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2015年8月3日月曜日

アメリカでの製造コストが中国と同レベルに減少、その理由とアメリカが持つ「強み」とは?―【私の論評】中国もう終わりました!中国幻想はきっぱり捨て去ろう(゚д゚)!

アメリカでの製造コストが中国と同レベルに減少、その理由とアメリカが持つ「強み」とは?


By nikzane

安くて豊富な労働力を活かして「世界の工場」として世界中の工業品の生産を一手に請け負ってきた感のある中国ですが、ここ数年は物価の高騰や賃金レベルの上昇からその競争力を失ってきたと言われてきました。これに対するようにアメリカでは製品の製造コストが減少し、中国と同水準に下落するという現象が起こっており、さらに今後はアメリカが中国を下回ることになると考えられています。

U.S. Manufacturing costs are almost as low as China’s - Fortune
http://fortune.com/2015/06/26/fracking-manufacturing-costs/

世界的なコンサルティング企業であるボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の調査によると、アメリカ国内で製品製造コストは減少を続けていることが明らかになっています。以下のグラフのように、アメリカを100とした場合の製造コストは中国が95とほぼ変わりなく、さらに主なEU各国と比較するとすでに10%から20%程度も低い状態であることがわかったとのこと。さらにBCGの予測では、2018年ごろにはアメリカの製造コストは中国よりも2%~3%も低くなるだろうとみられています。

これにはいくつかの要因が考えられており、中国国内での人件費の高騰やアメリカでの生産効率が向上していることなどが考えられていますが、BCGによると最も大きく関与しているのが新たに開発されたシェールガスによるエネルギーコストの減少とのこと。BCGの試算によると、アメリカ国内での産業用電力価格は他国に比べて30%から50%も低いとみられており、特に鉄やアルミニウム、製紙や石油化学製品など多くのエネルギーや石油を必要とする産業分野への影響が大きく現れているといいます。

先述のグラフを見ても、アメリカでは水色で示されたエネルギーコストが他国を大きく下回っていることがわかります。


BCGのDavid Gee氏は「中国からの出荷の遅れや港湾のストライキによる閉鎖、また外資系企業に求められる中国企業との合弁化などのリスクや要因を考慮すると、わずか5%のコスト差は取るに足らないものといえます」とその実態について語っています。

中国の国旗デザインのビキニ この写真はブログ管理人挿入

安いエネルギーが手に入ることで、アメリカでは天然ガスを使った車両による貨物輸送手段の発達が期待されており、従来のように他国にエネルギーを依存する状態から自国で全てを賄える状態へとシフトすることが予想されています。また、天然ガスからは水素を取り出すことが可能なので、トヨタが2015年夏にもカリフォルニア州で受注を開始する「ミライ(Mirai)」のような水素で走る燃料電池車にも使うことが可能。

エネルギーコストが下がったことで、アメリカ国内に対する新たな投資の機会にもつながっています。2015年春には、オイルメジャー企業の一つであるサソルがルイジアナ州・レイクチャールズに81億ドル(約1兆円)という巨額の投資を行ってエタン精製工場を建設。また、天然ガス輸出のシェニエール・エナジー社はメキシコ湾にLNG(液化天然ガス)の輸出ターミナルを建設し、日本を含めた外国へのLNG輸出に意欲を見せるなどの大きな動きが生まれつつあります。ちなみに、シェニエール・エナジーのチャリフ・ソウキCEOは2013年にはアメリカで最も高い報酬を受け取ったことで知られており、その額は1年で1億4200万ドル(約145億円)とのこと。

アメリカの国旗デザインのビキニ この写真はブログ管理人挿入

このように、アメリカではシェール革命とも呼ばれるエネルギー生産の革命により、エネルギーコストの構造が大きく変化していることが明らかになっています。多くのエネルギーを蓄えると考えられている「シェール層」はアメリカの国土をほぼ覆うほどの広さに分布しているとみられ、その埋蔵量は100年分ともいわれていることから、近い将来にはアメリカは世界最大のエネルギー輸入国から一転して資源大国になるとも考えられています。

