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2020年7月17日金曜日

顕在化する中国によるカナダへの〝人質司法〟— 【私の論評】人質を取って相手国を脅し確信的利益を守ろうとする中共は、世界の敵!(◎_◎;)

顕在化する中国によるカナダへの〝人質司法〟

岡崎研究所

 ワシントンン・ポスト紙のコラムニストであるデビッド・モスクロップ(オタワ在住)がHuaweiのCFO孟晩舟の解放と引き換えに中国が拘束しているカナダ人2人を釈放するという中国の取引の誘いをトルドー首相が拒否したことを支持する論説を、6月27日付の同紙に書いている。


 2018年12月1日に孟晩舟がカナダで逮捕されて間もなく、カナダ人の2人が中国においてスパイ容疑で拘束された。Michael Kovrig(元外交官でシンク・タンクInternational Crisis Group勤務、12月10日に北京で拘束)とMichael Spavor(コンサルタント、同じ頃居住していた丹東で拘束)の2人である。中国による報復に違いない。拘束されて既に1年半が過ぎた。報道によればKovrigの妻は夫の解放のために各方面に働き掛けを行っている様子である。

 6月24日、中国外務省報道官の趙立堅(Zhao Lijian)は記者会見においてMichael Kovrigの妻の「司法相は孟晩舟の米国への引き渡しを止める権限を有する」とのメディアへの発言に言及して「そのようなオプションは法の支配の範囲内にあり、2人のカナダ人の状態の解決のための空間を開き得よう」と述べた。

 趙立堅は「(孟晩舟の件)は深刻な政治的事件である。それがカナダ側が主張するように法的なケースだとしても、Kovrigの妻が言ったように、カナダの司法相は如何なる時点においても引渡しのプロセスを停止する権限を有する。このことはカナダ政府がこの事件をカナダの法律に従い正しい方法で現に扱うことが可能であることを示している。我々はカナダ側に対し法の支配の精神を真に尊重し、中国の厳粛な立場と懸念を真剣に受け止め、政治的ごまかしを止め、孟晩舟を直ちに解放し、彼女の中国への安全な帰還を確保するよう、再度強く要請する」とも述べた。

 中国は2人の逮捕は孟晩舟の件とは無関係との立場を維持して来たが、ここに来て、孟晩舟の件との取引をあからさまに示唆するに至った。趙立堅による法の支配についてのレクチャーは噴飯ものである。

 カナダ人2人の境遇は悲劇である。同情の他ない。引渡し法(Extradition Act)の下で司法相が進行中の裁判所による引渡しの審理を止める権限を有することは確かなようである。モスクロップの論説では、トルドー首相宛の19人の元政治家や外交官からの書簡について書かれている。書簡は、このままでは結局カナダ人2人は孟晩舟が中国に帰国するまで中国の牢獄に繋がれることになること、引渡しの可否の審理は2024年までかかり得ること、パンデミックのために2人の生命が重大なリスクに晒されていることなどを指摘するとともに、孟晩舟の1件は2人だけでなくカナダの外交をも人質に取っている(5Gの構築にHuaweiの参加を認めるかの決定を為し得ず、香港問題についても発言に注意を強いられる)と指摘して司法相が引渡しの審理を停止すべきことを進言している。

 トルドー首相は、この進言を斥けた。そうするしかない。モスクロップの論説もこの決定を正しいと支持している。しかし、論説はどこか歯切れが悪い。米国に言及している部分は意味が判然としないが、どこか米国の行動に釈然としないものを感じているように思われる。

 カナダは実に苦しい立場にある。カナダ当局が孟晩舟を逮捕した時、中国が米国あるいはカナダの企業幹部を逮捕する危険は予知出来た。カナダは米国から逮捕の要請を受けた時点で或る程度の時間的余裕をもって中国が汚い手で報復に出る危険を予知出来たはずである。あるいは、それを理由に米国の要請を断ることも出来たかも知れない。どうしてカナダは予め危険を防ぐ手を打たなかったのか。

 日本としても、他山の石とすべき1件である。

【私の論評】人質を取って相手国を脅し確信的利益を守ろうとする中共は、世界の敵!(◎_◎;)

