堺屋太一氏 |
《「身近な願い」ばかり》
今年2月、奈良県御所市名柄に世界初の郵便庭園が開かれた。
明治初年から昭和までの時代を象徴する郵便切手を大きく拡大、透明な衝立(ついたて)に並べて野外に展示する。これが設けられる「郵便名柄館」の本体は、100年ほど前に開設された木造洋館の旧郵便局を再生した産業遺産である。
郵便名柄館のテープカットをする関係者ら 右から二人目が堺屋太一氏 |
これには全国から3万9500余通、5歳から101歳までの人々が応募してくれた。
ところが、応募された「ひと言の願い」はすべて内向き。最も多かったのは「死んだおじいちゃんおばあちゃんに会いたい」の類、次いで「家族の病気を治してください」や「平和な暮らしが続けられますように」である。
そこには将来展望を語り、明日への希望に夢膨らませる類のものはなかった。
「将来はサッカー選手になりたい」とか「宇宙飛行士志望」という少年も、「会社社長の大富豪」や「日本を導く政治家を目指す」という青年もいなかった。
予備審査員40人が探してようやく3通前向きなものが出てきた。「お寺の住職になりたい」という青年と消防士志望の少年、そして「ケーキ屋で近所を喜ばせたい」という少女である。
「はがきの名文コンクール」だけで世の風潮を断じるわけではないが、ここに示された「欲望の低さ」は、あらゆる場面に見られる。
まずは若者の間に広がる物欲の低下だ。20世紀のうちは家族も独身者も「豊かなモノ」に憧れ、衣料を買い込み電気製品をそろえ自動車を買った。中年世帯は分譲住宅を探して展示場を回った。
だが最近は、あえて高級衣料や電気製品をそろえず、必要に応じてレンタルする人々も多い。自動車にしてからが「要るときにレンタルすればよい」という向きも増えている。
1980年代以降に生まれた「ミレニアム(世紀末)世代」は、モノを持つことにステータスを感じないらしい。
《激減した海外への留学生》
第2に、最近の若者には「未来への夢」が乏しい。90年のバブル景気の頃までは、年々経済は成長し、収入は増加した。誰もが「明日は今日よりも豊かだ」と信じて夢を描くことができた。
だが90年以降の日本は経済も人口も頭打ち、よほどの努力と幸運に恵まれない限り、人生を変えるほどの飛躍はない。むしろ予測されるのは意外な転落である。人はみな臆病な心配性になってしまったらしい。
そのせいか、飛躍を夢見て海外に留学をする青少年もめっきり減った。欧米では今や日本からの留学生は「絶滅危惧種」、中国や韓国人の大集団に圧倒されている。
だが何よりの気懸かりは40歳にして一度も結婚を経験していない男性の急増だ。
75年、私は40歳で結婚未経験の男性だったが、当時それはきわめて珍しかった。高校大学の同級生も役所の同期入省者もみな結婚経験者。多くは子持ちである。それだけに結婚を迫る圧力は四方から感じた。
なぜこれほど40歳男性の未婚が多いのか。その理由が経済的な問題や住宅問題でないのは明らかだ。日本人ははるかに貧しい時代に若くして結婚し、どんどん子を産んでいた。諸外国でも貧しい人々が早期に結婚、若い年頃で出産している。
それがなぜ、最近の日本人に限り40歳になっても結婚しない者が多いのか。
《「3Yない社会」の危機》
この理由は2つ。1つは結婚を強いる社会の機能がなくなったこと、もう1つは若者自身の結婚生活への想像力と決断力が欠如していることだろう。
実際、現在の日本社会の最大の危機は、社会の循環を促す社会構造と若者層の人生想像力の欠如、つまり「やる気なし」である。「欲ない、夢ない、やる気ない」の「3Yない社会」こそ、現代日本の最大の危機である。
16年に入ると、日本をめぐる状況は急に厳しくなった。中国経済の減速と国際原油価格の下落で、経済は混乱し出した。
過激組織「イスラム国」(IS)や北朝鮮の動きも要警戒だ。国内の政治も一見は安定してみえるが、「次」が見えない不安がある。だが、何よりの重大問題は「3Yない」の社会風潮。世の雰囲気である。
今の日本は世界で最も「安心で安全で清潔で正確な国」だ。だがあまりにも安全清潔に徹する規制と厳格な基準の故に、人々の楽しみを奪い、やる気を失わせているのではないか。官僚、教育などの猛省を促したいところである。(さかいや たいち)
【私の論評】団塊の世代以上には想像もつかない現代の若者の窮状(゚д゚)!
