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2016年8月11日木曜日

【緊迫・南シナ海】ベトナムが中国・人工島射程にスプラトリー諸島でロケット弾を配備 インドからミサイル購入も―【私の論評】日本の備えはベトナムよりはるかに強固、戦えば中国海軍は崩壊(゚д゚)!


ベトナムがイスラエルから調達した最新鋭のEXTRAロケット弾。10mの範囲でHitさせる高性能
ベトナムが南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島に移動式のロケット弾発射装置をひそかに設置したことが10日、分かった。ロイター通信が複数の欧米の当局者の話として伝えた。ロケット弾は中国が軍事拠点化を進めている同諸島の人工島を射程に収めるとされ、中国の反発で緊張が高まる恐れがある。

 ロケット弾発射装置は、ベトナムがイスラエルから調達した最新鋭のEXTRAロケット弾発射システム(最大射程150キロ)とみられ、数カ月前にベトナム本土から同国が実効支配する岩礁など5カ所の拠点に船で移送された。数日中に稼働を開始できるという。

 ロケット弾は重さ150キロの高性能爆薬やクラスター爆弾を搭載でき、発射装置の機動性も高いため、敵の上陸作戦にも効果的に対処できる。現在の配備地点からは、中国が滑走路などを建設したミスチーフ(美済)礁、スービ(渚碧)礁、ファイアリークロス(永暑)礁が射程に入る。

 ベトナム外務省はロイターに情報は「不正確」としたが、専門家らは、南シナ海での主権主張を仲裁裁判所に否定された中国が強硬手段に出る事態を警戒し、ベトナムが防衛体制の強化に動いたと分析している。

 一方、インドからの報道では、モディ首相は9月に訪越し、南シナ海問題などを協議する見通し。インドは中国を牽制する思惑から、ベトナムに最新式の巡航ミサイルや対潜魚雷を供与する方向で協議を進めると予想されている。

【私の論評】日本の備えはベトナムよりはるかに強固、戦えば中国海軍は崩壊(゚д゚)!

日本では、未だ尖閣諸島そのものには人員も配置していないし、兵器も設置していません。

しかし、日本も手をこまねいているわけではありません。日本もすでに、海上自衛隊の護衛艦や、P3Cなどの対潜哨戒機や、それを護衛するための航空機、潜水艦など配置していると考えられます。実際に武力衝突ということになれば、ベトナム軍の比ではないほどに強力な備えはしています。

日本のP3C対潜哨戒機 日本の対潜哨戒能力は世界一の水準
ベトナム軍は、派遣しようにも、強力な軍艦も、潜水艦も対潜哨戒機も所有していないため、陸上に強力なロケット弾を配置したのでしょう。それにしても、かつては中越国境紛争で中国を撃退したベトナムです。海上でも意地を見せてほしいです。そのためには、日本は、協力を惜しむべきではないです。

ただし、日本の場合は、軍事秘密ということもあり、さらには中国を無用に刺激したくないということで、明らかにされていないことがいろいろあるようです。

特に、中国側を無用に刺激したくないという意識があることは、未だに尖閣水域に中国漁船が200隻以上も集結している写真が公表されていないことからもうかがい知ることができます。

これは、報道陣も同じことです。これなど、撮影するつもりがあれば、ドローンを飛ばして撮影すれば、さほど困難もなくできるはずです。これなら撃墜されたとしても、犠牲者は出ませんし、撃墜される直前の画像などかなり迫力のある画像が撮影できるはずです。

陸上自衛隊のヘリコプター型のドローン「UAV」

これをしないのは、中国側の報道規制を恐れてのことでしょう。もしそのような報道をすれば、中国側から取材を拒否されることを懸念してのことであると思われます。

軍事秘密ということでは、潜水艦の配置などは、全くスルーでしょう。これは、最新型潜水艦を所有している国では共通のことです。しかし、日本の最新鋭「そうりゅう型」潜水艦などのは尖閣水域のいずれかに複数潜伏しているのは間違いないです。

