2016年1月23日土曜日

民主がまた「安倍首相はヒトラー」批判 小川参院幹事長「だんだん似てきた」 市民連合の会合で―【私の論評】政治家ではなく、官僚にすぎない習近平こそ現代のヒトラーだ(゚д゚)!

民主がまた「安倍首相はヒトラー」批判 小川参院幹事長「だんだん似てきた」 市民連合の会合で

安倍首相がヒトラー? 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
民主党の小川敏夫参院幹事長は23日、夏の参院選で野党を支援する市民団体系の組織「市民連合」が都内で開いた会合であいさつし、「安倍晋三首相はだんだんヒトラーに似てきた。中身がなくて、ただ言葉だけ美しい」と首相を批判した。

小川氏は「ヒトラーといえば、(かつて麻生太郎)財務相が『ナチスの手口を学べ』と言った。全くその手口を学んで、今度は実行している。ひどい話だ」と主張。その上で「ナチスの手口に『どんな嘘やバカなことでも繰り返し繰り返し自信をもって言え。そうすると、だんだん国民がついてくる』というのがある。首相はその手口をまっしぐらに進んでいる。本当に危険を感じる」と訴えた。

さらに「内閣法制局は傀儡(かいらい)になり、マスコミも日銀もコントロールされている。気がつかないうちに憲法も変えられるのではないか」と続け、参院選での野党への支援を求めた。


民主党の小川敏夫参院幹事長
市民連合の会合には他の野党の幹部も駆け付けた。共産党の小池晃政策委員長は「安倍政権を倒し、戦争法(安全保障関連法)を廃止するために頑張ろう」と強調。「安倍政権は立憲主義を破壊するのみならず、憲法そのものを破壊する野望もむき出しにしている」と語り、憲法改正阻止に向けた野党の共闘を呼び掛けた。

維新の党の初鹿明博国対委員長代理は「今の日本は民主国家ではない。民主主義も憲法も全て否定するような政権は倒さなければならない」と訴え、社民党の吉田忠智党首も参院選の1人区での野党協力を呼び掛けた。

【私の論評】政治家ではなく、官僚にすぎない習近平こそ現代のヒトラーだ(゚д゚)!

ヒトラーのカラー写真

安倍首相はどう考えても、ヒトラーにたとえることは全くの間違いです。このようなことを主張する輩は、過去の歴史を知らないのではないかと思います。

以下に過去のドイツの歴史をまとめておきます。

日本では、勘違いする人が多いようですが、ヒトラーは選挙に大勝利を収めて権力の座に着いたのではありません。ただし、1933年1月の段階で最大政党の党首でなかったなら、首相にはなれなかったことでしょう。

1932年11月6日のワイマール共和国最後の帝国議会選挙では、ナチス党は同年7月31日の選挙に比べて200万票を失っていました。これに対して共産党は60万票伸ばし、決定的な議席数100を確保しました。

共産党(KPD)の躍進はドイツ国内で内戦に対する恐怖心をかき立て、特に保守陣営のこの恐怖心がヒトラーにとって最も強力な追い風となりました。彼らがヒトラーをヒンデンブルクに首相に推薦したため、1933年1月30日、彼は保守政治家を中心とする内閣の首相に任命されました。

それからの12年間、第三帝国においてヒトラーが自らの権力を保持するためには、異なる思想を持つ者たちへのテロ攻撃だけでは不十分でした。ヒトラーは軍需景気をてこに大量失業問題を数年で解決して見せて、産業労働者の多くの支持を獲得したのです。

ヒトラーは第二次世界大戦の間もこの支持を維持することができました。それは、占領地の労働者を酷使し、資源を略奪することで、ドイツの大衆には第一次世界大戦の時のような苦しみを与えないですんだためです。

開戦に先立つ1936年3月にはヒトラーは、武装解除したラインラントを占領し、1938年3月にはオーストリアを「併合」するなど、大きな外交成果が国民のあらゆる階層でヒトラーの人気を記録的な高さへと押し上げました。

帝国とその歴史的使命の神話を巧みに利用することを心得ていたヒトラーは、特に教養あるドイツ人に影響力を行使しました。ドイツをヨーロッパの秩序を維持する勢力としての地位に持続的に留めるために、カリスマ的「フューラー(統率者)」は彼らの支援を必要としたし、彼らはまた、ヒトラー以外に大帝国ドイツの夢を実現してくれる人物がいないと思われたため、ヒトラーを必要としていたのです。

帝国議会でナチス式敬礼を受けるヒトラー、ベルリン、1941年
さて、このようなドイツの過去の歴史を知れば、ヒトラーと安倍総理とは似ても似つかないことが良く理解できます。