何やらこの記事を読んでいると、怒りのようなものが沸々と湧いてきます。堺屋太一氏自身は、上の記事で、最後に「今の日本は世界で最も「安心で安全で清潔で正確な国」だ。だがあまりにも安全清潔に徹する規制と厳格な基準の故に、人々の楽しみを奪い、やる気を失わせているのではないか。官僚、教育などの猛省を促したいところである」と結んでおり、今の風潮を批判する立場でこの記事を書いています。
堺屋太一氏といえば、『団塊の世代』という近未来小説を今から40年ほど前に書かれています。団塊の世代(だんかいのせだい)とは、日本において、第一次ベビーブームが起きた時期に生まれた世代のことをいいます。第二次世界大戦直後の1947年(昭和22年)~1949年(昭和24年)に生まれて、文化的な面や思想的な面で共通している戦後世代のことです。
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第一次ベビーブーム世代とも呼ばれる彼らは、日本経済においては第二次世界大戦後の高度経済成長、バブル景気と失われた20年開始までの時代を共に経験しています。
堺屋太一氏の『団塊の世代』に関して、年齢のギャップによる軋轢などが掲載されていますが、失われた20年に関しては、予測不能だったのか、掲載されていません。確かに、これほど酷い停滞をすることなど当時は、全く予想できなかったのだと思います。
そうして、私はこの予想つかなかった、経済的な大停滞が、今の若者の「欲ない、夢ない、やる気ない」という3Yを生み出しているのではないかと思います。
堺屋太一氏は、40歳男性の未婚が多いことの理由が経済的な問題や住宅問題でないのは明らかだとしています。そうして、「日本人ははるかに貧しい時代に若くして結婚し、どんどん子を産んでいた。諸外国でも貧しい人々が早期に結婚、若い年頃で出産している」としています。
しかしながら、1970年〜1980年あたりには豊かな国と言われていた日本です、その後に日本に生まれた若者にとっては、この状態が貧乏でもなく、豊かでもなく、それが当たり前です。昔の日本が貧乏だったことや、諸外国にはとてつもなく貧乏な人がいることなど、彼らにとっては、人ごとに過ぎす、自分たちと比較して考えることもすらおぼつかないと思います。
それに、人はたとえ貧乏だったにしても、経済が良くなるとか、いずれ自分の給料が上がるとか思えると、将来に希望が持てますが、その見込みがなければ、ある程度豊かであっても、将来に希望はなかなかもてません。
日本もかつては、アメリカや他の先進国と同様に、会社に入って、同じ地位についていたとしても、緩やかなインフレだったので、1、2年では対して変わらないように見えても、20年もたつと、物価はかなりあがり、給料は倍近くなるというのが当たり前でした。経済が緩やかにでも成長していれば、そうなります。
しかし、デフレでは、そのようなことはありません。ジリジリと物価は下がり続けるのですが、給料も下がっていきます。そんな状況では、人々は将来に希望など持てなくなり、防御一辺倒になり、節約に走るのが当たり前です。
それに、人はたとえ貧乏だったにしても、経済が良くなるとか、いずれ自分の給料が上がるとか思えると、将来に希望が持てますが、その見込みがなければ、ある程度豊かであっても、将来に希望はなかなかもてません。
日本もかつては、アメリカや他の先進国と同様に、会社に入って、同じ地位についていたとしても、緩やかなインフレだったので、1、2年では対して変わらないように見えても、20年もたつと、物価はかなりあがり、給料は倍近くなるというのが当たり前でした。経済が緩やかにでも成長していれば、そうなります。
しかし、デフレでは、そのようなことはありません。ジリジリと物価は下がり続けるのですが、給料も下がっていきます。そんな状況では、人々は将来に希望など持てなくなり、防御一辺倒になり、節約に走るのが当たり前です。
諸外国の貧しい人々が、早期に結婚して、若い年頃で出産するのは、当然といえば当然です。彼らの多くはあまりに貧困で、娯楽というなどというものはほとんどなく、唯一セックスだけが手軽な娯楽であり、その結果として、早く結婚して、早く出産ということになります。
発展途上国の子沢山 |
これと、先進国の若者を単純に比較するのは間違いです。それに、団塊の世代が若い時代には、すでに日本は豊かな国になっていたことを考え合わせると、団塊の世代と現在の若者が置かれている環境の差異に着目する必要があると思います。
