2019年11月10日日曜日

GSOMIA「日本との問題」米韓同盟とは無関係と韓国高官―【私の論評】焦土化に突き進むことを止められない韓国(゚д゚)!


10日、ソウルの韓国大統領府で記者団と懇談する(左から)鄭義溶国家安保室長、盧英敏秘書室長

 韓国大統領府の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長は10日、韓国が破棄を決め、失効が迫る日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミア)について「韓日両国が解決すべき問題で、韓米同盟とは全く関係ない」と強調した。大統領府で記者団と懇談した。

 鄭氏は「韓日関係が正常化されれば延長を検討する用意がある」と述べ、日本側に輸出管理厳格化の撤回を求める立場を表明。一方、失効しても韓国の安全保障への影響は限定的だとの見方も示した。

 協定は23日午前0時(日本時間同)に失効する。エスパー米国防長官が今週訪韓し、韓国政府を説得するとみられるが、奏功するかどうかは一層不透明になった。鄭氏は「韓国の立場から見れば、最近の韓日関係悪化の根本原因は日本がつくった」と強調した。

【私の論評】焦土化に自ら歩むことを止められない韓国(゚д゚)!

韓国の日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄によって「コレグジット」が決定的になりました。これは韓国の旧西側諸国(自由主義陣営)からの離脱を意味するもので、「KOREA+EXIT」からなる造語です。

KOREXITについて報道するテレビ番組

昨年から今年にかけて、韓国は元徴用工訴訟や従軍慰安婦問題、海上自衛隊へのレーダー照射問題など、日本に対して嫌がらせともいえる対応を繰り返してきた。そこで、日本政府は戦略を切り替え、これまでの甘い対応から「戦略的放置」に徹してきました。

韓国に対して批判すべき部分は批判するのですが、直接的に対応するのはやめたのです。これは特に首脳外交において顕著であり、韓国側は文在寅大統領が前面に立っていますが、日本側は所轄の大臣どまりの対応を行っています。そして、首相どころか副総理すら前面に出ない戦略をとっています。

たとえば、輸出管理の問題では経済産業大臣が、徴用工訴訟などの外交問題では外務大臣が対応しており、それぞれを個別の問題として扱っていまい。基本的に大臣は省庁の責任者であり、省庁の管轄をまたぐような決定は首相以外はできないことになります。その上で、安倍晋三首相は「約束を守ってほしい」という総括的な発言こそするものの、各省庁の決定には口出ししない方針を堅持しています。

今後、徴用工問題などで日本企業に実害が発生した場合の対応に関しては、麻生太郎財務大臣が「外為法による送金停止もできる」と匂わせましたが、これも一般論として持っているカードを示したにすぎません。

一方、韓国はGSOMIAの破棄について、日本の不誠実な態度が原因だとしています。韓国青瓦台(大統領府)は、光復節の演説で文大統領が日本への対話と協力を求めたことや国際会議の場での対応に関して、「日本の対応は単純な拒否を超え、『国家的自尊心』を喪失させるほど無視した」「外交的な礼を欠いた」と指摘しているのです。これは、日本は何もしていないのに韓国が勝手に自滅していることの表れでしょう。

最近韓国大統領府が公表した安倍晋三首相と韓国の文在寅大統領による面談の写真(下)は、韓国側が日本側に無断で撮影、公開していたことが判明。両首脳は4日に約10分間、約1年1カ月ぶりに着席で対話。ただし、前準備がなされていなかったため、両国とも英語の通訳を介しての対話であったため、実質5分にも満たない会談だったされます。



これまで、日本は韓国の不当な要求に対して「日本側が折れる」という間違った選択肢をとってきました。一方、韓国はそれを成功体験として捉え、あらゆる問題において「こちらが強く出れば日本側が折れるだろう」という姿勢を示してきました。

しかし、今回ばかりは違ったわけです。いわば、韓国は威嚇のつもりで振り上げた拳を下ろす先を失ってしまい、国民を煽ったために、そのまま振り下ろせば自らに跳ね返るかたちになっています。

