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2020年5月30日土曜日

トランプ氏、香港の優遇措置見直し WHOと「断絶」も―【私の論評】日欧は香港問題で八方美人外交を続ければ、英米加豪に相手にされなくなる(゚д゚)!


対中国の制裁措置を発表するトランプ米大統領=29日

 トランプ米大統領は29日、ホワイトハウスで記者会見し、中国が香港に国家安全法の導入を決めたことに関し「香港の高度な自治は保証されなくなった」と述べ、米国が香港に対し認めている優遇措置を見直す手続きに着手すると表明した。トランプ氏はまた、世界保健機関(WHO)について、新型コロナウイルスをめぐって中国寄りの対応をとったとして「関係を断絶する」と述べ、脱退を表明した。

 新型コロナ危機に乗じて香港などに対する強権姿勢や南シナ海などで覇権的行動を打ち出す中国に、米国が正面から対決していく立場を鮮明にしたもので、米中の対立が一層激化していくのは確実だ。

 トランプ氏は、中国の全国人民代表大会(全人代)が香港に国家安全法を導入する「決定」を採択したことに関し、「中国は香港に約束していた『一国二制度』を『一国一制度』に変えた」と非難した。優遇措置の見直しの対象は、関税や査証(ビザ)発給など「ごく一部を除き全面的なものになる」としている。

5月27日、香港立法会の本会議に出席した民主派の陳淑荘議員

 トランプ氏はまた、「香港の自由の圧殺」に関与した中国や香港の当局者に制裁を科すと表明した。

 米国務省の香港に対する渡航勧告も中国と同等とし、滞在中に「監視を受ける危険が増大する」との文言を明記するとした。

 新型コロナへの中国の対応に関しても、中国が忌避する「武漢ウイルス」の用語をあえて使用し、「中国がウイルスを隠蔽(いんぺい)したせいで感染が世界に拡大し、米国でも10万人以上が死亡した」と訴えた。

 WHOに関しては「中国に牛耳られている」「米国の組織改革の要求に応えていない」などと批判。年間4億5千万ドル(約480億円)規模とされるWHOに対する米国の拠出金については「他の保健衛生関連の国際組織に振り向ける」とした。トランプ氏は今月18日、WHO事務局長に「30日以内に組織を改革しなければ米国は資金拠出を恒久停止する」と警告していた。

 またトランプ氏は会見で、米株式市場に上場している中国企業の透明性向上に向け「特異な行為」をしていないか作業部会で検証すると語った。

 さらに、中国人の学生らが米国内の大学や研究機関で技術窃取を繰り返してきたと非難。記者会見後は、中国人民解放軍に連なる研究機関に所属する大学院生の米国への入国を禁じる大統領布告に署名した。

【私の論評】日欧は香港問題で八方美人外交を続ければ、英米加豪に相手にされなくなる(゚д゚)!

一国二制度の破壊で香港は中国の一地方都市となったのですから、特別優遇の廃止は当然のことです。しかし、それでは中国は、国際金融と貿易における香港の特別地位を失って経済が沈没するのは必至です。中国は、資金調達と対外貿易の重要な窓口を失うことになります。いつものことだが、習近平の愚挙は、結局自分たちの首を絞めることになるだけです。

トランプ米大統領が29日の、声明要旨は次の通りです。

■新型コロナの情報隠蔽

米国は中国との開かれた、建設的な関係を望んでいるが、その関係を実現するには米国の国益を精力的に守る必要がある。中国政府は米国や他の多くの国々への約束を破り続けてきた。中国による「武漢ウイルス」の隠蔽により、疾病は世界中に拡散した。世界的な大流行を引き起こし、10万人以上の米国民、世界中で100万人以上の命が失われた。

■WHOとの関係断絶へ

中国は世界保健機関(WHO)を完全に支配している。彼らは我々が要請した必要な改革を実施しなかったため、本日、WHOとの関係を断絶する。資金の拠出先は世界的でふさわしい、他の差し迫った公衆衛生ニーズに振り替える。

■産業機密保護へ入国制限

中国政府は長年にわたり、米国の産業機密を盗む違法なスパイ活動を行ってきた。本日、私は米国の極めて重要な大学の研究成果を保護するため、潜在的な安全リスクとみなす者の中国からの入国を停止する布告を出す。

