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2014年11月19日水曜日

財務省に敗北感濃く 財政健全化 巻き返し狙う―【私の論評】増税見送り、解散選挙だけでは財務省の勝利!その後も続々登場する隠し球が安倍総理にはある!まともな経済対策のできる国になるためにも世論を盛り上げよう(゚д゚)!

財務省に敗北感濃く 財政健全化 巻き返し狙う

増税見送り、解散総選挙を記者会見で公表した安倍総理大臣



 安倍晋三首相が消費税再増税の延期を正式に表明したことで、来年10月の消費税10%への引き上げを目指してきた財務省の“敗北”が確定した。ただ、1千兆円という世界最悪の債務残高を抱える日本が、財政健全化の手綱を緩めることは許されない状況は変わらない。財務省は平成32年度の財政健全化目標に照準を合わせ、消費税10%超への引き上げをも見据え始めた。

「完敗だ…」。今月中旬、ある財務省幹部は大きく肩を落とした。12日、産経新聞が「消費再増税1年半延期」と報じて以降、各紙も相次いで再増税延期を報道。財務省が総力戦で目指してきた再増税の可能性は大きくしぼんだ。

財務省は官邸に対し、再増税を延期すれば、安倍政権の看板政策である子育て支援策が不可能になると再三、訴えてきた。同省幹部が自民党の若手議員や大学教授はおろか、雑誌編集者など財政に“門外漢”の人にも財政健全化と消費税再増税の必要性を説いて回った結果、再増税実現に大きな手応えを感じていた。

さらに10月31日、日銀が同日追加緩和を決め、日経平均株価は大きく跳ね上がった。黒田東(はる)彦(ひこ)総裁は元財務官で、再増税による財政再建の重要性を力説してきた経緯がある。「市場は再増税を評価している。安倍首相も無視はできない」(幹部)。財務省内には楽観ムードすら漂っていた。

しかし、結論は全く逆だった。ある幹部は「戦略ミスだった」とこぼす。経済情勢次第で増税を停止できる「景気条項」の撤廃を勝ち取ったのが唯一の収穫で、敗北感は濃い。

ただ、再増税は延期されたが、財政の立て直しには消費税の再増税は避けられない。消費税率を10%に引き上げても、32年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)は11兆円の赤字が残る。この赤字を消費税で穴埋めするには、さらに4%程度の引き上げが必要になる計算だ。

財務相の諮問機関である財政制度等審議会は今年5月、来年夏までに今後5年間の財政健全化の具体的な工程を示すよう求めている。財務省幹部は「次の勝負はここだ」と話し、財政健全化目標を“錦の御旗”に、消費税再増税へのリベンジを果たそうとしている。(小川真由美)

【私の論評】増税見送り、解散選挙だけでは財務省の勝利!その後も続々登場する隠し球が安倍総理にはある!まともな経済対策のできる国になるためにも世論を盛り上げよう(゚д゚)!

ブログの冒頭の記事を読まれて、皆さんはどうお感じになりますか。財務省は、敗北したのでしょうか。私は、この記事を書いた記者は、現実を良く理解していないと思います。むしろ私は、今回の勝者は、財務省であるとさえ思っています。

まずは安倍総理の会見前から、何がどうなれば安倍総理の勝ち、どうなれば財務省の勝ちということを定めておいた上で、判定するということにすれば、この試みはうまくいったでしょうが、この記事を掲載した記者はそのようなことはしておらず、後追いで財務省の官僚などから取材して記事を書いているのでしょうが、それでは真実は見えてきません。

それどころか、財務省の敗北を強く印象付けようという財務官僚の意図に乗ってしまい、財務省のスポークスマンのような役割をしてしまっています。これでは、まともな報道とはいえません。

私が、知っている限り、会見前から勝利の基準を定めた上で、判定をしていたのは、憲政史家の倉山満氏だけだったと思います。しかも、倉山氏はそれを口で語るだけではなく、文章でそれを示していました。その上で、今回の会見において、安倍総理が勝利したのか、財務省が勝利したのか、明確に判定しています。倉山氏の写真と、その記事のURLを以下に掲載します。

