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2016年4月7日木曜日

日米比越4カ国で中国を威嚇 海自護衛艦の“歴史的”寄港で南シナ海「対中包囲網」―【私の論評】マスコミが絶対に国民に知られたくない安全保障のダイヤモンドの完成(゚д゚)!


海上自衛官「いせ」 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 日米両国が、フィリピンやベトナムとともに、南シナ海で軍事的覇権を強める中国を封じ込める動きを見せている。米原子力空母「ジョン・C・ステニス」が同海に展開するなか、海上自衛隊の護衛艦や潜水艦がフィリピンに寄港したのだ。護衛艦はベトナムにも向かう。海自最大級のヘリコプター搭載型護衛艦「いせ」も近く、フィリピンに寄港予定で、南シナ海の「航海の自由」を断固守る覚悟といえそうだ。

 海自の護衛艦「ありあけ」「せとぎり」と、練習用潜水艦「おやしお」は3日、南シナ海に面したフィリピン・ルソン島のスービック港に入港した。日本の潜水艦のフィリピン寄港は15年ぶりという。

フィリピンのスービック港に寄港した海上自衛隊の潜水艦「おやしお」(左)、護衛艦「ありあけ」と「せとぎり」

 スービックは、アジア最大の米海軍基地が1991年まで存在した良港であり、中国は米軍撤退後、フィリピンも領有を主張していたミスチーフ(中国名・美済)礁に勝手に軍事施設を建設した。

 中国による「南シナ海」支配の野望を実感させる港に、海自艦船が寄港したことは、各国メディアも注視している。

 ロイター通信は先月、「艦艇の寄港は受け入れ国と親密な関係にあることを示すことになり、南シナ海でフィリピンと領有権を争う中国への牽制(けんせい)につながる」と事前に報じた。

 AFP通信は3日、「この港は中国とフィリピンが領有権を争うスカボロー(同・黄岩島)礁から200キロの位置にある」としたうえで、フィリピン海軍の報道官の「今回の寄港は、地域の平和や安定の持続的促進および近隣諸国の海軍との協力強化が目的」との発言を伝えた。

 これだけではない、海自が誇るヘリ搭載型護衛艦「いせ」が今月中にも、スービック港に寄港する。同艦は、全長197メートル、全幅33メートル、基準排水量1万3950トン。乗員350人。200メートル近い全通甲板を備え、最大11機のヘリコプターが搭載可能だ。海自護衛艦の中でも屈指の哨戒ヘリ運用能力を持ち、潜水艦への警戒・監視活動に威力を発揮する。

 「いせ」は、今月12~16日の日程でインドネシアのパダンで開かれる多国間共同訓練「コモド」や国際観艦式に参加し、捜索・救難訓練や指揮所訓練などを行う。その後、南シナ海に入り、米海軍とフィリピン海軍との共同訓練を行う方向だ。

 さらに注目すべきは、「ありあけ」と「せとぎり」がフィリピン寄港後、日本の護衛艦として初めてベトナム・カムラン湾に寄港することだ。

 カムラン湾は、中国が覇権を強める南シナ海・パラセル(同・西沙)諸島や、同・スプラトリー(同・南沙)に近い軍事的要衝である。

 海自幹部は「特定の目的で(寄港地を)選んだわけではない」というが、西アジアの安全保障のために、日本と米国が、フィリピンやベトナムと連携して、中国を牽制・包囲する狙いが伝わる。

 世界の最重要シーレーンである南シナ海について、中国の習近平国家主席は昨年9月、オバマ米大統領との米中首脳会談で「南シナ海を軍事拠点化する意図はない」と語っていた。ところが、地対空ミサイルや対艦巡航ミサイルを配備した後に行われた先月31日の同会談では、習氏は「中国の主権を侵害する行為は許さない」と開き直った。

 中国の暴走を止められないのか。

 軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「南シナ海の『航行の自由』が保障されなければ、世界経済の深刻なダメージとなる」といい、続けた。

ジョン・C・ステニス
 「米中首脳会談に合わせて、米国は空母『ジョン・C・ステニス』を派遣して中国に圧力をかけたが、首脳会談は平行線に終わった。海自護衛艦のベトナム寄港は歴史的な出来事だ。日本の安全保障政策は新たなステージ入った。日米とフィリピン、ベトナムの4カ国による『対中包囲網』が形成されるとみていい。これにインドネシアも加わる可能性がある」

【私の論評】マスコミが国民絶対に知られたくない、安全保障のダイヤモンドの完成(゚д゚)!