手前「はるしお」型、後方「そうりゅう」型潜水艦
日本の最新鋭の潜水艦は、工作技術が優れており、ほとんど無音に近いくらいに音を発することがないので、中国は全く探知できません。しかし、中国の潜水艦は、工作技術が低レベルなので、水中をドラム缶を「ドンドン」と叩いて進むような音を出すのと、東シナ海の海の推進は浅いので、日本側はすぐに探知できます。

日本の潜水艦は、逐一中国側の艦艇や、潜水艦の位置を知りながら航行できるのに対して、中国側は、日本の潜水艦の動きを知ることはできません。中国の漁船などはまさか、潜水艦に撃沈されることはないと思っているでしょうが、中国海警や、海監などの艦船や軍艦などは、本当はおっかなびっくりでこの水域に入っているはずです。

さて、こうした海上自衛隊の尖閣付近での動きなど、軍事機密にされている部分もありますが、中には報道されているものもあります。

たとえば、以下の報道がされています。
【防衛最前線(75)】尖閣接続水域で中国フリゲート艦と対峙した海自護衛艦「せとぎり」 対中任務の要として存在感高め…
海上護衛艦「せとぎり」
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部のみ引用します。
 6月9日午前0時50分ごろ、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺海域で海上自衛隊の護衛艦「せとぎり」の警戒監視網が、1隻の不審な船影を捉えた。中国海軍のジャンカイI級フリゲート艦。尖閣諸島の久場島北東の接続水域に侵入しており、そのまま進めば領海に入る可能性もあった。 
 せとぎりは海自のP3C哨戒機とも連携しながら監視を続行。同時に、中国軍艦に無線で退去を呼びかけた。しかし、返ってくるのは「ここは中国固有の領海だ」という趣旨の国際法を無視した一方的な主張のみ。日本政府は中国の軍艦が尖閣諸島の領海に入れば、海自に海上警備行動を発令する方針を固めている。それだけに緊張が走る場面だった。

 中国のフリゲート艦と対峙(たいじ)した海自の「せとぎり」は、「あさぎり」型護衛艦の6番艦だ。全長137メートル、幅14・6メートル、基準排水量は3550トン、乗員約220人。平成2年に就役した。艦名は「瀬戸に立つ霧」に由来する。
 搭載する武器は高性能20ミリ機関砲、76ミリ速射砲、短SAM装置一式、アスロック装置一式、3連装短魚雷発射管など。哨戒ヘリ1機も搭載する。
上の記事で気になるのは、「中国海軍のジャンカイI級フリゲート艦」です。フリゲート艦とは、フリゲート艦の定義は各国によってまちまちですが、駆逐艦や巡洋艦よりは、小型で軽装であることは共通です。日本でいえば、海上保安庁の巡視船の武力を強化したものくらいに捉えれば、良いくらいのものです。
これが、諸外国でいえば駆逐艦なみの護衛艦「せとぎり」と対峙したということです。フリゲート艦では、とても歯が立ちません。さらに、海中には日本の最新鋭潜水艦が潜伏している可能性が高いことも、中国側は承知していることでしょう。

だからこそ、接続水域を航行する以外のことはせずに、離脱したのでしょう。「せとぎり」側の警告を無視すれば、簡単に撃沈されてしまいます。中国側の、フリゲート艦の艦長や乗組員からすれば、命がけの冒険だったことでしょう。

日本では、中国が軍艦を派遣したという報道されていますが、その実は軽装のフリゲート艦です。中国が本気で日本と対峙しようとするなら、フリゲート艦ではなく、駆逐艦クラスを数隻派遣すべきだと思います。

しかし、そのようなことはしません。つい最近では、漁船が300隻、公船が十数隻尖閣付近の水域に入りました。しかし、これもなぜか本日姿を消しました。

これは、私の推測ですが、やはり、中国にとっては、日本の海上自衛隊は手強いのだと思います。日本の海上自衛隊が本気で中国海軍と対峙すれば、中国の空母や、駆逐艦などは、ことごとく海の藻屑と消えることははっきりしています。