■中国上場企業の慣行調査

さらに米国の金融システムの健全性を守る措置を取る。金融市場に関するワーキンググループに対し、米国の市場に上場している中国企業の慣行を調査するよう指示する。

今週、中国は香港の安全に一方的な統制をかけた。これは、1984年の宣言で英国と結んだ条約に対する、中国政府による明確な義務違反だ。

■香港の自治侵害は条約違反

中国による最近の侵害と、香港の自由を悪化させたその他の出来事をみれば、中国への返還以来、米国が香港に与えてきた優遇措置を続けるための正当な根拠となる自治がないのは明らかだ。

中国は、約束した「1国2制度」方式を「1国1制度」に置き換えた。このため私は米政権に、香港を特別扱いしてきた政策をやめるプロセスを始めるよう指示する。本日の私の発表は、犯罪人引き渡し条約から軍民両用技術の輸出規制まで全ての範囲の合意に影響する。

香港への渡航勧告についても、中国治安当局による刑罰や監視の危険の増加を反映して見直す。

■関税など優遇措置を撤廃

関税や渡航の地域としての優遇措置も取り消す。香港の自治侵害と、自由の抑圧に直接的または間接的に関与した中国と香港の当局者に制裁を科すのに必要な措置を取る。

香港の人々は、中国が活動的で輝く香港の街のようになることを望んでいた。世界は、香港が中国の未来像の一端であるとの楽観的な思いに打たれたのであり、香港が中国の過去の姿を映すことを期待したのではなかった。

以上

国連安全保障理事会は29日、中国政府が香港に「国家安全法」を導入する方針を決めたことを受け、米英両国の提起で香港情勢について非公式に協議しました。米国は中国に方針転換を求め、全ての国連加盟国に米国に同調するよう要請。猛反発した中国が内政干渉の即時中止を米英に要求し、議論は平行線に終わりました。

米英中の各国連代表部は協議後、それぞれ声明を発表。それによると、クラフト米国連大使は、安保理理事国に「中国共産党が国際法に違反し、香港の人々に考えを押し付けることを許すのか」と問い掛けました。

アレン英国連臨時代理大使は、「中国が立ち止まり、香港や世界が抱いている深刻かつ正当な懸念について省察するよう期待する」と求めました。

これに対し中国の張軍国連大使は、「香港問題は純粋な中国の内政問題であり、外国の干渉は認められない」と強調。29日の討議に関しても安保理として「正式」に協議を行ったわけではないとくぎを刺し、「香港を使って中国に内政干渉しようとするいかなる試みも失敗する運命にある」と主張しました。

中国の張軍国連大使

新型コロナウイルスの世界的流行をめぐり深まっていた米中対立は、香港問題を受け一段と悪化しました。ともに常任理事国である米中間の亀裂により、安保理が具体的行動を取るのは困難な情勢です。

このような情勢はなぜか日本では、あまり深刻に受け止められていないようです。

日本には「中国に制裁をほのめかして、この立法を阻止しなければならない」と主張するような政治家はいないのでしょうか。今回の一連の出来事は、米中新冷戦が熱戦(直接的な武力行使)の入り口に近づくくらいのインパクトがあるものと受け止めるべきです。

中国に帰属する自由都市・香港は、長らく西側の自由主義社会と中華全体主義社会をつなぐ回廊の役割を果たしてきました。多くの金と人が香港を通じて行き来していました。
その香港を潰すということは、中国は西側社会との決別を決心したということです。日本やEU諸国の出方はまだ不明ですが、本当に香港に対するビザや関税の優遇が取り消され、中国への経済制裁が行われることになれば、次に起こりうるのは冷戦ではなく熱戦の可能性もあります。
中国党内には、最近、トランプが中国に戦争を仕掛けてくる、という危機論があるようです。日本に真珠湾攻撃をさせたように、巧妙な情報戦で中国を追い詰め、戦争を仕掛けさせるつもりだ、といった意見を語る人間もいる程です。

台湾への米国の急接近もその文脈で説明する人がいます。だから挑発に乗らないようにしよう、という話にはならず、そうなら米国から先に手を出させてやる、と言わんばかりの「戦狼外交」(挑発的、恫喝的、攻撃的な敵対外交を指す)で対抗するのが今の習近平政権です。

こういう局面で、今や世界は一寸先は霧の中に入ったといっても過言ではありません。

香港国安法が制定されば香港はどうなるでしょうか。「香港暴動」が仕立て上げられて、軍出動となるかもしれないし、そうならないかもしれないです。ただし、中国唯一の国際金融市場が消滅するのは確かです。多くの香港知識人や社会運動家やメディア人や宗教家が政治犯として逮捕の危機にさらされ、政治難民が大量に出るでしょう。