そもそも、安倍総理は2012年の暮の衆院選で、大勝利したから首相の座についたのです。ヒトラーは、ヒンデンブルクに指名されから、保守連合の首相になり、そこを起点として、権力を掌握したのです。

そうして、小川氏は、麻生財務相が『ナチスの手口を学べ』と言った。全くその手口を学べと語ったことを批判していますが、これもお門違いです。

そもそも、麻生大臣が、「ナチスの手口を学べ」と語ったのは、「ナチスの手口を反面教師とせよ」ということです。新聞報道などではなく、麻生財務大臣のYouTube動画などの発言全体を良く聴けば、結論からいうと、麻生財務大臣の真意は、"マスコミが騒ぎ立てることで中国や韓国などの周辺諸国を刺激して、憲法改正論議が日本国内でまともにできなくなるのは、もういいかげんにして欲しい。静かに国内で憲法の議論ができる環境を作ることがマスコミの本来の役目ではないか"ということであると解釈できます。

ちなみに、その発言の音声全体が収録されている、動画を以下に掲載しておきます。



麻生財務大臣は、ヒトラーは選挙に大勝利を収めて権力の座に着いたかのような発言をしていて、それは錯誤によるものかもしれません。しかし、ワイマール憲法下という、当時世界で一番すすんでいたといわれていた、憲法の下でナチスが台頭したのは事実です。大筋でいえば、麻生財務大臣の発言は全く何も問題がなかったといえるとどころか、過去の歴史の反省にたったまともな発言だった思います。

過去の歴史をまともに振り返れば、安倍総理とヒトラーとは比較の対象にもならないことがわかります。

繰り返しいいますが、安倍総理は、選挙で勝利して、首相になっているのです。そうして、もう過去に三回も総選挙があって、その選挙にすべて勝利して、過去二回自民党総裁選でも勝利して、首相の座を維持しているのです。

これでも、安倍総理をヒトラーというのなら、それはもう、民主的手続きである選挙を否定しているとしか言いようがありません。選挙を否定するということは、民主主義の否定にほかなりません。

民主主義の否定といえば、中国こそ、完璧にこれを否定しています。それは、体制の違いなどを示してそう断定しているのではありません。中国では、建国以来現在にいたるまで、中央でも地方でも選挙がないということです。

現代のヒトラー、習近平?
中国には、選挙がないので、日本を含めた先進国などでいうところの、政治家は一人も存在しません。存在するのは、官僚だけです。中国は、官僚が政治を行う、世界に類をみない特殊な国家です。そうして、無論中国では、民主化、政治と経済の分離、法治国家化が全く不十分であり、これはナチス政権も同様です。

ここで、ふたたたび、ドイツの過去の歴史に話を戻します。1933年1月30日にナチ党党首アドルフ・ヒトラーがパウル・フォン・ヒンデンブルク大統領より首相に任じられました。ナチ党は第一党ではありましたが、当時はまだ国会の議席の過半数を獲得していなかったので、議会の安定的運営は不可能だでした。そこでヒトラーは首相就任からわずか2日後の2月1日にヒンデンブルク大統領に要請して国会を解散させました。

選挙の日にヒンデンブルクと握手をするヒトラー
そうして、ナチスは国会で、最大政党になりました。ただし、単独過半数には届きませんでした。しかし、ヒトラー内閣の与党であるドイツ国家人民党をくわえれば過半数には達していました。さらに3月9日には共産党が非合法となり、その81議席は再選挙を行わずに議席ごと抹消された。この結果、ナチ党は単独過半数を獲得しました。

さらに、3月24日には全権委任法が可決され、議会はその権力を実質的に失った。また、ナチ党は選挙結果発表後まもなくバイエルン州などの地方政府の掌握を開始し、地方政府は次々にナチ党の手に落ちた。

さらに7月には政党禁止令の発布によりナチ党以外の全政党が解散に追い込まれ、新規政党の設立も禁止された。次の同年11月の選挙はナチ党のみの選挙になった。以後、まともに選挙は行われなくなりました。

その後のナチス政権下では、まともな選挙はなくなりました。そうして、ワイマール憲法も事実上失効しました。このようなことを考えると、選挙で選ばれた政治家ではなく、官僚にすぎない習近平はもとより、歴代の中国の主席こそ現代のヒトラーだと思います。

このような歴史を無視して、安倍総理をヒトラーと同列に扱うのは、いくら選挙対策とはいえ、あまりにも酷すぎます。さすがに、これほどの歴史の曲解は、目に余るものがあります。

習近平をヒトラーのようだと批判するなら話は理解できますが、安倍総理をヒトラーのようだとするのは、どう考えても無理があります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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