うえの記事にもあるとおり、カナダが孟氏の身柄を確保した直後に、カナダ人2人が中国によくわからない理由で逮捕されました。

このカナダ人逮捕に対して、中国側は「拘束されたカナダ人と孟氏の問題は無関係」と公式見解を述べていますが、カナダのトルドー首相は「明確な関連がある」と述べています。

トルドー首相

確かに、いくら国際法無視の中国であっても、「孟氏が外国の法律を犯したとしても、中国の要人なのだから逮捕するのは許せない。だから、何も法律を侵していないカナダ人を2人の身柄を拘束する。カナダ人を返してほしければ、孟氏を返せ」とは表立っては公言できないのだと思います。

しかしながら、尖閣で何かがあった時や、中国政府が日本政府の対応に怒った時には、日本人もよく中国で逮捕されています。

こうしたことから、中共は人質を取って相手国を脅して中共の我儘(彼らの言葉では中国の革新的利益)を通そうとする事を、外交交渉の一つの手法として採用している可能性が高いです。

閣僚経験者や外交官など19人が「孟氏の身柄引き渡し手続きを停止すれば、中国がカナダ人2人を釈放する可能性が高まる」とトルドー首相に書簡を送ったこと自体も本当なのでしょうか。

閣僚経験者や外交官など19人が、何の根拠もなくて首相に書簡を送ることは、ありえないでしょう。私の考えでは、この19人は中国の外交官と接触した際に「孟子を米国に引き渡さなければカナダ人一人を開放する。孟子を中国に返せば2人とも開放する」などなどの中国側からの要求を、その耳で聞いたのだと思います。

しかし中国政府は、国民の信任を得ていなければならない、トルドー首相の考えが全く読めないようです。

現在、欧米ではコロナ発症国でありながら謝罪もせずに我がもの顔で振る舞っている中国に対して、国民レベルで怒りが燃え上がりつつあります。彼らの心の奥底には、自由・平等・人権という価値観を生み出し、先日もこのブログにも掲載した世界初の近代的な条約であるウエストファリァ条約により生み出された世界秩序による、西欧文明こそが、世界の本質であると考えています。

価値観が全く異なる、異質な成金の中共が国際社会で我儘一杯にふるまうのが不愉快でたまらなかったのでしょうが、自国の経済の繁栄のために我慢していたところがあります。元々嫌いだったのが、今回のコロナ禍の原因を作っても、謝罪するどころか、世界中で我が物顔で振る舞い、さらにマスク外交で攻勢に出た中国に対して、怒りが頂点に達したものと見えます。それが、ネガティプな面に繋がり、欧米でアジア系に対する差別や、暴力事件が起こっています。

  イギリスに留学していたシンガポール人男性が現地の男達に「コロナを持ち込むな」等の
  差別的暴言を吐かれ、殴る蹴る等の暴行を受けた

確かに、差別や暴力はいけませんが、こうなると欧米は、中国叩きでは一致団結します。なぜなら、中国嫌いは国民レベルなのですから、中国の嫌がらせによる不快感は、国民を反中国で団結させる原動力になるからです。政府も、こうした国民感情を無視することはできません。

このようなことから、中国がオーストラリアに対して、「牛肉を買わない」と脅しても、オーストラリアは「すいません。ご意向通りにします」と態度を変えずに、「買わないのは、そちらの自由」と却って反発したのです。

今まで欧米諸国の首脳が中国に対して「買ってください」と低姿勢だったのは、その方が国内で支持が集まると判断したからです。つまり、中国に牛肉を売りつけるのは、自分の政権を盤石にするための《手段》であって《目的》ではありません。真の目的は自らの政権の支持率を上げることです。牛肉を中国に売る事ではありません。

そのため、「オーストラリアが、中国のコロナの調査を求めるという正しい行動をしたにも関わらず、中国は牛肉を買わないと脅してきた。こんな強迫に屈するわけにはいかない。国民の皆さん、中国のせいで広がったコロナ感染の危機を乗り切る為に一致団結を」と呼び掛けた方が、支持率が上がるのですから、そちらを選ぶのです。

