界の笑いものに(゚д゚)!


G20首脳会合の閉幕後、記者の前で演説する習主席=5日、中国・杭州
写真はブログ管理人挿入 以下同じ
中国・杭州で20カ国・地域(G20)サミット(首脳会議)が開かれた。通常、サミット宣言というものは議長国(今回は中国)の官僚が中心になった作文の合作で、退屈きわまりない。杭州G20もそうだろうと思ったが違っていた。裏読みすれば、表現とはおよそかけ離れた醜悪な中身満載だ。

 サミットの出だしもそうだった。地元の中国共産党青年団が特別に作成したというソングで「(杭州の)最も魅力的な景色でさえ、あなたと出会う気持ちにはかなわない」と熱烈歓迎しながら、オバマ米大統領には出迎え用のタラップも用意しないなど前代未聞の非礼、という落差ぶりだ。

出迎用の赤絨毯のタラップが用意されていなかったため、専用機のタラップで降りるオバマ大統領
 くだんの宣言はどうか。

 まずは為替問題。「為替レートの過度の変動や無秩序な動き」を問題にしつつ「競争力のために為替レートを目標とはしない」とうたった。北京当局は人民元市場に介入しては、元売りを小刻みに低め誘導してきた。明らかに輸出てこ入れのためだが、頬かむりする。昨年8月に基準レートを大幅に切り下げた途端に巨額の資本逃避が起きた。北京は「無秩序な動き」を阻止するためには市場介入が必要だ、今のやり方が正しい、と言い張るのだろう。


 「IMF(国際通貨基金)の決定に従い“我々は”10月1日の人民元の特別引き出し権(SDR)構成通貨入りを歓迎する」とはよくぞ言った。人民元のSDR入りは、金融市場の自由化を条件にしているのだが、習近平政権のやることは逆だ。IMF加盟国から文句が出ないのは、欲に目のくらんだ西側金融資本を一本釣りして人民元決済や株式取引の権益を部分供与しているからだ。人民元が国際通貨になれば、戦略物資も軍事技術も北京が刷るカネで確保できる。南シナ海、尖閣諸島周辺など、武力を使って海洋進出を図る習主席はほくそ笑んでいるだろう。

 とりわけこっけいなのは、「不正な資金の流れの我々の経済への重大な悪影響を認識」「腐敗や不正な資金フローが経済成長などに及ぼす有害な影響を認識」「腐敗関係の捜査対象者及び財産回復に係る国際協力のための研究センターの中国における設立」。


 かのパナマ文書が暴露したように、習主席の親族を含め、中国の党幹部や企業こそ、タックスヘイブン(租税回避地)利用の大半を占める。習政権は汚職高官のリストを持って米国に逃亡した元党幹部の引き渡しをワシントンに求めているのだが、杭州合意を手にしてさらにワシントンに詰め寄るのだろう。ならば、せめて赤じゅうたんでオバマ大統領を歓迎すべきだった。研究センターをつくるなら、自身や周辺の党幹部一族の蓄財を調べて公開すればよい。

 「鉄鋼及びその他の産業における過剰生産能力が、共同の対応を必要とする世界的な課題であると認識」とは、よく言うよ。課題は世界ではなく中国にある。習政権は自身で解決できないなら、国際監視団の外圧のもとに5割を超える鉄鋼などの過剰設備を廃棄したらどうか。 (産経新聞特別記者・田村秀男)

【私の論評】世間知らずの馬鹿が馬鹿話をして、世界の笑いものに(゚д゚)!

中国をめぐる環境では本当に何も良いことはありません。それは、上の記事でも明らかですが、以下に若干これ以外に関して補足しておきます。

まずは、現在の世界経済をみると、一国の経済を伸ばすために、輸出を増やすことはもう有効ではなくなりました。

ちなみに、このあたりの数値を以下に掲載しておきます。これは2014年のものです。
●輸出依存度(GDP比)
韓国  :43.4%
ドイツ :33.6%
メキシコ:26.2%
中国  :24.5%
ロシア :24.4%

日本  :11.4%
アメリカ: 7.5%

●輸入依存度(GDP比)
韓国  :38.8%
ドイツ :28.0%
カナダ :24.6%

アメリカ:11.4%
日本  :10.8%

そうして、日本の対中依存度は下記の通り
対中輸出依存度(GDP比):2.79%
対中輸入依存度(GDP比):2.44%
中国の輸出依存度は、韓国程ではないですが、日本や米国と比較するとかなり高いほうです。そうして、これは経済を伸ばすとか、立て直すといった場合には障害になります。


