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2011年11月26日土曜日

2012年ソーシャルメディアにおける7つのトレンド ~2011年の振り返りとともに~―【私の論評】来年は、さらにソーシャル・メディアが加速する!!

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  2012年ソーシャルメディアにおける7つのトレンド ~2011年の振り返りとともに~:(INFOBAHNより)
年末になってくると、「来年の○○大予測」といったレポートをよく見かけますね。

今年も残すところ1か月ちょっとということで、ソシエタでもソーシャルメディアの1年間のトレンドを振り返りつつ、来年の動向について考察を加えていきたいと思います。

network


2011年ソーシャルメディアにおけるトレンド振り返り

2010年末に予想された2011年ソーシャルメディアのトレンドを振り返ってみましょう。アメリカのメディア、Social Media Explorerの予測を参考にしてみます。


2011年のソーシャルメディアにおける5つのトレンド

①消費者によるコンテンツキュレーション

②ロケーション系サービス

③ゲーミフィケーション、ソーシャルゲーム

④QRコード

⑤ソーシャル・コマース

①消費者によるコンテンツキュレーションは、例えば「NAVERまとめ」や「Togetter」が良い事例ではないでしょうか。TwitterやFacebookのように、ストリームで絶え間なく流れていく情報に対して、本当に価値のある情報をキュレーションすることの必要性が高まっている、というのは2011年のトレンドして確かにあったと思います。弊社代表の小林もコンテンツキュレーションのトレンドについて、現代ビジネスに寄稿しています。


【ブログ管理人注釈】キュレイターは、従来、博物館やその他の収集品を管理する職業(学芸員)を指す。ソーシャルメディアでは、キュレイターはインタレストグラフを管理する。関連するコンテンツをウェブで見つけ、まとめ、そして、共有することで、重要な情報を社会に蓄積していく。一方的に流される情報だけではな、ストックとしての有用な情報を創造するのが、キュレイターの役割である。
②ロケーション系サービスに関しては、foursquareやGowallaといったアプリによってチェックインすることが主流でしたが、2011年6月にリクルートのRecoCheckがロケーションベースのクーポン、口コミ情報の提供を開始したり、Facebookがロケーションベースのクーポンを開始した、ということもありましたね。Infobahnによる新作アプリ“digimo”も、詳細はもうすぐ明らかになりますが、ロケーション機能×ゲーミフィケーションを活用したアプリとなっています。乞うご期待!

ロケーション系サービス
【ブログ管理人注釈】ロケーション系サービスの例としては、大手量販店と提携し、リアルな店舗や商品にチェックインを行うことでポイントがたまり、クーポンや特別ギフトをもらえるアプリなどがある。アプリを起動したままリアル店舗に入店するだけでチェックインが可能で、Mahableなどの有名Techメディアで2011年を代表するアプリTop10に入るなど注目を浴びている。日本では、本年は、観光地でのロケーション系サービスなどが提供されるようになった。
③ゲーミフィケーションとソーシャルゲームは、いうまでもなく2011年の大きなトレンドとなりました。ソシエタでも、なぜマーケティングにゲーミフィケーションが必要か、その重要性を説明してきました。一方で、バッジやポイントをとりあえず付けてみる、失敗したゲーミフィケーションの事例も見られるようになってきた一年であったと感じています。


Google+に追加されたゲーム
④QRコードはどうでしょうか。早くからガラケーが発達していた日本においてはQRコードは目新しいものではない、と感じる人も多いでしょう。「QRってあれでしょ、白黒の模様を読み込むとサイトに飛べるってやつでしょ」というのが一般的な理解かもしれませんが、ここ最近見られるQRコードの活用に関しては、白黒の地味な模様とは限りませんし、サイトに飛ぶだけではなく表現の幅も非常に広いです。最近、ソシエタで紹介した、QRコードを活用して音声メッセージをクリスマスギフトに添付するプロモーションなどをみても、海外ではクリエイティブなQRコードの活用がトレンドになりつつある、といってよいでしょう。