だからカナダのトルドー首相も、中国の提案を蹴りました。「中国を軽蔑する」と言外に述べながら…。

このように欧米と世界の人達の中国への嫌悪感は、中国との外交関係を左右する所まで大きく広がっています。

しかし、この嫌悪感や軽蔑は人の心の中にあるので、目には見えません。だから中共には見えないのか、見て見ぬ振りをしているのかは解りませんが、とにかく現状の彼らは、西欧の常識から見れば、やめた方がよい事ばかりしています。

中共からすれば、自国内では、それが当たり前であり、何か問題が起きれば、警察や軍隊を用いて、すぐに鎮圧してしまうのが習い性になっているので、鈍感になっているだけかもしれません。元々、中国はこのブログでも何度か掲載してきたように、他国との関係も自国の都合で動く国柄です。そのため、外交にあまり重きを置いていません。

日本では、日本の外務大臣と同様に思われている、王毅氏は、王氏は党政治局(25人)メンバーではなく、200人ほどいる党中央委員の一人にすぎないです。画数順で公表される中央委員の序列は不明なので、26位から200位までの間ということになります。

さらにいえば、王氏は外務省トップとはいえ、中国外交の責任者ですらないのです。とにかく中国では、外交はもともと重要視されていないのです。そもそも、いよいよになれば、人質をとって脅して、革新的利益を守れば良いのですから、外交など重要視する必要性などありません。

王毅氏は日本で言う外務大臣ではない、かなり下のレベルの位置づけ

そのような国柄ですから、先に述べたように、中共は人質を取って相手国を脅して中共の我儘(彼らの言葉では中国の革新的利益)を通そうとする事を、外交交渉の一つの手法として採用している可能性が高いのもうなずけるところです。

日本も、この問題に関して深刻に考えているようには見えません。どのように対応して良いのかわからず右往左往しているようにも見えますが、はた眼には何にも考えず深刻に捉えてないようにも見えます。

せめて、冒頭の記事のように、カナダのニュースを大きく報道して、中国は人質外交をする国なのかもしれない、スパイ罪なら、中共の恣意で誰でも逮捕できるので、渡航は注意すべきとか、中国ビジネスは危険とか、世論を盛り上げるくらいのことはすべきです。

とにかく、国際法は無視、西欧的価値観やイスラム圏の価値観には鈍感というか、日本も含めた世界中の文化・価値観に鈍感で、先日も述べた弁証法的な考えすらできなくなった中共は、今後西欧的価値観から計り知れない、とんでもないことをしでかす可能性が大です。そのことは、心に留めておくべきでしょう。

現在中共に親和的とみられる国々にもいずれ離反していくでしょう。

そうして、中共は西欧のみならず、世界中の敵になる可能性が高いです。

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2012年7月8日日曜日

【アンケート結果発表】kindleとkobo、買う? 買わない?―【私の論評】koboは単なる電子書籍端末ではない、いずれKindle Fireのようになり、世界中のありとあらゆる、コンテンツ・商品・サービスを提供するようになる!!

【アンケート結果発表】kindleとkobo、買う? 買わない?:

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たくさんのご回答、ありがとうございました!

みなさんにご協力頂いたアンケート「kindleとkobo買う? 買わない?」の結果を発表します。この記事執筆時まで頂いたアンケート結果はなんと2436票! コメントもひとつも漏らさずすべて目を通させて頂いています。本当にたくさんの方のご参加ありがとうございました!
気になる結果はこうなりました!

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39%が「買う」と回答

じゃん。全体の39%の方がkindleとkoboどちらも、もしくはどちらかを買うと回答しています。まだどちらもサービス開始前、kindleに至っては詳細がわからない中でのこの39%という数字は多いと言えるんじゃないでしょうか。

みなさんのコメントは「デバイスが安いので試しに買ってみる」「kindleの実績に期待する」「電子書籍はkindleかkoboを使う。それ以外はiPadで使い分け」あたりが目立ちました。低価格を打ち出したkoboがkindleの実績を超えられるか、kindleが期待に沿った端末とサービスを展開できるか、というところがポイントになりそうですね。もしKindle Fireのようなカラーの端末が出た場合はiPadから乗り換える人も多そうです。