同時に、シェールガスの生産には問題を含んでいるということも一方では事実。地中に高圧の海水や砂、化学物質を注入するという工法により地下の状態が影響を受け、水源が汚染されるという事態が起こっており、石油企業が住民への補償を強いられるという事態にもつながっています。また、地中に海水を注入することで地層が滑りやすくなり、巨大地震を誘発しているという研究者も。さらに、フランスでは環境汚染を懸念したシェールガスの生産そのものを禁止する法案が採決されています。


By Department of Energy and Climate Change

さまざまな問題を抱えてはいるシェールガスの生産ですが、それによる安いエネルギーコストは魅力的なものであり、アメリカがこの分野を世界的にリードしている状況には変わりがありません。ハーバード・ビジネススクールのMichael Porter氏は(PDFファイル)BCGと共同で発表した報告書の中で、アメリカのシェールガス生産技術は他国の15年先を行っていること、そして生産拠点となる油井はアメリカ国内で10万1117か所あり、これはカナダの1万6990か所、中国の258か所などと比べて段違いに大きな規模となっていることを挙げています。

これまで中東やロシアに依存してきた世界のエネルギー事情はいま大きく変化しており、産業にも大きな影響を与え始めているところに注目しておく必要があるようです。

【私の論評】中国もう終わりました!中国幻想はきっぱり捨て去ろう(゚д゚)!

この状況じゃ、中国幻想は完璧に終止符が打たれた見て間違いないです。この記事では、アメリカの強みがシェール・ガスなどのエネルギーなどに集約されていますが、労働コストつについても3%と低い水準にあることも凄いです。

十数年前までは、10%程度といわれ、そのときでさえ、製造業に占める人件費の割合が少なくなろったため、人件費の低い国での製造はあまり意味をもたなくなってきたといわれていましたが、それが今では3%です。これでは、中国はとても太刀打ちできません。

デフレになる前の日本も、人件費の割合が減ってきたため、海外の工場を日本に戻す動きがありましたが、その後デフレ・円高に転じたため、海外への工場の移転が進み、国内産業の空洞化ということがいわれました。もし、デフレでさえなければ、かなり状況は変わっていたと思います。


過去には、いずれ中国がアメリカのGDPを追い越す時代がやってくるといわれたが・・・・・


さらに、アメリカ優位、中国劣勢という状況で忘れてはならないことがあります。米国は輸出がGDPに占める割合ほんの11%、中国は40%台と雲泥の差ですが、これは中国が他国の影響をもろに受けるということを意味します。米国は、巨大な内需に支えられ、外国の影響をあまり受けないことを意味しています。

これは、日本も似たところがあり、日本では輸出がGDPに占める割合は、10%程度にすぎません。20年前は、これが8%程度でした。しかし、過去20年近くにも及ぶデフレ・円高政策で、国内消費は減少し国内の内需が減少してしまいました。

それでも、10%程度で、これより少ない国は先進国では他にありません。かつては、アメリカのほうが輸出が圧倒的に少なかったのですが、最近では日本のほうが少なくなりました。これは、やはり、デフレから脱却したことにより、内需が拡大したということです。これからも、どんどん是正されることになります。

念のため、ここに掲載しておきますが、GDPの大きな国で内需が大きいということは、良いことです。輸出などがかなり大きな比重を占めるような国は、常に不安定です。それは、グローバル化を推進して、失敗した韓国をみても良く理解できます。韓国は、政府ぐるみでグローバル化を推進しましたが、内需を疎かにしたため、今はとんでもないことになっています。

いずれにしても、日米両国が中国の製造業などあてにしなくても、十分にやっていける時代が目前に迫っています。

そのせいもあってか、最近の中国、輸出入とも激減しています。この状況では、中国のGDPが米国なみになるなどとても考えられません。個人あたりのGDPでも、とても米国に比べられるような水準ではありません。

中国幻想はもう本格的に捨てるべきです。

なぜなら、アメリカの製造業の優位性もさることながら、中国自体にはもう何も優位性が存在しないどころか、劣位性ばかりが目につくからです。

過去の中国は、海外の資金を集め、国内のインフラ整備にあてることで経済成長を可能にしてきました。実際、インフラを整備すれば、需要が喚起され、経済も上向きましたが、もうこの手も通用しなくなりました。

