朴槿恵と、韓国を訪れた習近平 |
中国の習近平国家主席が韓国を訪れ、朴槿恵大統領との首脳会談が開かれた。両首脳が会うのがこの1年間で5回目という中韓の蜜月ぶりだ。
中韓両国はFTA(自由貿易協定)を今年末までに妥結するため交渉を加速させるとしたほか、中国は、自国主導で設立を目指す国際金融機関「アジアインフラ投資銀行」に韓国の参加を求めているようだ。
これは、日米などが推進しているTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、自由主義国のIMF(国際通貨基金)・世界銀行体制と、その枠組み内で日本が歴代総裁を輩出しているアジア開発銀行に対する、いってみれば自由主義体制への中国の挑戦と考えられる。そこに、韓国を巻き込んでいるのが、中韓首脳会談の狙いである。
政治的に重要なこともある。習主席は中国の指導者として初めて、北朝鮮より先に韓国を訪れた。中国はこれまで、北朝鮮の後ろ盾としてサポートしてきたが、これがそろそろ終わりになるということだ。
これは今のアジアの安全保障状況を大きく変化させる。アジアでの安全保障体制は、米国による2国間同盟が基軸である。その下で、米国と日本、韓国、台湾、フィリピン各国が同盟関係になっている。
もし、本当に、韓国が中国と「同盟関係」になるなら、こうしたアジアの安全保障体制が大きく変わることになる。安全保障と自由貿易体制は互いにオーバーラップするので、韓国の意図は別として、中国としては、韓国を先兵として自由主義体制に挑んでいるのだ。
こうした中国の意図が満載された中韓首脳会談直前に、安倍晋三政権が集団的自衛権の権利行使容認を打ち出したのは、偶然ではない。日本は自由主義体制の強化というスタンスを世界に向けて打ち出したのだ。まさに、国際政治経済の駆け引きが行われている。在韓米軍の撤退方針が伝えられる中、今後の韓国の出方は大いに注意すべきだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
【私の論評】アジア開発銀行から多額の借金している中国によるアジアインフラ投資銀行の設立など妄想に過ぎない! 韓国を先兵とする自由主義体制への挑戦は最初から頓挫する(゚д゚)!
結論からいうと、本格的に韓国が中国と同盟関係になれば、韓国に明日はありません。完璧に中国の属国となり、いずれ北朝鮮とともに、朝鮮半島は中国の一つの省になってしまうことでしょう。おそらく、朝鮮省という名称になると思います。
それは、以前もこのブログで掲載した、中国の長期国家戦略を示す地図をご覧いただければ、一目瞭然です。
中国の長期国家戦略示す地図 |
中国が目指す「アジアインフラ投資銀行」の設立や韓国の同盟国化など、自由主義体制への挑戦は、無論最終的にこの中国の長期国家戦略に向けての布石であると考えられます。
しかし、この自由主義体制への中国への朝鮮はうまくいくのでしょうか?ともあれ、この銀行所詮、習近平の財布にすぎないようです。それについては、下の動画をご覧いだたければご理解いただけるものと思います。
上の動画で上念氏は語ってはいませんでしたが、11月の中国共産党3中全会で決まったアジアインフラ投資銀行の設立趣意は、「日本とアメリカが主導しながら、日本が総裁の席を独占している現在のアジア開発銀行(ADB)では限界があるとして、中国が主導する新しい投資銀行の設立が必要である。
モンゴル・北朝鮮などで道路や港湾などを建設する仕事が多いので、インフラ建設銀行を設立すれば中国が500億ドル程度は簡単に出資できる。」というものです。
結局、アジア開発銀行の実質的スポンサーである日本の意向を気にせず、自分たちの思いどおりに動かすことのできる財布(銀行)が欲しいということなのでしょう。
しかし、これには矛盾があります。中国が参加を呼びかけているアジア諸国(南北朝鮮、アセアン諸国)で真のスポンサーしてお金を出せる国がどこにあるというのでしょうか。
それは、実質中国以外にありません。しかし、中国は世界一の米国債の保有国ということもあるので、お金がないことはないが、実はその中国がアジア開発銀行の最大の融資先であるのです。