様子見・買わないが33%

一方「様子見・買わない」と回答した方が33%でした。コメントでもいくつか頂いた「コンテンツの品揃えが大事」というところがいちばんネックになっているようです。確かにデバイスを買っても読みたい本・コンテンツがなかったら本末転倒ですもんね。ここはやはりみなさん慎重なようです。
それからもうひとつ目立ったのが「iPadやNexus 7、Kindle Fireでいい」という声です。必ずしも電子インクの端末が必要ではない、タブレットひとつで完結したいというコメントを頂きました。また少ないながらも「本は紙で読む」という声もありました。やっぱり「紙の本」は強いですよね。

28%のiPad好きからはいろんな声が

この28%も「様子見・買わない」の中に含めてもいいと思うんですが、いろんな意見を頂きましたよ。「専用端末が必要なほど本を読まない」「読書のためだけに端末を増やすのではなく、マルチに使えるiPadが便利」「噂されているより小さいサイズのiPadが気になるから」「iPadのkindleアプリを使う」などなど。

確かに読書のためだけに専用タブレットを持ち歩くというのは、コンスタントに本を読む人でないと負担になってしまうところもあるのかもしれません。でもiPodの登場でiPodを持ち歩いて音楽を聴く人が増えたように、kindleやkoboで電子書籍が日本でも普及すれば専用タブレットを持ち運ぶことも普通のことになるかもしれませんね。

まとめ

まだはじまっていない新たな分野の商品に対して「買う」と前向きな姿勢をしている方が39%もいたことは多いと見てもいいんじゃないでしょうか。kindleの詳細がわからない中ですが、kobo Touchの低価格と今年こそは! という期待も後押しした結果でしょうか。

「様子見・買わない」「iPadしか見えない!」の回答を足すと61%です。実に6割の方はまだ手を出さずに見守る段階。しかしこの中で電子書籍にまったく興味がない・本は紙で読むと応えた方はごく少数でした。今回のアンケートに参加して頂いた方は少なからず電子書籍に興味がある方々でしょうから、一概には言えない部分があるにせよ、やっぱりみんな電子書籍に興味があるということが言えるんじゃないでしょうか。

そしてみなさん、今回はアンケートへのご協力、本当にありがとうございました! みなさんからのコメントはすべてどなたでも見ることができるので、目を通してみるのもいいですよ。いろんな意見があっておもしろいです。日本での電子書籍、1年後、3年後にはどうなっているんでしょうね。
あ。kobo Touchを注文済みな僕は、価格次第でkindleも買ってみたいと思っているんですが、さっき編集部の河原田さんに「鈴木さん、iPad持っててNexus 7も買うんでしょ? それでkoboもkindleも買ったらタブレットまみれじゃないですか」なんて言われちゃいました。冗談で「たくさんディスプレイがあったらデイトレーダーみたいでしょ?」って答えましたが、正直言われるまで自分がそこまでたくさん買おうとしてるの、気づかなかったよ...。

Special Thanks!:アンケートに参加してくれた読者のみなさま
(鈴木康太)

【私の論評】koboは単なる電子書籍端末ではない、いずれKindle Fireのようになり、世界中のありとあらゆる、コンテンツ・商品・サービスを提供するようになる!!


本日は、Koboか、Kindleかという上の記事の内容や、どちらが読みやすいとか、ハードがどうのこうのという話は、他のサイトに譲るとして、もっと本質的な、koboの強みはグローバルな版権と決済システムであることを掲載します。koboが他と一線を画すのは、Eブックの版権をグローバルに獲得していることです。ここに目をつけ、買収してしまうとは、楽天も本当に良いところに目をつけたものだと関心してしまいます。


日本国内販売に先駆けて、日本でキンドルを入手した人なら経験があるでしょうが、アメリカのアマゾンのサイトに行って、欲しい本を見つけても、いざダウンロードしようとしたら「日本でのお取り扱いはできません」とメッセージがかえってきててガッカリしたことがあると思います。これはアマゾンがキンドルの版権を扱うときに、アメリカを中心にテリトリーごとにマーケットを作ってきたからです。

