2017年1月25日水曜日

【「帝国の慰安婦」問題】朴教授に無罪判決 名誉毀損認めず「歪曲や捏造、虚偽の意図なし」―【私の論評】裁判になる事自体が極めて異常な韓国社会(゚д゚)!


朴裕河(パク・ユハ)世宗大教授
慰安婦問題に関する韓国の学術書「帝国の慰安婦」で、元慰安婦の名誉を傷つけたとして名誉毀損の罪に問われた朴裕河(パク・ユハ)世宗大教授の判決公判が25日、ソウル東部地裁で開かれ、同地裁は朴氏に無罪判決(求刑・懲役3年)を言い渡した。

 判決理由で裁判長は、「著書の一部表現には議論の余地があるが、公的事案を盛り込んだ内容が多く、幅広い表現の自由を容認する必要がある。歪曲や捏造、虚偽の意図があったとは思えない」と述べた。

 また「名誉毀損は特定の人や団体を指定しなければ成立せず、著書での『朝鮮人日本軍慰安婦』との表現は、(特定の)元慰安婦を指しているとみるのは難しい」とした。さらに「慰安婦の社会的評価に否定的な影響を及ぼすとも思えず、(著書に)韓日両国の和解のための意図があることは否定できない」とした。

 朴氏の著書は韓国で2013年に出版されたが、元慰安婦の女性らが14年6月、「日本軍と同志的関係にもあった」などとの表現が名誉毀損に当たるとして朴氏を刑事告訴。ソウル東部地検が15年11月、在宅起訴した。

 今回の判決をめぐっては、韓国に「表現・研究の自由」があるのかについて、日本など海外から高い関心が寄せられていた。

 一方、元慰安婦らが起こした損害賠償訴訟では、同地裁が昨年1月、元慰安婦らの名誉を傷つけたとし、朴氏に賠償金の支払いを命じている。

【私の論文】裁判になる事自体が極めて異常な韓国社会(゚д゚)!

今回のこの判決当然のことです。当然というか、そもそも裁判になる事自体が異常でした。朴裕河教授と、その著書『帝国の慰安婦』に関しては、このブログでも以前とりあげたことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
「帝国の慰安婦」裁判 問われる韓国司法 弁護側は“メディア経由”の曲解報道を問題視 ―【私の論評】韓国で慰安婦ファンタジーが発祥する前の1990年代前に時計の針を戻せ(゚д゚)!
帝国の慰安婦 ハングル語版の表紙
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では朴裕河教授ご自身のフェイスブックに掲載されていた『帝国の慰安婦』の要約を掲載するとともに、当時朴裕河教授が起訴されたことに関する、反対の論評を掲載しました。

以下に、そのフエイスブックのリンクを掲載しておきます。ここからも、この要約をご覧いただけます。
https://www.facebook.com/notes/705074766186107
以下には、この記事での私の結論部分のみを掲載させていただきます。
そうして、この書籍(ブログ管理人注:帝国の慰安婦のこと)は、日本語には翻訳されていますが、残念ながら未だ英語には、翻訳されていません。この書籍が、他の多く国々の言語に翻訳されて、多くの国の人々に読まれることになれば、慰安婦問題に関して、他国でも理解が深まるものと思います。

日本側としては、この書籍はあくまで韓国人の視点によって書かれたものであり、レトリックによって、ファンタジーとはらないギリギリのところまで日本側に慰安婦問題での譲歩を求める方向で書かれていること、当時日本が植民地支配していたのだから、日本に責任があるという方向で貫かれていることを主張すれば良いと思います。

そのほうが、かえって、日本の保守派の人が日本人の立場から、書いたものより、理解を得られ易いと思います。

とにかく、この書籍やその他の歴史的資料などによって、日本でも韓国でも、韓国における慰安婦ファンタジーが発祥する前の1990年代より前に時計の針を戻すことが、この問題の早期解決につながると思います。
私自身は、この書籍の要約も、書籍の日本語版自体も読みました。その上での感想が以上のようなものです。これに関しては、後日以下のような事実を発見しました。

昨年発売された『歴史通』の9月号に西岡力氏の「朴裕河『帝国の慰安婦』をあえて批判する」が掲載されていましたが、これがなかなか興味深いです。

西岡力氏
この書籍に関しては、秦郁彦・櫻井よしこ両氏が肯定的なコメントをしている程度で、その他あまり保守系の人たちからは、批判も肯定的なコメントもめぼしいものはありせんでした。そのため、右派の論者からのはじめての本格的な批判ということになると思います。

