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2015年10月26日月曜日

民主代表「来年、衆参ダブル選挙の可能性」―【私の論評】来年の衆参同時選挙が行われれば、民主党は凋落してかつての社会党のようになる(゚д゚)!


民主党岡田代表


民主党の岡田克也代表は25日、三重県四日市市などで講演し、来年夏の参院選に関連し「安倍晋三首相が来年、衆参ダブル選挙に打って出る可能性がないとは言えない」と述べた。「いつ衆院解散があってもいいように心構えを持たなければいけない」と呼び掛けた。

2017年4月の消費税率10%への引き上げに言及し「安倍政権は再増税後、しばらく選挙ができないと思う。手前で解散する可能性がある。来年中には衆院選があるのではないか」との見方も示した。

講演では、秋の臨時国会を見送った上で、来年1月に開く通常国会の召集時期の前倒しを検討する政権の姿勢について批判した。憲法53条に基づく野党5党の臨時国会の召集要求に触れ「(代わりに)通常国会を多少早めに開けばいいと内閣が主張するならば、53条の意味がなくなる。民主主義の危機だ」と語った。

【私の論評】来年の衆参同時選挙が行われれば、民主党は凋落してかつての社会党のようになる(゚д゚)!

昨年の暮れには、マスコミなどが無責任にも「大義なき解散」などと呼んだ、多いに大義名分のあった、衆院解散総選挙がありました。その大義はいろいろありましたが、その中で最大のものは10%増税の見送りです。

さて、このあたりの状況については、このブログでも過去に掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
財務省の屈辱と安倍総理のリップ・サービス―【私の論評】今回の解散は、どんなに反対があっても総理大臣は、解散・総選挙という伝家の宝刀を抜くことができるということを示したことで大義は、はっきりしているのに「大義なし」といった輩はただの無能蒙昧の大馬鹿野郎(゚д゚)!


詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では、この選挙により財務省が完敗したことをお伝えましました。その内容を以下に掲載します。
しばしばテレビや新聞で訳知り顔のコメンテーターが、今回の衆議院解散には大義がないという言い方をする。解散せずに増税を先送りするだけでいいなどと、トンチンカンなことを平気で言っている。あまりに無知すぎて、その無知ぶりを見なければいけない視聴者や読者は気の毒である。 
消費増税は財務省の悲願だ。その理由は財政再建ではなく、財務官僚たちの歳出権拡大。要は、集めたカネを配りたいだけである。そのカネに群がるのが、国会議員、地方議員、地方の首長、経済界、マスコミ、さらには有識者・学者。そうした財務省の「ポチ」たちは、もちろん、増税賛成派である。 
増税先送りは、総理の一存ではできない。増税賛成派の中に国会議員がいて、増税先送りの法律が成立しないためだ。新聞業界も軽減税率が欲しくて財務省の「ポチ」に入っているので、まるで世間も増税賛成のように報道されてしまう。
そうした中で安倍総理が解散に踏み切ったのは、国民の意見がどうなのかを聞きたい―それが理由だろう。国会議員は財務省の増税レクと増税後のカネの配分で籠絡されているので、解散して衆院議員を全員クビにする。その上で、財務省の意見ではなく国民の声を聞こうとしている。
安倍総理が増税延期を決断したのは歓迎すべきことだが、どうして「1年半後」に増税することを、合わせて断言したのか、その狙いがよくわからないという人もいる。これは、端的に言えば、財務省およびそのカネに群がる人たちへのリップ・サービス。政治的にどうしても我慢できない人たちに向けて、「1年半後」と言って納得してもらったのである。あくまでリップ・サービスという点が重要だ。 
「1年半後」というのは、消費増税の引き上げ時期を'15年10月から1年半後の'17年4月にするということだが、これは今から2年4ヵ月先である。政治では予測不可能である。ただし、それまでの間、'16年7月頃には参院選挙が確実にある。となると、そのときに、衆院選とのダブル選挙があっても不思議ではない。要するに、「1年半後」というのは、財務省らの増税勢力に対する懐柔策であると同時に、安倍政権側が増税勢力に対して総選挙という伝家の宝刀を抜くかも知れないというオプションを持つことなのだ。
このように、今回の解散が、「安倍政権vs.増税勢力(財務省とその「ポチ」たち)」の構図になっていることがわからないと、本当の意味が見えてこない。
今回の解散は、戦後おそらく初めて、時の総理が財務省の言うことを聞かなかったものだろう。その意味で、政治史として特筆すべき出来事なのだ。プライド高く、政治家を見下してきた財務省にとって屈辱のはずだ。国民は、安倍政権か財務省のどちらを選ぶだろうか。
本当に、テレビや新聞で訳知り顔のコメンテーターが、今回の衆議院解散には大義がないという言い方には、本当にほとほと愛想がつきました。予定どおりに、10%増税をしていれば、8%増税でもかなりの悪影響があったというのに、とんでもないことになっていたことでしょう。

無論、消費が落ち込み、またデフレスパイラルに逆戻りということになり、国民の政府に対する信頼は揺らいだことでしょう。そうして、安倍総理のサイドからいえば、来年の参院選は惨敗していたことでしょう。

その後は、誰の政権であっても、長持ちせず、民主党の政権交代前後のひところのように、政権が長持ちせずに、コロコロ変わることになったことでしょう。

こんなことは、安倍総理自身が良く理解しているものと思います。だからこそ、来年の参院選では、衆院も解散して、w選挙として、「10%増税」見送りも公約として掲げて、選挙戦を闘いぬくことでしょう。ブログ冒頭の岡田代表の衆参ダブル選挙もあり得るという見解は、岡田代表としては、珍しく妥当なものだと思います。

来年の参院選は、ダブル選挙になる可能性については、このブログで以前にもとりあげたことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
安倍政権「消費増税再見送り」で来年7月衆参ダブル選へ!―【私の論評】来年の衆参同時解散総選挙というシナリオの確率はかなり高い!これに気づかない政治家・マスコミは、完璧に蚊帳の外(゚д゚)!