その点、koboは最初から英語以外のヨーロッパ言語や、さらにアジアの言語でも表記ができるように、フォーマットが「緩い」のです。EPUBベースなので、最初から日本語の縦書き表示もできます。もちろん、グローバルスタンダード、つまり世界のどこでも使えるものは、それぞれの地域に細かく対応できないというマイナスはあります。しかしながら、世界標準としフレキシブルに対応できるという利点があります。


アマゾンも世界進出を目論んではいるのですが、マーケットを分けてその国ごとにキンドル本を用意してきました。世界の地域のキンドルストアごとに分断されているのです。だから日本で同じキンドルを使っているのに買えないタイトルが出てきたりするのです。ただし、これは、以前よりは、きつくはなくなってきていることも事実です。

それに対してkoboは、人口の少ないカナダの企業だからだということもあり、自国のマーケットで流通させるコンテンツを集めるときも最初から世界を意識して世界版権か全英語圏版権であることを重視してきました。そうすることによって、koboの端末で、あるいはパソコン上で、北米、ヨーロッパ、オーストラリアのどこにいても同じ本が買えるのです。とくにヨーロッパの人は、母国語が英語でなくても英語の本を読める人が多いので、自国でアマゾンや他の電子書籍サービスが遅れていても、koboであれば、そのようなことはないのです。日本でも、同じようになることでしょう。


こういうマーケット戦略のおかげでkoboは最初から、同じ本を通貨単位の違う国で売れるように決済システムを構築してきました。ユーロでもカナダドルでも、米ドルは無論のこと、世界各地で同じものを販売して、決済処理できるシステムとノウハウをもっているのです。そうしたところに、円の決済を導入することなど、たやすいことです。

そのkoboを楽天が買ったということは、そのノウハウを搭載した端末で、世界中でモノが売れる道筋を作ったというこことなのです。 国内でアマゾンと電子書籍で競争するためだけに236億円を投じたとは思えません。これによって、世界でアマゾンと闘うための投資だと考えると、これ以上適した端末はないのではないのではないでしょうか。楽天は、書籍だけを販売する会社ではありません。無論皆さんご存知のように、ありとあらゆるものを売る物販サイトです。その出展内容など、まだ、世界には進出してはいないとはいえ、Amazonに匹敵するほどだと思います。


そうして、当然のことながら、Amzonが電子書籍のKindleに甘んずることなく、Kindle Fireで、本以外の幅広いコンテンツ、物販も可能としたように、楽天同じようなことを意図しているのです。世界のどこにいてもkoboがあれば、世界中の本が読めるようになったり、世界中のモノが買えるようになったりしたとしたら、これは、Amzon並み以上になるかもしれない、潜在能力を秘めています。

私は、こういう背景から縮む一方の日本国内の書籍市場のためだけに楽天がこんな買い物をしたのではなく、いずれ、世界に打って出るために、このような買収をしたのだと思っています。


電子書籍で成功するであろう楽天は、すでに日本語の本を売ってどうこうという狭くて小さい世界を超えた大きなビジョンを持って未来のeコマースを見据えているのです。そうして、そこから、現在までをたどって、今着々と駒を進めているのです。

そうして、いずれ楽天も、Koboを電子書籍端末のままにしておくのではなく、いずれ、iPadや、Kindle Fireのように、それ以外の種々様々なありとあらゆる、コンテン・商品・サービスを提供できる端末を開発し提供し始めることでしょう。


とはいいながら、いくら、koboと、それを買収した楽天が素晴らしいとしても、現状の日本の電子書籍は、楽天も含めて、あまりに貧弱です。とにかく、電子書籍の奥行きも、幅も極端に狭いです。とにかく、読みたい本があまりありません。特に、日本語電子書籍コンテンツが少なすぎです。たとえば、アメリカのアマゾンで普通に販売されているようなドラッカーの書籍ですら、日本では、まだ日本語による電子書籍が販売されていません。あるとすれば、ドラッカー直筆ではなく、その関連書籍だけです。とにかくアマゾンだろが、koboだろうが、日本語書籍のコンテンツを増やすことができなければ、日本では、成功できないでしよう。アマゾンでも、koboでも良いので、とくにかくこの現状を変えていただきたいと思うのは私だけでしょうか?