香港の旺角地区で、民主派デモ隊による道路封鎖を阻止する警官隊(2020年5月27日)
米英が香港国安法を批判するのは、中国の国家安全部が、これから、徹底的に香港民主派市民を人権も無視して弾圧することを知っているからです。中国は、香港問題は中国の内政問題と主張しています。

しかし国際法では、人権問題に絡む干渉などは内政干渉ではないとされています。ただし、国際法をこれまでも無視してきた中国にとっては、トランプの今回の声明は、内政干渉以外のなにものでもないようです。

台湾蔡英文政権は、それを見越して、政治難民の受け入れも想定した「可能な人道的援助」に言及しています。今年1月に再選を果たしてから、新型コロナ感染対応を経て、自信をつけた、蔡英文は見違えるほど頼もしくなりました。言うべきときに言うべきメッセージを国際社会に発しています。

つい先日もこのブログで主張したように、日米をはじめとする先進国は、台湾が香港を吸収する形で香港の国際金融都市としての役割を肩代わりできるようにすべきです。また、全体主義国家が常任理事国として名をつなれているような、国際連合(連合国)などは、捨て去り、新たな国際組織を設置すべきです。

従来は主に米中の戦いとみられていた米中冷戦ですが、香港情勢等を巡って徐々に対立軸がはっきりして来ています。今まで英国は、はっきり態度を表明していませんでしたが、さすがに香港の事になると、英国も銭より価値観を選ばざるを得なくなったようです。

英米加豪は対中国でまとまったので、後はEUと日本はどうするかという状況になってきました。日本とEUは、八方美人外交を続ければ、英米加豪に相手にされなくなる覚悟を決める時がやってきたようです。

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2016年10月3日月曜日

蓮舫・野田氏が相手なら、次の選挙で「自民党300議席」は堅そうだ―【私の論評】岡田氏より超強力な安倍政権の助っ人蓮舫・野田氏で民進自滅(゚д゚)!

蓮舫・野田氏が相手なら、次の選挙で「自民党300議席」は堅そうだ 「早期解散」一番の根拠はコレ!?

  解散は、3年以内にやれば与党が勝つ

12月に予定されているプーチン大統領の来日や、TPP法案成立を受けて「1月解散に踏み切る」との観測が噴出している。公明党の山口代表が来年1月の通常国会冒頭での解散を拒まない姿勢を示したから、永田町では解散風が吹き始めた。

公明党が早期解散を容認しているのは、来年7月に実施される東京都議選と衆院選がかぶらないようにしたいためだと思われる。

また、先の国会で衆院選の1票の格差是正と議員定数10減のための改正公職選挙法が成立したことも大きい。小選挙区を「0増6減」、比例代表を「0増4減」することが決まり、衆院の定数は465議席となる。

ただし、区割りには時間を要するために、来年6月以降にならないと、新たな区割りでの衆院選はできないと見られている。現職の衆院議員はこれまでの区割りで選挙をしたいと望むだろう。

上記のことから、衆院選は5月までに行われる公算が強い。このスケジュールは、過去の衆院選を見てもわかる。衆院任期は4年であるが、戦後任期がまっとうされたのは、1976年12月の1回しかない。それ以外は任期満了の前に解散総選挙が行われている。

間接民主主義は、民意を反映するために、一定期間で選挙を行う必要がある。これまでの衆院の平均任期は2年9ヵ月なので、2年を過ぎれば、いつ総選挙があっても不思議ではない、ということだ。

中曽根政権以降を見ると、3年以上経過して解散した例が8回と多い。2年以上3年未満で解散したのは、1986年7月、2005年9月、2014年12月と3回しかない。ただし、この3回ともに与党の圧勝であった。3年以上経過するともろもろの問題が生じて追い込まれる感があり、与党に分が悪いことが多いようだ。