このような報道、やはり日本のテレビや、新聞でもほとんど報道しません。これは、何を意味するのか、日本のメディア自身も把握していないのでしょう。情けないことです。

今回の目玉はやはり「いせ」の南シナ海への寄港でしょう。「いせ」は厳密には、空母ではないものの、少し改装でもすれば、すぐにでも空母にもなるような艦艇です。これは、おそらく、戦後初めての南シナ海への空母の派遣ということになります。

米国は日本に対し、南シナ海で、無人有人の偵察機や、探知用のレーダーつきの軍艦、潜水艦などを出して、中国軍の動向について情報する「情報・監視・偵察(ISR)」をやってほしいと要望し続けています。しかし、日本は、まだ日本の領海である南西諸島など東シナ海でのISRを拡大している最中で、まったくの外国である南シナ海でISRを始める余力がない、と米国に返答しててました。

日本は自国周辺のISRについて、長らく米軍に全面依存し、独自の情報収集機能をほとんど持たなかったのですが、冷戦中からソ連に対する対潜哨戒活動を強化し、現状ではその能力は世界のトップクラスになっています。無論中国のそれと比較すると、数段上のレベルにあり、当面中国が追いつけるようなレベルではありません。

しかし、一時的な航行でなく、日本が南シナ海で恒常的に中国軍の動向を把握するISR(軍事諜報活動)を行うとなると、話は全く違ってきます。東シナ海は日本の領土領海なので、そこでのISRは正当な防衛ですが、日本と直接には関係もない南シナ海で日本が恒常的なISR活動を行うことは、南シナ海を中国の領海や経済水域でなく全くの「公海」とみなしたとしても「外国への軍事的影響力の行使」「覇権行為」とみなされることになります。特に、日本国内ではそうです。

ただし、ISRについては、日本はすでに海外の実績があるのも事実です。それは、ソマリア沖の海賊対策として、日本の海上自衛隊はすでに対潜哨戒機を派遣して、海賊の監視活動にあたっており、かなりの成果を収めています。

ソマリア沖の海賊の監視には自衛隊が活躍している
この方面で、自衛隊は、水上部隊は護衛艦(対潜ヘリ搭載ミサイル駆逐艦)2隻、対潜ヘリ4機からなり海保から8名が同乗し海上警察活動をしています。

航空部隊は2機の対潜哨戒機と水上部隊所属機のヘリの整備も行う整備隊など約150名、基地の運営と警備を行う陸自部隊約50名、日本とジブチ間の補給物資の輸送を行う空自の輸送機部隊からなります。

この海賊対策は、多国籍軍によって行われていますが、昨年は海上自衛隊の伊藤弘海将補が昨年の5月末から7月末まで多国籍軍の司令官を勤めました、自衛隊としては初めて多国籍部隊のトップということになりました。

伊藤弘海将補
このような実績もあることから、米国が、台湾、フィリピン、南シナ海という一体の地域・海域を日本の自衛隊の活動地域として指定し、台湾とフィリピン、中国、東南アジアがそれを了承したとしたとすれば、日本がソマリア沖のように南シナ海でISRにあたるということは十分にあり得ます。



米軍と自衛隊の艦隊は、昨年10月19日までインドとの3カ国の合同軍事演習(Malabar 2015)に参加したかえり、日米軍が一緒に南シナ海を通った時に、10月28日から2週間ほどの期間で、初めての南シナ海での日米合同軍事演習を行いました。中国を敵に見立て、航行の自由を確保する軍事演習などが行われました。こうした流れから考えると、日本が南シナ海で中国を牽制するようになる日は、意外と近いかもしれません。