倉山満氏
安倍首相記者会見を聞いて~罠にかかったのは誰か?
 安倍首相が
・増税延期
・解散総選挙
・一年半後の増税確定(景気弾力条項の削除)
を明言。
 会見が始まり円高が進み、時間外取引の株価も下がった。
安倍首相、インフレ期待の概念を理解していなかったか軽視しすぎたか。
安倍さんは2年前に市場を味方につけて政権に就いたが、今回は背を向けられた。
安倍支持者は盲目的に「大義がある」などと言わず、この意味を本気で考えろ。
 私は10月3日に書いた。
一、延期ならず、そのまま来年10%。          →大敗北
二、延期されるものの、一年半後に増税が確定。   →負け確定
三、景気条項は引き継いだまま延期の法律を通す。 →引き分け
四、10%を停止する。                   →勝利
五、8%から5%に戻す                   →大勝利
 結局、安倍首相は「二」を選んだ。
財務省は倉山兵団への戦術的敗北を、より大きな戦場を選び取り返したと言える。
さすが、見事な戦略ではある。
 しかし、日本国民に勝ったと言えるかな?
悪いが、こちらも3日の時点とは比較にならないほど戦略的優位を拡大しているのだ。
 実は「景気弾力条項撤廃」だけではなく、「半年の延期」をやってくれた方がよかったとすら思う。笑
この罠、意味が分かるかな?誰がわからせてやるか。笑
 日本を守ろうとする代議士の方々は大迷惑だが、その分、私のような選挙に関係のない人間は選挙後を見据えた動きをさせてもらう。
 あえて言おう。
 財務省よ。罠にかかったな!
 どちらが正しいか、わかるのはXか月後だ。
倉山氏が書いているように、今回の記者会見においては、安倍総理の「負け確定」ということです。しかしながら、倉山氏は財務省は国民に勝ったわけではなく、罠にかかったと語っています。私もそう思います。

さて、多くの新聞などは、こうした判定はしていないですし、大義がどうのと述べているものがほとんどで、これはこのブログ冒頭の記事のようなものであり、何ら事実を報道したことにはならず、雑音とみなして良いものです。

まずは、高橋洋一氏は以下のようにツイートしています。
このツイートの通りと思います、大義がどうのこうのというマスコミや識者は、最初から問題外です。高橋洋一氏は、今回の記者会見に関して述べているのは、これくらいです。まだまだ、この先どうなるかわからないし、まだ情報も集まってこないので、いろいろと明言することは避けているのだと思います。

田中秀臣氏は以下のようなツイートをしています。結構発言が多いです。
景気条項の件については、やはりこれは財務省側の勝利であると考えられているようです。その他、いくつかの特にリフレ派と言われる人々のツイートをみていましたが、記者会見の内容については、ほとんどツイートしていないか、事実を淡々とツイートしているというような内容でした。

これらのツイートなどをみていると、やはり今回は財務省の勝ちのようではありますが、実はまだ隠し球があるように思えます。

この隠し球については、以前にもこのブログに掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
政府月例経済報告に異議あり!消費税増税の悪影響を認めたくない政府に騙される政治家とマスコミ―【私の論評】財務省はジレンマに陥っている。安部総理と、そのブレーンは肉を切らせて骨を断つ戦略を実行している(゚д゚)!これこそが隠し球かも?
「肉を切らせて骨を断つ」という戦法は日本で古から知られているものである

詳細はこの記事をご覧いただくものとして、今回の増税見送り、解散総選挙は、大方の人にとってはサプライズなのでしょうが、この後にもいくつかサプライズがあるかもしれません。