タイトルに「あえて」とあるのは「本来なら批判するのは得策ではないのだが」という含みなのでしょう。だとすれば、リベラル識者の評価に反して、同書は右派にとって基本的に目障りではない、ということの証左となるものであると思います。

批判のポイントは以下の5点です。
(1)まずは、『帝国の慰安婦』は「日本発の強制連行プロパガンダを無視している」ことです。「朝日新聞の捏造」説を前提にした批判であるわけですが、右派から見ても『帝国の慰安婦』は日本の右派の主張をきちんと記述していないということを示しているという意味では興味深いものです。 
(2)「北朝鮮と親北派が韓国社会に広げた「反日自虐史観」に触れていないこと」、としています。これもまた、自分たちの主張が十分に反映されていないという不満として理解することができます。 
(3)「朴氏が同書で慰安婦動員を担った民間業者の存在を浮上させたことは新しい論点ではない」ということです。この点は、私自身もこのブログで指摘し、右派が過去に何度も指摘してきたことです。そうして、これには、明白な証左がかなり存在します。しかも、ここで西岡氏は自分を含む右派の論考ではなく吉見義明・林博史編『共同研究日本軍慰安婦』(大月書店、1995年)所収の論文(尹明淑氏によるもの)を引き合いに出して、「詳細に業者の役割について記述している」としています。 
(4)朝鮮人「慰安婦」と日本軍人の「同志的関係」という主張が根拠を欠くというものです。小野沢あかね氏と同じく、日本人「慰安婦」の証言を根拠に「同志的関係」を主張してしまっている点を批判しているのがとりわけ興味深いです。はっきり明言されてはいないものの、朴氏を訴えた元「慰安婦」の怒りには理由があると言わんばかりの書きようです。 
(5)結びの段落では「千田夏光の著作を史料批判なしに十九回も引用していることや、小説の表現を論拠に論を進めていることなど、議論の進め方があまりにも厳密さにかけることも指摘しておきたい」としています。
「創作がまじっていることが判明している千田夏光の著作」という評価はおそらく原善四郎関東軍参謀の件を念頭に置いていると思われ、そうだとすればこの評価に首肯することはできないのですが、それを除けばこれまで『帝国の慰安婦』に向けられてきた批判を右側からも重ねて行っていることになります。
確かに、以上のような5点はあるものの、それでもなお、この『帝国の慰安婦』に関しては、上に掲載した以前のブログ記事の結論に関しては、未だに正しいものと思っています。

まずは、現在のようにねじれてしまった慰安婦問題をまともに論じるためには、韓国の慰安婦問題による体系的な反日活動がおこる以前の1990年代よりも以前に針を戻すひつようがあります。そうして、それを促すために、この書籍の価値は大きいです。この書籍を多くの韓国人が虚心坦懐に読み、内容を理解すれば、それも実現可能だと思います。

なぜなら、『帝国の慰安婦』を執筆した朴裕河教授は、韓国を貶め、日本を過剰に賛美するような人物ではないからです。彼女は、「慰安婦」の存在が、日韓であまりにもかけ離れて偶像化されていることを批判しているのです。

韓国では悲劇的な「性奴隷」とされ、日本の右派からは単なる「売春婦」とされた「慰安婦」の実情とは、どのような存在だったのかを探り、そうした慰安婦が存在した構造を探ろうという試みこそが『帝国の慰安婦』の執筆の意図です。

日韓で引き裂かれ、偶像化された「慰安婦像」のそれぞれについて、それらは虚像であると主張しているのですから、決して単純な「親日派」というわけではありません。むしろ、日本の保守派が読めば怒りだすであろうような記述も少なくありません。

例えば、朴教授は以下の様に指摘しています。
「数百万人の軍人の性欲を満足させられる数の『軍専用慰安婦』を発想したこと自体に、軍の問題はあった。慰安婦問題での日本軍の責任は、強制連行があったか否か以前に、そのような〈黙認〉にある」(『帝国の慰安婦』32頁)
彼女は決して日本軍、そして大日本帝国が無謬であったと主張しているのではありません。でも、韓国側が主張も極端だとして、韓国人が触れたくない事実も指摘しています。例えば、次の指摘です。
「朝鮮の貧しい女性たちを戦場へ連れていったのは、主に朝鮮人や日本人の業者だった」(前掲書、28頁)
「挺身隊や慰安婦の動員に朝鮮人が深く介入したことは長い間看過されてきた」(前掲書、49頁)
要するに、『帝国の慰安婦』は、日韓の極端な「慰安婦像」を問い直し、本来、「慰安婦」とはいかなる存在であり、そうした慰安婦を生み出した構造を問うという内容の本なのです。しかしながら、このような研究が韓国では禁忌とすべきとされたのです。