このような環境に置かれている、若者が、「欲ない、夢ない、やる気ない」の3Yになるのは、無理もないことだと思います。
そうして、最近の経済状況は確かに悪いのですが、過去を振り返ると現在の状況は過去よりははるかに良いです。日本は、1997年の消費税増税から、デフレに突入し、古今東西に見たことのないほどデフレが続きました。
最近では、ようやっとデフレから脱却しかかっているのですが、それでもデフレの悪影響は色濃く残っています。
ところで、自殺者数と景気は相関が高いことが知られていますが、この数年間の経済状況の改善と、さらに自殺対策にここ数年経費を増加させていく方針を採用していることもあり最近は自殺者数が減っています。類似の事例はホームレス対策にもいえ、ホームレス数は景気要因に関わらず対策費の増加に合わせて減少しています。
自殺者数の減少については、マクロ(景気)とミクロ(自殺対策関連予算の増加スタンス)の両方が功を奏していると考えられます。
自殺対策関連予算の推移はまとまったデータがないので拾い集めてみると
平成19年 247億円 平成20年 144億円 平成21年 136億 平成22年 140億 平成23年 150億 平成24年 326億 平成25年 340億 平成26年 361億 となってます。
自殺者数の減少については、マクロ(景気)とミクロ(自殺対策関連予算の増加スタンス)の両方が功を奏していると考えられます。
自殺対策関連予算の推移はまとまったデータがないので拾い集めてみると
平成19年 247億円 平成20年 144億円 平成21年 136億 平成22年 140億 平成23年 150億 平成24年 326億 平成25年 340億 平成26年 361億 となってます。
以下に、失業率と自殺者数の推移のグラフを掲載しておきます。
日本がデフレに突入した、97年あたりからそれまで、2万台であった自殺者数が、一挙に3万人台になっています。このグラフをみただけでも、経済政策の失敗は自殺者数を増やすということがいえそうです。
さて、ここで、一冊の書籍を紹介させて頂きたいと思います。
この書籍には、経済政策と死者数と間の相関を調べた内容が記載されています。
さて、日本では、現在アベノミクスの是非が話題になっています。世界中どこでも、不況に陥ると経済政策をどのようにするべきか、議論されます。しかし、結局のところ、どのような政策がいいのでしょう。そして、その決断を、イデオロギーや経済理論だけを頼りに行って、本当に良いのでしょうか。
世界規模の不況に陥ったとき、国ごとに経済政策は異なり、それによって国民の運命も異なる方向に動かされてきました。公衆衛生学者と疫学者である本書の著者は、そのことを利用して政策の優劣を比較しました。つまり、過去の各国の政策選択とその結果のデータを、世界恐慌からソ連崩壊後の不況、アジア通貨危機、そしてサブプライム危機後の大不況まで調査し、比較したのです。
比較の指標は、国民の生死です。政策の違いによって、国の死者数は増えたのか減ったのか、健康状態や平均寿命などがどう変化したかを比較しました。経済政策は、国の借金返済や構造改革、景気刺激など、さまざまな目的で行われますが、そもそも国民に死を強いるようでは元も子もありません。結果はどうだったのでしょうか。
著者らの研究によれば、不況下で危険な「緊縮政策」を選択した影響で増加する死亡数は、まさに驚くべきものです。最も悲惨なのは、ソ連崩壊後のロシアで、1990年代に経済政策の失敗により数百万人の男性が死んだ(主に自殺とアルコール関連の死亡)と考えられるといいます。
アジア通貨危機後にIMFに緊縮財政を強いられたタイでは、感染症対策支出を削らされたせいで、感染症による死亡率が大幅に上昇しました。現在、緊縮財政をとっているギリシャでは、これも対策費の削減によりHIV感染が拡大しているほか、医療費カットで医療制度が崩壊し国民の健康状態はひどく悪化しています。
著者たちは次のように述べています。
この書籍の示すデーターなどからも、日本のデフレ下における増税(緊縮財政)は、やはり自殺者を増やしたものと思います。
そうして、ここにさらにショッキングな若者のデータがあります。