この記事は、今年8月のもので、筆者は長谷川幸洋氏です。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、長谷川氏の記事の結論部分だけ以下に引用します。
10%引き上げを先送りするなら、安倍政権は来年7月のタイミングで衆参ダブル選に持ち込むのではないか。安倍政権の内閣支持率は終戦70年談話の発表後、持ち直しているが(たとえば産経・FNN合同世論調査で3.8%増の43.1%)、政権選択選挙でない参院選は、強すぎる与党を嫌う国民のバランス感覚が働きやすい。
増税先送りは与党に追い風をもたらす。それならダブル選で政権選択選挙に持ち込み、勢いに乗って参院選も有利に戦う。そんな政治判断は合理的である。
私は2016年ダブル選予想を7月12日放送のテレビ番組『そこまで言って委員会NP』で初めて話した。コラムは同17日発売『週刊ポスト』の「長谷川幸洋の反主流派宣言」(http://www.news-postseven.com/archives/20150717_336635.html)が初出である。そちらもご参考に。いずれマスコミも安保関連法案の熱狂が覚めれば、報じ始めるだろう。
先に述べたように、10%増税を予定どおりに実施した場合、どの政権であれ、政権を放棄するしかなくなります。そんな冒険を安倍総理がするとはとても思えません。

であれば、昨年の暮れの解散総選挙のように、また衆参w選挙にして、10%増税の先送り、それも今度は期限を決めるのではなく、経済指標などを出して、その指標に到達するまで増税を見送ることを公約すると思います。

いずれにせよ、野党側には厳しい選挙となることは必定です。

なぜそのようなことがいえるかといえば、最近の調査では、あれほどマスコミや、野党、憲法学者などが安保法案に関して、「違憲」「戦争法案」などと大騒ぎしたにもかかわらず、安倍内閣の支持リは40%を超えているからです。

世論調査によると、読売新聞が支持46%(5ポイント増)に対して不支持が45%(6ポイント減)、日本経済新聞は支持44%(4ポイント増)、不支持42%(5ポイント減)、毎日新聞は支持39%(4ポイント増)、不支持43%(7ポイント減)、共同通信が支持44.8%(5.9ポイント増)、不支持41.2%(9ポイント減)でした。

この状況で来年選挙に入ると、それこそ、1990年代のPKO法案成立直後のようなことになることが十分予想できます。

ここで、PKO法案成立前後の状況をふりかえっておきます。
1990年湾岸戦争で日本はアメリカ合衆国などの多国籍軍を支持して資金援助を行ったが、資金を出すだけの態度に、戦時中から戦後にかけてアメリカ・イギリスを中心に批判が巻き起こった。これをきっかけに、国際協調主義の流れに沿って自由民主党政権(海部俊樹宮沢喜一内閣)が法案を提出した。 
自衛隊海外派遣軍国主義の再来と捉えた日本社会党日本共産党社会民主連合などは強硬に反対。逆に、民社党は積極的に賛成した。社会党はPKOを自衛隊とは別組織の文民に限定する代案を出し、1990年10月、自民・公明・民社の三党も、一度は同様の合意を行った。 
しかし、自公民は社会党の助け無しに可決ができる見通しになると(参議院で自民党は過半数割れしているねじれ国会状態のため、法案可決には少なくとも公明・民社の協力を得る必要があった)11月には自衛隊と別組織案を破棄し、当初の予定通り、自衛隊海外派遣を中心に据えた法案となった。 
当時民社党書記長だった米沢隆によると、三党同意は社会党外しの目的もあったという[1]。法案は当時自民党幹事長だった小沢一郎が主導となり、公明党書記長の市川雄一、そして米沢の3人で毎晩話し合い、寿司屋やカラオケなどに各党のうるさ型を呼んで説得もした。そして、自公民三党のとりまとめに成功したという。

この自公民三党のとりまとめにより、PKO法案は成立したのですが、このときもまるで、今回の安保法案の審議と同じようなことがありました。まずは、野党は社会党を筆頭にこの法案には大反対で、当時も戦争法案だとか、徴兵制などのことがいわれ、今回の民主党のように姑息な牛歩戦術などを繰り返しました。

PKO法案審議で牛歩戦術をする野党議員ら
その結果どういうことになったかといえば、次の選挙で社会党は大敗北を喫しました。そうして、この大敗北をきっかけに社会党はこの世から姿を消しました。

PKO法案反対のデモ、現在の安保法案反対と何も変わらない・・・

来年7月に衆参同時選挙が行われた場合、現在の民主党は、当時の社会党のように大敗北を喫し、二度と立ち上がれず、結果として民主党が消えてなくなるということもあながちあり得ないことではありません。

そのような危機感があるからこそ、 ブログ冒頭の民主党岡田代表の発言になったのだと思います。もし、民主党が選挙戦の戦略・戦術を間違えれば、この世から消えることにもなりかねないですが、そこまでいかなくとも、かなり衰退するのは間違いないと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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