しかし、今回の判決により、このような研究はたとえ韓国であっても禁忌ではないということを地裁が示したのです。そうして、当然のことながら、このような書籍を執筆すること自体が、裁判の対象となるこ自体が現在の異常な韓国社会を象徴しています。中国や、北朝鮮ならいざしらず、他のまともな国では裁判になるということは考えられません。

しかし、これは地裁の判決ですから、さらに上告される可能性もあるわけですが、こんなことに長い時間を費やしているくらいなら、韓国にはもっと他にやることがありそうです。

元慰安婦とされる女性たち
それは、昨日も示しました。まずは韓国は悪化している経済を構造改革で対処するというのではなく、まずは強力な金融緩和策を実施し上で、雇用情勢を改善し、景気回復につなげていくべきなのです。

慰安婦問題と、経済とはあまり関係ないようにもみえますが、日本にも衣食足りて礼節を知るという言葉があるように、ある程度経済が良くなければ、韓国内でも慰安婦問題についてもまともな議論などなかなかできないでしょう。

このように、ねじれてしまった問題に関しては、経済が比較的良く、政府にも国民にも多少でも余裕のあるときではないとなかなか、できるものではありません。現在のまま、経済が悪くなる一方であれば、そのうち国民の多くが慰安婦問題などにかかずらわっている余裕などなくなります。

その事例として、昨日の記事では、日本で池田内閣のときに所得倍増計画を実施し、本当に所得がそれまでの倍になった後には、日本国内からソ連の影響がほとんど消えたことを示しました。

この時に、日本経済が高度成長し、所得が倍増しなかったとしたら、その後もソ連の影響が残り、労働運動なども過激なものとなっていたことでしょう。

現在の日本の対処としては、日韓合意を破った韓国に対して、何かを変えないかぎり、安倍政権が以下の対抗措置(実質上の報復措置)を継続し続けることです。この報復措置によって、韓国側が頭を冷やすまで待つ以外にありません。
(1)長嶺安政駐韓大使、森本康敬釜山総領事の一時帰国
(2)在釜山総領事館職員の釜山市関連行事への参加見合わせ
(3)日韓通貨スワップ(交換)協議の中断
(4)日韓ハイレベル経済協議の延期 
韓国側に日韓合意に何らかの変化がないうちに、この報復措置をやめてしまうことは、今度は日本の国民感情が許さないでしょう。

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サムスングループ失墜すれば韓国経済崩壊、日本の支援必要に―【私の論評】日本でも失敗した構造改革は、韓国でも大失敗(゚д゚)!


2017年1月24日火曜日

サムスングループ失墜すれば韓国経済崩壊、日本の支援必要に―【私の論評】日本でも失敗した構造改革は、韓国でも大失敗(゚д゚)!



 韓国の朴槿恵大統領は、親友である女性実業家の崔順実(チェスンシル)被告へ政府の機密情報を漏洩したスキャンダルで辞任の危機に追い込まれている。

 この政権スキャンダルは、韓国経済にも大きな打撃を与えた。

 韓国の特別検察官(特検)は1月16日、崔被告への出資をめぐる賄賂や横領などの疑いでサムスングループの事実上の経営トップであるサムスン電子副会長・李在鎔(イジェヨン)氏の逮捕状を請求した。疑惑の経緯は以下のようなものだ。

 サムスングループでは2015年7月、傘下企業であるサムスン物産と第一毛織の合併が決定。

「そのとき、サムスン物産の大株主で政府系の公団である国民年金公団がロビー活動を行なって合併がうまくいくよう動いた」(サムスン関係者)

 韓国事情に詳しいライターの河鐘基(ハジョンギ)氏が解説する。

「合併を成功させ盤石な経営基盤を築こうとするサムスンが、政府が便宜を図ってくれたことの見返りとして政権に近い崔被告が私物化していたとされるミル財団とKスポーツ財団に計204億ウォン(約20億円)を拠出した。検察は贈賄に当たると判断したのです」

 19日にソウル中央地裁は逮捕状請求を棄却したが、サムスングループが合併に関して政府の助けを仰いでいてもおかしくはない。グループがかつての勢いを失い、不振にあえいでいる事情があるのだ。

