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2017年2月11日土曜日

「Nスぺは小保方氏の人権侵害」 BPO勧告、NHKは異例の反論―【私の論評】小保方大悪人説だけでは未だ納得できないこの事件(゚д゚)!

「Nスぺは小保方氏の人権侵害」 BPO勧告、NHKは異例の反論

理化学研究所の小保方晴子元研究員らによるSTAP細胞の論文不正問題を特集した「NHKスペシャル」について、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会は2017年2月10日、「名誉棄損の人権侵害が認められる」として再発防止に努めるようNHKに勧告した。NHK側は異例の反論コメントを発表した。

番組は2014年7月27日に放送された「調査報告 STAP細胞 不正の深層」。英科学誌「ネイチャー」に掲載された小保方氏らによるSTAP細胞論文を検証したものだ。

NHK放送センター

 
BPO「真実性・相当性が認められない」

放送後、小保方氏は「ES細胞を『盗み』、それを混入させた細胞を用いて実験を行っていたと断定的なイメージの下で作られたもので、極めて大きな人権侵害があった」などと主張し、申立書を提出。

これに対し、NHKは「『STAP細胞はあるのか』という疑問に対し、客観的な事実を積み上げ、表現にも配慮しながら制作したものであって、申立人の人権を不当に侵害するようなものではない」などと反論していた。

15年8月から審理していた放送人権委員会は、17年2月10日に「委員会決定」を公表。同番組で、小保方氏がES細胞を不正行為によって入手・混入し、STAP細胞を作成疑惑があると摘示したことについて「真実性・相当性が認められず、名誉毀損の人権侵害が認められる」と結論付けた。

また、番組放送直前にNHKがホテルのロビーで行った執拗な取材方法についても「放送倫理上の問題があった」と指摘し、
「本決定を真摯に受け止めた上で、本決定の主旨を放送するとともに、過熱した報道がなされている事例における取材・報道のあり方について局内で検討し、再発防止に努めるよう勧告する」
とした。

 NHK「客観的事実を積み上げ、表現にも配慮」

これを受け、NHK広報局は、
「BPOの決定を真摯に受け止めますが、番組は、関係者への取材を尽くし、客観的な事実を積み上げ、表現にも配慮しながら制作したもので、人権を侵害したものではないと考えます」
とのコメントを発表し、小保方氏に対する人権侵害を否定。その上で、
「今後、決定内容を精査した上で、BPOにもNHKの見解を伝え、意見交換をしていきます。また、放送倫理上の問題を指摘された取材の方法については、再発防止を徹底していきます」
とした。

【私の論評】小保方大悪人説だけでは未だ納得できないこの事件(゚д゚)!

小保方晴子氏
ブログ冒頭の記事には掲載されていませんでしたが、小保方氏は「正当な認定で感謝している」と代理人の三木秀夫弁護士通じてコメントしています。

放送倫理・番組向上機構(BPO)が「NHKスペシャル」の人権侵害を認めたのを受け、小保方晴子氏は10日、代理人の三木秀夫弁護士を通じ、「放送が私の人生に及ぼした影響は一生消えるものではありません」とのコメントを出しました。

小保方氏はコメントで「人権侵害や放送倫理上の問題点を正当に認定してもらい感謝している」とし、「国を代表する放送機関であるNHKから人権侵害にあたる番組を放送され、このような申し立てが必要となったことは非常に残念なことだった」と振り返えりました。

三木弁護士によると、小保方氏は現在も療養中で、BPO側からNHKに対する勧告について直接説明受けました。

"NHKスペシャル"「調査報告 STAP細胞 不正の深層」の動画、Youtubeに掲載されていますので、以下に掲載します。


この動画は元のNHKの番組を四分割しています。上の動画の続きのリンクを以下に掲載します。
https://www.youtube.com/watch?v=gq334DlC7mo
https://www.youtube.com/watch?v=mv5uv3p5JKU
https://www.youtube.com/watch?v=86tuZiM6-Xo

私が、この番組で一番問題であると思ったのは、やはり小保方氏が「ES細胞を『盗み』、それを混入させた細胞を用いて実験を行っていたと思わせるるような内容であったことです。