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2012年5月11日金曜日

【日本の解き方】欧州の“緊縮派”敗北は経済にプラス!―【私の論評】財政再建より、デフレ克服のほうが先であることはわかりきった事実!!日本の国民もフランス国民がサルコジにノーをつきつけたように、現政権にノーをつきつけよう!!

【日本の解き方】欧州の“緊縮派”敗北は経済にプラス!:


オランド氏
欧州で6日に行われた選挙が面白い結果になった。仏大統領選で現職のサルコジ氏が敗れ、社会党のオランド氏の当選が決まった。ギリシャでも与党の過半数割れとなり、第1党が連立樹立できずに再選挙の可能性も出てきたのだ。

サルコジ氏

共通するのはいずれも緊縮政策派が敗れたことだ。オランド氏は緊縮財政より欧州中央銀行での金融緩和を含む経済成長政策に力点を置いている。欧州の各国首脳らは、緊縮政策が選挙で選択されなかったことを理解する必要がある。

・・・・・・・・・(中略)・・・・・・・・・・・・・・・・・

いずれにしても10年ぐらいで財政再建するという話は、不況・デフレ期に増税しないという話と矛盾しない。不況・デフレ期に増税すれば経済の回復が遅れて、結局財政再建にならないからだ。

今回の選挙結果は一時的には欧州金融市場に動揺を与えるかもしれないが、長期的には欧州経済にプラスになるだろう。

興味深いのは、消費税増税を審議しようとしている日本の政治状況への影響だ。不況時に緊縮政策はダメという常識が世界に広まる中で、日本が消費税増税という緊縮策にどのような答えを出すのか、試金石になる。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】財政再建より、デフレ克服のほうが先であることはわかりきった事実!!日本の国民もフランス国民がサルコジにノーをつきつけたように、現政権にノーをつきつけよう!!

それにしても、上のようなこと、日本のマスコミは全く報道しません。日本のマスコミは、完璧に御用一般人化してしまったのでしょうか?

ヨーロッパの不況も、景気回復よりも財政均衡を重要視しすぎたというところが、主な原因です。サルコジが選挙で敗北したのも、ギリシャでも与党の過半数割れとなり、第1党が連立樹立できずに再選挙することになったのも、すべて、背後に政府がこのような考え方をしていたことが原因です。


たとえば、ギリシャですが、この国の国民は、かなりレージーで頭も悪く、セックスばかりが大好きで、どうしようもない国民であることはこのブログでも述べたことがあります。しかし、だからいって、景気が悪い時期に、緊縮財政をやっていたら、どういうことになるのかは、目ににみえていたはずなのに、それをやってしまって、税収が増えるどころか、どんどん減ったため、政府がやったのは、ドイツなどから、ユーロをどんどん借りまくり、あろうことか、ドイツの公務員よりも高い給料をギリシャの国家公務員に支払っていました。そうして、昨年現代ギリシャが開国して以来、はじめて、国家公務員の総数を把握したなどというとんでもない状況でした。とうとう、政府、国民ともに、ユーロ建で借金まみれになってしまい、あのような状況をになってしまいました。

ギリシャは、もともと小国であり、経済・軍事・社会に及ぼす影響があまりに少なく、はっきりいって、誰が大統領で、誰が首相であったかなど、全く記憶にもないし、おぼえる気もありません。まあ、今とはなっては、歴史の古い観光地であるというだけです。

しかし、フランスの場合は、今でも、人口は、六千万人以上いる大国です。また過去、特に近現代史なおいても、大きな役割を果たしたのと、日本のようにころころ変わるというこもないので。少なくとも、大統領は覚えています。その大統領の中でで、サルコジは、、フランス第五共和制の中では唯一のアホで無能な大統領でした。


ド・ゴールは、第二次世界大戦中から、戦後しばらくは、大統領でした。あのフランス独特であった、縦に高い帽子がかなり似合った大統領であり、かなり権力もありました。日本にも欲しい逸材でした。


ポンピドゥは、元ド・ゴールの最側近で、あらゆる面からみて、まともでした。


ジスカールデスタンは、今日開催されるサミットを始めた人で、それにまだ生存している人です。


ミッテラン冷戦構造の中でフランスの利益を守り抜いた社会党党首です。社会党であっても、フランス国民国家の利益を最優先したということです。どこぞの国とはかなり違います。だから、フランスや、イタリアなどの社会主義者などとは、まともな会話が成り立ちます。日本の社会主義者、共産主義者などとは違います。それに日本国解体を目論む、民主党とも全く異なります。


