2011年12月29日木曜日

民主党離党の内山議員ら新党立ち上げへ―【私の論評】ここ20年間実施してこなかったリフレ政策を一度実施すべきである!!


内山晃衆院議員 

民主党の内山晃衆院議員ら9名は2011年12月28日午前、樽床伸二幹事長代行に離党届を提出した。内山議員らは午後に記者会見を開き、「来年のしかるべき時期までに新党を作る」と語った。内山議員らの新党は、政党助成金の要件を満たすため、来年早々にも立ち上げられる見込みで、野党として与党・民主党と「是々非々で対応していく」という。


会見で内山議員は、「我々2009年当選組はマニフ... 続きを読む

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【私の論評】ここ20年間実施してこなかったリフレ政策を一度実施すべきである!!


私は、上のような動きに期待しています。今のまま民主党政権が続けば、何が何でも、増税まっしぐらです。私自身は、政局には全く興味がないですが、上記のような、民主党を弱める、あるいは、民主党執行部の増税まっしぐらの姿勢に反対するような勢力が多数出来上がることに期待しています。そういう意味では、小沢氏にも頑張っていただきたいです。とにかく、政局がらみでも、政局がらみでなくても、民主党執行部の増税まっしぐに対する反対勢力が多数できあがることには大賛成です。

私は、経済に関しては完璧なリフレ派です。リフレ政策とは、リフレーション政策の略称です。リフレ政策の目的は、長期間に渡り日本を苦しめ続けているデフレ不況を終わらせるため、デフレからマイルドなインフレへ移行させること(=リフレーション)です。リフレ政策を実現する方法はいくつか提案されていますが、最も有力な手法はインフレ管理目標策と呼ばれるものです。

これは、日本銀行が目標とするインフレ率を(守れなければ責任を取るなど)実効性ある形でコミットし、それに基づき金融政策を行いインフレ期待を制御することでインフレ率を適正な水準に保つという政策です。

インフレという言葉そのものが嫌悪されていることもあり当初は様々な批判もありましたが、この10年の間に理論の精緻化や実証研究・歴史研究が進んだ結果、多くの賛同者を得られる状況となっています。また、非不胎化介入により引き起こされた2003年の景気回復はリフレ的な政策が有効である査証と言えるでしょう。

原油高により一時は消費者物価指数はプラスに転じましたが、インフレ率を正しく測定するには価格変動の激しいエネルギー・食料品を除いたコアコアCPI、速報性は劣りますがより正確なGDPデフレータなどを使う必要があります。日本は、これらの指標に従えば過去20年間ずっとデフレが続いている状態でした。そして今また、消費者物価指数ベースでもマイナスに逆戻りしてしまいました。



しかしながら、日本銀行は行動に制限を受け結果責任を問われるインフレ管理目標を採用することに慎重な姿勢をとり続けているだけでなく、再度の景気悪化が鮮明になりつつあるにも関わらず金融緩和には消極的な姿勢を貫いています。

リフレ政策に関しては、上記のような内容で一般に理解されているようですが、私は、政府の積極財政も必要不可分であると思っています。いくら、日銀が金融緩和をしたとしても、それだけでは景気は浮揚しないし、デフレからの脱却もありえないと思います。銀行がいくら、緩和したとしても、仕事もない、消費も不活発という状況では、銀行にお金がだぶつくだけだからです。要するに、借り手がつかないということです。

過去20年間デフレであったにもかかわらず、日本では、一度も政府の財政出動と日銀の金融緩和を同時に実施したことはありません。ですから、増税する前に1度は大規模に実施してみるべきです。一度も実施したことがないのに、ハイパーインフレになるとか、政府と日銀双方による量的緩和をしてもインフレなどにはならないなどとまっこうから否定する経済学者などもいますが、私は、過去20年にもわたって、一度もやったこともないことに対して、頭の中だけで考えて、判断する人たちの了見が全くわかりません。

それに、先日も述べたように、82年前の昭和恐慌のときには、高橋是清がデフレの時代にリフレ政策を実施し、見事に短期間で、昭和恐慌から抜け出したではありませんか。中国や、アメリカでは、不況になるたびに大きな政府と中央銀行による大規模な量的緩和を行い、成功してきたではありませんか!!それも、過去20年間において、1度、2度ではなく、何回も実施してきました。



私は、今の日本一度も本格的な量的緩和を行わずに、消費税増税などをして、このまま、デフレ状況を続けていくことには絶対反対です。

そうして、最後に付け加えたいのですが、リフレ政策に反対であろうが、賛成であろうが、経済に関して誰もが認めなければならない真実があると思います。それは、経済とは変動するものであって、いつまでも不況が続くことや、逆にいつまでも景気が良い状況は続かず経済は変動するという事実です。これだけは、どの派に属する人でも否定はできないし、否定する人は、経済の本質を理解していないということになると思います。これは、経済の復元力ということで、経済に関して古今東西誰もが認める真実だと思ます。この復元力という考え方からいえば、アメリカや中国は、しばらく経済が停滞すると思います。しかし、日本は違います。

日本の場合、20年もの間デフレ状況です。20年といえば、生まれたばかりの赤ん坊が成人するまでの間に匹敵する長い時間です。年配の人にとっては、20年前のこともつい昨日のことのように思われ、たいした年月ではないのかもしれません。しかし、これは、かなり長いです。だとすれば、もう、日本も復元力によって、経済が上向く可能性も高いと思います。そんなときには、増税などして水を差すようなことをせずに、黙って様子見をするか、リフレ政策をとってみるべき時だと思います。少なくとも、3年くらいは、これを実施すべきと思います。皆さんは、どう思われますか?

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