 サムスングループの中核企業であるサムスン電子は2016年7~9月期は売り上げが前年同期比で96%減。これには昨年夏に発火事故が相次いだスマホ販売の不振が大きく影響している。

 売り上げが韓国のGDPの8割近くを占める10大財閥のトップであるサムスングループの失墜は、韓国経済の崩壊を意味する。

 そうなれば、日本からの経済的支援も必要になるが、ソウルの日本大使館前の慰安婦像が撤去されぬばかりか釜山の日本領事館前に新たな像が設置され、さらには「竹島に慰安婦像設置」の計画が持ち上がるなど、慰安婦問題がここまでこじれていては望むべくもない。

※週刊ポスト2017年2月3日号

【私の論評】日本でも失敗した構造改革は、韓国でも大失敗(゚д゚)!

韓国の政策は随分前から、裏目裏目に出ています。その最たるものは、輸出立国でしょう。以下に、貿易依存度の比較を掲載します。
●輸出依存度(GDP比)
韓国  :43.4%
ドイツ :33.6%
メキシコ:26.2%
中国  :24.5%
ロシア :24.4%
日本  :11.4%
アメリカ: 7.5%
●輸入依存度(GDP比)
韓国  :38.8%
ドイツ :28.0%
カナダ :24.6%
アメリカ:11.4%
日本  :10.8%
輸出依存度が高いということは、一見非常に良いようにもみえますが、裏返していえば、海外の動向に左右されやすいということです。 特に、最近のスロートレードの状況ではそうです。ちなみに、スロートレードとは、「世界の実質GDPが成長しても貿易量が増えない」現象のことです。IMF(国際通貨基金)のデータによると、1990年代は世界の実質GDP成長率が平均3.1%だったのに対し、貿易量は6.6%も拡大した。貿易の成長率が、実質GDPの2倍以上に達していたのです。

それが、2000年から2011年までは、GDP4%成長に対し、貿易量が5.8%成長と倍率が下がりました。そして、2012年から2015年を見ると、GDP3.3%成長に対し、貿易量は3.2%となっているのです。ついに貿易量の成長率が、GDP成長率を下回ってしまったのです。

その状況を示すグラフを以下に掲載します。



このような状況では、貿易立国を推進するという考え方は間違いです。韓国のように輸出依存度の高い国では、内需を拡大する方向に転換すべきだったでしょう。しかし、韓国はそれを怠りました。


輸入依存度に関しては、これは非常にわかりやすいですが、依存度が高いということは決して良いことではありません。依存度が高すぎれば、これも海外の状況に左右されやすいということです。

日米はともに、輸出依存度も、輸入依存度も低いです。これは、両国とも内需大国であることを示しています。これを無視して、未だに日本を貿易立国であるとする人々は、全く考え違いをしており、大いに反省すべきです。数字の前では、それを無視して語っても、無意味なのです。日本より、輸出依存度の低い国は米国だけです。

さらに、日本は過去にはさらに輸出依存度がさらに低く20年前までは8%程度でした。これは、現在の米国に近い状況です。日本はまごうかたなき、内需大国なのです。

次に、個人消費がGDPに占める割合を比較してみます。

これは、韓国は50%、中国は35%、日本などの米国以外の先進国は60%前後です。米国は例外的に高く、70%です。

韓国と支那は、個人消費がこのように他国と比較すると低いというのにもかかわらず、個人消費を高める政策はとってきませんでした。

韓国は、個人消費を伸ばすことはせずに、グローバリズムという風潮にのって、とにかく輸出を伸ばすという方針をとってきました。

さらに驚くべきことに、GDPの8割近くを10大財閥が占めるという異常ぶりです。その中でも、サムソンがトップであり、確かにサムソン一社により、韓国経済が振り回される状況というのは確かです。

さらに、最近では、支那向け輸出を増やそうとしましたが、当の支那の経済は落ち込んでいますし、さらに最近では韓国がTHAADを導入することを決定したため、支那は対韓国制裁を実施し、韓国からの輸入を減らしています。

韓国サムスンは2016会計年度の通期決算(12月31日締め)を発表しました。半導体部門の営業利益が13兆6000億ウォンとなったことも後押しとなり、全体の営業利益は29兆2400億ウォンとなりました。

提供:Samsung 
モバイル部門(IM)の営業利益は10兆8100億ウォンで、家電部門(CE)が2兆6400億ウォン、ディスプレイパネル事業(DP)が2兆2300億ウォンとなっています。