来年1月になると、前回の解散から2年超が経過することになるし、早めの解散のほうが与党は勝利しやすいということもあり、1月解散風が吹いているわけだ。

  実は蓮舫は脅威のハズだった…が

もちろん解散が行われるかどうかは、野党の力量にも依存する。その意味で、蓮舫氏が新代表となった民進党がどれだけの勢いを得られるかに注目が集まっていた。

女性党首ということで、相当な脅威になると与党は見ていたはずだ。ところが、民進党人事の過程で、その化けの皮がはがれてしまった。


自民党にしてみれば、蓮舫代表以下、「若手、イケメン、女性集団」で執行部を固められたら、政策の中身はともかくとして、見栄えの良さで人気を奪われ、苦しかったかも知れない。しかし、フタを開けてみれば幹事長に就任したのはなんと野田佳彦氏だった。

蓮舫代表にしてみれば、自分が参院議員なので、衆院対策で野田氏に頼るしかなかったのだろう。だが、野田幹事長は民主党政権転落の引き金を引いた張本人。さすがに民進党内でも異論が続出し、誰も幹部になりたがらなかった。

はっきり言えば、蓮舫民進党は党内人事につまずいてしまったわけだ。人事ができない政治家は、そもそもダメなのである。

人事だけではない。蓮舫民進党は、政策もダメダメである。

蓮舫代表は二重国籍問題での対応に不手際が目立った。そこに加えて、野田幹事長が緊縮財政、増税指向にこだわっている。財務省は民主党時代に野田氏を完全に「財務省色」に染めたために、今なお財務省の主張を繰り返しているのだ。

しかも、「シロアリ(税金にたかる省庁や業者)を退治することが消費増税の前提」といいながら、それを翻して民主党をぶっ壊した人だ。さらに先の国会代表質問で、安倍政権の二度にわたる消費増税延期を激しく批判した。まさに、民進党は出だしから満身創痍である。


  「消費税」を争点にすれば、いつでも解散できる

先の国会代表質問と、それに対する安倍総理の答弁をみれば、民進党が政策でまったくダメなのは、一目瞭然である。

蓮舫代表と野田幹事長の質問と、安倍総理の答えを並べると以下の通りだ。

「憲法草案を撤回しろ」→「撤回しない。民進党も草案をだせ」
「アベノミクスは失敗」→「民主党の時より、雇用がよく、税収もアップ」
「消費増税の先送りは矛盾・誤魔化しだ」→「国民の信を得た」
「政府の児童手当は効果が薄い」→「民主党の時は1円もあげられなかった」
「年金運用は失敗」→「短期的にみてはいけない。民主党の時よりもいい」

このように反論されることはこれまでに何回もあったが、民進党は学習効果がなく、なんとかのひとつ覚えのように同じ質問を繰り返し、同じように論破されている。

実は、こうしたこりない民進党の質問は、安倍政権の絶好のアシストになっている。

消費増税についての質問で「延期は国民の信を得た」と答弁していることは、もし民進党が消費増税を公約にする場合(野田幹事長である限りその可能性がきわめて高い)、消費増税を実施するか凍結するかを、総選挙の争点にできる。

1月冒頭解散が行われるかどうかは、北方領土について何らかの進展があるかどうかに依拠する部分が大きい。筆者もその予感があるが、交渉は相手があるので、どうなるかはわからない。

しかし、野田前首相が民進党の幹事長である限り、消費増税を争点にして安倍政権は総選挙を仕掛けることができる。つまり、北方領土に進展があれば1月解散の可能性があるが、進展がなくても、消費増税を争点にすれば総選挙ができる、ということだ。

  解散は、今年11月!?

もし、今解散したら、衆院選はどうなるだろうか。

過去の本コラムで使った「青木率(=内閣(不)支持率+政党支持率。この数字を使えば、大体の選挙の結果が予測できる。青木幹雄・元参議院が好んで用いたそうで、こう呼ばれている)」を使って、自民党の獲得議席を予想してみよう。

最近の世論調査では、青木率は100に近い。


これを過去の衆院選直前の青木率と自民獲得議席の関係を使うと、300議席に達しそうである。


こうした状況であるなら、安倍総理はいつもで解散したいと思っているはずだ。勝てるチャンスに勝っておくというのが勝負の鉄則である。

今国会は、9月26日に招集され、11月30日までの会期である。安倍総理の重要な外交日程は、11月19-20日にペルーで開催されるAPEC。そこプーチン大統領と会い、12月15日に山口で再び会談する。

すると、かなりアクロバティックな案ではあるが、11月21日(先勝)にペルーから帰国後に解散し、プーチン会談の前の12月11日(大安)に投開票という、羽生結弦の4回転ループのような超難儀の技も考えることができる。

これは、ちょうど2年前の2014年11月21日解散、12月14日投開票で衆院選が行われたときと同様な選挙日程である。

解散は総理の専権事項であるので、いつ行われるのかは誰にもわからない。政治の格言で、「みんなが解散というときには解散なし」というものがある。その意味では1月解散に限定して考えるより、上のような奇抜なスケジュールを含めて、いつでも解散があり得る状態になっている、と見るべきだろう。

蓮舫新代表率いる民進党が現体制を維持するなら、なおさらである。

【私の論評】岡田氏より超強力な安倍政権の助っ人蓮舫氏、野田氏で民進自滅(゚д゚)!