番組内で、若山研にいた留学生と名乗る人物(後に、Chong Li博士と判明)が登場し、小保方氏の研究室にあったサンプルボックスについて次のように証言していた。

「びっくりしました。保存しているのは全部ES細胞ですので、なぜかSTAP細胞に関係があるところに見つかったのは本当にびっくりしましたね。(小保方氏に)それを直接私が渡したことはないです」(Li博士)

この発言を受けて、番組では次のようなナレーションを流していました。

「なぜこのES細胞が小保方氏の研究室が使う冷凍庫から見つかったのか、私たちは小保方氏にこうした疑問に答えてほしいと考えている」

Li博士に対しては石川氏も取材したといい、Li博士は「(若山研では、続きの実験が計画されていたので、実験を)山梨大で続けるつもりだったが、ES細胞を紛失したことで、それを断念した」と語ったと証言しています(「フライデー」<講談社/15年2月6日号>より)。

そもそもLi博士のES細胞は、STAP研究とはまったく関係のない種類のES細胞であることは、石川氏の告発状が出される時点で判明していました。それにもかかわらず、『NHKスペシャル』と同様に石川氏は、あたかもLi博士のES細胞がSTAP研究に混入されたとされるES細胞と同一であるかのような告発状を作成し、マスコミに配布していました。石川氏の告発内容がのちに虚偽であったことが判明したのですが、マスコミはその告発状の論旨をベースに国民をミスリードさせていきました。

また、若山研ではES細胞を紛失したため実験が続けられなくなったと報道されたにもかかわらず、若山研から理研に対し紛失届が出されていませんでした。本当に必要なサンプルだったのならば、実験を断念せず、理研に紛失届を出すのが自然です。それを出さずにマスコミに「盗まれたかもしれない」とリークする目的はなんだったのでしょうか。NHKや毎日新聞がそうであったように、石川氏も若山研を情報源とするものが多いのですが、何か理由があるのでしょうか。

同番組放送後、世間は一気に「小保方氏犯人説」に傾いていきました。その影響は今なお色濃く残っています。NHKは十分な取材をしたと主張していますが、なぜMTAを確認するという基本的な裏取りをせずに、このようないい加減な放送をしたのかはなはだ疑問です。

昨年婦人公論に掲載された小保方さんの写真

小保方氏が理化学研究所(神戸市)の研究室から胚性幹細胞(ES細胞)を盗んだ疑いがあるとして告発され、兵庫県警が容疑者を特定せず捜査結果を書類送付した事件について、神戸地検は昨年5月18日、嫌疑不十分で不起訴処分としました。「事件の発生自体が疑わしい」と判断しました。

不起訴処分を受け、小保方氏の代理人を務める三木秀夫弁護士は取材に「当然の結論だ。若山氏の研究室の引っ越しで残されていたものの中にES細胞があっただけで、刑事告発したこと自体がおかしい」と話しました。

この事件に関しては、このブログでも何度か掲載してきました。それらの中でも強調してきたのですが、仮に小保方氏が大悪党だったにしても、それでもなおこの事件には疑問が残るし、それに小保方氏一人だけを悪者にしてそれですべてが一件落着というわけではないと思います。

理研の上層部や、その監督省庁である文部省では誰も責任を追求されることもないし、笹井氏の自殺という残念な結果を招いたのにもかかわらず、危機管理上の改善などがされたという話は聴いたことがありません。

私は過去にこのブログで、このままでは、また同じようなことが起こるという懸念は払拭されないことを強調しました。その考えは、今でも変わりありません。多くの人が忘れたころに類似の事件が理研でまた発生することでしょう。

この事件は、もう小保方氏一人が大悪党で、その大悪党が処分を受けたので、大方の人はもう忘れてしまい、今回のこのニュースもほとんど取り上げられず、闇に葬られそうです。

これでは、何の解決にもなりません。悪い体質が温存されるだけです。BPOの今回の勧告がきっかけとなり、こちらのほうにも目が向けられと良いのですが、どうもそうはならないようです。このようにして、日本の悪い部分はいつまでも温存されて、あるとき限界を超えてさらにとんでもない事態を招いてしまい、そのときにはじめて改善・改革が行われるのだと思います。

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