シラクは、元パリ市長で、90年代のバルカン危機を一人で捌きまくった人です。世界大戦勃発の危機を四度防ぎました。

同時代の指導者は、以下です。日本でいうと、九州・沖縄サミットの頃です。

日本 森喜朗首相

ウイリアム・ジェファソン・クリントン
(ビル・クリントン)大統領
米国

フランス ジャック・シラク大統領

ロシアプーチン、ウラジ-ミル・
ウラジーミロヴィチ大統領

ジャン・クレティエン首相カナダ

英国トニー・ブレア首相

ドイツ ゲアハルト・シュレーダー首相


九州・沖縄サミット
何か、つい最近のようにも思えるのですが、開催日は、2000年7月21日(金)~7月23日(日)でした。もう、10年以上も前のことなんです。そうして、この頃は、日本はとっくにデフレ状況にありました。本当に長い長いデフレです。


さて、上記の歴代フランスの大統領と比較すると、サルコジの印象は、まともな奥さんと離婚して、モデルと結婚したことと、グルジア危機でプーチンに土下座したこと、サミットで、当時のブッシュ大統領に「帰りやがれ」と怒鳴ったこと、徹底的に若い移民を弾圧したことなどしか、記憶にありません。そうして、フランスの国益よりも、グローバル化を熱心にすすめました。その結果もあってか、フランスは今日著しく不況です。

オルランド氏は未知数だから良くは知りませんが、オルランド氏も含めて、サルコジとは、決定的に異なるとろがあります。それは、サルコジがEUの利益や、グローバルスタンダードをかなり重んじて、その路線から、緊縮財政を主導したのですが、他の大統領は、すべて、フランスという国民国家の利益を重んじました。

オルランド氏は、まだ、未知数ですが、少なくとも、選挙公約では、「グローバル化ばかり推進するのではなく、いまは、まずは、国民国家フランスの利益を優先することをあげていました。


今のIMFの理事長ラガルドさんは、サルコジ大統領だったときの元財務大臣ですが、この方、日本に苦しくても、財政均衡を保つようにすべきだとのアドバイスをしていました。それをニュースワンのキャスターが、そのまま受けとめて何の反論もしていませんでした。全く、わけのわからない馬鹿な理事長だと思いました。経済に関してはサルコジ氏と同様な考え方なのだと思います。フランス国民は、サルコジ氏は無論のこと、このラガルドさん財政運営にも、結局ノーをつきつけたのだと思います。

最近では、何でもかんでも、財政均衡という考え方には、IMFの中でも意見が割れています。それに、ある人から、あろうことか、IMFは、アジアの中進国(そのほとんどが農業国)のデータを用いた、数理モデルで計算して、日本にプライマリーバランス(財政均衡)をすすめているという話しを聴いたことがあります。だとしたら、全く愚かです。いわゆる国際機関のほとんどが、目だった成果をあげていませんが、IMFもその例外ではないということです。

サミットといえば、あの菅さんの海外デビューでもある、カナダ・トロント郊外で開かれたムスコカ・サミット(主要国首脳会議)が2010年に行われました。さらにこれに続き、トロント中心部に場を移して、中国やインドなど新興国を加えた20カ国・地域(G20)首脳会合が2010年26日夜(日本時間27日朝)、2日間の日程で開催されました。2009年のピッツバーグG20首脳会合以後の最大の状況変化として、ギリシャに端を発した財政健全化問題と、成長強化が中心議題となっていました。これに関しては、以前このブログでも掲載したことがあります。

当時、このサミットの最後にカナダの首相が、最後に各国に財政再建を求めました。ただし、日本は例外ということで、財政再建を優先しなくても良いとの見解を示しました。詳細は、当該ブログをご覧いただくものとして、その背景だけ簡単に述べておきます。