第3次安倍政権発足後初の大型国政選挙となる第24回参院選は7月10日、投開票されました。自民、公明両党は自民党総裁の安倍晋三首相が勝敗ラインとした改選過半数の61議席を超え、自民党の27年ぶりの単独過半数獲得しました。首相が目指す憲法改正に賛同する改憲勢力は、非改選と合わせ国会発議に必要な全議席の3分の2(162議席)以上の議席を得ることになりました。国政選挙に4回連続で勝利した安倍首相の党内での求心力はより高まり、戦後最長となる長期政権も見えてきました。

安倍首相は6月、麻生太郎財務相(75)らの反対を押し切り、来年4月に予定していた消費税10%への引き上げを19年10月まで2年半延期を決定。衆参同日選も視野にあったのですが参院選一本に絞り、アベノミクスを軸とする経済政策を最大の争点とし必勝を期していました。

それにしても、この選挙どうして、このような結果になったかといえば、以前このブログでも述べたように誰あろう、選挙当時の民進党の岡田代表自信が安倍政権の強力な助っ人になっていたからです。それについては、以前もこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
自民、27年ぶり単独過半数獲得も 参院選議席予測 浅川博忠氏 ―【私の論評】実は、岡田民進党代表こそ安倍政権の真の救世主だ(゚д゚)!
この記事は、本年6月23日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、岡田代表が安倍政権の強力な助っ人であることを示した部分を以下に引用します。
それにしても、なぜこのようなことになるかといえば、上の記事で浅川氏は、「浅川氏は「代替案を示さず、批判ばかりしているように見える民進党の低迷に助けられている。民主党政権時代の悪いイメージがまだ国民の間に残っており、国民は安倍政権に安心感を持っている」と語っています。 
その意味では、まさに民進党の岡田代表は自公政権の救世主であるともいえます。後世の歴史家は首相官邸が機密費を使って傀儡に仕立てたスパイであると疑うかもしれません。

安倍政権の本当の救世主岡田民進党代表
そもそも、岡田氏が自発的にスパイと同じ動きをしているのか、それとも誰かに操られているのかは、理解不能です。しかし、これだけは言えます。岡田克也氏ある限り、安倍自民党内閣は安泰であると! 
安倍内閣は三角大福の時代なら政権即死に至るような致命的な多くの政治的失敗を繰り返してきました。最近では、甘利経済産業大臣辞任は記憶に新しいです。しかし、その機会をことごとく岡田氏は生かせませんでした。 
また、アベノミクス批判でも、岡田代表は、8%増税の大失敗を徹底的に追求すれば良かったのに、反対のような、賛成のようなどっちつかずの批判の仕方で、この安倍政権最大の大失敗を全く生かすことができませんでした。また、金融政策は大成功しているにもかかわらず、それを批判し、多くの国民を惑わせました。
そうして、安倍自民党内閣は支持率を向上させ、「一強」状態です。にもかかわらず、護憲派野党結集のための新党で、引き続き不人気の岡田氏が参議院選挙まで代表を務めるというのですから、なんという僥倖なのでしょうか。 
もはや、安倍首相に「憲法改正をしてください」と言わんばかりです。よほどの変わり者でない限り、いくら現状の政策に不満があっても、岡田氏との二択ならば迷うことなく安倍自民党を選ぶことでしょう。 
そうして、岡田氏は自分で気づいているかどうかはわかりませんが、安倍首相は憲法改正をするなどとははっきり言っていないにもかかわらず、「安倍政権は憲法改正をする」と事あるごとに語っています。これは、まるで国民への「憲法改正」のスポークスマンです。 
国民の側としては、岡田スポークスマンが「安倍首相は憲法改正」をすると力強く語っているわけですから、安倍総理が参院選の後に憲法改正をしたしても多くの国民は、「そんなことは知らなかった」ということにはならないわけです。
この勢いだと、参議院選挙では、連立与党の自民党と公明党に加え、おおさか維新の会と日本のこころを足せば、三分の二の議席を超えるかもしれません。実際、上の予測表ではぎりぎりでそうなっています。 
岡田克也氏のおかげで、敗戦後初めて憲法改正が現実味を帯びてきたのです。何と素晴らしいことではありませんか。
私としては、このような岡田代表が代表を辞任するということで、残念至極なのですが、安倍晋三首相はどこまで、運が良いのでしょうか、あの蓮舫氏や野田氏が岡田氏をさらに上回るような、安倍政権の強力な助っ人に変身してしまったのですから驚きです。