2016年度の通期売上高は、前年度の200兆6500億ウォンに対し201兆8700億ウォンで横ばい。半導体部門の売上高が51兆1600億ウォンに増加したのに対し、モバイル部門はやや減少して100兆3000億ウォンとなりました。

2016年度の第4四半期に関しては、売上高は前年度とほぼ変わらず53兆3300億ウォンでした。一方、営業利益は2015年の6兆1400億ウォンから大きく伸びて、当四半期は9兆2200億ウォンとなりました。

サムスンの発表によると「第4四半期の利益は主にメモリ事業と、有機EL(OLED)スクリーンや液晶ディスプレイ(LCD)を含むディスプレイパネル部門などのコンポーネント事業がけん引した。ハイエンドで高性能なメモリ製品の販売好調と、V-NANDのプロセス移行の推進、さらにOLEDや大画面のUHDパネルの出荷台数増加が利益に貢献した。韓国ウォンに対する米ドル高も営業利益にプラスの影響を与えた」といいます。

サムスンの業績そのものは、昨年のギャラクシー・セブン・ノートの発火事件があっても、スマートフォンの売上が減ったにしても、横ばいだったということです。

発火したギャラクシー・セブン・ノート
とはいっても、これだけ経済的にサムスン一社に頼るということになると、本当に韓国経済はサムスン頼りということになり、サムスンの動向に左右されてしまうわけです。これは、かなり異常です。

韓国は、このような状況を改革しようとはしてきましたが、その方法というのが、これまた裏目に出ています。

現在の朴槿恵政権は、すでにレームダック状態になっていますが、それ以前の朴槿恵政権も何とかしようとはしていました。

朴槿恵政権は韓国経済の成長動力を生かそうと2013年初め『経済革新3ヵ年計画』を出していました。社会全分野の構造改革を通じて生産性を引き上げるという構想でした。

2017年まで潜在成長率4%と雇用率70%を達成して1当たりの国民所得4万ドルの基盤を用意するという、いわゆる『474』目標も立てていました。

4大改革(労働・金融・公共・教育)と創造経済は政府の代表的な構造改革戦略でした。

しかし、4大改革の核心である労働改革の場合、労組など利害関係者と野党の反対に阻まれて漂流を続けました。政府が一昨年9月に提出した労働改革4法は「非正規職量産法」という反対の中で1年以上国会の敷居をまたいでいませんでした。速戦即決で推進してきた公共部門の成果年俸制は結局、大規模なストライキを呼んだだけでした。

創造改革の成果もほとんどありませんでした。政府が創造経済革新センターや創業企業の数字など外形的な成果に重点を置いたことに内実が伴っていないという評価でした。政府支援を受けるためのペーパーカンパニーが雨後の竹の子のように生じて就職難に青年たちの「聞かないで創業」が急増するなど、副作用が少なくないという評価でした。

政府は3ヵ年計画が最後の年を過ぎて具体的な成果が出ていると広報しましたが、政府の外の認識は違いました。

国会予算政策処が最近まとめた「2017年予算案委員会別の分析」(企画財政委員会)によると、3ヵ年計画の59の細部成果指標の多くはこの2013年より悪化したり、2017年の目標値に大きく足りないことが分かりました。

国内総生産(GDP)対比国家負債比率は2013年34.3%から2015年37.9%に高まり、2017年の目標(35.6%)をすでに上回りました。可処分所得比家計負債比率も160.3%から169.9%に高まり、160代前半を維持するという目標から遠ざかりました。

青年雇用創出の目標は2017年までの累積50万個だったが、2015年6万8000個を作り出すのに止まりました。青年雇用率は41.5%(目標47.7%)、女性雇用率は55.7%(目標61.9%)に止まり、目標達成が事実上不可能になりました。

結局のところ、韓国の構造改革路線は大失敗でした。

この構造改革に関しては、なにやら既視感があります。そうです、日本でも構造改革が叫ばれていた時期がありました。下に小泉内閣の構造改革を一枚のチャートにしたものを掲載しておきます。

小泉内閣の構造改革

小泉純一郎内閣が推進した構造改革、いわゆる小泉内閣または竹中改革は、今にして思えばことごとく失敗でした。何かひとつでも国益に適うことはありませんでした。

竹中平蔵がもたらした財政均衡主義が日本の財政政策を現実離れしたものにしてしまいました。プライマリーバランスなどという、どうでもいいことに財政は縛られてしまいました。それに、小泉政権時代に一時日銀が金融緩和路線に転じ効果がではじめたのですが、なぜかすぐに引き締めに転じ、その結果、デフレの深化を招き、さらにその最中で消費増税という大失策をやらかしてしまいました。

