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2017年3月31日金曜日

自民・小泉進次郎衆院議員ら「こども保険」創設で幼児教育無償化の財源確保提言 「教育国債」は「未来へのつけ回し」と批判―【私の論評】麻生財務大臣と小泉進次郎氏は財務省の使い捨て人材(゚д゚)!


こども保険」創設の提言を発表する、自民党の
小泉進次郎衆院議員=29日午後、東京・永田町の党本部
小泉進次郎衆院議員ら自民党若手議員でつくる「2020年以降の経済財政構想小委員会」は29日、新たに社会保険料を上乗せして徴収し、幼児教育無償化の財源を生み出す「こども保険」の創設を柱とする提言を発表した。30日に党「財政再建に関する特命委員会」に報告し、次期衆院選の公約への反映を目指す。

 こども保険は厚生年金の場合、平成29年度で15・275%の社会保険料について個人、事業者とも当面0・1%分を上乗せして徴収し、約3400億円の財源を捻出。将来的に0・5%分まで引き上げて約1・7兆円を確保し、幼児教育と保育を実質無償化する。

 小泉氏は記者会見で「世代間公平の観点からも、こども保険の導入は画期的なことだ」と語った。党内には教育無償化の財源として「教育国債」を発行する案もあるが、小泉氏は「未来への付け回しになるのではないか」と批判した。

【私の論評】麻生財務大臣と小泉進次郎氏は財務省の使い捨て人材(゚д゚)!

本当に、ものは言いようです。増税というと、多くの国民はかなり抵抗がありますが、こども保険というと、「子供のためならしかたないか」、という人も多いはずです。

そこに付け込んで、幼児教育から大学までの教育無償化の財源として、現在の年金に0.1%上乗せし、近い将来0.5%まで高めようというのが「こども保険」の本質です。これは、実質増税と同じことです。

自民党案である教育国債発行は、国の借金にすぎないということで、またもや財務省が難癖をつけ、小泉氏が財務省にうまく丸込まれたといった格好ではなかろうかと思います。

これには、麻生財務大臣も丸め込まれたようです。本日は以下のようなニュースもありました。

麻生太郎財務・金融相は31日の閣議後会見で、自民党の若手議員らが提言した「こども保険」に関し、教育国債よりも「ひとつの考え方としてよほど評価に足る」との認識を示しました。教育予算の重要性を指摘する一方、「財源が安定的なものではないと確実なものにならない」とも言及しました。教育国債は「赤字国債とどこが違うのか」と否定的な見方を示しました。

麻生財務大臣
消費税10%が安倍総理によって先送りにされ、何とかその穴を埋めたい財務官僚の節操のなさがにじみ出たような姑息な手段としか言いようがありません。

財務省による偽装増税路線は相変わらずのようです。小泉j進次郎氏、麻生財務相が現在の財務省の手駒なのだと思います。二人とも、財務省にうまいこと籠絡され、実質上の増税キャンペーンに加担させられたということです。

まったく、財務省は消費税8%で消費に水を差し、デフレ脱却の芽を摘んでしまった責任なんぞどこ吹く風です。

教育無償化の事例としてよくひきあいにだされるのが、昔から実行しているドイツが有名です。そうして、日米との決定的な違いは、大学に進学できる人は超エリートであり、ほんの一部しかいないということ。

日米のように、石を投げれば大学生に当たる国とは違います。大学という名前だけで、中身が伴わない大学をまず整理してからにすべきでしょう。

現状のように大学教育を受けることきができる能力もない輩に国民の税金をこれ以上使うべきではないと思います。

それから、大学の学費を昔に戻して、国公立の授業料大幅に安くして、お金はないけど頭はあるという子供が行けるようにした方が良いと思います。

今は、私大と国立の学費の差があまりないので、「お金がないから勉強して国立に」という考えも通用しなくなりました。そもそも、日本ではこれが諸悪の根源かもしれません。

このようなことをいうと、日本の大学進学率は他国に比較するとかなり低いので、やはり私のいうようなことはもう妄言に過ぎないという人もいるかもしれません。

しかし、日本の大学進学率が他国に比較して著しく低いなどとはいえません。以下が、大学進学率の国際比較のグラフです。

文科省は2013年くらいから日本の大学進学率は低いと盛んに言い始めました。当時の下村文部科学大臣が、下記の「大学進学率の国際比較(OECD Education at a glance 2012)」というプレゼン資料に基づいて国会で説明していて、個人的に違和感を持ったことをよく覚えています。



上記のプレゼン資料には「日本の大学進学率はOECD各国と比べると高いとはいえない」と書かれており、日本の大学進学率は52%で、OECD平均の60%よりも低く、アメリカ、英国、スウェーデンよりも10~20%以上も低くなっています。これを普通の人が見たら、「日本は世界から取り残されている、もっと大学に行く人を増やさないといけない」と思うことでしょう。

ただ、オーストラリアの進学率が100%とほぼありえない数値になっていますし、スウェーデンが日本よりも大学進学率が高い(76%)のも直観的におかしいです。何がおかしいのかを詳しく調べてみると、このデータにはいくつかの問題があることに気づきました。すなわち、このOECDのデータは、①生涯進学率の推定値を示したものである点、②海外からの留学生も含んでいる点,③全ての国が大学・短大(Aタイプ)、専門・職業学校(Bタイプ)を区別しているわけではない点、④フルタイムやパートタイムの学生を必ずしも区別していない点です。