なぜかといえば、元々安倍総理は、総理大臣になる直前に、外国のサイトに安全保障のダイヤモンドに関して寄稿しているからです。

これについても、日本のマスコミはほとんど報道しなかったので、日本人でもこの重要な構想については知らない人が多いようです。

これについては、このブロクにも過去に掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
尖閣侵犯、野田内閣“弱腰”で中国エスカレート 曳光弾封印…―【私の論評】知れば知るほど、納得する安倍総理の凄さ!!安全保障のダイヤモンドを知れ!!
詳細は、この記事をごらんいただくものとして、力による現状変更を目論む中国に対して、周辺諸国が協力して、以下のような安全保障のダイヤモンドを構築して、中国の囲い込みを行うという構想です。
この構想が公表されたのは、安倍総理が総理になる直前の、2012年12月27日のことです。安倍総理は、この頃から今日の南シナ海の状況を予見したともいえます。

安倍総理が総理になってから、全方位外国であらゆる国を訪問し、特に上記のダイヤモンドを形成することになる国々にも訪問して、その都度安全保障のダイヤモンドの実現のため鋭意努力されました。そうして、各国の首脳にこの構想に対して、賛意を評していただいたため、構想事態は間近と見て良いくらいです。

後は、実際に軍事的にも中国を封じ込める体制を整えることになりますが、それに対してもブログ上記の記事にあるように、安倍政権は着々と歩を進めているようです。

南シナ海での海上自衛隊の監視活動、いずれそう遠くない将来に始まると思います。そうして、東シナ海でも鉄壁の防備をすることが、このセキュリティーダイヤモンド構想の完璧な完成ということになります。

オーストラリアは、「そうりゅう型」潜水艦を日本から導入することを検討しているようで、もし「そうりゅう型」を導入しなかったとすれば、中国の影響から抜け切れていないと見るべきとする向きもありますが、いずれの潜水艦に決まったにしても、強固な日米比越の対中国包囲網が出来上がった後では、これに追随せざるを得ないでしょう。

米軍としては、及び腰オバマ大統領の後の大統領になったとき、中国が南シナ海での軍事行動をやめなければ、早期に決着をつけるべきでしょう。無論、爆撃するか、埋め立てられた環礁を包囲して、中国側の補給路を絶つなどして、それで中国の出方をみて、それでも中国が反撃をするなら、攻撃して粉砕するのです。

それで、本格的な戦争になったとしても、中国に米国や、安全保障のダイヤモンドに対抗したとしても勝てる見込みは全くありません。

もし、中国の南シナ海での暴挙をそのまま許しておけば、いずれとんでもないことになります。それこそ、中国は沖縄奪取、日本奪取、フイリピン、インドネシア、ベトナム奪取へと突き進むでしょう。

それは、中国が建国されてからまもなく、チベット、ウィグル、内蒙古に侵略したことからも明らかです。

まずは、手近ですぐにできる、陸続きの軍事的に弱い国々から侵略を開始しましたが、中国の欲望はとどまるところを知らず、今度は海洋においてそれを実践しようとしているのです。

そのようなことだけは、断固として避けなければなりません。その防波堤の役割を果たすのが安全保障のダイヤモンドです。そんなことは、当たり前のことなのに、日本のマスコミは中国の息がかかっているのでしょうか、安全保障のダイヤモンドの存在を絶対に日本国民に知られたくないようです。

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2016年3月29日火曜日

中国“威嚇”か 鹿児島県沖に最新鋭のフリゲート艦 安保関連法施行―【私の論評】安保法制施行を機に日本は、中国の海洋進出を弾く壁になれ(゚д゚)!


鹿児島県沖を通過した中国のジャンカイII級フリゲート艦 写真はブログ管理人挿入

 安全保障関連法が29日午前0時に施行された。集団的自衛権行使を限定的に可能にするもので、中国や北朝鮮によって東アジア情勢が緊張するなか、日米同盟の抑止力は強化され、日本の防衛体制はより強固となる。米国などが歓迎のコメントを発表する一方、中国は警戒のためか、最新鋭のフリゲート艦など2隻を施行前日、鹿児島県の南にある大隅海峡を通過させた。

 「戦争を未然に防ぎ、国民の命と平和な暮らしを守るために不可欠だ」

 菅義偉官房長官は28日の記者会見で、新法制についてこう強調した。

 関連法の施行で、米国など「密接な関係にある他国」に対する武力攻撃が発生し、日本の「存立危機事態」と認定されれば集団的自衛権を行使できる。自衛隊が国際社会の平和と安定に貢献できる余地も格段に広がる。

