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2016年5月25日水曜日

京大出て専業主婦は「もったいない」のか? 女性のブログが話題「嫉妬されてるだけ」「大学は職業訓練校ではない」―【私の論評】京大卒女子は絶対働くべきと思い込むのは共産主義、全体主義を信奉するのと変わりなし(゚д゚)!


京大卒で主婦はもったいない?

偏差値の高い大学を卒業後、大企業に入社し、高収入を得る――成功や幸せのモデルとして多くの人が思い浮かべるケースだが、高学歴の人の中にはそういった考え方に辟易している卒業生もいるようだ。

京都大学出身の女性が、5月23日に「『京大出て専業主婦なんてもったいない』と言う人は、じゃあわたしが何をすれば許してくれるのか」というブログ記事を投稿し、話題を集めている。

専業主婦であることを「もったいない」と説教された

女性は今年の3月に入籍するとともに京都大学大学院の文学研究科を修了。このことについて、「京大出てそっこうで専業主婦、まあ少数派であることは重々承知している」と語る。周囲に「えっ、働かないの?」と聞かれることは予想していたが、「それに対する自分なりの答え」もあるのだという。

だが、ある人から専業主婦であることは「もったいない」という旨の内容で繰り返し説教をされ、気分が滅入ってしまったそうだ。女性は、
「いったい何がもったいないのだろう。もったいないってことは、わたしは何かを無駄にしているってことなんだろうけれど、何を無駄にしているのだろうか」
と疑問を呈している。女性は京大に行った理由を「勉強をしに行っただけ」「京大オケに入りたかった」と語っている。決して良い企業に就職するためではないのだ。そこで夫と出会い、夫婦での話し合いの末に「外で働かない道」を選んだ。それなのに干渉してくる人に対して、「なぜお前が口を出すのか」と心境を吐露している。
「嫉妬されてるだけ」「余所様の家庭に口を出す方がおかしい」

このブログには、はてなブックマークで多くの反応が寄せられた。中には、
「もっと日本の役に立つことをしろよ。専業主婦ならFランクでもなれるだろ。その枠を未来に活かせる奴に譲れば良かったと思えないの?」
と、女性に「もったいない」と言った人と同じような感想を抱く人もいたが、女性の主張に賛同する人も多かった。
「嫉妬されてるだけ。自分の人生だもの。気にしたら損」 
「余所様の家庭に口を出す方がおかしい。大学で修めた学問と関係無い分野で働いてる人も多い」 
「別に大学は職業訓練校じゃないし、生き方は人それぞれだし、主婦でいいでしょ」 
「なんで他人からの許しが必要なの?」という人も
また、「京大出て変なことしてる人は知人友人含め結構いますので、割とそんな大学です。開き直ってもいい気はします」と周りの卒業生の様子を語る人もいた。「なんで他人からの許しが必要なの?」「ただの社交辞令にいちいち本気にならんでも」といった意見もある。女性が自意識過剰、ということなのだろうか。

だが、24日に女性が更新した記事によれば、ブログに書いた内容は本当なものの、わざと炎上するような文体や煽り気味のタイトルで記事を書いたという。
「本を出そうかなと思っているので、宣伝対象=読者さまが増えたから、よかったんじゃない? て感じだし、そもそもこの燃料で炎上させられない程度の日本語力で本なんか出すべきじゃないやろっていう筆記 試験のつもりで書いたので、自信につながった」
これに対し、読者からは、「せっかく気を使ったコメしたのに『釣れましたーwwww』って性格悪すぎない?もう絶対読まない」と失望する反応が寄せられていた。

【私の論評】京大卒女子は絶対働くべきと思い込むのは共産主義、全体主義を信奉するのと変わりなし(゚д゚)!