なぜなら世界貿易総額は最近では伸びが少なく、2015年にはかなりのマイナスとなり、これからは急激に伸びることは考えられないからです。

日本貿易振興機構(ジェトロ)が先月9日発表した2016年版の世界貿易投資報告によると、2015年の世界貿易額(輸出ベース)は推計で前年比12・7%減の十六兆四千四百六十七億ドル(約千六百八十兆円)となり、6年ぶりに縮小に転じました。中国経済の不振が影響したほか、各国企業の現地生産進展も貿易が伸びにくくなったという背景があります。。

世界では、2015年以降に日本とオーストラリア、中国と韓国など十四件の自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)が発効したのですが、環太平洋連携協定(TPP)など大型のFTA発効が遅れていることも貿易停滞の一因となったようです。

国別では、中国は景気減速に加え、工業製品の内製化が進み輸入が18.4%減となりました。ジェトロの石毛博行理事長は「中国の供給力が上がっている」と指摘し、対中輸出が伸びない理由として中国の生産力増強を挙げました。

また日本の輸入は20・7%減、輸出は10・0%減でした。日米欧などの企業は需要がある海外現地での生産体制を既に築き上げており、自国からの輸出が増えにくい構図になっています。

分野別では、価格が下落した原油が45.5%減と大きく落ち込みました。ジェトロの担当者は「中国で製造業向けの生産用機械や部品の輸入が減っていることが大きい」と分析しました。

世界経済の約67%を占める主要22カ国・地域の16年一~3月期の輸出額は前年同期比8.4%減となり、低迷が続いています。

そうして、中国のような輸出の多い国は、輸出を大幅に伸ばすことはもう不可能なので、内需を拡大するのが経済政策の順当な手段であると考えられます。

さて、日本をはじめとする先進国の個人消費がGDPに占める割合は60%台です。アメリカは、この比率が他国と比較すると高くて、70%台です。これに比較すると、中国はなんと35%に過ぎません。韓国も低いですが、それでも50%台です。

ここに本来は中国の活路があるはずです。個人消費を50%台にでも高めれば、かなりの成長が期待できます。しかし、なぜか中国はこれに本気で取り組む姿勢にありません。

結局、個人消費を増すためには、個人にある程度収入や、資産がなければ不可能です。家局中国では、富裕層や高級官僚が金を握って離さないような仕組みになっているので、不可能なのです。

個人消費を増すためには、ある程度民主化、政治と経済の分離、法治国家化が必要不可欠なのですが、共産党一党独裁国家である中国においては、これが非常に困難なのです。

この体制が構築されないかぎり、中国においては日本をはじめとする、先進国に普通にみられる、中間層が活発な社会経済活動を行うこともできず、深みにはまるだけです。これに関しては、このブログでも何度か掲載してきたことですが、もう一つ中国の根本的な弱点があります。

アメリカの一番の強みは軍事力ではない
超大国といわれるアメリカの一番の強さは、軍事力でもなく、イノベーション力でもありません。それは、米国による世界の金融支配にあります。現在の世界の金融体制は、ブレトン・ウッズ体制に端を発しています。これは、第二次世界大戦末期の1944年にアメリカのブレトン・ウッズで連合国通貨金融会議が開かれ、国際通貨基金(IMF)や国際復興開発銀行(IBRD)の設立が決定されたものです。

当時、世界の金の80%近くがアメリカに集中しており、アメリカは膨大な金保有国でした。その金と交換できるドルを基軸通貨とし、他国の通貨価値をドルと連動させるという仕組みで、金・ドル本位制ともいわれます。

世界各国、特に先進国の中で、食料や資源を100%自給できている国は少ないです。中国の食料自給率は85%以下といわれており、アメリカから穀物を買えない事態になれば、13億の人民は飢餓に苦しむことになります。

だからこそ、中国はドル支配体制からの脱却を目指し、人民元の国際化を進めていました。IMFの特別引出権(SDR)の構成通貨入りも、そういった流れの中で推し進められたものです。人民元はSDR入りしましたが、ドル決済を禁じられてしまえば中国経済は破綻に追い込まれることになります。

