福島県広報課は7月9日、福島県の公式Facebookページ「ふくしまから はじめよう。」が、1万以上の「いいね!」を獲得したことを発表した。同ページの開設は6月18日で、公開後約3週間の7月6日に「いいね!」獲得数が1万を突破した。
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【私の論評】日本でもスペンドシフトが加速か!!
上の記事を御覧になって皆さんは、同考えられましたか?当然、あの震災があったことによる、同情ということもあるでしょうが、私はそれだけではないと思います。最近、多くの企業がFacebookページを活用して、様々なキャンペーンなど繰り返しているようですが、資金を注ぎ込んでもこのようにユーザーのエンゲージメントがこれだけ短期間にこれだけの高まりを見せることはなかなかないと思います。
私は、早速このページ「いいね!」ボタンを押しました。まだ御覧になったことのない方は、以下のURLから御覧になれます。是非御覧になってください。
http://www.facebook.com/FutureFromFukushima
さて、福島県のページ、震災地であるからということで、同情によるエンゲージメントだけだと、こんなに凄いことにはならないと思います。やはり、それ以外の要素があるはずです。それは、一体何なのでしょうか?
さて、福島県のページ、震災地であるからということで、同情によるエンゲージメントだけだと、こんなに凄いことにはならないと思います。やはり、それ以外の要素があるはずです。それは、一体何なのでしょうか?
そういった意味では、このページは、福島県という自治体によるものですが、民間企業でも参考にできる点が多々あると思います。このエンゲージメント(エンゲージメント率 = 反応数 / ファンの数)の高さ、やはり、最近の消費動向の変化などと大きな関わり合いがあると思います。
最近の消費動向の変化とは、このブログにも以前掲載した、スペンドシフトというものです。
以下にもう一度、スペンドシフトについて、掲載します。
自分を飾るより ⇒ 自分を賢くするためにお金を使う。
ただ安く買うより ⇒ 地域が潤うようにお金を使う。
モノを手に入れるより ⇒ 絆を強めるためにお金を使う。
有名企業でなくても ⇒ 信頼できる企業から買う。
消費するだけでなく ⇒ 自ら創造する人になる。さて、上記の潮流がなぜ、この「ふくしまからはじめよう」のページと関係してくるのか、それを説明するため、まずは「ふくしまからはじめよう」のページから一つのコメントを以下に掲載します。
ふくしまから はじめよう。
7月2日
こんにちは。広報課の小島です。
「福島を盛り上げるために、まずは福島のおいしい“食”を全国に発信していこう!」…チームで話し合った結果、そんな企画が持ち上がりました。題して「ふくしまから“んめぇもん”はじめよう。」
というわけで、本日よりこの「ふくしまから はじめよう。」のページで、みなさんが考える「全国に伝えたい、ふくしまの自慢の食材」の投稿を募集します。桃やトマトなど、これから旬を迎える夏のフルーツ・野菜や、福島ならではの食材をぜひ投稿してみてください。写真や、おすすめポイントを一緒に投稿していただけると嬉しいです。このページのタイムラインを福島のおいしいものでいっぱいにして、全国の皆さんに見てもらいたいです!
そして、みなさんからいただいた投稿を参考にしながら、チーム「ふくしまから はじめよう。」でオリジナルメニューを考案します!スペシャルサポーターとして、野菜スイーツなどで知られる人気パティシエの柿沢安耶さんにご協力いただき、今までにないメニューを作りたいと思います!さらに、今回はナビゲーターとして、早くから「食」をテーマとした被災地支援を企画されていた“食を伝えるプロ”である雑誌「dancyu」の編集長町田成一さんからもアドバイスをいただく予定です。
どんなメニューができあがるのか、私たちも今から楽しみです。出来上がったメニューをたくさんの人に知ってもらえるよう、引き続きチームで作戦を練りたいと思います。
このページまだ、運営されてから、そんなに日にちがたっていないので、そんなにコメントがあるわけではないのですが、県庁のいくつかの課の方が、課の立場から様々な福島を活性化させる方法など述べています。
facebookのページには、当然のことながら、タイムラインがあります。そうして、過去のにさかのぼって記事を作成できます。しかし、このページ昨年の3.11やその直後の地震や、津波による被害など全く掲載されていません。一番古いタイムラインではも、今年の6月からです。もし、これが掲載されていたら、こんなにエンゲージメントは増えていなかったかもしれません。
福島の悲劇 |
だから、被災の画面を全く掲載しないということは良い決断だったと思います。それよりも、このページに登場する人たちが、明るく前向きなのが良いです。先のスペンドシフトは、アメリカで出版された書籍で、アメリカで、9.11頃から明らかになりつつあり、リーマンショック以後から、顕著になった消費の潮流であり、その書籍を読んでいると、登場人物は、長年務めていた会社を解雇されたりして、新たに自営業や、他の事業に取り組んでいる人が多いのですが、とにかく楽天的で、それを通り越してタフでさえあるという人々が多いです。そうして、多くの人たちがが自信に満ち溢れています。そうして、書籍でも、こういう人々がアメリカの良き伝統を呼び起こしたり、新たな潮流を生み出していることを強調しています。これらの、人々は、明らかに地域のコミュニティーを通じて社会参画をしたり、社会変革に挑戦をしています。
考えてみると、このページも、そうです。登場する人たちは、すべて固有名詞で登場し、明るいだけではなく、前向きで、自分たちちに与えられた課題を自分たちの立場から解消しようとか、解決しようと努力しています。そうして、自信に満ち溢れています。そうして、明らかに社会参画をして、社会を変革しようとしています。そうした気持ちを県内外の人たちに知ってもらいたいとの趣旨から、このページを開設しているということです。
そうでなければ、このようなエンゲージメントは、生まれないはずです。このページに「いいね!」を押したり、コメントを寄せた人々は、こうした趣旨に賛同しているというです。いくら、企業がページを作成しても、企業をとりまく社会を無視していては、ファンもあまりできないですし、ファンのエンゲージメントも増えることはありません。なぜなら、民間営利企業だって、社会の機関だからです。
福島民放の女子アナ小野美希さん |
福島県では、最近の震災によって、今まであまりにも当たり前で、意識すらされなかった、県庁が社会の機関であることが、クローズアップされ、そうして、震災直後から県庁の職員が、普段ではあり得ないことに遭遇して、自分たちの役割を認識し、社会のために努力しています。だからこそ、評価が高まり、今日のこのページのエンゲージメントの高さにつながっているのだと思います。
今後、せっかくこのような潮流が勃興してきたことから、この流れを止めるないように、福島県庁の方々にも努力していただきたいと思います。今のところは、うまくいっているようですが、将来的には、役所だけで完結するのだけでなく、地域のコミュニティーの中に含まれる組織である、民間営利企業、非営利企業などとも連携していくべきと思います。無論、今でも、そのようになっていますが、その流れをさらに強め、大きな力となっていくようにして欲しいものです。そのためには、福島から国に向かって、様々な法規制の撤廃や、新たな法律の制定なども働きかけていくべきものと思います。
福島県の保健所で保護されたバロン君。今は栃木で福島に帰る時を待っている |
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