カナダ首相スティーブン・ハーバー
結局日本は、財政均衡が崩れてはいますが、それは、たとえば、その当時のギリシャなどとは全く異なり、日本の場合、借金の大部分占める、日本国債のほとんどが、他国とは異なり日本国の国民もしくは、法人が円建てで購入しているという事実がありました。この場合、確かに、政府は国民からは借金をしていることになりますが、国自体としては、借金などしていないということです。それどころか、日本は、海外金融純資産(世界に貸し付けている金融資産)は、当時から世界最大260兆円前後でした。しかも、過去20年間一位の座を保っています。これは、バブルの時よりも増えています。実際、国債の購入の96%もが、国内で自国通貨で購入されている国は、その当時も今も、日本とカナダくらいなものでした。



だからこそ、カナダ首相は、日本は例外としたのです。それは、国債の購入のあり方が、日本と同様だったカナダ首相だからこそ、理解できたことだったと思います。全く、IFMの理事長よりも、日本の首相よりも、日本の経済を理解しているのだと思います。カナダは、国債のほとんどが、自国民もしくは、自国法人が自国通貨で購入しているということもあり、金融危機や、リーマンショックの影響はほとんど受けていません。こんなこともあり、ハーバー首相の経済運営には、定評があり、国民の信任も厚いです。あっというまに、首相の座から下ろされた、菅さんとはえらい違いです。ちなみに、上の写真は、当時のサミットのとき、他国の首脳同士は交換しているのに、左はじにポツンとたたずむ、菅さんです。

しかし、今となってみれば、ハーバー首相、日本とカナダの経済に関しては、見立ては正しかったのですが、他の多く国が金融危機などて不況であるにもかかわらず、財政再建を優先させるという見立て違いをしてしまったということです。たとえば、アメリカは、300兆円にもおよぶ対外債務(外国から借りているお金)がありますが、そのほとんどすべてが、自国通貨ドル建によるものであり、いくら借金をしていても、自国通貨によるものであれば、財政破綻をする可能性は低いです。にもかかわらず、アメリカでも、不況であるにもかかわらず、財政再建、緊縮財政を主張す輩もあらわれましたが、最近ようやっとなりを潜めつつあります。

ギリシャのような対外債務、それも、自国通貨ではなく、ユーロでの債務が多い国も、不況の最中に緊縮財政ばかりやっていれば、長い目でみれば、不況に陥り税収は減り、財政再建することはかなわなくなります。それは、どの国でも同じことです。最近、こうした一見もっともらしくみえる財政再建の罠に気づく国々が増えてきました。

その一つがフランスということです。カナダ首相ですら見立て違いをした、不況の最中に財政再建をするという愚かな、経済運営をフランス国民は、ノーといって退けたということです。オランド氏が公約したように、フランスの国益を考えEUの意思に従って、財政再建を優先するのではなく、当面の経済対策である、金融緩和、政府による財政出動などを速やかに行えば、フランス経済は好転すると思います。

それにしても、日本の場合、どこまでもどこまでも、緊縮財政、金融引き締めを行うことばかりに執着しています。そのため、もうすでに、失われた10年が、20年になりそうです。へたをすれば、30年になりかねません。そうなれば、豊かな日本であるはずにもかかわらず、デフレの泥沼に沈ん、とんでもないことになります。雇用も最悪になります。所得も増えるどころか、減ることになります。未来への展望がみえなくなります。自殺者も増えます。

世界の趨勢がこれだけ変わってきているのですから、政府も、日銀もはやく目覚めてほしいものだと思います。それに、フランスのように日本国民も目覚めてほしいです。不況のときに、増税しても、それは、結局緊縮財政をやっていることで、経済は悪くなるばかりです。さらに、税収も減ります。税率をあげたからといって、増収になると考えるのは、単なる錯覚です。税収を増やすには、まずは、デフレを克服しなければならないはずです。それに輪をかけて、中央銀行が、金融引き締めばかりやるというのでは、どうしようもありません。日本国民も、増税などで、緊縮財政ばかりやる政府、金融引き締めばかりを行う日銀には、ノーを突きつけようではありませんか!!それに、世界の趨勢に乗り遅れた自民党もデフレのときに増税するというのなら、ノーを突きつけましょう。マインドコントロールされることなく、自分の意思でノーをつきつけましょう!!



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