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2011年9月16日金曜日

使いやすさを追求した乾電池の形「Hive」―【私の論評】こんなアイディアが、環境問題に寄与し、エネルギー問題を解消する?!

使いやすさを追求した乾電池の形「Hive」

使いやすさを追求した乾電池の形 私たちの生活の中で欠かせない存在となっている乾電池。特に最近では、災害用の常備品としても注目されており、今後もっと機能やデザイン性が重視されるのではないかと思います。そんな中今回は、従来の乾電池使用時に起こるデメリットを解消した「Hive」を紹介したいと思います。


円柱から六角形の形に変化させることで、誰もが一度は経験した事があると思われる、乾電池が転がって床に落ちてしまうなどの煩わしさがなくなります。シンプルでありながらも是非実現して欲しいアイテムです。

詳しくは以下



面での構成になったことにより、乾電池同士を重ねた際の隙間がなくなり、省スペースでのパッケージングが可能に。運搬時のエネルギーや排気ガス削減など、エコにもつながります。

六角形という形を生かし、乾電池自体のデザインに今までにはなかった工夫を凝らすことができそうですね。少しの変化でも大きな機能を発揮する、とても素敵なアイデアだと思います。


【私の論評】こんなアイディアが、環境問題に寄与し、エネルギー問題を解消する?!
この乾電池のアイディア、非常に気に入ったので、掲載しました。このアイディア一目見ただけで、転がり落ちることもなく、しかも、環境にかなり寄与しそうなことが、すぐに分かります。いままで、なかったのが不思議なくらいです。

"hive"は、英語で、一つの巣(箱)のミツバチの群れという意味ですが、これは、本当にそのままで、誰もが理解できます。この構造、ハニカム構造といって、昔から知られています。正六角形または正六角柱を隙間なく並べた構造のことをいいます。ハニカムとは英語で「蜂の巣」という意味であり、多くの蜂の巣がこのような形をしていることから名付けられました。

広義には、正六角柱に限らず立体図形を隙間なく並べたもの(3次元空間充填)をハニカムと呼びます。

板状の素材に孔を開ければ、強度をあまり損なわずに必要な材料を減らすことができます。孔の大きさや数をどんどん増やせば、最終的には棒材による構造が残ります。同様に、塊状の素材に孔を開ければ、板材による構造が残ります。これらがハニカムです。

蜂の巣
孔を小さくすれば強度は増すが、単位面積あたり棒材の量は増えます。そこで、孔の面積を一定にして、最も棒材の量が少なくなる孔の開け方を考えます。

これは、同じ面積の図形による平面充填で、周の長さが最も短いのは何かという数学的問題にできます。またこうすることで、強度と材料の量の関係に限らないさまざまな課題に一般化できます。

同じ面積で最も周が短い図形は円です。しかし円で平面を充填しようとするといびつな形のスキマが残り、円だけで充填することはできません。平面充填可能な図形には、三角形、四角形、平行六角形などがありますが、最も周が短いのは正六角形です。これは、平面充填形の中で正六角形が最も円に近いことからも、直感的に理解できます。

同様に、3次元での同じ体積の図形による3次元空間充填で、表面積が最も狭いのは何かという問題(「ケルヴィン問題」)を考えることができます。この問題は未解決ですが、既知の最適な答えはウィア・フェラン構造 Weaire–Phelan structure と呼ばれる等体積の12面体と14面体からなる充填です。(1993年にこれが発見されるまでは切頂八面体がそうだったそうです)。しかし、ある種の制約(たとえば、孔が貫通していなければならない、問題となる空間が薄っぺらい、複雑な立体加工はできない、など)の下では、正六角柱が答えとなります。

まさに、このhiveは、この制約の中での答えである、正六角柱ということです。これって、たとえば、ペットボトルなどにも、利用できそうです。円柱よりも、正六角柱のほうが、体積も少ないですし、丈夫だと思います。ただし、加工技術が難しいのと、コストがかかるということで、未だこの世に存在していないのだと思います。正六角柱といえば、私たちの身の回りに昔からあるものがあります。そうです、鉛筆です。鉛筆だと、木と芯でできているものですから、加工しやす買ったのだと思います。しかし、乾電池などは、従来は難しかったのだと思います。今回乾電池では、加工技術が開発され、コストも見合いそうなため、ようやっと、"hive"も実現しそうだということでの提案だと思います。


このように、人間は、自然から学べることがいくらでもります。数学的には、すでに解決されたような問題で、従来は、技術や素材がなかったため、できなかったことでも、今は実現できるようなことも多数あるに違いありません。

自然エネルギーというと、マスコミなどがまるで、思考停止になったかのように太陽光、風力などばかり報道しますが、hieveのようなな考え方をすれば、まだまだ、自然そのものから学ぶことができるかもしれません。おそらく、過去に理論的には出来上がっていることでも、技術・素材などが伴うものがなかったため、実現できなかったことや、さらには、これから開発される理論も出てくると思います。原発も、太陽エネルギーなどをみならって、核分裂ではなく、核融合などを利用するようにすれば、現在よりはるかに安全なものができると思います。

しかし、核融合は、核分裂反応に比べて、反応を起こすために必要な温度・圧力が高いため技術的ハードルが高く、核融合炉をつくるための、高温高圧の反応プラズマを封じ込める技術開発が困難を極めていますが、これとてもいずれは解消されると思います。また、核分裂炉にしても、ウランではなく、トリュムをつかうものも考えられますが、これも、現在のものよりはるかに安全です。

エコという名のものとに、地球温暖化、地球温暖化災厄説、エコバック、マイ箸など、本来は環境問題とはほとんど関係ないことばかりが、クローズアップされますが、本来は、この"hieve"のような考え方が、もっともっと、奨励されたり、報道されるようになるべきだと思うのは、私だけでしょうか?
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