 日本の安保体制は歴史的転換点を迎えた。


 米国務省は28日、「同盟を強化し、国際社会の安全保障において、より積極的な役割を果たそうとする日本の努力を歓迎する」という声明を発表した。

 一方、東シナ海や南シナ海で軍事的覇権を強める中国は、自国の行為は棚に上げて警戒を緩めていない。

 中国外務省の洪磊副報道局長は28日、「軍事、安全保障政策では慎重に事を進めてもらいたい」「歴史の教訓をくみ取り、平和発展の道を歩むことを希望する」などと日本をけん制した。

 中国メディアは、安保法制を一貫して批判的に報道している。日本の一部メディアのように、反対する識者や市民の声だけを選んで伝える姿勢も目立つ。

 こうしたなか、中国海軍艦艇の気になる動きが報告された。

 防衛省統合幕僚監部は28日、中国のジャンカイII級フリゲート艦と、ダージャン級潜水艦救難艦の計2隻が同日午前4時半ごろ、鹿児島県・屋久島の西約130キロの海域を東シナ海から太平洋に向けて進んでいることを確認、発表した。その後、2隻は同県・大隅半島と種子島の間の大隅海峡を通過した。ジャンカイII級は最新鋭のフリゲート艦とされる。

 日本の安保関連法施行を警戒しているのか、おびえているのか。

【私の論評】安保法制施行を機に日本は、中国の海洋進出を弾く壁になれ(゚д゚)!

世界の中で、安保法制を一貫して批判的なのは、中国・北朝鮮、それになぜか韓国くらいなものです。他の国は、概ね好意的であるか、ロシアのように賛成も反対も表明しない国が多少ある程度です。

それと、これは国ではないですが、なぜか安全保障関連法の廃止法案を提出した民主、共産、維新、社民、生活の野党5党が、日本の安保法制に反対です。

世界の他の国々が、日本の安保法制についてどのような評価をしているかについては、このブログでも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
大新聞 安保法制反対デモは報じるが世界の賛成の声は報じず―【私の論評】中国のため日本国内で報道統制をする習近平応援メデイアには、もううんざり(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、日本の安保法制に関する、各国の評価をチャートにまとめたものをこの記事に掲載しましたので、そのチャートのみ以下に掲載させていただきます。


世界で日本の集団的自衛権行使容認に対するアジア太平洋諸国の評価は、概ね好評です。

日本国内では、先にあげた野党5党のほか、左翼・リベラル系の識者の方々や、国会周辺でデモをしていた方々など、法案が通れば戦争になるなどと安保法制に対して、「戦争法案」というレッテル貼りをしていました。

しかし、法案が成立したときも、本日安全保障関連法が施行されても、未だに戦争にはなっていません。いつ、戦争が起こるのでしょうか。野党の方々や、デモなどをしていた方々に、いつになったら戦争が起こるのか教えていただきたいものです。

安保法案に反対していた、中国はブログ冒頭の記事にあったように、鹿児島県沖にフリゲート艦を派遣したようですが、やはり警戒しているのでしょうか。

このブログにも掲載しているように、中国の海軍力は米国とは全く比較の対照にならないくらい脆弱ですし、日本の海上自衛隊よりも劣ります。これについては、中国のメディア自体がそのことを掲載しています。