中国がアジアインフラ投資銀行を設立したいというのであれば、先ず今までアジア開発銀行から借りたお金を返済すべきであるのです。仮に一度に返済しなくても、今後はアジア開発銀行からの融資を受けないと明言すること位はすべきです。
アジアインフラ投資銀行の設立は、それからの話ということになるはずです。それに、中国がそのような明言をしなくても、中国がインフラ投資銀行を設立するというのなら、アジア開発銀行は、今後は投資すべきでないし、今まで投資してきた金を返却させるというのが筋です。
自分たちがアジア開発銀行からお金を借りる立場であるのにも拘わらず、その一方で、北朝鮮・モンゴルや、アセアン諸国にお金を融資したいというのは、結局習近平が自分の自由になる財布をつくりそれを元手に、投資をして利益を得たいというだけなのだと思います。
背後にそういう意図があるということです。そうでもなければ、一方では金を借りて、一方では貸すなどという矛盾を説明できません。そもそも、多額の金を借りている者が、金貸し業をするというのは理屈にあいません。
そうして、中国が自由主義陣営への対抗の先兵と見込む韓国は、アジアインフラ投資銀行への参加表明を見送っています。
韓国、中国主導インフラ銀の参加表明見送り
中国国営新華社によると、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は中国の習近平国家主席との3日の首脳会談で、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加表明を見送った。新華社によると、習氏は「AIIBの設立などで韓国との協力を強化したい」と呼び掛けたが、朴氏は「中国がAIIB設立を提起したことを称賛する。中国と意思疎通を保ちたい」と述べるにとどめ、態度を保留した。
AIIBは、日本や米国が主導するアジア開発銀行など既存の国際金融機関に対抗する形で、中国が主導して設立をめざしている。(中国総局)韓国が参加を見送った、アジアインフラ投資銀行は、そもそも本当に設立できるのでしょうか。あるいは、設立したとしても、実効的な活動ができるのでしょうか。
アジア開発銀行があるというのに、習近平の隠れた意図がミエミエのこのような銀行から金を借りる国などほとんどないと思います。
それに、現在の中国、銀行を設立できるほど余裕があるのでしょうか?そもそも、現状では不動産パブル崩壊によって、中国の金融システム自体が、崩壊の危機にあります。
韓国の朴槿恵は、長期的な視野などもちあわせておらず、今は輸出先として最大の中国をもちあげていますが、中国の不動産パブル崩壊が顕著になり、金融システムの崩壊がはじまり中国経済が本格的に低下し韓国の対中国向け輸出額が激減すれば、手のひらを返したように、中国から離反すると思います。朴槿恵は頭を使わず単なる脊髄反射をしているだけです。
朴槿恵を揶揄する日本の週刊誌の誌面 |
それは、韓国は、日本が過去にかなり援助しても、後足で砂をかけるように国家ぐるみの反日運動にのめり込んでいったことからも十分あり得ることです。そうして、反日運動の本質は、反日により日本に対して強力な外交カードを持ち、それを笠に着て、過去のように日本から多大の援助を受けようとするが、真の目的です。
本気で、自由主義体制から抜け出し、中国の同盟国になり、自由主義体制への挑戦の先兵となり、中国の支援を仰ごうというのなら、反日などやめはしないでしょうが、二義的なものになるはずです。反日は、裏からみれば、自由主義体制の日本の支援をあてにしているということです。
アジアインフラ投資銀行の設立は所詮、習近平の妄想にすぎません。この銀行そもそも、現状では設立できないか、設立できたとしても実質的な行動などできないと思います。
上の記事にもあるように、安倍晋三政権は集団的自衛権の権利行使容認を打ち出し、日本は自由主義体制の強化というスタンスを世界に向けて打ち出しています。そうして、アジア諸国や、他の先進国などもこの動きを歓迎しています。
であれば、中国による韓国を先兵とする、自由主義体制への挑戦など、最初から頓挫したも同じではないかと思います。私は、そう思います。
皆さんは、どう思われますか?
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