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2014年5月12日月曜日

インフレで、日本の起業精神は復活する なぜ日本では、いままで起業者が減少していたのか―【私の論評】ちょっと待ってくれ、日本で最大の問題はデフレではないのかい?そう思わない、馬鹿な政治家・識者・専門家があまりにも多くないかい(゚д゚)!

インフレで、日本の起業精神は復活する なぜ日本では、いままで起業者が減少していたのか

村上 尚己 氏

4月下旬に公表された最近の中小企業白書では、2012年時点の「起業希望者」は約84万人と、1997年の約167万人から約半分にまで大きく減少した、と分析されている(下表)。「起業希望者半減」と、センセーショナルに伝えたメディアもあった。

実際に起業して成功している、あるいは将来の起業を目指している人々は、日本での起業精神の冷え込みを嘆いたり、「日本経済の停滞の象徴」と喝破している。

では、なぜ、日本人は起業しなくなったのだろうか。過去10数年余りで、日本人が臆病になったのか?日本人の意識が大きく変わったのか?日本の教育が大きく変わったのか?それとも起業を支援する制度が、かつては充実していたのか? 

いずれも筆者は違うと思う。日本で起業活動が衰え始めた時期と、物価に責任を持つ日本銀行の政策でデフレという異常な経済状況が始まった時期はほぼ同じだ。デフレが長期化して、起業というリスクをとる行動に、経済合理性を見出すことが難しかったから、と考えるのがもっとも自然である。

戦後は、正しいマクロ安定化政策が続き、このため経済が安定的に成長した。だから、既存企業が切磋琢磨し、あるいは起業による新たなプレーヤーによる技術革新が経済活動を活性化させ、日本の経済発展を支えた。

バブル崩壊後の経済安定化政策を誤り、「デフレでも仕方がない」と考える中央銀行の政策により、日本経済は常に抑制されてしまった。このため、低成長が続き、起業というリスクをとるコストが、多くの合理的な日本人にとって極めて大きくなっていたのだ。

日本で起業が停滞した理由は、「日本人は起業が苦手だから」ではなく、起業という行動の本質を、多くの日本人が良く理解しているから、というのが本当の理由である。だからこそ、実質金利が極めて高いという経済環境に直面し、起業に慎重になるという、合理的な行動が広がったということなのだ。

こうした認識が正しく、今後2%の物価安定と脱デフレが定着する経済正常化が進めば、日本における起業活動は再び正常化するだろう。

1990年代半ばのような経済状況になれば、2012年段階で落ち込んでいる「起業する人の数」は再び20%くらいは増えるだろう。そして、起業で成功する人が増え、それが魅力的な選択であると認識されれば、起業を考える人(起業希望者)も、倍増してもおかしくない。

アベノミクスがもたらすインフレ時代の到来は、日本の起業精神を復活させるのである。なお、この統計は5年に1回しか発表されないため、アベノミクス発動で景気回復が始まった2013年の起業者数の動きは残念ながら把握することができない。5年後が楽しみである。

村上 尚己 :アライアンス・バーンスタイン マーケット・ストラテジスト兼エコノミスト

上の記事は、要約です。詳細をご覧になりたい方はこちらを御覧ください(゚д゚)!

【私の論評】ちょっと待ってくれ、日本で最大の問題はデフレではないのかい?そう思わない、馬鹿な政治家・識者・専門家があまりにも多くないかい(゚д゚)!

上の、村上 尚己氏の記事、まったくこの通りです。あたり前のど真ん中です。とにかく、デフレの最中の起業は、余程のことがない限り控えるというのが、経済合理的な行動です。

しかし、日本では、なぜかこのデフレということを全く忘れたか、存在しないかのごとく、様々な経済問題や社会問題を考える人が多すぎです。特に多くの分野の専門家といわれる人々が、デフレなどなきがごとくに、様々な論議をしています。こういう人たちの頭の構造はどうなっているのか、私は理解できません。

日本は、過去15年間デフレでした。このことを忘れて、あたかもデフレがあたり前、通常の状態であるかのように、それを前提として日本の起業率が低いことを嘆いても意味がなく、まずはデフレ解消が喫緊の課題です。



デフレであることを前提として、起業率の問題を考えるのはもとより、社会福祉、医療、雇用の問題いや、もっと大きく社会問題を考えたとしても、すぐに行き詰まり、閉塞感にさいなまれるのは当然のことです。

そもそも、日本ではデフレがあまりにも長く続いたせいか、デフレを軽く考え、あたかも通常の経済循環の好景気、不景気のうちの不景気くらいに考えてものを語る頭の軽い政治家、識者、専門家といわれる人が多すぎです。