この記事(今年7月時点)に私が掲載した、安倍政権の歩む二つの道を以下に再掲させていただきます。
 今後安倍政権には、二つの道があります。
一つ目の道としては、景気対策をすぐに推進することです。確かに、国民のことを考えると、景気を良くしたほうが良いに決まっています。しかし、今すぐそれを実行してしまえば、10月に増税派に格好の増税推進の大義名分を与えてしまうことにもなりかねません。
そうして、来年の10%増税が、なされてしまえば、来年は今年よりもさらに景気が落ち込み、日本はとんでもないことになります。失われた20年が、40年になってしまう可能性も高いです。
第ニの道としては、直近の経済が悪くても、来年の増税を今度こそ阻止し、その後に先程述べた、再配分的な所得税減税や、給付政策を実行して、経済を上向かせるという道です。
これにより、日本経済はデフレから脱却できる可能性が高まることになります。おそらく、これを実行すれば、市場関係者も好感して、最初は株価もあがり、かなり経済指標も良くなり、丁度安倍政権が誕生したときの、衆議院議員選挙の直前のときのように安倍政権にとって追い風となることでしょう。
私としては、安倍総理および、そのブレーンたちは、第二の道を選んでいるのだと思います。
まさに、安倍総理は、「肉を切らせて骨を断つ戦略」を実行しつつあるのだと思います。だからこそ、リフレの論客たちもこのことを理解して、現状では様子見をしているのだと思います。
さて、この一つ目の道は、安倍総理の解散・総選挙によって、国民の信を問うという形で完全に回避されました。これ自体も今から考えれば、隠し球だったと思います。安倍総理は、もうこの時点から、解散総選挙もありという考えだったと思います。

そうして、安倍政権は第二の道を選ぶことになると思います。現状では、8%増税の悪影響は顕著です。いくら10%増税を見送ったにしても、この悪影響からは免れません。とてつもない大きな危機から脱したというだけて、未だ危機は続いているわけです。

さて、財務省は、こうした動きに反発して、いずれ20%増税を確実なものにしようと考え画策します。財務省は、将来の20%増税を確かなものにするため、景気条項を排除させることに大成功しました。彼らにとっては、これを確かなものにするたには、現状の増税見送りなどは、さして重要なことではないのです。

財務省の高級官僚たちは、今は勝利の美酒に酔っているかもしれません。しかし、彼らは蟻の一穴という言葉を忘れています。

財務省の立場からすれば、本当は、何が何でも、今回は増税に踏み切らせるべきでした。それができなかったということは、後でボディブローのように、効いてくることになります。

今回の選挙で、議席を過半数以上(おそらく、これどころではない)とることができれば、まずは国民に安倍総理の信任は得られたということで、自民党増税派議員も、あからさまに安倍総理の行動を妨害できくなくなります。

そうなると、増税しても、それに対して経済対策をすぐに打つことができるようになります。そうして、それを実行することでしょう。そのうち、国民の大多数もこのやり方のおかしなことに気づくはずです。増税して、経済対策を打つくらいなら、最初から増税しないほうが良いということに気づくはずです。もう、半分気付きはじめています。

そうして、こうした世論を背景に、安倍総理はいずれ増税の意思決定を完全に財務省からとりあげ、独自で決められるようにすることになると思います。

そのときに、おそまきながら、日本政府は、日銀や、財務省の官僚主導による経済対策ではなく、政治主導によるまともな経済対策ができるようになります。これが、政治主導の本質です。民主党がやろうとしてた、政治主導などは単なるお遊びで、話にも何もなりませんでした。

私は、倉山氏が語っている罠とは、このことだと思っています。

いずれにせよ、今後安倍総理の繰り出すサプライズ、解散・総選挙にかぎらず、でてくるはずです。しかし、安倍総理がサプライズを次から次へと打ち出すには、圧倒的に国民から支持されている政権という立場がなければ、なかなかできるものではありません。私達が、世論を盛り上げていく必要があります。

それにしても、その動きは近いです。今のところ、私も様子見というとこですが、何か新たな動きが出てくれば、また、ブログに掲載させていただきます。

よろしくお願いします。

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