QRコードを読みとることにより、プレゼンターのメッセージが聴ける

⑤ソーシャル・コマースは、2012年のトレンド予測でも挙げられているので、後ほどコメントします。


2012年ソーシャルメディアにおけるトレンド予測

アイルランドのメディア、Simply Zestyにて、2012年に現れてくるであろうトレンドが予測されています。


2012年のソーシャルメディアにおけるトレンド7つ

①テレビのソーシャル化

②デフォルトでソーシャルに

③ソーシャル・コマースの成長

④ブランドによるコンテンツを用いたプロモーション

⑤ソーシャル・サーチ(検索)の進歩

⑥タブレット普及による電子書籍の加速

⑦Facebookは依然として強い

②デフォルトでソーシャルに、④ブランドによるコンテンツを用いたプロモーション、⑥タブレット普及による電子書籍の加速、⑦Facebookは依然として強い、といったあたりは、現在の延長戦上に理解できる気がします。最近、mixiの利用者数の集計方法の変化により、国内SNSシェアにおけるFacebookの勢いが明らかになりましたが、この傾向は2012年度も続くと考えられます。

個人的にどうなるのか特に面白いと感じているのは、①テレビのソーシャル化、③ソーシャル・コマースの成長、⑤ソーシャル・サーチ(検索)の進歩あたりです。

まず、①テレビのソーシャル化は注目したいところです。現在、Huluの登場によりタブレット端末で映画をみる人が増えてきたり、スマートフォンで動画を視聴する機会が増えるなど、いままで別々だった端末の機能の境界線が曖昧になってきています。テレビのソーシャル化が、2012年内にどこまで普及しうるかはさておき、企業の顧客へのアプローチにインパクトを与えることは間違いないでしょう。このトレンドには注目していきたいと思います。

【ブログ管理人注釈】テレビのソーシャル化の事例としては、ニワンゴは、ソニーの液晶テレビ向けアプリ「アプリキャスト版ニコニコ実況アプリ」の提供を2011年6月下旬に開始したことがあげられる。
ニコニコ実況は放送中の番組に関する視聴者のつぶやきを、放送局別に表示するネットサービスである。今回提供するアプリは液晶テレビ「ブラビア」に搭載されている「アプリキャスト」向けで、2008年以降に発売されたアプリキャスト対応テレビを使って無料で利用できる。
アプリを使うと、テレビ番組の右側にニコニコ実況に投稿されたコメントが時系列に順次表示されていく。アプリはパソコンや携帯電話機から投稿されたコメントを表示するだけで、テレビからコメント投稿はできない。

次に、③ソーシャル・コマースです。2011年のトレンド予測にも入っていましたが、実際に多くの企業にてソーシャルコマースが導入されてきました。

コンサルティング会社Booz&Companyの報告書によると、ソーシャルコマースは2015年までにグローバルで300億ドルの市場規模になると予測されています。まだまだ発展途上ですが、昨年に引き続き注目していくべきトレンドだと考えます。


ソーシャル・コマースのイメージ

最後に、⑤ソーシャル・サーチ(検索)の進歩は、不確定な要素は多いものの注目すべき分野だと思います。Googleは+1ボタンやGoogle+の導入でソーシャルな情報を重視する姿勢をみせていますし、Twitterはソーシャル・サーチのスタートアップJulpanを買収しています。ソーシャル・サーチにおけるブレイクスルーは、ソーシャルメディア全体に大きな影響を与えうるため、2012年注目していきたい分野です。

【ブログ管理人注釈】ソーシャル・サーチに関する定義は、はっきりしていないが、ここでは「ソーシャルプラットフォームとの親和性が高い拡張機能を兼ね備え、そこから収集されるユーザー個人の属性情報を解析し、検索結果を個人別にカスタマイズする検索システム」とする。
以下に従来の検索システムと、ソーシャル・サーチの違いを掲載する。 
■従来の検索システム 

■ソーシャル・サーチ
 

この1年間だけでも大きな変化があったソーシャルメディアの状況ですが、2012年もワクワクするトレンドが多く今から楽しみです!


[Social Media Explorer]

[Simply Zesty]


Social Media Account Planners

大出卓史



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【私の論評】来年は、さらにソーシャル・メディアが加速する!!