何やら、上の記事を読んでいると、この京大卒の女性を「もったいない」と批判する人々は「保育園落ちた、日本死ね」というブログを書いた人や、それを国会でとりあげて、与党を批判した民主党政調会長山尾志桜里さんやこれを支持する人たちなどと似たようなメンタリティーなのではないかと思います。

なぜ、そのような感想を抱くに至ったかといえば、最近ある動画を見たからです。その動画を以下に掲載します。


この動画、50分以上にも及ぶものですが、私は結構面白くあっという間に見終わってしまいました。この動画では、河添恵子・赤尾由美さんらが、朝まで生テレビの鬱憤を晴らすのを倉山氏が聞き取るというような形でまとめらています。チャンネルくららとしては、久しぶりの「討論・暴論・強硬論!」です。タイトルは、「女性が輝く社会を目指す?」というタイトルで、保育園の義務教育化を推進することの問題点を指摘しています。

詳細は、この動画をご覧いただくものとして、とにかくすべからく、すべての女性は働きたいと思っている。いや、働かなければならない。働きたいのに、働けない女性は不幸である。働いている女性は、差別されている。この差別は何が何でもなくさなければならない。そうして、すべての女性が差別なく働けるように、保育園はすべからく義務教育化するのが、とにかく何が何でも正しく、そのことによってすべての女性は輝きを増すという考え方は、どこか間違っています。というより、どこか狂っています。

これは、上の動画をご覧いただくことで、実感していただけるものと思います。ブログ冒頭の記事にでてきた、京大卒の専業主婦の方のブログとおぼしきブログのリンクと、そのブログに掲載されていた本人と思われるかたの写真を以下に掲載します。

ブログのタイトルは以下です。
わたしのむしめがね
当該記事のリンクを以下に掲載します。
「京大出て専業主婦なんてもったいない」と言う人は、じゃあわたしが何をすれば許してくれるのか

さて、女性は全員働きたいと思っているし、働かなければならないとする現在の風潮はリベラルや左翼系の人々は、新しい風潮であるかのように思い込んでいるようですが、それは違います。これは、時代遅れです。アメリカで大失敗した古い考え方です。それに関しては、このブロクにも随分前に掲載したことがあります。

その記事を以下のリンク掲載します。

まずは、夫婦別姓の記事のリンクを掲載します。
選択的夫婦別姓を明記 第3次男女共同参画基本計画策定に向け答申―日本解体始動!!ゆとり教育の二番煎じになるか?
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事は2010年7月23日のものです。この記事から、一足早くビジネス現場などで、夫婦別姓が一時かなりすすめられた結果、米国では過去に何が起こっていたかを示す部分を以下に引用します。
さて、この選択的夫婦別姓に関しては、米国では、現在の日本と同様、結婚によって夫婦は同じ姓になりますが、婚前の姓をミドルネームと言う形で残すのは、普通のことのようです。「私のパパの名前をミドルネームにして使っているの」という女性も多いです。米国では、法律では夫婦別姓に関して決まりはありません。 
ところが、米国では1960年代からいわゆるリベラリスト(自由主義者)らによるフェミニズムの影響で、男性からの経済的自立で女性は自由を得るという生き方が吹聴され、夫婦別姓や事実婚を推奨する運動が盛んでした。 
だから、アメリカでは働く女性が自分の旧姓を名乗り続けるなどのことが、珍しくないことになっていました。あるいは、実質的には夫婦関係にあるにもかかわらず、結婚せずに、夫婦別姓で、いわゆる事実婚という形をとるカップルも増えました。ところが、この法律にもとづかない実質的な夫婦別姓制度が大きな不幸をもたらしました。 
夫婦別姓、女性の社会進出、子育ての外注化という流れの中で米国では多くの男性が妻と子供を扶養する責任を感じなくなっていきました。離婚や未婚の母が増加し、家族という生活の基礎的な基盤を失って苦しむ子供たちが急増しました。皆さんご存知でしょうが、現在アメリカで結婚したカップルのうち、半数以上が離婚します。半数以上ですよ!米国では、離婚は当たり前のことになってしまいました。近いところでは、あのおしどり夫婦で有名だったアル・ゴア氏の離婚が有名ですね。
ペンシルベニア州立大学ポール・アマト教授は「安定的な結婚を1980年の水準まで上昇させれば、停学になる子供を50万人、非行、暴力行為に走る子供を20万人、心理療法を受ける子供を25万人、喫煙する子供を25万人、自殺志向の子供を8万人、自殺未遂の子供を2万8千人、それぞれ減らせる」と警鐘を鳴らしました。 
「家族の絆(きずな)」よりも「個人の意向」を優先する社会-。これが何をもたらしたか。米国の女性たちは既に教訓を得ました。「(米国女性は)過去25年間で初めて女性の就労率が下降し、女性の86%が『仕事よりも家庭が大事だ』と思っている」(2002年3月12日付『USAトゥデー』)
過去に一時、「家庭の絆」よりも「個人の意向」を尊重したアメリカ社会では、今日の日本の「保育園義務化」のように、子育ての外注化がすすめられ、そのために上記にあるような社会の停滞と破壊を招いたです。