資源を買うことができなければ、軍艦を出動させることもできなくなり、これまでの「中国は今後も発展していく」という幻想は根底から覆されることになります。そして、その段階においても対立が融和しない場合、アメリカは金融制裁をさらに強めることになるだけです。

いわゆるバブルマネーによって、中国経済は本来の実力以上に大きく見られきましたが、バブルが崩壊し、同時にアメリカが前述のような金融制裁を強めたら、どうなることでしょう。当然、一気にこれまでの体制が瓦解し、中国は奈落の底に落ちることになります。

アメリカの一番の強みは金融支配力
そうした構造をよくわかっているので、中国はアメリカのドル支配から抜け出そうとしてきたわけです。そうしてアジアインフラ投資銀行(AIIB)や新開発銀行(BRICS銀行)の創設を主導し、さまざまな二国間投資を推進することによって、アメリカに頼らない体制をつくりたがっています。

その動きを必死に否定しているのが日本やアメリカであり、同時にASEAN(東南アジア諸国連合)の各国も日米に連動するかたちで自国の権益を守ろうとしています。そうして、中国のこの動きは完璧に封鎖されたといっても良い状態にあります。日米が参加しなかったため、AIIBは頓挫状況です。

このようなことから、米中が軍事衝突したり中国がそれ以外でもとんでもない行動をしそれが米国が到底許容できないものであった場合には、米国はすぐさま金融制裁に打って出ることでょう。そうなれば、中国に軍配が上がる可能性は全くありません。米国にとっては中国のこうした動きなど、赤子の手をひねるように簡単に封殺できます。

軍事的には無論のこと、米国の金融制裁には中国は手も足も出ず、中国の現体制は崩壊することになります。

以上のようなことを知った上で、ブログ冒頭の記事を読み返すと、今回の中国杭G20サミットの共同宣言の中身は、 世間知らずの馬鹿が馬鹿話をして、世界の笑いものになったという代物であり、本当に醜悪な中身としか言いようがありません。どんなときでも、どんな内容でも、中国国内を優先するという態度は永遠に改まりそうにもありません。

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2016年8月21日日曜日

片山さつき議員が貧困女子高生問題に言及「パソコン買えるのでは」「NHKに説明を求める」―【私の論評】NHKが貧困を煽るのは馬鹿か常識知らずかその両方で、いずれにしても酷すぎ(゚д゚)!

片山さつき議員が貧困女子高生問題に言及「パソコン買えるのでは」「NHKに説明を求める」

貧困女子高生を取り上げたNHK ニュース、この女子高生は実は貧困ではないのではなかとされ様々な憶測を生んでいる

NHKの貧困女子高生問題を片山さつき・自民党参院議員が取り上げてNHKに説明を求めると話しています。

片山議員は8月20日夕方から数回に渡ってTwitterでこの問題に言及、貧困女子高生の外食やキャラクターグッズ購入を指摘して中古のパソコンを十分買えるのではないかとしてネットの不信感に理解を示し、経済的な理由で進学できないのであるのなら奨学金を始めとする各種の施策で支援可能ではないかと語っており、貧困女子高生のようなケースに返済義務のない奨学金が活用可能であるのか、NHKに説明を求めるとしています。

NHKニュースのキャプチャ画像
片山議員は問題の番組を見て経済的な理由で進学を断念したという貧困女子高生の夢を叶えてあげたいと思っていたところネットからの指摘で女子高生の散財を知り驚いたそうで、貧困女子高生がTwitterに載せていた外食について「一食千円以上。かなり大人的なオシャレなお店で普通の高校生のお弁当的な昼食とは全く違う」として疑問を抱いているようです。

この問題では貧困状態の定義が議論になっており女子高生の生活それ自体を批判するというスタンスに対しては否定的な意見も根強いものの、NHKの報道に対しては厳しい声が多く、YouTubeで公開されている動画への評価は8月21日朝の段階でBadが2,150回に対しGoodはわずか54回と、貧困女子高生を取り上げた報道それ自体が支持を得られていないのが鮮明となっています。

こうした背景の一つには貧困女子高生が2016年春の段階で既に神奈川県内の高校生による選挙啓発運動に参加していたことが判明しているなど政治的な取り組みにも積極的である点から報道に何らかの思惑があったのではないかとの憶測も影響しており、取材に至った理由やこの女子高生を取り上げた経緯についての説明を求める人が多いため片山議員の発言は期待感を持って受け止められているようです。

【私の論評】NHKが貧困を煽るのは馬鹿か常識知らずかその両方で、いずれにしても酷すぎ(゚д゚)!

