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2012年2月8日水曜日

【きょうの名言】覆面介入は結果まで覆面−【私の論評】歴史・経済となると、財界から政治家、日銀、マスコミまでこぞって厨二病になる日本の不思議?!

【きょうの名言】覆面介入は結果まで覆面:


財務省が昨年10~12月に行った政府・日銀による外国為替への介入について発表したが、
5回もあった。10月31日、11月1、2、3、4日だ。

@goferrariさんがツイートする。

「覆面介入が結果まで覆面になってどーすんだよ、○○財務大臣」

10月31日こそ、8兆722億円をドル買い/円売りを入れて円安に振れたが、その後はボチボチと行った。

「結果まで覆面」とまで言われてしまったが、「納得いくまで行う」と語っていたのが大臣。納得のラインはどこなのだろうか。


【私の論評】歴史・経済となると、財界から政治家、日銀、マスコミまでこぞって厨二病になる日本の不思議?!

上のツイート、ちょっと情けないですね。「○○財務大臣」などと、しないで、はっきり「安住財務大臣」とツイートすれば良いと思います。こんなところで、遠慮する必要はないと思います。


◆為替介入しても、一時的な効果しかないことは、最初からわかりきっている
為替介入などしても、一時的なものに終わることは最初からわかっています。それは、根本原因が別にあるからです。為替に関しては、様々な要因があって、円高になったり、ドル安になったりするのを簡単に予測できない場合があります。しかし、民主党になってから、現在、それからここしばらく、円高傾向になる理由は、6割がたはっきりしています。

この6割が払拭されない限り、何をやっても円高傾向が続くのは当たり前のことです。その6割とは、デフレあろうが、昨年震災が発生して円の需要がかなり増すことがはっきりしても、日銀が増刷の姿勢を頑なに守り続けており、それを崩さないことです。

お金であろうが、商品であろうが、何であっても市場において流通量が少なければ価格が上昇するのは、当たり前です。これは、学校であまり経済を勉強しない中学生当たりであっても、ごく普通に理解できることだと思います。円高だってそうです。為替市場で、円が少なくなれば、円高になるのは、当たり前の真ん中です。これは、高校生くらいなれば、さすがに学校で「政治経済学」という科目があって、ある程度習うので、すぐにわかる事実だと思います。

これを理解できずに、外国為替介入をしたとしても、一時的なものにすぎなくなるのは、当然のことです。これが、わからないということは、安住財務大臣は、高校生の頭もないということです。にもかかわらず、国会で、マクロ経済的現地からいうと全くおかしげな理屈を述べたてて、自己や政府の正当性をアピールするばかりです。本当に困ったものです。こんな、理屈を並べ立てる人、身近でみかけることがありませんか?


そうです、中途半端な理由を述べたてる中2くらいの年齢層です。安住財務大臣の、言動はまさに、この年齢層で見られ厨二病と呼ばれている症状のようです。厨二病は、中二病ともともと、表記されていましたが、簡単に言ってしまうと、思春期の少年少女にありがちな自意識過剰やコンプレックスから発する一部の言動傾向を小児病とからめ揶揄した俗語です。伊集院光がラジオ番組『伊集院光のUP'S 深夜の馬鹿力』の中で用いたのが最初と言われています。「病」という表現を含みますが、実際に治療の必要とされる医学的な意味での「病気」または「精神疾患」とは無関係です。


安住さんは、失礼ながら、その容貌からみても、特にそのように見えてしまいます。安住さんだって、一応社会生活を送っていらっしゃるからには、普段の社会生活においては、まともなのだと思います。しかしなぜか、歴史・経済となると、途端に、常識から逸脱して、まるで、中二病のようになってしまいます。上の中学生にもわかるような理屈を理解できずに、「納得いくまで行う」などといいながら、最初から効果のないことがわかりきっていることを何回も行ってしまいます。これからも、やり続けるかもしれません。