こんなことを、リベラルや左翼の人たちは日本でも繰り返したいというのでしょうか。数十年も前にアメリカで大失敗したことを、日本でも繰り返そうというのでしょうか。アメリカ社会は1990年代がこのような破壊と停滞の時代だったのです。2000年に入ってからは、その反省の上にたって、女性の考えが随分変わったのです。

そもそも、女性にも様々なタイプの人がいて、上昇志向が強くて、企業に入って、なるべく上を目指したいという人もいると思います。しかし、そうではない人も多数存在するのです。ブログ冒頭の記事の京大を卒業した女性はそのような女性だと思います。

主婦業 男性1割が"0円"評価とのアンケート結果があつた。主婦業を侮るべきではない!
とにかく、有名大学を卒業した女性はすべからく社会進出しなければならないという考えはあまりに偏狭すぎます。それに、「専業主婦ならFランクでもなれる」という言い方は、とんでもないです。これでは、完璧に専業主婦を愚弄しています。とんでもないことです。

これこそ、差別というものです。専業主婦も、良い大学を出ていようが、出ていまいが、優秀な人は優秀です。優秀でなければ、まともな家庭を築くことはできません。企業も家庭があって、まともな子育てができる家庭で、まともな成人が入社してくれなければ成り立ちません。

それと、ノルウェーなどクオーター制によって、役員や、管理職の一定数を女性にするという、リベラルや左翼系の人々が先進的だとするシステムに関しても、その齟齬が随分前からみられていました。それに関する記事のリンクを以下に掲載します。
実は不寛容だった!? 女性登用先進国の「不都合な真実」 フィナンシャル・タイムズ(UK)より―【私の論評】古今東西の事例をみないか、みても中途半端で失敗するというのは、日本の政治家・官僚・マスコミが何度となく繰り返したきた習性!これからも繰り返し続けるのだろうか(゚д゚)!
この記事は、2014年10月26日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、女性登用のノルウェーでの実態を示す部分を以下に引用します。
首相、財務相、さらには経済界の要職である雇用主組合と労働組合連合のトップに、女性が君臨する。ノルウェーが女性登用先進国と言われる所以である。
2003年、会社法改正により、同国の男女平等政策は民間企業にも広がった。上場企業の取締役会における女性の割合を40%以上とすることを義務づける「クォータ制(割当制)」が導入されたのだ。 
国際的には、クォータ制は女性登用に一定の成果を挙げたと評価されている。だがノルウェー国内では、その効果を疑問視する声もあがっている。 
ノルウェーではいまや、上場企業の取締役会における女性役員が40・7%を占めるまでになった。だが、実際に経営に携わる女性役員は6・4%にとどまる。さらに言えば、ノルウェーの大手上場企業で社長の座に就いている女性は一人もいない。 
結局のところクォータ制は、企業社会の男女平等を後押ししたというより、経営の決定権を持たない女性役員の数を増やしただけだったというのだ。 
この制度が非上場企業には適用されないことも、大企業にとっては抜け道となっている。03年に563社あったノルウェーの上場企業は、クォータ制が法的強制力を持つ08年までに、179社に激減した。女性役員の比率を上げたくないがために、7割の上場企業が非上場に転じたのだ。その結果、役員ポストは上場企業全体で1400となり、現在570人の女性役員がいるにすぎない。他方、非上場企業の役員の50万のうち、女性が就いているポストは9万余り。女性の割合は2割にも満たない。
ノルウエーは左翼やリベラルの人たちにいわせると、素晴らしい国であり、女性がいきいきと働き、輝いていると映っているようですが、実際はこの状況です。