以下にその記事を掲載します。これは、サーチナの記事です。
海上における軍事力、中国は日本にはるかに劣るのが現状
2015-11-26 08:33
中国版女性シールズの訓練だとか?水着がユニフォームでないというのが何とも・・・・・
中国は近年、高速鉄道をはじめとするさまざまな分野で急速に技術力を高めており、それは軍事においても同様だ。だが、中国メディアの南方周末は23日、中国の軍事専門家の話として「日本と中国の海上における軍事力にはまだ大きな差がある」と論じる記事を掲載した。 
 中国ではこのほど自主開発したと主張する大型旅客機C919がラインオフしたが、記事はC919を例に、「エンジンや電子機器などは国外に頼っているのが実情」と指摘。日本でこのほど三菱航空機が開発したMRJが初飛行を行ったことにも触れ、「日本も一部は米国から提供を受けているものの、基本的には国産の技術であり、自国で開発したものだ」と指摘し、中国との違いを伝えた。 
 さらに、情報通信技術や知能化といった分野においては日本は中国をはるかにリードしているのが実情であることを伝えたうえで、「日本が中国より優れた技術を持つことを認める必要がある」と指摘。また、中国が日本に追いつくうえでは中国が不足している点を知る必要があると論じた。 
 また記事は、中国人民解放軍の総合的な軍事力は日本に勝るとしながらも、陸軍を除いた空軍と海軍を個々に自衛隊と比較した場合、絶対的な優位はないと指摘。人民解放軍の陸軍は自衛隊よりはるかに強いはずだとする一方、戦争というものは海軍と空軍の力量によって決まると指摘した。 
 続けて、日清戦争における黄海海戦を例に、「清は黄海海戦で制海権を失い、戦争の敗北ひいては国の滅亡につながった」と主張。当時から中国海軍の力は日本にはるかに劣っており、それは今も同じだと指摘。この力の差をひっくり返すには10-20年以上も継続して必死に努力することが必要だと論じた。(編集担当:村山健二)
この文章にはでてきませんが、特に日本の場合中国と比較すると、日本は、潜水艦に関しては絶対的に優位があります。技術水準が高くて、中国の潜水艦は日本の「そうりゅう型」の敵ではありません。同時に、対潜哨戒能力も段違いに優勢です。

現在通常型としては世界で最も先進的な潜水艦である日本の「そうりゅう型」
日中の海軍が戦った場合、中国に勝ち目はありません。日本の海上自衛隊と対峙しても、この程度ですから、これが、日米同盟軍であれば、箸にも棒にもかからない中国の海軍力です。

ただし、南シナ海のフイリピン、ベトナム、インドネシアなどの国々と比較すれば、中国の海軍力は強いです。相手が弱いし、アメリカは及び腰だったからこそ、中国は南シナ海に進出したのです。相手が弱いとか、及び腰だとみるとすかさず、侵略するというのが中国のやり口です。そのやり口で、過去には、ウィグル、チベット、内モンゴルに侵略しました。

日本としては、まずは対潜哨戒だけでも、南シナ海にて行えば、中国の艦艇や潜水艦は、丸裸にでき、最初から勝負は決まったようなもので、中国に万が一勝つ見込みはないです。

昨年訓練のためフィリピンの空港に着陸した日本のP3C対潜哨戒機
そうして、今後日本は、日本の領海内で中国が不穏な動きを示したら、撃沈も選択肢に含めた措置を実行すべきです。そうでなければ、尖閣や尖閣付近の海域も、南シナ海二の轍を踏むことになります。

そうして、日本やフィリピンは、海洋進出を目指す中国とは必ず対峙しなければならないことが、以下の地図をご覧いただければ、良くご理解いただけるものと思います。


中国からこの写真の「さかさまの地図」をみるとよく理解できます。日本、台湾、フィリピン、インドネシア・・・。これらの国々がことごとく、中国の海洋進出を邪魔しています。

とくに日本とフィリピンは「壁」のようです。唯一、沖縄のあたりに隙間があります。そうして、中国は上記の国すべてとトラブルをおこしています。

中国が、なぜ「尖閣・沖縄は中国の領土だ!」と言うのか、その理由がわかる地図です。中国が海洋進出という虚妄を諦めず、軍事力を増強し続けるかぎり、日本はいずれ必ず中国と本格的に対峙するときが必ずやってきます。これは、中国が本格的に軍事大国化する前に自滅しないかぎり、必ずやってくることを私たちは覚悟しなければなりません。

中国の虚妄である、中国の海洋新進出は是が非でも防がなければなりません。力による現状変更は絶対にさせてはなりません。

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2015年11月16日月曜日

中国海軍、尖閣接近のウラ 米爆撃機の威嚇に習政権“苦肉の策”か ―【私の論評】日本と戦争になれば、自意識過剰中国海軍は半日で壊滅!東シナ海で傍若無人ぶりを働けば撃沈せよ(゚д゚)!