航空戦力も便りになりません。中国は合計で1450機程度の戦闘機と攻撃機を保有しています。航空自衛隊は350機未満であり圧倒的な大差があります。

テレビや新聞はこの数字を根拠に「中国空軍は日本より圧倒的に強大で、今やアメリカより強い」などとしています。

だが中国空軍の内訳を見ると朝鮮戦争後のミグ21(ソ連)を国産化したJ-7戦闘機が700機を占めています。

中国空軍の大部分を占めるJ-7戦闘機

ベトナム戦争で北ベトナム軍が使用していたソ連機です。いくら何でもこれは論外で、戦力に含める事はできません。

次に多いのがミグ21を改良したJ-8Ⅱの300機で、双発エンジンにしたり、電子機器を大型化したりしています。しかし、所詮ミグ21であり、これも戦力外通告しましょう。

これで残り450機になり航空自衛隊に近づいてきました。さらに戦力外を引いていきます。

J-10という中国の国産戦闘機が現在も生産されていて、200機以上を保有している。

設計はイスラエルのラビという試作機が元になっていて、中国とイスラエルの軍事交流が盛んだった頃の遺物です。

電子機器や装備もイスラエルの協力を受け、当時の西側に近い機能を持たせてあります。ミグ21より遥かに優れているのですが、外観・機能ともに北欧やフランスの軽戦闘機に類似しています。

初飛行は1998年で、当時の中国の航空技術を考慮すると、どう考えても「それなり」の性能でしかありません。西側のF15やF16に通用するとは考えられず、これも戦力外とします。

Su-27は設計が旧ソ連製で西側のF15やF16に対抗して開発した最後の戦闘機です。Su-27の中国版がJ-11で170機を保有しています。

さらにSu-27の攻撃機型のSu-30系をロシアから76機輸入しています。つまり中国の現有航空「戦力」は全部で246機となります。

J-11
航空自衛隊の350機よりかなり少なくなりました。これに日本と中国の稼働率を掛けてみます。

保有していても稼動しないのは飛べないので、存在しないのと同じです。航空自衛隊の稼働率90%、従って実数は315機です。中国空軍の稼働率推定20%、従って実数は50機です。

日本と中国が尖閣諸島で戦う時には、日本の315機が中国の50機の戦闘機と戦う事になるのです。これも、中国が本格的に尖閣に攻めて来ない理由なのです。

しかしながら、日本は中国機のスクランブルできりきり舞いさせられているということも報道されています。あれは、いつどこに来るか前もってわからないことと、中国は戦力外といいながらも多数の戦闘機を持っているからです。

先日は、北朝鮮の弾道ミサイルが予告なしで発射され、秋田沖のEEZ(排他的経済水域)に落下し、日本は前もって察知できなかったという出来事もありました。日本の安全保障のために、中国空軍の不穏な動きや、北朝鮮の弾道ミサイルへの迅速な対応ができるように、日本の航空自衛隊の質的転換が迫られていると思います。

これに対応するには、一日24時間、軍事偵察ドローンを日本の上空を飛ばせることで対応できます。技術的には、日本なら十分可能です。

中国としては、日本と本気で対峙して、本当に戦争になれば、中国海軍が崩壊してしまうことを懸念しているのだと思います。今失ってしまえば、またもう一度ゼロから構築しなおさなければならなくなります。

航空支援もあまり期待できない中国の海軍は、まだまだであり、日米英露などの海軍には勝てないことは、重々承知しているのだと思います。日本との本格的な対峙は、避けて、海軍力を温存して、いずれ捲土重来を期すると考えているのだと思います。

しかし、国内に対して、東シナ海での示威行動をアピールするため、民兵を積載した中国漁船と公船などを大量にこの海域に派遣して見せたのでしょう。これが、現在の中国がとり得る最大の示威行動なのでしょう。

しかし、日本が少しでも、弱みを見せれば、中国は再び尖閣奪取を成し遂げようと虎視眈々と機会を狙っています。さらに、中国は日々軍備を近代化していることも忘れるべきではありません。

日本としては、さらに尖閣の備えをより強固にすべきです。

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