世界規模の不況に陥ったとき、国ごとに経済政策は異なり、それによって国民の運命も異なる方向に動かされてきました。公衆衛生学者と疫学者である本書の著者は、そのことを利用して政策の優劣を比較しました。つまり、過去の各国の政策選択とその結果のデータを、世界恐慌からソ連崩壊後の不況、アジア通貨危機、そしてサブプライム危機後の大不況まで調査し、比較したのです。
比較の指標は、国民の生死です。政策の違いによって、国の死者数は増えたのか減ったのか、健康状態や平均寿命などがどう変化したかを比較しました。経済政策は、国の借金返済や構造改革、景気刺激など、さまざまな目的で行われますが、そもそも国民に死を強いるようでは元も子もありません。結果はどうだったのでしょうか。
著者らの研究によれば、不況下で危険な「緊縮政策」を選択した影響で増加する死亡数は、まさに驚くべきものです。最も悲惨なのは、ソ連崩壊後のロシアで、1990年代に経済政策の失敗により数百万人の男性が死んだ(主に自殺とアルコール関連の死亡)と考えられるといいます。
アジア通貨危機後にIMFに緊縮財政を強いられたタイでは、感染症対策支出を削らされたせいで、感染症による死亡率が大幅に上昇しました。現在、緊縮財政をとっているギリシャでは、これも対策費の削減によりHIV感染が拡大しているほか、医療費カットで医療制度が崩壊し国民の健康状態はひどく悪化しています。
著者たちは次のように述べています。
民主的な選択は、裏づけのある政策とそうでない政策を見分けることから始まる。特に国民の生死にかかわるようなリスクの高い政策選択においては、判断をイデオロギーや信念に委ねてはいけない。…正しくかつわかりやすいデータや証拠が国民に示されていないなら、予算編成にしても経済政策にしても、国民は政治家に判断を委ねることができない。その意味で、わたしたちはこの本が民主化への第一歩となることを願っている。私は、本書をきっかけに、政策論争がイデオロギーを離れ、経済理論だけではなく、現実のデータに基づいたものになることを願っています。
この書籍の示すデーターなどからも、日本のデフレ下における増税(緊縮財政)は、やはり自殺者を増やしたものと思います。
そうして、ここにさらにショッキングな若者のデータがあります。
しかし、若年層の自殺は深刻な状況にあると言ってよいです。15~39歳の死亡原因の第1位は自殺でした(男女別では男性15~44歳、女性15~34歳で1位)。
G7で15~34歳の死因の1位が自殺というのは日本だけです(上のグラフ参照)。死亡率はアメリカやフランス、カナダの約2倍、ドイツやイギリスの約3倍、イタリアの約4倍となっています。
私自身は、会社で人事を担当していたこともありますから、その時々の若者と話をする機会も多いです。そうして、ここ数年特に大学生などの若者が置かれている立場が、私達の頃と比較してさえ、ひどい状況にあることが見て取れます。
おそらく、生まれてから一度も景気が良かったことがなく、デフレ・スパイラルの泥沼に沈み込んでいた時代の若者については、団塊の世代以上の人たちには、想像もつかないと思います。まずは、親の収入が従来よりも減っているのは統計上からも明らかですし、まだデフレから脱却していないので、これからあがるということもなかなか期待できないです。
団塊の世代以上の人々の中には、「我々の子ども時代や若い時代は貧乏だった」と語る人もいると思います。しかし、団塊の世代以上の人たちの頃のように、経済が伸びていたり、少なくともデフレでなければ、多くの人々は将来に夢を託すことができます。しかし、デフレであれば、ある程度豊かであったにしても、その豊かさがいつまで続くのか疑心暗鬼になるのか当たり前です。
団塊の世代以上の人々の中には、「我々の子ども時代や若い時代は貧乏だった」と語る人もいると思います。しかし、団塊の世代以上の人たちの頃のように、経済が伸びていたり、少なくともデフレでなければ、多くの人々は将来に夢を託すことができます。しかし、デフレであれば、ある程度豊かであったにしても、その豊かさがいつまで続くのか疑心暗鬼になるのか当たり前です。
それが、今の若者を直撃しています。仕送りなども従来から比較すると低くなっていますし、バイトも昔のように恵まれていません。そのせいですか、奨学金という名の実質上の就学ローンがかなりの額になります。大学や、大学院を卒業したとたん数百万の借金という人など珍しくもありません。