さて、この件では、ネット上でかなり情報が乱れ飛んでいます。中には、この貧困女子高生(杉山麗)の自宅住所に赴いて、NHKニュースではエアコンがないとされていたにもかかわらず、この女子高生の自宅にはエアコンの室外機があることを示す写真をネットに掲載する人間もいるほどです。

このような動きに対して、不安を感じたのか、貧困女子高生の妹なる人物が以下のようにツイートしています。


ここまで、やるのは実際やり過ぎであるとは思います。結局、この問題は、貧困とされる女子高生にはあまり問題はないと思います。(全く問題がないというわけではない。)

問題はどうしてこのような事実と異なる放送がされてしまったかです。放送中には大量の漫画、アニメグッズ、高価なペン(2万程)があるのが映っており、明らかに貧困に苦しむ家庭という雰囲気ではありませんでした。本当に貧困で困っている人からすれば迷惑な話です。

この放送についてはNHKの戸田有紀記者が深く関与しているのではないかと囁かれているます。

その根拠として、以下のような事実があります。
(1)うららさんがスピーチをした「かながわ子どもの貧困対策会議」の出席者名簿に「戸田有紀(NHK報道局 遊軍プロジェクト 記者)」の名前がある。同会議では76億円規模の貧困対策予算の使い道を検討する。 
(2)「子どもの貧困対策センター設立準備委員会」に設立に賛同すると「NHK記者 戸田有紀」の名前で署名がある(2015年)。左翼リベラル系が多数散見される。
(3)安保法案に反対する署名「安全保障関連法案の廃案を求める和歌山大学有志の会の声明」に参加している。※ただし、こちらについては同姓同名の可能性あり 
これらを受けてネット上では「以上を総合して考えると共産党系組織が政治のためにやっているとしか思えない」、「これは貧困ビジネス」、「同情されやすい女子高校生を意図的に使った」などと指摘され始めています。

おそらく、以前から貧困問題に対して強い問題意識を持っていた戸田有紀記者は貧困対策会議にて、うららさんと出会い、出演を依頼。撮影中に貧乏ではないと気づいたものの、番組をつくりあげるために事実を捻じ曲げて故意に感動的なストーリーを演出したと思われます。

それにしても、貧困率のデータは、2012年(平成24年)のものです。現在は、2016年(平成28 年)ですから、4年も前のデータです。NHKは、貧困率は4年前と、現在も同じと考えているのでしょうか。ただし、貧困率のデータは、最新の「こども白書」などをみても、最新のものでも平成24年のものしか掲載されていません。おそらく、数年に一度新しい統計を出すのだと思います。

この4年間で、日本もかなり変わっています。特に、平成13年からそれまで、金融引き締めばかりしていた、日銀が金融緩和に転じています。そうして、ここから、雇用が劇的に改善されています。相対的貧困率に関する直近のデータはありませんが、以下に最低賃金と完全失業率のグラフを掲載します。

最低賃金が上がってるのですから、この貧困女子高生の母親はバイトをしているそうなので、この人の賃金も上がっているはずです。さらに、高校生や、大学生の就職率も劇的に良くなっています。4年前とは天と地との差です。就職率に関しては、今年は数十年ぶりの良さだったそうですから、まさに天と地です。貧困率も、4年前と比較するとかなり良くなっていると思います。

しかし、野党やマスコミなどは、金融緩和の意義をほとんど認めません。そもそも、金融緩和と雇用の改善との間の相関関係を全く認めていません。彼は、貧困率とは構造的なものとでも思っているのかもしれません。

だから、4年前の古い数値を使って、ことさら貧困率を強調して、安倍政権を叩こうとしたのかもしれません。しかし、その試みは、ネット民によって頓挫させられたようです。

国会での説明資料
今回の出来事は、上記のような見方ができると思います。しかし、別の見方もできます。戸田有紀記者をはじめとして、NHKの職員の平均給与は、NHK の正職員の平均年収は、1780 万円、30歳で2000万円以上の人もいるとか、部長になると3000万もの人もいるとか、これに対して 契約アナは150~200万に過ぎないともされています。