中国海軍、尖閣接近のウラ 米爆撃機の威嚇に習政権“苦肉の策”か 

B52を空母に搭載するとこんな感じです 合成写真
中国海軍の艦艇が、東シナ海で不審極まる航行をしたことが注目されている。沖縄・尖閣諸島南方の接続水域の外側を、東西に反復航行していたのだ。米国は先日、中国の南シナ海での暴挙を阻止するため、「死の鳥」と恐れられたB52戦略爆撃機2機を投入したばかり。どうやら、習近平国家主席率いる中国の窮状と関係しているようだ。

「領土、領海、領空を断固守るとの立場から、周辺の海空域の警戒活動には万全を期している」

菅義偉官房長官は13日午前の記者会見で、中国海軍の艦艇による異常航行について、こう強調した。

航行が確認されたのは中国海軍のドンディアオ級情報収集艦で、海上自衛隊のP3C哨戒機が発見した。菅氏は「単なる通過ではなく、1日で東西に反復航行したのは特異な航行だ」と指摘し、警戒感を示した。
中国といえば、南シナ海の岩礁を国際法を無視して軍事基地化したことをめぐって、米国と緊張関係にある。

米軍は「航行の自由」と「法の支配」を守るため、先月27日、イージス駆逐艦「ラッセン」を派遣したうえ、米原子力空母「セオドア・ルーズベルト」をマレーシア沖で航行させて中国をけん制した。

今月8~9日には、グアムから飛び立った、核爆弾搭載可能なB52戦略爆撃機2機が、南シナ海の人工島近くを飛行するなど、圧力を強めている。中国軍は、こうした米軍の攻勢に目立った動きをみせていない。

こうしたなか、少し離れた東シナ海で特異な航行をしたのはなぜなのか。

軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「情報収集艦の航行は、南シナ海での動きと連動しているとみて間違いない」といい、続けた。

「中国は、米国が艦船だけでなく、戦略爆撃機まで投入するとは思っていなかったはずだ。対抗措置を取らなければ、中国のメンツが立たないうえ、国内世論の反発を食らう。といって、緊迫する南シナ海で下手に動けば、軍事力で歴然の差がある米軍と衝突する事態になりかねない」

「苦肉の策として導き出したのが、東シナ海への艦艇派遣だったのだろう。『自衛隊が相手ならば、大きな事態にならない』と考えたのではないか。それだけ、米軍の『フリーダム・オブ・ナビゲーション(航行の自由)作戦』で追い詰められているということだ」

習氏の歯ぎしりの音が聞こえてきそうだ。

【私の論評】日本と戦争になれば、自意識過剰中国海軍は半日で壊滅!東シナ海で傍若無人ぶりを働けば撃沈せよ(゚д゚)!

歯ぎしりする習近平
ボロ船、ボロ潜水艦、ズタボロ戦闘機しか製造できない中国

習近平は、アメリカに歯ぎしりさせられています。しかし、多くの日本人が知らないようですが、習は日本にはさらに歯ぎしりしています。

ブログ冒頭の記事では、米軍のことを主に掲載していますが、実は日本の自衛隊、それも海上自衛隊の実力は決して侮ることはできません。

日本の海上自衛隊は、他国の海軍と比較して、ひけを取らないどころか、実体は世界第二位です。日本の海上自衛隊に比較すれば、通常兵力では、中国海軍は比較の対象ですらありません。日本と交戦すれば、勝ち目は全くありません。これを信じることができない人は、以下の動画をご覧になって下さい。



このブログでも、中国海軍は日本の自衛隊に遠く及ばす、太刀打ちできないことは何度か掲載してきました。

その典型的な記事のリンクを以下に掲載します。
中国解放軍が初めて日本列島を南北から挟み撃ち・・三大艦隊が同事演習―中国報道―【私の論評】バトルシップのできない中国のボロ艦船隊がデモンストレーションしているだけ! 自衛隊が本気を出せば半日で壊滅するレベル(゚д゚)!
人民解放軍のボロ船艦隊による軍事演習
詳細は、このブログをご覧いただくものとして、とにかく中国の軍事力はかなり劣っています。なぜそのようなことになるかといえば、いくら軍事費を拡張したにしても、軍事および民間技術水準があまりに低いので、いくら頑張っても、日米に比較すると、数十年前の技術水準のボロ船、ボロ戦闘機しかつくれないからです。

そうして、このようなボロ船、ボロ戦闘機を作るにも、中国は大規模な予算を割かなければならないという、苦しい事情があります。どうして、そのようなことになるかといえば、軍事技術の肝心要の部分はどこの国も自主開発で、絶対他国には開示しないからです。