日本が過去には構造改革に端を発して、まるで現在の韓国のように、裏目裏目にでる政策をとり、失われた20年というとんでもない状況を招いていました。

そうです。経済が悪化している時、特に若者の雇用が悪化しているときに、構造改革をやったからといって、すぐに経済が良くなるなどあり得ません。無論構造改革はいずれ実行しなければならないことではあるかもしれません。構造改革だけでは、効果が出るのに年月がかかりすぎます。

それでは、こういうときには何をすれば良いのかといえば、マクロ経済学的な見地からいえば、当然のことながら、まずは金融緩和政策と、積極財政です。これが王道です。

構造改革や、成長戦略などは、金融緩和政策と、積極財政によりある程度経済が良くなってからすべきものです。

成長戦略はやりはじめてから、成果がはっきりと出るまでは、5年くらいもかかってしまいます。構造改革はもっと時間がかかります。

それに、景気が悪い時に、成長戦略や構造改革をすることはかなり難しいです。しかし、金融緩和政策により、雇用が改善され、景気も上向き、さらに積極財政により景気が良くなりしばらく好景気が続く状況にもっていければ、成長戦略や構造改革もやりやすくなります。

それにもう一ついえることは、景気が悪い時に構造問題に手を付けられずに残ってしまうのは当然のことですが、景気が良くなれば、構造問題も全部とはいいませんが、かなり改善されていきます。

なぜなら、民間企業では、構造問題をいつまでも残していれば、そもそも競争力が落ちて、淘汰されてしまいます。だから、だまっていても改革が進みます。公共部門でも、民間で改革進んでいるのに、いつまでも棚上げにしていれば、国民からの突き上げが激しくなり、取り組まざるをえなくなります。それに、実行するにしても、好景気で潤沢な資金をもとにかなりやりやすくなります。

なお、朴槿恵がとるべきだった経済政策については、このブログでも以前詳しく取り上げたことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【日韓財務対話】通貨交換協定再開へ議論開始で合意 韓国側が提案 「日韓の経済協力は有益」と麻生氏―【私の論評】誰か朴槿恵にマクロ経済政策を教えてやれ、そうでないと援助が無駄になるぞ(゚д゚)!
昨年8月の第7回日韓財務対話における、韓国副首相柳氏と日本財務大臣麻生氏
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事で私が提案した、韓国がとるべき経済政策は、まずは通貨スワップで、キャピタルフライトに対処しつつ、金融緩和政策ならびに積極財政で、韓国経済をソフトランディングさせ、内需を拡大するというものでした。

このようなことを考えれば、朴槿恵政権は2013年初めに構造改革ではなく、金融緩和政策に転じ、さらに積極財政を行っていれば、その後状況はかなり異なったものになっていたと思います。誰か、この時期に朴槿恵に「金融緩和をすべき」と忠信しなかったものかと、つくづく思います。

その中でも、特に現在の馬鹿げた「反日」もしないでいたかもしれません。なぜかといえば、朴槿恵の反日にはそれなりに背景があるからです。経済が良くなる兆候をみせず、悪くなる一方では、当然のことながら、政府が国民からかなり批判を受けることになります。

そうなると、朴槿恵としては自身や韓国政府に国民の憤怒のマグマが直接受けるよりは、日本を悪者に仕立てて、憤怒のマグマを日本に向けることで、一時しのぎをせざるを得なくなってしまったのです。しかし、この安易な対応により、ますます苦しくなりました。

韓国には、一昨年の日韓合意を破棄する動きがありますし、さらには釜山での慰安婦像設置の問題から、日韓関係は最悪の状況にあります。これでは、通貨スワップの最下位もままならないことでしょう。

現在の朴槿恵政権は、経済対策に失敗して、経済がますます悪くなる状況を、親北勢力に利用され、窮地を招いてしまったのです。もし、昨年の時点で、経済が上向いたり、上向かなくても、その兆しをみせていれば、今日の窮地を招くことはなかったかもしれません。

こんなことをいうと、朴槿恵政権が腐敗しているから、経済が良くなろうと何であろうと、糾弾されたなどという人もいるかもしれません。しかし、その見方は間違いです。韓国の歴代の大統領は、退任後には必ず不正が暴かれ、国外に逃亡したり、自殺したり、罪に問われたり、様々な窮地に見舞われています。