そんなNHKが貧困を取り上げるというのも、不思議な感じがします。そもそも、このようなまるで、貴族様のような生活を送ってるNHKの正職員様からすると、この女子高生の生活は貧困そのものに見えるのかもしれません。そもそも、本当の貧困など想像もつかないのかもしれません。


NHKが貧困を煽るのは、とにかく安倍叩きをするためには、事実の歪曲でもなんでもするという馬鹿さ加減によるものか、現代の本当の貧困とはどのようなものなのかという常識もないためなのかいずれかか、あるいは両方で、いずれにしても酷すぎるということです。

日本を代表すNHKがこの有様なのですから、改めて、日本のテレビの低水準ぶりが露呈してしまったということです。

それと、この貧困問題の煽りですが、NHKは朝日新聞とコラボでこれを安倍政権叩きの柱にしようとしていた形跡があります。

朝日新聞は、今年の5月からシリーズ「子どもと貧困」という特集を組んでいます。一部ピックアップしておきます。

"


"
この朝日新聞のシリーズでは、日本の貧困率は、2009年時点の15・7%が用いられています。2016年現在とは、比較にならないものと思います。おそらく、朝日新聞も、貧困問題と金融政策の間には何も関係はなく、貧困は構造問題だと思っているのでしょう。

メディアや左翼リベラルの貧困問題の捉え方は、著しく偏っています。というより、これは意図的に画策されたものとみなすべきかもしれません。

おそらく、「保育園落ちた、日本死ね」の二番目のどじょうにしようと画策したのでしょうが、最初からネタバレで、これでは他のメデアは乗ってこないでしょうから、頓挫してしまったようです。

相対的貧困率は、所得ベースで計算しますから、年金生活者が多い少子高齢化社会では貧困率が高く出ます。所得と資産は全く異なり、所得が少ないから、貧困者というわけではないのです。日本の場合、少子高齢化で年金生活者など所得の少ない人が急増していますのでデータに多きな歪みが出ます。貧困を語る場合、資産を無視した議論は成立しません。

親の所得が少ないため貧しい子供も居ますが、親に所得があってもお金を持たない子供がいたりします。その理由は様々で 親の浪費もあれば、教育方針もあるるし、子供のお金の使い方にも依存します。また、心の豊かさと貧しさというものもあります。これは、簡単に一律に解決など出来る問題ではありません。

子供の貧困問題も保育園問題と同じように、政治的キャンペーンで煽る手法には、私は大反対です。こんなことをすると、かえって問題がこじれてしまい解決できなくなってしまうことも考えられます。問題を一度整理して、権利義務関係、行政と個人 の責任分担など出来ることを冷静に切り分ける必要があります。貧困問題の対策をすべて国や行政だけが、実行するというのは、共産主義的であり、個人の権利まで侵害することにもなりかねません。
【資料】