私は、デフレそのものよりも、こういう頭の軽い政治家、識者、専門家が日本にあまりにも多いということのほうが、よほど危険なことだと思います。

デフレ下では、税収の拡大は見込めない


デフレは、正常な景気循環の範疇には収まらないそこから逸脱した異常事態です。デフレは、実体経済の癌です。すぐにでも直さなけれはならないものです。

このことは、このブログでも、何回かタイトルに「ちょっと待ってくれ」というフレーズを入れた、シリーズで掲載してきました。

そのうちで、まずは起業に関係ある記事のURLを以下に掲載します。
従来の説はほとんどウソだった。日本でベンチャー企業が発達しない本当の理由。―【私の論評】ちょっと待ってくれ!!20年もデフレが続いたことを忘れていないかい?デフレは、ベンチャーの最大の敵であることを!!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、ある方が日本のベンチャー企業が発達しない本当の理由を以下のように記述していることを掲載しました。
ベンチャーと大企業との関係でいえば、手塩にかけて作り上げた技術を、ベンチャー企業が大手企業の前でプレゼンテーションするとします。その時に、いつも決まって返ってくる答は「既存技術の価格より安くしてくれないと取引できない」だったのです。大手企業は、技術の価値は認めるものの、それ以上は、踏み込めません。
日本のベンチャー企業は良いモノを作ることはできます。しかし規模が大きくはないため、「安売り競争」には耐えられません。そのために、優秀なベンチャー企業は、幾度も臍(ほぞ)をかんできたのです。
しかし、私はこれに対して、「大手企業の担当者も忸怩(じくじ)たる思いであったと思います。デフレというマクロ環境がすべての企業行動にマイナスの影響を与えていたことを指摘したいだけです」ととして、デフレの最中では、大企業の担当者だって、新たな技術を取り入れるよりは、すでに定評のあるものをより低価格でと考えるのは当然のことであり、問題は大企業のスタンスではなく、デフレであることを強調しました。

その上で、古いタイプの企業から、新興企業への労働力人口の移動の事実にもとづき以下のように掲載しました。
古い企業から新興企業への労働人口の移動があるということは、起業家予備軍も相当いるはずです。今後アベノミクスで、経済がまともになれば、ベンチャー起業も増え、ベンチャキャピタルを活用してくる人も増えてきます。 
そうして、デフレ脱却により、人々の選好がお金からモノに移行するということは、購入する時の判断のウエイトが、モノの値段からモノの機能・価値にシフトするということです。そうなれ ばベンチャー企業が持つ技術力に目が向けられるようになります。彼らは自らの得意分野で「相撲」を取ることができるようになります。 
そうして、デフレ解消は目前です。そうなれば、どんどんベンチャー起業がおこり、ベンチャーもモノの機能・価値を提供しつつ、発展していけるようになります。そんな時代はもう少しで来ます。最近中国の特許件数が伸びているかのような誤った印象操作がありますが、良く調べてみると、中国は特許の出願数が世界一なのであり、特許取得数は未だに日本が世界一です。そんな国日本で、デフレ以外にベンチャー企業が、起業できない、成長できないという理由はないと思います。
ベンチャーの起業が少ないことを大企業が新しい技術を導入しないということを原因とするのは、ミクロ的な見方であり、マクロ的にいえば、大企業がこのような購買傾向になるのは、デフレのせいです。大局的にみれば、大企業の購買傾向を責めても何の解決にもなりません。まずは、デフレを解消しなければなりません。

大企業の購買行動を責めているだけで、デフレを解消しなければ、モグラ叩きに終始するだけで、いつまでたっても、問題は解消されず、閉塞感に苛まされるだけとなります。その果てには、包括的大金融緩和の以前見られた、日本駄目論、日本人駄目論です。

日本がデフレであることを前提として、それが永遠に改善も改革もされないという考えで、物事を考えれば、結論はこうなるしかありません。しかし、それは違うでしょう! 全くの間違えでしょう!

デフレが解消されれば、日本も起業家が増える(゚д゚)!
(社)日本女性起業家支援協会 代表理事 近藤洋子さん

どこかで、水道のパイプに亀裂が入り、水が漏れだしたとして、それに対する対処として、皆で水を汲み出したとしても、根本的な解決にはなりません。まずは、どこかで元栓を止めて、亀裂の入ったバイブを取り替えるべきです。

しかし、ことデフレとなると、多くの政治家、識者、専門家などが、亀裂のはいったパイプを取り替えるのではなく、水を汲み出す方法の論議しかしません。これは、全く異常です。

このデフレ、実は日本国内で10の大きな問題があったとして、デフレを解消すれば、10のうち、6くらいは芋づる式に解消します。残りの4つも、解消飲めどが立つ可能性が高いです。しかし、デフレが解消しなければ、10の問題全部を解消できません。

上では、ベンチャー起業について取り上げましたが、 実は様々な問題の源はデフレです。

その典型的なものは、雇用の問題です。

大企業100社の内部留保99兆円に! “異次元の給与増額”は可能か―【私の論評】ちょっと待ってくれ!!20年もデフレが続いたことを忘れていないかい?デフレは、雇用・給与の最大の敵であることを!!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、デフレであれば、雇用環境が悪くなる、賃金も下がるというのはあたり前のど真ん中です。しかし、日本ではなぜか、雇用問題となると、雇用のミスマッチばかり強調され、企業側の問題点や、学生側の問題点ばかり指摘する専門家などがほとんどで、デフレのことを言う人は少ないです。

日本の以外の国では、雇用の問題となると、中央銀行の金融政策が問題という認識です。しかし、日本では、これがほとんど問題にされてきませんでした。今でも、その傾向があります。雇用というと、金融政策によって雇用枠を増やすことは論議されず、もともとある雇用枠を巡って、その中で企業側や、求職者側の問題などを指摘するにとどまる専門家があまりに多すぎます。

こういう専門家は、専門家ではなくただの馬鹿ではないかと私は思います。雇用問題の専門家と称する馬鹿の皆さんは、大反省すべきです。

デフレが解消されれば、雇用も良くなる(゚д゚)!

これは、起業とか、雇用に限らず他の問題でも同じことです。日本人は、優秀なのに、ことデフレに関しては、未だに正しい認識を持つことができない人々が多いです。この原因は、やはり、デフレを軽く認識する頭の軽い、政治家、識者、専門家が、御託を並べて論議をするというとこが間違えているのだと思います。

だから、デフレ下であるにもかかわらず、財務省主導の増税となどという馬鹿げたことが実施されてしまうのです。

私は、そう思います。皆さんはどう思われますか?

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