ここでは、安住大臣の例を出しましたが、こと、政治家といえば、全部とはいいませんが、他の人たちも、似たようなものです。円高論議をするときに、上の論点のようなことを話すことを聴いたことがありません。一見まともにみえるように話をする人々も、結局は全く論拠に欠けた中二病の中学生が語るようなことばかりです。これは、何も、政府、日銀だけではありません。マスコミ、財界でもまともな論議をする人がほとんどいないようです。素直に、日銀に対して増刷してくださいと要請する人は、ほとんど存在せず、頓珍漢な論議で終始しています。


これは、何も円高論議だけではありません。たとえば、高校の政治経済では、「デフレのときには、政府が大幅な財政出動と減税を行い、日銀が、金融緩和をしなさい。インフレのときは、政府が緊縮財政と増税を行い、日銀は、金融引き締めを行いなさい」という当たり前の真ん中を教えます。テストになど、出て上のような事実に反するようなことを書けば、バツをつけられます。


◆歴史に学べない愚かさ

金融恐慌時代のアメリカで
また、歴史認識に関してもそうです。世界史では、1930年代のアメリカで金融恐慌がおこったのは、当然デフレだったにもかかわらず、政府が緊縮財政をとり続けたことが、さらに、アメリカを深刻かさせ、それが、世界にに波及したのが、金融恐慌であると教えます。

また、日本史では、アメリカ発の金融恐慌の影響が日本にも及び日本でも金融恐慌が発生し、それを日本では、「昭和恐慌」と呼んだことなどが教えられています。デフレが続く昭和恐慌時にあってさえも、当時の日本政府はあろうことか、緊縮財政、金融引き締めをやっていました。まるで、今の日本ようです。しかし、当時の高橋是清大蔵大臣が、脱デフレ政策である積極財政、金融緩和を実施して、短期間に日本は、恐慌状態から立ち直りました。


昭和恐慌時代の映画の新聞見出し


このような歴史に関して知ってか知らずか、日本では、財界から政治家、日銀、マスコミまでこぞってまるで、歴史など完全に無視したかのような、論議をする人々がほとんどのように見えます。このような歴史を無視して、頓珍漢な論議をする行為は、まるで厨二病のようだと思います。


◆経常収支を理解出来ない大手マスコミ


本来、マスコミなどがこのような厨二病のような考え方を批判して、諌めるべき役割を果たすべきと思いますが、マスコミは、このようなことはせずに、厨二病を助長するばかりです。上の話もそうですが、極め付けは、最近では、貿易収支に関する厨二病的な、報道が目立ちました。下は、産経のニュースですが、貿易収支が赤字になったということをただ報道しただけのものです。私自身は、これだけでも、かなりミスリードだと思います。しかし、産経などはまだ良いほうで、他の大手新聞など、「貿易収支が赤字になった」ことをとりあげて、さも大変であるかのように煽りまくっていました。


2011年の貿易収支が31年ぶり赤字 石油危機以来


これは、完璧に、厨二病的発言です。


結論から言いますと、2011年の貿易赤字は、日本に何ら打撃を与えるものではありません。貿易収支というのは、読んで字のごとく「貿易によって発生した黒字とか赤字とか」の事です。これが赤字になったからといって、すぐさま大慌てをする必要はまったくありません。


なぜなら、貿易収支とは国際収支のごく一部に過ぎないからです。皆さんが想像する「日本はいくら儲かって、アメリカはいくら損をした」というのは、実は国際収支の数字を見なければならないのです。貿易収支しか見ないのは、木を見て森を見ずの典型で、それこそ、まるで厨二病です。


しかし、その国際収支の大部分を占めるのが貿易収支ではないのか、と思った方。それは、18世紀の話です。現在、国際収支の大部分を占めるのは「経常収支」であって、貿易収支は更にその一部に過ぎません。


国際収支=経常収支+資本収支(投資による損益)
経常収支=貿易収支+サービス収支+所得収支+経常移転収支


鬱蒼と生い茂った緑溢れる森林の中で、一本だけ枯れ果てた老木を発見してしまったので、「ああ、この森はもうおしまいだ・・・全ての樹木が枯れ果てて、生物が住めない死の森と化すに違いない・・・」と、こう主張するのが日本破綻論者という馬鹿どもの特徴です。この馬鹿どもは、自分は厨二病だとは考えていないのだと思います。