ブログ冒頭の記事の動画ですが、比較的短期間で削除されてしまう可能性もあるので、以下に音声を文書化したものを資料として掲載しておきます。

経済的な理由で進路の選択が難しい学生たちが、みずからの言葉で貧困の現状を訴えるイベントが18日横浜市で開かれ、学生たちは「子どもの貧困は日本にも存在していることを理解してほしい」と訴えました。 
厚生労働省によりますと、日本では平成24年の時点で6人に1人の子どもたちが貧困状態にあるとされ、国や自治体には将来に不安を抱える子どもたちへの対策が求められています。 
神奈川県はことし5月、経済的に厳しい状況にある高校生などを委員とした会議を設置し、当事者の声を生かした対策作りを進めていますが、18日は学生たちが企画したイベントが横浜市で開かれ、高校生や教職員などおよそ100人が参加しました。 
イベントでは、学生たちがみずからの体験を講演し、このうち委員の1人で経済的な理由で、希望する専門学校への進学を諦めた高校3年生のうららさんは「みんなが当たり前に持っているものが自分の家にはない。みんなが普通にできることが、自分の家ではとても困難。自分は貧困なのかもしれないと思った」と話しました。 
そのうえで、うららさんは「貧困の子どもが大人になり、同じような生活を強いられ、この状況が繰り返されることで未来の子どもも貧困になってしまうかもしれない。その子たちには、私のようにお金という現実を目の前にしても諦めさせないでほしいです。現実を変えるために、子どもの貧困は日本にも存在するのだと理解してほしい」と訴えました。 
神奈川県では、子どもたちの意見を取り入れて、今後公的な支援策などをまとめたホームページを作成するなどの対策を進めたいとしています。 
経済的な壁 夢を諦める高校生も 
みずからの体験を語った高校3年生のうららさんは、経済的な壁に直面し、進学を諦めざるをえない状況に追い込まれています。 
うららさんは、小学5年生のときに両親が離婚し、現在は一緒に暮らす母親が働きながら家計を支えていますが、経済的に厳しい状況です。自宅のアパートには冷房はなく、夏の時期はタオルに包んだ保冷剤を首に巻き、暑さをしのぐ毎日です。自分の家が経済的に厳しいことについて実感させられたのは、中学時代の授業だったといいます。パソコンを持っていなかったうららさんは、授業で先生に「ダブルクリックして」とか「画面をスクロールさせて」などと言われても、ついていくことができませんでした。母親からは千円ほどのキーボードだけを買ってもらい、一生懸命練習したことは忘れることができない出来事でした。 
うららさんは「みんなが当たり前にできることが自分だけできない。置いて行かれている。こんな自分が惨めだと思った」と当時を振り返ります。 
うららさんは塾にも行けませんでしたが、公立の高校に進学し、現在は、生徒会長を務めています。 
進路を選ぶ3年生の夏を迎えたうららさん。絵が好きで、アニメのキャラクターデザインの仕事に就きたいと、専門学校への進学を希望していましたが、入学金の50万円を工面することが難しく、進学は諦めました。 
うららさんは「私はいちばん不幸だなと思った。夢を持っているのになんで目指せないんだろう」と話し、経済的な理由で将来の選択肢が狭まっていくのを感じています。学校の担任から、夢を諦めずにさまざまな技術を学ぶことができる公的な職業技術校への進路を提案され、家計を助けるためには就職か技術校に進むのか今も迷い続けています。 
うららさんは「夢があって、強い気持ちがあるのに、お金という大きな壁にぶつかってかなえられないという人が減ってほしい。いろいろな人に知ってもらって、助けられていく人が増えてほしい」と話しています。 
「知らないこといっぱいあった」
講演を聞いた横浜市の高校2年生の生徒は「今振り返ると昔の友達で貧困の子がいたかもしれないと思いました。きょうの講演で気づかされたことが多かったです」と話していました。 
横浜市の高校2年の男子生徒は「自分の生きている世界と全然違って、苦しい生活をしている人がいると初めて知って驚いた。周りで大変そうな人がいたら力になりたい」と話していました。 
参加した高校の男性教諭は「知らないことがいっぱいあったので、子どもたちをもっと見るようにしなければと感じた」と話していました。
講演を終えたうららさんは「皆さんが貧困の問題を知りたいという気持ちが伝わってきたので必死でやりました。子どもの貧困の問題がもっと社会に認識され、対策も進み、将来子どもたちが未来を諦めずに済むような社会になればと思う」と話していました。 
子どもの貧困率 最悪に 
厚生労働省によりますと、貧困状態にある18歳未満の子どもの割合を示した「子どもの貧困率」は、平成24年時点の推計で子ども6人に1人の割合に上り、調査をはじめた昭和60年以降、最悪となっています。 
なかでも、母子家庭など「一人親世帯」では半数以上が貧困状態で、先進国の中でも最悪の水準です。こうした子どもの貧困は、進路にも深刻な影響を及ぼしています。厚生労働省が平成23年度に行った調査では、一人親世帯での大学や専門学校などへの進学率は40%余りで、ことし5月時点での全世帯の進学率と比べて、およそ30ポイント低くなっています。また、文部科学省がおととし行った調査では大学や短大を「経済的理由」で中退した若者は1万6181人に上り、全体の20.4%を占めて最も多くなっていて、前回5年前の調査より6.4ポイント増え、貧困が子どもたちの将来に大きな影を落としています。 
さらに子どもたちが経済的な理由で学習の機会を失うことで、将来十分な収入が得られず親の貧困が子どもにも引き継がれる「貧困の連鎖」が広がっています。

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2016年4月8日金曜日

「民進党はあほ」発言のおおさか維新の足立氏 陳謝するも「事実誤認は見当たらない」―【私の論評】「アホ、馬鹿」とメディアがぶつ切り報道をした足立康史衆院議員の発言はこれだ(゚д゚)!