朴槿恵だけが、不正をしていたというわけではありません。やはり根底には経済の問題があると思います。

日本でも、戦後少しの間、日本国内にはソ連の影響がありましたが、池田内閣の所得倍増計画により、本当に所得倍増した後には、日本国内からソ連の影響はなくなりました。


やはり、経済面が悪ければ、国民は政府に不満を持つようになり、反政府勢力などが活動しやすくなるのです。特に、発展途上国のように一度も経済が良くなったことのない国でではなく、韓国のように一度でも国民が経済の良い時期を経験した国ではそのようなことがいえます。しかし、経済が良くなれば、このような勢力が暗躍する余地はなくなるのです。

それにしても、朴槿恵政権の後は、親北政権が成立しようが、他の政権が成立しようが、一つだけいえることがあります。それは、まずは金融緩和、積極財政などの景気循環的政策を打ち出さなければ特にすぐにでも金融緩和政策を打ち出さなければ、まずは雇用がますます悪化し、経済が悪化するだけで、国内の混乱は防ぐことは出来ないということです。

そうして、韓国経済は坂道を転がり落ちるように悪化して、誰が大統領になっても短命政権で終わり、それでも経済を良くすることができなければ、10年から20年後には、北朝鮮に飲み込まれてしまうでしょう。

そうなりたくなければ、まず韓国は、構造改革を打ち捨てて、金融緩和政策を一刻でもはやく実行すべきです。横道にそれて、反日をやってみたり、構造改革をしたとしても何の解決にもなりません。そうして、現在のままでは、日本が韓国に助けの手を差し出すこともありません。そんなことは、日本の国民感情からいってもできるものではありません。

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2017年1月23日月曜日

【経済インサイド】支那「経済規模2位だけど発展途上国」 日本の特恵関税継続を〝懇願〟 トランプ大統領の影響も―【私の論評】世界は支那を発展途上国にもどさなければならない(゚д゚)!

【経済インサイド】支那「経済規模2位だけど発展途上国」 日本の特恵関税継続を〝懇願〟 トランプ大統領の影響も

記者の質問に応える支那商務部の沈丹陽報道官 昨年11月24日
 日支間で、にわかに〝貿易摩擦〟の火種がくすぶっている。財務省は支那の輸出競争力が高まったとして、発展途上国支援のために輸入関税を低くする「特恵関税」の対象国から支那を除外すると表明。これに対し支那側は自ら「経済規模では世界2位だが、世界最大の発展途上国」とする持論を展開して猛反発している。支那は輸出が減少傾向で、しかもトランプ米大統領がから米国への輸出拡大を牽制(けんせい)する中、日本への輸出減の要因は、是が非でも排除したい思惑が透けてみえる。

 「支那は依然として世界最大の発展途上国だ」

 支那情報サイトのレコードチャイナによると、支那商務部の沈丹陽報道官は昨年11月下旬、日本が支那を特恵関税の対象国から除外する方針を打ち出したことを受け、こう反論した。

 沈報道官は続けて、「支那の経済規模は世界2位だが、1人当たり国内総生産(GDP)や、都市と農村部の発展、社会福祉などでは先進国と大きな格差がある」と力説。「近代化実現の道は依然として遠い」とも主張した。

 何かにつけて「大国」を主張する支那だが、“メンツ”をかなぐり捨て、支那はまだまだ特恵関税の措置による支援が必要な国との訴えを繰り返したのだ。インターネット上では、「支那は『大国』と『発展途上国』を場面に応じて使い分けている」といった指摘が上がっている。

ただ、同時に日本をくさすことも忘れていない。財務省が発表した昨年11月の貿易統計によると、対支那では57カ月連続の貿易赤字。レコードチャイナによると、支那社会科学院日本研究所の張季風研究員は、「日本経済の不振と長期的な貿易赤字から見て、日本が貿易ルールの調整によって自国経済の輸入減少と改善を図った可能性は排除できない」と指摘した。


 特恵関税制度は、途上国の輸出振興や経済支援のために多くの先進国が導入している。日本も約140カ国・地域からの輸入品で、関税を下げたり、免除したりしている。この制度は経済発展を遂げた国を外す規定があり、財務省は今回、所得要件を広げるなどの見直しを行いたい考えだ。