GSOMIA の破棄に関しては、米国からも強い圧力がかかっています。韓国政府は事前に米国の合意を得ていると発表しましたが、米側の反応は違っており、国務省と国防総省はそれぞれ強い懸念と失望を表明しています。また、朝鮮日報によると、「米国が理解を示した」という韓国側の説明について米国側が「嘘だ」と否定しており、駐米韓国大使館と韓国外交部に抗議をしました。

そもそも、アメリカは事前に韓国政府抜きで韓国の財界人にGSOMIAの延長を政府に働きかけるよう求めていた。ハリー・ハリス駐韓アメリカ大使が大企業14社の関係者と非公開懇談会を開き、アメリカ側の立場やGSOMIAの重要性について説明した上で、GSOMIAの延長について役割を果たしてほしい旨を伝えたという。

ハリー・ハリス駐韓アメリカ大使

日韓間でもめている輸出管理における米国政府の一番の懸念は、韓国を通じて半導体やバイオテクノロジーなどの先端技術が中国に渡ることです。韓国政府との信頼関係が崩壊しつつある今、米国としては企業側への圧力を強めることで、そうした流出を防ぎたい意向もあるでしょう。

具体的には、まずパテント(特許権)の保有会社をつくらせ、各企業のパテントだけでも米国に移転させることで、米国の輸出管理のネットワークにとどめておくという方策が考えられます。

いずれにしろ、GSOMIAの破棄で日米韓の安全保障上の連携に亀裂を入れた韓国がすり寄るのは、中国や北朝鮮です。しかし、米国は次代の覇権国の地位を狙う中国と貿易や5Gをめぐって激しい衝突を繰り返しています。そのため、中国側についた国の末路がどうなるかということを、世界中に見せつける必要があります。言い換えれば、今後は日米が連動して“韓国潰し”に動くということになるでしょう。

その行き着く先は、このブログにも掲載したように、韓国の経済焦土化ということになるでしょう。

経済を焦土化し、経済的にも金融的にも無価値な国にすることは、日米ならすぐにできることです。日米が韓国に対する様々な恩恵をやめたり、韓国にある資産や技術をひきあげるようにすれば、それですぐに焦土化は可能です。

焦土化された韓国は、経済的にも技術的にも無意味になります。そうなれば、このブログに掲載してきたように、金正恩はもともと韓国との統一を望んでいませんでしたが、ますますその気を失うことでしょう。

それどころか、経済焦土化された韓国から難民などがやってこないように、38度線の警備を強めるでしょう。

さらに韓国は、中国とさらに接近しようとするでしょうが、それも困難でしょう。なぜなら、中国との間には北朝鮮があり、その北朝鮮は中国に干渉されるのを嫌っており、北の核がそれを保証しています。

北朝鮮の核は中国にとっても脅威であり、北朝鮮とその核の存在が、朝鮮半島に中国が浸透するのを防いでいます。北がこの姿勢を崩さない限り、韓国が中国に接近しようとしても、北朝鮮がこれを阻むため、なかなかできないでしょう。

そうなると、韓国は北と中国と接近することはなかなかできません。北は韓国を統一する気はなく、米中冷戦で疲弊しつつある中国は、かつてのように北とともに、韓国に侵攻するなど、思いもよらないことです。無論、GDPが現在の韓国なみのロシアも、北が韓国に侵攻するのを手助けするなどのことも思いもよらないことです。

そうなるとどうなるかといえは、38度線は従来と同じく固定され、韓国は、北も中国も興味のない発展途上国になるだけの話です。

安全保障上は、日米、中露、北があまり関心を持たず、ただそこに空き地として存在していれば良いだけの存在になります。ただし、この空き地を手に入れようとする試みは、日米が排除するでしょう。

この状態が長く保たれる状態になるでしょう。結局、韓国の経済・技術が低迷し、後は何変わらないという状況になるでしょう。今のままだと、そうなります。そのような未来を目指して韓国は自らの歩みを止められないようで、ますます深みにはまりつつあるようです。

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