「民進党はあほ」発言のおおさか維新の足立氏 陳謝するも「事実誤認は見当たらない」



衆院総務委員会は8日の理事懇談会で、委員会で民進党を「あほ」などと評したおおさか維新の会の足立康史衆院議員の発言について協議したが、足立氏は「事実誤認はない」と断言した。

足立氏は7日の総務委員会で、民進党の安全保障関連法の対応をめぐり「安保法廃止法案が対案だと胸を張っているのは、あほじゃないか」「こんな政党は国会の恥だ。あほ、ばか、どうしようもない」などと発言し、民進党が反発していた。

足立氏によると、民進党の委員が理事懇の冒頭、足立氏の懲罰動議を衆院事務局に提出したことを明らかにした上で、「事実誤認がある」「品位を欠いた」などと足立氏の発言を批判した。これに対し、足立氏は「不愉快な思いをさせたとすれば陳謝する」と述べる一方、「(議事録を読み返しても)事実誤認は見当たらない」と強調した。

過去に自民党や民進党の国会議員が同様の発言をした前例があったとも指摘し、「私のケースだけ取り上げて懲罰動議提出に及ぶのは単なる政争だ。懲罰動議という仕組みを政治闘争に使うこと自体があるまじき行為であり、懲罰動議に値する」と述べたという。

【私の論評】「アホ、馬鹿」とメディアがぶつ切り報道をした足立康史衆院議員の発言はこれだ(゚д゚)!

足立康史衆院議員の発言は、テレビなどではぶつ切りにされて、「こんな政党は国会の恥だ。あほ、ばか、どうしようもない」と発言している部分のみが取り上げられ、なぜ足立議員がこのような発言をしたのか、その背景に関しては全く報道しませんでした。新聞報道も似たようなものでした。

上の動画の全部を報道するということになれば、短い放送時間の枠では無理なことはわかります。しかし、「こんな政党は国会の恥だ。あほ、ばか、どうしようもない」の部分だけ切り取るのではなく、なぜこのような発言に至ったのかも報道すべきでした。

上の動画をご覧いただければ、発言の概要はおわかりになると思います。

2016年4月7日足立康史(おおさか維新の会)の上記の発言のあった【衆議院 国会中継 総務委員会】の内容を以下に掲載します。
案件: 
国立研究開発法人情報通信研究機構法及び特定通信・放送開発事業実施円滑化法の一部を­改正する等の法律案(190国会閣38) 
発言者一覧 
説明・質疑者等(発言順): 開始時刻 所要時間
遠山清彦(総務委員長)  9時 06分  01分
橘慶一郎(自由民主党)  9時 07分  30分
小川淳也(民進党・無所属クラブ)  9時 37分  35分
高井崇志(民進党・無所属クラブ)  10時 12分  35分
田村貴昭(日本共産党)  10時 47分  40分
足立康史(おおさか維新の会)  11時 27分  20分
吉川元(社会民主党・市民連合)  11時 47分  22分
梅村さえこ(日本共産党)  12時 09分  04分 
答弁者等
大臣等(建制順):
高市早苗(総務大臣)
高鳥修一(内閣府副大臣)
牧島かれん(内閣府大臣政務官)
藤丸敏(防衛大臣政務官兼内閣府大臣政務官)
民進党は、本当に何のために存在する党なのでしょうか。国民が馬鹿だと思ってマスコミ対策すれば、自分たちに有利になると考えているようですが、残念ながら左巻きの一部の国民を除ききほとんどの国民が、もうその本質を見ぬいてます。民進党は、統治能力なし、統治の正当性もなしです。

足立議員は、国民の多くのが腹の中で思っていることを国会で代弁したという感じです。民進党は、本当に、安保も駄目のアンポンタン、財政も駄目、金融・雇用も駄目、社会保障も駄目、何もまともに論じられず、日々奇妙奇天烈、摩訶不思議な論理で、全く無意味な議論を繰り返しているだけです。

以下に思いつくだけ、民進党(民主党)の奇妙奇天烈、摩訶不思議ぶりのいくつかをあげておきます。

【雇用】

民主党時代は雇用が30万人減り、安倍政権では100万人増えた。という事実を民進党の人たちは認めたがりません。金子洋一参議院議員などごく一部の議員を除いて、民主党の議員のほとんどは、雇用と金融政策が密接な関係にあることを理解していないし、理解しようともしていません。