この状況では、いくら船や航空機を建造しても、中国の技術水準が低すぎて、とても太刀打ちできないという状況が続くことでしょう。この状況を中国が打破するには、ものまねではなく、独自の技術水準を高めるしかありません。それには、まだまだ、最低でも20〜30年はかかると思います。

それにしても、私自身は、中国の軍事力は格段に劣っていることは前から知っていましたが、上の動画で青山繁晴氏が述べているように、日本の自衛隊と戦えば、中国海軍が半日で壊滅するだろうと類推はしていたのですが、青山繁晴氏も上の動画で同じことを言っていたので、やはりそうなのだと得心しました。

これだと、米国海軍と中国海軍が戦うことになれば、半日どころか数時間で壊滅ということになるのだと思います。

これだけ軍事力に差があるということは、無論人民解放軍の上層部は知っています。だからこそ、このブログでも過去に掲載したように、中国は尖閣でも、武装船などはなく、武装していない、漁船や公船で、領海侵犯などしていました。

今回は、南シナ海では、米国に対抗すれば勝ち目がないことはわかりきっているので、苦肉の策で東シナ海への艦艇派遣となったのですが、それでも日本の自衛隊を恐れて、武装をしていない情報収集船の派遣をしたということです。

武装した艦船を派遣すれば、万一局地戦になった場合、中国海軍には、全く勝ち目がなく、半日以内に惨敗します。そうなると、尖閣付近から完全撤退せざるを得ない状況になることは、あまりにもはっきりしています。

さらに、海上自衛隊追撃戦など仕掛けられたら、勝ち目のない中国海軍は、命からがら港に戻ろうにも、それ以前に雪崩を打つように全部海の藻屑と消えるからです。これは、自殺行為以外のなにものでもありません。そのような冒険は、さすがに習近平もできないからです。

もし、そうなってしまえば、習近平体制は100%崩壊します。そうして、それだけでは済まない可能性も高いです。それこそ、共産党一党独裁体制が崩れるかもしれません。そうなれば、ドミノ倒しのように、中国は崩壊し、自治区は離れ独立し、元々の中国もいくつかの国に分裂することになります。

習近平は、南シナ海でも、東シナ海でも危ない綱渡りをしているのです。

日米の最初の対応のまずさ

それにしても、物事を知らないということは恐ろしいことです。民主党政権下のときに、漁船が海上保安庁の巡視船に体当たりしたときの、民主党の狼狽ぶりは記憶に新しいことですが、彼らは上記で示したような中国の軍事力に関する認識などなかったのではないかと思います。

あのとき、きちんと対処せずに、漁船を捕獲して船長を拘束しても、すぐに解放してしまいました。彼らの頭では、中国海軍強大、日本海上自衛隊弱小という認識だったのだと思います。下手をすれば、戦争になる、戦争になれば日本は惨敗するくらいの認識しかなかったのだと思います。

正しい、認識をしていれば、あのような腰砕けの対応はしなかったでしょう。

その後の対応もあまりに不味すぎでしたす。それで中国がつけあがり、さらに傍若無人になってしまったのです。そうして、中国をつけあがらせたのは、日本の対応の悪さだけではなく、アメリカの対応の悪さもありました。

尖閣で傍若無人な態度を中国がとった直後に、米国が今回のようにイージス艦を派遣するなどの措置をとっていれば、尖閣問題は長引くことはありませんでした。

その後の南シナ海での米国の対応の遅れも、尾をひいています。南シナ海の環礁を埋め立てて、それに対して周辺諸国が批判しても、埋め立てが小規模なうちは、結局アメリカのオバマ政権は抗議はしましたが、何も行動を起こしませんでした。

これは、中国側からすれば、自分たちが南シナ海や東シナ海で中国が示威行動を繰り返しても、アメリカが結局何も対応しないのだから、米国は暗に「米中二国間関係」を認めているのではという、希望的観測を抱くのが当然のことです。

オバマが、二国間関係をはっきり拒否したのは、今年の習近平米国訪問のときです。さらに、イージス艦「ラッセン」の南シナ海派遣を決めたのは、ごく最近のことです。南シナ海でB52戦略爆撃機が飛行したのも、つい最近です。