■ソーシャルTV
年の瀬も迫っています。もう、上記のような記事が出回る頃になりました。私も、それを意識して
上の記事を掲載しました。私自身は、上に付け加えるほど、ソーシャル・メディアに詳しいわけではありませんが、やはり、気になるのは、ソーシャルTVの動きと、ソーシャル・コマースの進展です。

特に、アップルTVの動向は、注目だと思います。アップルTVでは、以下のような新しい動きがあります。私は、アップルのことですから、来年発売されるAppleTVは、何らかの形で、ソーシャル化が図られているのではと期待しています。

2012年式Apple TVはシャープ製のアモルファスTFTを採用

Apple TVが「2010年モデル」として値下げ販売中...まさかジョブズ遺産の「iTV」なる新製品の前触れ?



現在、テレビのソーシャル化は非常に遅れています。かつて、あのライブドアの経営者であった、堀江氏は、あのフジテレビの買収騒動の頃にテレビのソーシャル化に関して、テレビの中で実演していたことがあります。

そのテレビの中で、堀江氏は、テレビとパソコンを用意したセットの中で、「たとえば、テレビで放送をしている、その内容についての意見をあらかじめ、サイト上にテレビの視聴者が意見を述べられるようにしておく、さらにその意見についての他の意見などが述べられようにしていく、こんなことがまだできていない。いろいろなテレビ局にこのような、申し出をしても、どこも受けてくれなかった。だから、私は、テレビ会社を買収してこのようなことを実践していきたい」と述べていました。これは、とりもなおさず、テレビのソーシャル化だと思います。彼の犯罪などは全く別の次元の話しとして、この指摘そのものは正しかったと思います。

ホリエモンがフジテレビの株式を買収したときに

提携したときだ

フジテレビ社長のいやそうな顔

あれから、年月がたち、ある程度はこのようなことは、実現されていますが、現実には、テレビ報道は、まだまだ変わっていないというのが実情のようです。おそらく、テレビ局側には、そのような備えが未だできていないのだと思います。

視聴者から、多数の意見が寄せられて、その多くが公開され、公開された意見にまた意見がつくというソーシャルな現象にどう対応して良いのかわからないとのだと思います。しかし、私はいつまでも、このようなソーシャル化に対応できない既存テレビ局には将来がないと思っています。

いずれ、テレビは、インターネットと不可分に結びつき、既存のテレビ局以外が、様々なメディアが、テレビ番組をオンディマンドや、ライブで放映することになるでしょう。もう、その動きは、止められません。

そうして、テレビは番組放映と、視聴者、番組製作者、放送主体さらには、テレビ番組への支援者(従来のCMの提供会社など)が集まって評価をしたり、意見を交換するソーシャル・プラットフォームになると思います。そうして、これらは、従来のようなマスメディアではなく、もっと細分化された、ものになっていくと思います。

そうして、上記の記事の①消費者によるコンテンツキュレーションで掲載した、consumers、curators、creators、Eliteという区分が曖昧になっていくと思います。従来のテレビであれば、消費者はあくまで消費者であって、それより上の段階は、すべて放送局が担っていました。この構造は今でもそのままです。ところが、curatorsが放送する側の人間だげではなく、視聴者の中からもでてきているというのが、現状だと思います。

しかし、ソーシャルTVではその構造が崩れます。ソーシャルTVがただ、テレビを一方的に放送するのではなく、ソーシャル・プラットフォーム化すれば、プロの番組制作者だけではなく、一般ユーザーも意見を述べるにとどまるだけではなく、どのような番組が必要とされているのかとい情報や、コンテンツまで提供できるようになります。いまだと、iPhoneでも、高画質の動画を撮影できるわけですから、ユーザーの提供するコンテンツをYouTubeのように提供するだけではなく、様々なことが考えられようになります。編集なども、容易になりました。また、live配信も本当に容易になりました。

既存のテレビでは、これらを生かすことはできないでしょうが、ソーシャルTVなら、それが可能になります。また、従来のようなテレビや、映画のようなものも配信することも可能です。来年は、このようなテレビの可能性が多くの人々に認識される年となることでしょう。