【デフレの原因】

民進党には、デフレは人口減少のためだと本気で信じ込んでいる人が大勢います。しかし、そうではないことは、常識的に考えればすぐにわかることです。現在日本で、大規模な自然災害や、核兵器などでも何でも良いですが、いきなり人口が半分にになり、貨幣はそのまま残ったとします。そうなる、どうなりますか。

貨幣はそのままで、人口が半分ということは、これはもう、ものすごいインフレですね。デフレではありませんよ。よって、人口減の原因は人口減少でないことは、小学生にだって理解できます。そもそも、デフレは純然たる貨幣現象であり、人口とは全く関係ありません。民主党の議員の多くは、このようなことが理解できていないようです。

【増税】

そもそも今回の消費増税法は政権交代のときの、民主党の公約になかったのに、財務省が政権運営に不慣れな民主党幹部を籠絡し、野党自民党も抱き込み国会で成立させました。財務省は国民に選ばれた議員による間接民主主義の弱点を知っています。国民すべてを騙すのは難しいのですが、少数の国会議員それも、民主党なら騙しやすかったのです。

【マイナス金利】

民主党政権下で 白川日銀総裁が作り上げた日銀当座預金への0.1%金利は 実質 金融機関への補助金(約2200億)でした。 黒田日銀総裁が決めたゼロ金利政策は その白川による金融機関への利益供与の排除であるにもかかわらず、民主党議員はマイナス金利に関して摩訶不思議な理由でその危険性を強調するばかりでした。

【ブラック企業と既得権益者を利する経済政策】

民主党が主張する経済政策はブラック企業と既得権益者を利するだけだ 安倍政権の方が優れています。 就 民主党は非正規雇用者、新卒者、失業者という「非既得権雇用者」の利益は考えていません。

【安保に無頓着】

「米軍撤退」「核保有容認」トランプ発言によって、安保反対論者である民主党は追い詰められているはずなのに、なぜかそのことについて無頓着な民進党。日本近辺の安保情勢が厳しくなる中、まさか非武装中立などということはできないでしょう。ちなみに自主防衛コストは24~25.5兆円の試算があります。

以上あげると、きりがないのでこの辺りでやめておきます。それにしても、民進党の大部分の幹部や議員は、上記のようなことをほとんど理解していません。このようなことを発信する人も金子洋一参議院議員のように、民進党の中に存在するのですが、ほとんどの人が耳をかそうともせず、日々奇妙奇天烈、摩訶不思議な議論をしています。

民進党の議員らは人とまともなコミュニケーションができないようです。

コミュニケーションというと、経営学の大家ドラッカー氏は以下のように語っています。
 人の心は期待していないものを知覚することに抵抗し、期待しているものを知覚できないことに抵抗する。 
「受け手が期待しているものを知ることなく、コミュニケーションを行うことはできない。期待を知って初めてその期待を利用できる。あるいはまた、受け手の期待を破壊し、予期せぬことが起こりつつあることを認めさせるためのショックの必要を知る」(『エッセンシャル・マネジメント』)
経営学の大家ドラッカー氏
足立議員は、摩訶不思議、奇妙奇天烈な民進党議員などの発言に関して、お前たちはおかしな話をしていると伝えたかったのでしょうが、まともな話し方では通じないと考え、民主党の議員らに対して覚醒のためのショックを与えて、受け手である民主党議員らの期待を破壊し、予期せぬことが起こりつつあることを認めさせるためわざわざ、あのような発言のような仕方をしたのだと思います。

考え方によっては、足立議員の発言は、民主党の議員らとコミュニケーションをとるための手段であったとも考えられます。

しかし、残念ながら、この発言は無駄に終わることでしょう。民進党議員の大部分は、与党議員とも、国民ともまともなコミュニケーションができずに、日々自分たちの中でだけ通用する摩訶不思議、奇妙奇天烈な論議を繰り返し、破滅への道をたどることでしょう。

かつて日本に存在した社会党という政党 民主党もかつての視野回答のようになる
すでに、民主党の名称は消えた。次は、選挙で大敗して、有名無実になる道が待っている
このブログでも従来から予測している通り、いずれ社会党のように姿を消すことでしょう。もうすでに、民主党の名前は消えました。その次は、次の選挙が衆参同時選挙になろうが、なるまいが、確実に次の選挙では、衆議院も参議院も大敗して、有名無実になることでしょう。

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