日本の場合、経常収支を決める最大の決め手は、貿易収支ではなく所得収支です。所得収支とは、「日本企業が外国で儲けた金額-外国企業が日本で儲けた金額」です。アメリカに工場作ってトヨタが大儲けしていると言えばわかりやすいですか?逆にアメリカのフォードなどは日本に工場を作って商売をしたりはしていませんので、所得収支の分野では日本は優位になっています


ちなみに、2011年の1月~11月での各項目の数字はこんな感じになってます。


貿易収支   -14,631
サービス収支 -14,862
所得収支 +133,290
経常移転収支 -10,542


経常収支 +93,254
(単位:億円)


圧倒的に所得収支が多いことがみてとれます。貿易収支の赤字などとは、文字通り桁が違っています。日本は、所得収支以外全てマイナスにも関わらず、巨額の経常黒字を叩き出しているわけです。


TPP賛成派の馬鹿などは「日本は貿易立国だ!貿易で儲からなければ日本は死ぬ!」と信じているので31年ぶりの貿易赤字転落に大騒ぎしていますが、実は日本の経常収支は所得収支がほとんどを占めており、貿易赤字が少々出た所でどうという程の事は無いのです。数字を見れば日本は貿易立国などではない、という事は子供でも分かるはずですが、厨二病の馬鹿どもにはわからないようです。実際、日本の輸出が、GDPに占める割合は、16%程度に過ぎません。これより、少ない国は世界広しといえども、アメリカくらいなものです。


毎年これだけ経常収支が黒字を出していれば、対外純資産を世界一になるのも頷けるというものです。これは確か直近の数字では、260兆円を超えていました。


◆結論



経済など、ご存知の方は、こんなことを長々と書くと、あまりに「当たり前の真ん中」であり、少々退屈されたかもしれません。しかし、大手新聞の記者それも経済新聞のようなところでさえ、このようなことを平気で書くのです。これを厨二病と呼ばずして、誰をそう呼べばよいのでしょうか?


最後に、多くの人は、こうした財界・政治家から、マスコミにいたるまで、日本では、上記で述べた厨二病的な発言が目立つわけですが、これらの馬鹿どもに関して、私たちは、そんなに心配する必要はありません。厨二病的な考え方しかできない人は、この世の中では、実は少数派です。ただ、テレビや新聞などがその事実を報道しないだけで、現実はそうです。どこの世界にまともに、書籍に書かれている基本的なことを否定する人がいるでしょうか ?そんな人は、ごく少数派であるからこそ、なんとはなしに、世の中はうまくまわっているのです。もし、マスコミが報道するとおりに、世の中が厨二病ばかりなら、日本は衰退してどうしようもない状況になっていて、それこそ、とっくにアイスランドや、ギリシャのようになっていたことでしょう。


先日も、厨二病にかかっていない、中学生がブログに、こう書いていました。「大人は馬鹿だ、ネットを調べたりすれば、すぐにわかることでも、調べようとせずに、マスコミ報道をそのまま受け入れてしまう」。


こんな中学生が大人になったときは、厨二病的な考えしか出来ない人は、完ぺきに排除されていると思います。というより、そのずっと以前排除されると思います。だって、皆さんもうそうなりかけていると思いませんか?大多数の民主党系議員は、もう次の選挙では、当選できないであろうことを認識していると思います。それは、自民党も同じことです。自民がどうの、民主どうのというより、もはや、政治家であるにもかかわらず、厨二病であっては、結局屁理屈をいうだけで、現実を全く変えられないからです。それどころか、逆のことばかりしてしまうからです。




それは、政治の世界だけではなく、財界から政治家、日銀(官僚)、マスコミまで広がっていくことでしょう。それは、厨二病にかかっている、中学生がそのまま、大人にはなれないことと同じ理屈です。厨二病のままでは、政治家も官僚も、何もまともにできないで、堂々巡りを繰り返すばかりで結局何もできません。財界も厨二病的な考えをするひとが主導していては、結局企業がたちゆかなくなります。マスコミは、厨二病的な考えを報道してばかりいれば、誰も購読者や、視聴者がいなくなってしまいます。最近、皆さんも、新聞の購読数や、テレビの視聴者がどんどん減っていることはご存知でしょう。




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