このくらいのことは、最初の頃にやっておけば、中国は南シナ海の環礁の埋め立てなど最初からしなかったことでしょう。

しかし、おくればせながら、米国は南シナ海の中国の動きを封じる行動に出ました。

日本もそれなりの行動を起こすべき

私は、米国が実力行使にでた今、そろそろ日本もそれなりに中国に対して行動を起こすときではないかと思います。

このブログでは、東郷平八郎が、中国の便衣兵を満載したイギリスの商戦を撃沈したことを掲載したことがあります。

この撃沈は、何も偶発的に起こったものではなく、東郷平八郎の沈着冷静な判断によって、行われたものです。東郷は、国際ブロトコル(国際儀礼)に従い、最初は警告を出すとか、さらに日本海軍の将官をイギリス商戦に赴かせ、最後通牒をつきつけるなどのことを十分に行った後で、撃沈しています。

このようなことをしていたので、当然のことながら、この撃沈によって日本が国際的に非難されることはありませんでした。当初は、イギリスの世論も激高しましたが、イギリスの商船が、中国の便衣兵を満載していたことや、東郷が国際ブロトコルを遵守した上での撃沈だったことが、知れ渡るとイギリス世論も収まりました。

東郷平八郎元帥
冷静に考えれば、イギリスの船とはいえども、一民間の商船であり、しかも日本の敵である中国の大勢の便衣兵を載せていて、日本側は十分に警告をした後で、撃沈したわけですから、これは日本側には何の非もないわけです。イギリスの国民からしても、民間企業が運営する商船が金儲けのために、危険な綱渡りをして失敗したというだけのことです。

そうして、この沈着冷静な東郷の判断による撃沈によって、日本に対する世界の見る目は、変わりました。後の日英同盟締結にも、このときの東郷の胆力についても一定の良い評価があり、それがプラスに働いたといわれています。

そろそろ、日本も中国が、尖閣や東シナ海で、日本に対する傍若無人な振る舞いをやめなければ、東郷平八郎が国際プロトコルを遵守して、イギリス商戦を撃沈したように、中国艦艇を場合によっては、撃沈するくらいの心づもりをするべきではないでしょうか。

そもそも、元々日中には領土問題など存在せず、中国が手前勝手で、領土問題をでっち上げているだけです。これには、全く疑問の余地はありません。何の正当性もありません。

無論のこと、日本としては、いきなり撃沈するというのではなく、東郷のように国際ブロトコルを遵守し、最初は外交レベルできちんと、中国船がこれ以上領海侵犯するなら、場合によっては撃沈する場合もあり得ることを伝え、現場でも東郷平八郎のように国際プロトコルを遵守し、粛々と事をすすめ、最終的には撃沈するなどのことをすべきと思います。

多くの人は、そんなことをすれば、戦争になるなどと考えるかもしれませんが、そんなことは絶対にありません。まずは、国際プロトコルを遵守すれば、世界中の国々が日本を非難するということはありません。それに、他国でも自国の領空・領海を侵犯され、それが一度二度ではなく、何度にも及んだ場合、どの国でもこのような措置をとります。これが、自国防衛というものです。

そのようなことをすれば、手前勝手な中国だけが、吠えまくるかもしれません。中国は南シナ海でも、東シナ海でも、国際ブロトコルなど無視して、傍若無人な振る舞いを繰り返してきています。いずれの国も賛同することはないでしょう。賛同するとしたら韓国くらいものかもしれません。

それに、先に述べたように、中国の通常兵力は日本と比較すれば、問題外の水準ですから、敢えて日本と本格的に戦争をエスカレートするようなバカ真似はできないでしょう。もし、そうすれば、半日で中国海軍は壊滅することが最初からわかりきっています。そのような冒険は、さすがに中国もできないでしょう。

さらに、核攻撃も懸念はされますが、日本のイージス艦は過去の米国での演習で複数の核ミサイルを搭載した核弾道弾を全部を撃墜することができました。それも一回ではなく、複数回成功しています。さらに、日本の背後には、核を持つ米国が控えています。日本に核攻撃をすれば、米国の報復があることから、核使用はできないでしょう。

このくらいの胆力をもって、備えを十分にして、中国との外交に臨めば、場合によっては実際に中国の艦船を撃沈しなくても、中国の手前勝手な、野望を打ち砕くことが可能になると思います。そのような構えが、日本には不足していたと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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