そうして、今の若者は、生まれて物心ついてからこのかた、一度もデフレでなかった時代を過ごしたことがありません。こんなことは、おそらく、古今東西はじめてのことではないでしょうか。景気は、循環するのが当たり前なのに、今の若者はもの心ついてから一度も景気の良い時代を経験したことがありません。
「モノを持つことにステータスを感じない」のではなく、そもそも「モノ持つ」余裕がないのです。実際は買えるのかもしれませんが、そうした心の余裕が持てないのです。団塊の世代が若いときや、少なくとも我々が若い時代までの頃には、若者が法外な価格の車を購入するのは珍しいことでもなんでもありませんでした。高い車を購入しても、それを転売して、新しい車に変えたり、そうしていずれ賃金も上がるので、返済することも可能でした。
「未来への夢」が乏しいのではなく、そもそも、「若者を取り囲む社会が未来に乏しくなった」のです。過去の酷いデフレ状況では、日本に10の大きな問題があったとして、何か一つ解決すると、他にしわ寄せが行くだけで、何の解決にもなりませんでした。
もし、デフレから完璧に脱却さえすれば、10の大きな問題のうち6つくらいは自動的に解消されます。そうして、残りの4つも目星はつけられることになります。しかし、過去はデフレだったため、結局八方塞がりでした。こんな社会で若者が「未来への夢」を持てといっても、土台無理です。この理不尽な社会に、防御を固めるだけです。
実際私の知っている、ある若者は、札幌の大学で親から離れて4年間を過ごしたにもかかわらず、一度もすすきの飲みに行ったことがないという、にわかには信じがたいことを語っていました。学生と飲みは、切っても切り離せないものですが、彼は近所の飲み屋に行ったことはあったそうですが、それも稀で、飲むのは、自宅アパートでの家飲みがほとんどだったそうです。
すすきの交差点 |
そうして、これまた信じられないのですが、車はもちろん持たず、飲みにも行かず、親からはある程度仕送りをしてもらい、学費と生活費はなんとかなっていたのですが、バイトもしていて、なんとそのバイトでの給料を貯金したそうです。そうして、4年間で少なくとも数百万以上の貯蓄をしていたそうです。
彼自身は、比較的裕福な家庭の出身のようですが、まわりの友人などが深刻な状況であれば、自分独りだけ遊んだり、楽しんだりすることもできず、将来には不安もあるということで、こういうことになってしまったのだと思います。
彼自身は、比較的裕福な家庭の出身のようですが、まわりの友人などが深刻な状況であれば、自分独りだけ遊んだり、楽しんだりすることもできず、将来には不安もあるということで、こういうことになってしまったのだと思います。
「40歳にして一度も結婚を経験していない男性の急増」これも、なんとなく理解できます。結婚するにしても、ある程度お金がかかります。さらに、最初は共稼ぎできたとしても、子どもができれば、共稼ぎはなかなかできず、男性にある程度稼ぎがないと生活がなりたちません。仮に、成り立つとしても、それがいつまで続くかなど保証の限りではありません。そうなれば、結婚に二の足を踏むのは当然のことです。
それに先ほどの若者のように、車を持たない、飲みにも行かないし、そもそもあまり外出しないということでは、女の子と知り合う機会もないではありませんか。
以上のようなことから、私は堺屋太一氏を含めた、団塊の世代以上の人たちが思っている以上に現在若者がおかれている環境は厳しいものがあると思います。
若者にもっと優しい社会を! |
最近このブログては、安倍総理が増税を見送るかもしれないということを掲載しています。8%増税でも酷い結果を招いていまいました、10%増税など予定通りに行われてしまえば、とんでもない結果を招いてしまいます。若者の自殺者がさらに増えてしまうことになるかもしれません。
今一度言います。増税は緊縮財政です。そうして、先ほども述べたように、不況に陥った際に緊縮財政によって死者数が増えていた国々が多数あります。かつての日本もそうでした。
そうして、堺屋太一氏の主張する現代日本の最大の危機はこの若者の「3Y」にあり、これを取り除くためには、緊縮財政ではなく、当面積極財政を行うべきです。
そのためには、10%増税は完全デフレ脱却まで、絶対にしないことと、減税、給付金、公共工事など、積極財政をすべきです。
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