日本では,大学進学率は18歳進学率(18歳人口に占める大学進学者の割合)と理解されていますが、上記のグラフが扱っているのは生涯進学率で、一生のうちに大学進学する割合を推定した数値です。日本では入学者の9割以上は18〜19歳ですが、海外では高校卒業後にすぐに入学せずに社会人をしてから大学に入学する人も多いので,その生涯進学率は18歳進学率よりも高い数値が出るのです。

これを勘案すると、18歳進学率を比較すれば、日本だけがかなり低いということにはならないと思います。

ただし、ここには、別の問題点も見え隠れします。日本では、高校を卒業してすぐか、せいぜい数年間浪人をして大学に入学した人でなければ、雇う企業はほとんどないし、社会人になって長い期間企業に努めて大学に入学したとしても、それはほとんど学歴とみなされないという問題もあります。

また、日本と他の西欧諸国と比較すると、西欧諸国では大学を卒業しただけでは、高学歴とはみなされず、大学院を卒業してはじめて高学歴者であるとみなされるという違いがあります。

大卒は大卒であり、いずれの大学を卒業したからといって、それは大学卒に過ぎず、学歴のあるものとはみなされません。日本でいえば、東大を出ようが、五流の私立大学を出ようが、大学卒は大学卒であり、大学院を出ていなければ、高学歴とはみなされないのです。

ただし、大学院はいずれの大学院を出たかといいうことで、評価がいろいろと異なってきます。無名の大学院を卒業すれば、高学歴であるとはみなされるものの、それが特に大きな意味を持つということはありません。そういう意味では、欧米は大学院格差社会とでも呼ぶべきなのかもしれません。とはいっても、学歴社会であることには間違いありません。

これに対して、日本(韓国も日本と同様)では、いずれの大学に入学して卒業したかが、重要視されます。実際財務省などの官庁では、大学院卒は稀で、東大をはじめとする四年制大学卒業者がキャリア官僚となっています。

出典:stat.news.ameba.jp

これは、民間企業でも似たようなところがまだあって、大学院卒の専門能力があまり重要視されないというところがあります。たとえば、日経新聞のような新聞社であれば、大学院卒の経済の専門家がゴロゴロいると思いきや、現実にはほとんどいません。やはり、大卒がほとんどを占めています。残念ながら、日経新聞には経済の専門家はほとんどいません。

このようなことから、日本のことを良く学歴社会だというのは間違いであり、正しくは大学格差社会とみなすべきです。

少し話が横道にそれてしまいました。なぜ、このようなことを述べたかというと、日本と諸外国の大学進学率を単純に比較しても意味がないことを強調したかったのです。これらに関しては、今日の本題とは少し離れるのでここであまり詳しくは述べません。いずれまた何かの機会に詳細をレポートします。

さて、世の中には学資保険なるものがありす。しかし、保険と名の、投資信託のようなものに過ぎません。それを「保険」というのは詐称にに近いものといえます。子供の病気、怪我にも給付金がでるというのですが、その部分だだけが保険であり、その他は投資信託に近いといって良いでしょう。

なんでも「保険」というと、通りが良いのだと思います。小泉進次郎をはじめとする一部の若手議員らは、この本質は増税であるにもかかわらず、「子ども保険」と詐称しているようなものもです。

「教育国債」は「未来へのつけ回し」と小泉進次郎氏は批判していますが、最も筋がよいのは、「未来への投資」の中で、人への投資を国債発行で行うことです。

そのロジックは実に簡明です。基礎研究や教育のように、懐妊期間(成果が出るまでの期間)が長く、大規模で広範囲に行う必要のある投資は、民間部門に任せるのは無理があり、やはり公的部門が主導すべきです。その場合、投資資金の財源は、税金ではなく、将来に見返りがあることを考えると、国債が適切であるというものです。

「知識に投資することは、常に最大の利益をもたらす」というベンジャミン・フランクリンの名言もあります。特に、教育は、将来の所得を増やすという実証分析結果は数多いです。高等教育は将来の所得増や失業減などにより、費用と便益の比率は2・4程度ですが、これは、現在の公共事業採択基準を軽くクリアしています。国債発行で教育を賄い、教育効果の出る将来世代に返してもらえばいいのです。

それなのに、麻生財務大臣や小泉進次郎氏は、教育を国債発行で賄うということには、反対で、増税の変形とも受け取れる「こども保険」なる、投資信託をすべきどというとんでもない主張をしています。これでは、彼らは財務省の走狗に成り果てたといわれてもいたしかないと思います。

現状のままだと、教育支出を増やせないと財務省は主張してきました。しかし、現実には財政問題は、このブログに掲載してきたように、さほど切実にもかかわらず、緊縮財政をことさら強調する財務省など、その存在意義を疑われます。

私として、小泉進次郎氏は将来の総理大臣にしたり、麻生氏が間違っていっときでも再度総理大臣になったりすれば、財務省の言いなりに増税を繰り返し、また日本はデフレ・スパイラルどん底に沈むことになると思います。

そんなことは、絶対に避けるべきです。無論安倍総理はその方向に動きます。当面は、彼らは財務省の使い捨て人材にすぎなくなります。そうして、いずれは、財務省を解体して、他省庁の下部組織として編入するべきと思います。当然安倍総理はその方向性で機会をうかがっているものと思います。

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