■ソーシャルコマース

ソーシャルコマースとは、一言でいってしまえばソーシャルメディアを使って多く人々にコミュニケーションをとっていただき、購入するのを助ける小売業のことです。そういう意味では従来のEコマースサービスにTwitterやFacebook等からリンクを貼っただけのものから、forsquareを使ってリアルな店舗にご来店いただき商品を購入していただくものまで広く含まれるものと思います。

インターネットは情報を「空間」と「時間」を飛び越えさせる技術です。私たちは遠く世界のどこかで起きた出来事を即座に知ることができ、そしてそれに至った原因も、Googleで検索すれば過去に遡って知ることができます。昔は、夢のようなことでしたが、今ではこれが当たり前になりました。ただし、従来のインターネットは、情報を交換することが主たる目的で、コミュニケーションをすることは、副次的なものでした。だかこそ、インターネットの世界は、バーチャルな世界であり、リアルの社会とははっきり区分されていました。

コミュニケーションと情報は異なりますが両者は相互依存の関係にあります。情報とは形式であり単なる記号でもあります。記号はそれ自体には意味がなく、人がその記号に意味を与えてはじめて意味がうまれます。人がコミュニケーションを通して情報に「意味づけ」を行います。たとえば、ある会社が決算を発表したとします、これは情報に過ぎません。

決算の数字は単なる記号であり、それ自体には意味がありません。この数字が良いのか悪いのかを判断するのは情報の受け手です。そこでコミュニケーションが必要となります。コミュニケーションによって情報に「意味づけ」を行わなければならないのです。従来の、インターネットは、こうした意味づけは、副次的なものにすぎませんでした。

しかし、今では、そこにソーシャルが加わることにより、自分の友人や職場の同僚、時には憧れの有名人やスターと一緒になって「私はこう思う」と議論や意見を交わすことができるようになりました。

今では、ソーシャル・メディアにより、インターネットにより、「空間」と「時間」の概念を無くしながらも、そこにリアルタイムに「感情」が共有できるようになりました。そうして、多くの人がその情報に対してより共感しやすい環境、つまり、コミュニケーションがしやすい環境が整ったのです。

この「共感」によりモノの価値を何倍にもさせることができます。たとえば目の前に同じような、2枚のピザがあったとします。1枚がが2000円で、もう1枚が2500円だった場合、普通なら2000円の方を買うでしょう。



しかし、2500円のピザの方は東日本大震災に売上が全額寄付されるとしたらどうでしょう。2500円のピザを選ぶ人もきっと多くいることでしょう。

私たちは東日本大震災で何が起きたかを知っている。苦しんでいる人達の気持ちや、その人達の力になりたいという気持ちに共感できるからこそ2500円のをピザを選ぶのですソーシャルコマースは、こうした共感を呼ぶストーリーを伝え、人々の購入を助けることです。

たまたま、震災の例をあげましたが、それ以外にも、友人が「いいね!」や「+」をしていたから買ってみるとか、Twitter上で話題になっていたから買ってみたとか、そうしたソーシャルメディア上での共有体験がストーリーとなり、共感を呼び、モノの購入へと人を動かすのがソーシャルコマースです。

そして、そのストーリーはまたその友人から友人へとソーシャルメディアを介して国内や、世界中に伝わっていくことになります。

ソーシャル・メディアの登場により、インターネットの社会は、匿名から実名にかわり、リアルな友人関係や個人の趣味・関心が文書だけではなく、画像・動画・音声、さらには、リアルタイムでのそれなども交えて可視化されることでお互いの顔が見えるコミュニケーションがとれるようになりました。
そして、それを利用したソーシャルコマースがf-commerce(=facebook commerce)です。そうして、Google+によるソーシャル・コマースです。海外ではFacebookをはじめとしたソーシャルメディアとの連携により、売り手や買い手の顔が見えて、より共感を生みやすいソーシャルコマースサービスが次々と生まれています。日本でも、これからどんどん生まれていくと思います。そうして、来年は、おそらく、その姿がはっきりとしてきて、多くの人々に認識される年となることでしょう。

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