この状況は、現在ではさらに悪くなっているようです。上の動画でも河添恵子先生が、ノルウエーの企業で、本社を外国に移す企業が増えていると語っていました。

日本では、女性の社会進出を促すとリベラルや左翼の方々が、固く考えられているクオーター制といい、女性が働き易すくなると固く信じられている「子育ての外注化」など、これは何かを連想させます。

とにかく、優秀な人が何か制度をつくりそれを施行さえすれば、何でもうまくいくという、考え方です。


これはいわゆる制度設計というものです。これは、新しい制度を作る、または現行制度を改善する場合に、その目的、対象、事業内容、必要な組織、運営の仕方などをまとめた計画のことです。優秀な人が、この計画を立案して、実行すれば必ずうまくいという安易な考え方です。

そうです。これって、共産主義ですね。共産主義はどうなりましたか?結局大失敗しました。今では、共産主義など誰も信じなくなりました。

結局女性の社会進出や、子育てなどに関しては、制度設計で誰かが「これが最善」として考えて実行したとしてもうまくはいかないということです。

制度設計で何もかもうまくいくなら、共産主義の計画経済もうまくいって、共産主義国家も栄えていたはずです。そうして、今でも共産主義国家が存在しているはです。しかし、現在では、共産主義国家はこの地球上には存在しません。

中国は共産主義体制をとっているようにみせかけていますが、その実もうとうに共産主義は捨てていて、現在は破綻しかけた国家資本主義と呼ぶにふさわしい体制となっています。

京大を出た女性は専業主婦ではなく社会に出て働くべきという考えは、女性は社会進出すべきであり、それが絶対善であるという考え方と根本的に同じです。

しかし、実際の世の中には、そうではない女性も大勢います。そうして、上でも示したように、家庭の主婦の仕事も大事な仕事です。そんなことを無視して、社会全体の価値観を一部の人が定めて、その方向性で計画して、その計画を実行することにより、人々は幸せになるという考え方は、共産主義です。

共産主義は、結局全体主義であり、組織や個人の自由な活動をかなり制限して、制度設計で社会はうまくいくという前提のもとで運営され、そうして、大失敗しました。

共産主義国家においては、女性の社会進出が徹底されました。旧社会主義国では、これが社会を荒廃させる一因にもなりました。

過去の共産主義諸国の女性たちのほとんどが社会進出した
結局何が失敗だったかというと、個人や組織の自由を認めなかったことです。社会には、多様な考えや価値観を持った個人や、組織が存在しており、実体経済という縛りはあるものの、現実にそれらが自由に活動して、個人の幸せが得られたり、組織間が競争をしたり、他の組織とは全く異なることを実行したりして、成功したり失敗したりします。

そうして、一定の秩序ができあがり、社会が発展します。しかし、それを認めないというのなら、社会は発展しません。

女性は、社会進出して、高い給料や地位を得ることが幸せで、他は不幸であると決めつけることや、女性の社会進出のためには、価値の低い専業主婦の仕事は全部外注にして、女性が心置きなく社会進出して、少しでも高い給料と高い地位を得ることによってのみ、女性は輝くことができると思い込むのは、結局のところ共産主義、全体主義を信奉するのと変わりありません。

結局、一昔前のアメリカの不幸もこうした硬直した考えに支配されたためです。私たちは、多様な個人や組織の価値観や考えを尊重すべきです。だから、社会進出したいという女性の価値観も認めると同時に、家庭を大事にしたいという女性の価値観も認めるべきなのです。

そうして、明らかに間違いであるとか、社会に害悪をもたらすとか、犯罪につながるとか、他者にも無理に強要するような価値観や考えは、認めるわけにはいきませんが、それ以外の個人や組織のそれは、認めるべきです。本当はリベラルの人たちがこのような考えをすべきです。

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