今の中国は、完璧に不動産バブルが崩壊して、全国各地に人の住まない、巨大な高層住宅が林立しています。これを中国では鬼城と呼んでいます。

中国各地いたるところに林立する鬼城

住宅以外のインフラである、道路や、港湾、空港、その他のインフラを整備したとしても、もうそれで経済が飛躍的に伸びるということはありません。国内では、すでにインフラ整備で需要を喚起するのは不可能になりました。

そこで、中国は、国内の脅威の経済成長を今度は海外でということで、AIIBを設立して、海外投資を活発化させ、それで経済成長をしようと目論みましたが、中国にはインフラを建設するノウハウがあっても、それ以上のノウハウはありません。海外投資は、そんなに簡単ではありません。

実際、中国はアフリカ投資では、ほとんど大失敗です。実際不安定な商品価格や政情不安、失敗した投資の数々に懲り、中国の投資家らは大手国有企業が多額の資金を使って同国の海外進出の動きを推し進めた15年前ほど精力的ではありません。AIIBには日本とアメリカが参加しないため、資金を調達するにしても、金利が高くなってしまい、とても日米アジア開発銀行にはかないそうもありません。

中国のアフリカ投資はほとんどが失敗

そうなると、AIIBの海外投資もとてもうまくいくとは考えられません。

しかし、中国も本当は、過去の欧米や日本のようにさらに経済発展ができる見込みがあるにはあるのですが、中国は自らその道を塞いでいます。

どういうことかといえば、結局中国にはそのつもりは全くなく、過去の成功事例にしがみつく以外に能がないからです。もともと欧米は、数百年かけて経済的中間層を増やし、その中間層が経済・社会活動を活発にすることにより、世界の他の国にさきがけて経済発展しました。

日本は、高度経済成長時に、経済的中間層を増やし「1億総中流」などとも言われ、中間層が活発に経済・社会活動ができるようになったため、脅威の経済成長が可能になりました。日本はこれを数十年で実現しました。

鄧小平氏

しかし、中国では30年ほど前に、鄧小平氏が改革路線を打ち出し、「富めるものから富め」というキャッチフレーズのもと、先にも述べたように、海外の資金を大量に流入させて、対規模なインフラ投資を行い、それで急成長しました。そのため、中国では中間層は育たず、貧富の差が極端に広まりました。

しかし、この急成長も先に述べたように、不可能になりしました。次の手としては、やはり本来は、中国でも貧富の差を是正し、中間層を増やし、これらが経済・社会活動を活発にできるように、仕向けて、それをもって過去に欧米や、日本が成し遂げたような経済成長を目指すべきです。

しかし、中国の共産党政府にはそのような気はさらさらないようです。なぜなら、これを成就するためには、ある程度は、民主化、政治と経済の分離、法治国家化を実行しなければならないからです。

しかし、最近でも、このブログに掲載したように、中国では人権派弁護士が当局に拘束されたばかりです。その後も弁護士の拘束は続き、今で数百人レベルになったとさえいわれています。こんな状況では、中間層を増やすなどということはできません。

このブログには以前、"中国寄りの専門家さえついに唱えだした「中国大崩壊」の論拠"に関する記事を掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
中国寄りの専門家さえついに唱えだした「中国大崩壊」の論拠―【私の論評】ニッポン人中国スパイ、親中派、媚中派は速やかに転向せよ、そうでないと飯のくいあげになるぞ(゚д゚)!
デービッド・ジャンボー教授
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では中国寄りの専門家である、デービッド・ジャンポー教授が、中国の大崩壊を唱えだしていることを掲載しました。

この記事の内容と本日の上記の分析からみると、このままでは本当にもう中国に未来はありません。

このような分析をすればするほど、現代の中国には何も良いことがないことが理解できます。専門家でなくとも、こうして事実を掘り返してみると、本当にこれからの中国は、よほどのことがない限り、崩壊に向かって真っ逆さまと捉えるべきことが良く理解できます。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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