その内容については、ブログ冒頭の記事に十分書かれているので、ここではあまり解説しませんが、ただ一つ加えるとすれば、蓮舫氏の二重国籍問題です。

蓮舫・野田で民進党は自滅(゚д゚)!
これについても、このブログでは何度か詳細を掲載してきたので、ここで詳しくは解説しません。

しかし、はっきり言うと、蓮舫氏は法律違反の疑いが濃厚です。法務省は先月15日、民進党の蓮舫新代表のいわゆる“二重国籍”問題に関連して、一般論として日本国籍取得後も台湾籍を残していた場合、二重国籍状態が生じ国籍法違反に当たる可能性があるとの見解を明らかにしました。 

法務省は15日、「日本の国籍事務では台湾出身者に中国の法律は適用していない」との見解を公表しました。これは中国の法律が「外国籍を取得した時点で自動的に中国籍を失う」と定めていることを念頭に、台湾出身の人が国籍を自動的に失うわけではないとの見解を示したものです。 

一方で、日本の国籍法は二重国籍の人についてどちらかの国籍選択義務に加え、日本国籍を選んだ場合の外国籍離脱努力義務を定めていて、日本国籍を取得した後も台湾籍を残していた場合、二重国籍状態が生じ、国籍法違反に当たる可能性があるといいます。 

これについて、日本維新の会の下地幹郎、足立康史両氏が3日の衆院予算委員会で質問に立ち、蓮舫代表のいわゆる「二重国籍」問題のほか、憲法改正、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)などに後ろ向きな民進党を徹底的に糾弾しました。これからも、このような糾弾は続き、蓮舫氏や民進党にも相当なダメージになることは避けられません。


さて、安倍総理は3月の参院予算委で憲法改正について「私の在任中に成し遂げたい」と語っていましたが選挙戦ではほとんど言及せず、呼応するように閣僚らも憲法問題を封印しました。しかし、憲法改正は、安倍首相の祖父・岸信介元首相からの悲願です。

自民が衆参ともに過半数を占めたことで、公明に対して気配りは減軽され、政権に安定感が増しました。求心力がより高まる安倍首相に、もう一つの大きな野望も見えてきたようです。「超長期政権」の樹立です。首相の自民総裁任期は2018年9月まで。解散などがなければ、任期切れの3か月後に衆院選が行われます。現状、有力なポスト安倍は見当たらず、総裁任期を延長して、安倍首相の続投を推す声が高まりそうです。6月初旬、稲田朋美政調会長(57)も「安倍首相が(18年9月以降も)首相を続けている可能性は十分ある」と期待感を示していました。

「4年後には東京で再び五輪・パラリンピックが開催される。必ず成功させ、その先を見据えながら、新しい国造りへの挑戦を始めたい」。首相は1月4日の年頭記者会見で長期政権へ並々ならぬ意欲を示していました。党本部によると、現在の党則では総裁任期は1期3年2期までですが、党大会で議決されれば党則を変更することができます。

ただし1955年の結党以来、総裁任期を延長したのは、86年に「死んだふり解散」によるダブル選で圧勝した中曽根康弘元首相(1年延長)だけです。あの小泉純一郎元首相もやりませんでした。仮に安倍首相が任期を1年延長すると、戦後最長となる2798日の在任記録を持つ大叔父の佐藤栄作元首相を抜くことになります。さらに2年延長なら、20年東京五輪・パラリンピックを見届けることができます。

憲法改正と東京五輪・パラリンピック。2つの大目標を見据え、民進党蓮舫代表と野田幹事長という岡田氏よりもさらに強力な助っ人を得て、安倍首相は大総理への道を一歩踏み出したようです。

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