 現行の規定では、2016年公表の世界銀行統計で「高所得国」(14年時点の1人当たり国民総所得が1万2736ドル以上)に3年連続で該当した国・地域を対象から除外している。今回は、これに「高中所得国」(同4125~1万2736ドル)を追加。さらに、「輸出の世界シェアが1%以上」との基準も設ける。

 新規定で、支那のほかメキシコ、ブラジル、タイ、マレーシアの計5カ国が適用の対象外となる。平成27年度に優遇税率を適用されたものの6割は支那からの輸入品。今回、冷凍タコやペットボトルの原料であるポリエチレンテレフタレートなど約1000~2000品目で関税が上がるとみられる。

 昨年11月下旬に東京・霞が関の財務省で開かれた関税・外国為替等審議会の分科会では、ある委員が「そもそも途上国の経済発展に資することが趣旨で、経済が発展した国への特恵措置は廃止されていくべきだ」と主張。政府内には「経済発展しているのに関税をまけてやる必要があるのか」(関係者)との声もある。


 支那が特恵関税にこだわる背景には、輸出の低迷がある。支那税関総署が今年1月13日に発表した2016年の貿易統計によると、輸出は前年比7.7%減の2兆974億ドル。14年半ばから人民元安の傾向が続いているにもかかわらず、輸出がじり貧状態に陥っている格好だ。

 中でも鋼材の輸出が数量で3.5%減だったのに対し、輸出額は13.4%も減少。過剰生産で余剰在庫を抱える鋼材を、海外に安値で売りさばくという構図が浮き彫りになった。鉄鋼の過剰生産は国際問題に発展しており、生産削減を求める声が強まっている。

 トランプ米大統領は支那産品への関税引き上げを訴え、米中間の貿易に大きな影響を及ぼす可能性もある。こうした中、特恵関税の対象から外れ、日本への輸出が減るのは避けたいというのが支那の本音だ。

 そのすがるような思いは、支那商務部の沈報道官が、先に触れた11月の会見の中でみせた“最後の泣き落とし”ににじんでいる。

 「世界経済の回復の勢いは依然弱く、国際貿易・投資は低迷している。日中双方が共に努力し、日中の経済・貿易の健全な発展を後押しし、世界経済の成長に貢献することを希望する」(経済本部 中村智隆)

【私の論評】世界は支那を発展途上国にもどさなければならない(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事の"貿易摩擦"としいう表現は不可思議だと思います。そもそも貿易摩擦なる言葉は、対等な関係で無論、いずれにも特恵関税などない国家間で生じるものです。

特恵関税という恩恵を受けている支那に対して、貿易摩擦などという言葉をつかうのは見当違いです。

日本にとって、支那への輸出および輸入は、いずれも2%程度に過ぎないものであり、いずれも他国との貿易で代替できるものばかりであって、対支那輸出・輸入がゼロになったとしても、日本としては特に何の問題もありません。また、投資に関しても1%程度に過ぎず、これも、微々たるものです。明日からゼロになっても日本経済に及ぼす影響は軽微です。たとえ、あったにしても、輸出・輸入先や投資先を支那から他国にシフトすればごく短期間でその悪影響はなくなります。

だからこそ、日本は支那を発展途上国支援のために輸入関税を低くする「特恵関税」の対象としてきたのです。財務省は支那の輸出競争力が高まったとして、発展途上国支援のために輸入関税を低くする「特恵関税」の対象国から支那を除外すると言う表明は正しいものと思います。

特恵関税が撤廃されて、はじめて両国は対等の関係になるはずです。しかしながら、支那はこのような優遇措置を日本から受けながら、南シナ海で環礁を埋め立てて軍事基地化するとか、尖閣で領海領空侵犯を繰り返すなどの暴挙を繰り返してきました。こんなことをしておきながら、特恵関税を要求するとは、本当に支那の行動は全く矛盾しています。

しかし、これほど強く、特恵関税の維持を要求するというのですから、我々としても支那に対する見方を変えなければなりません。

それに関しては、以前もこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを掲載します。
中国、底なしデフレスパイラル 経済悪化→リストラ拡大→冷める消費意欲―【私の論評】中国の本質は、中所得国と発展途上国の連合体(゚д゚)!
2015年から輸入が激減、この状況だと猛烈なデフレになっているか
そもそも、GDPが出鱈目なのかいずれかのはずである・・・・・・
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事より私の結論部分のみを以下に引用します。
このままだと、いずれ中国は、図体が大きいだけの、凡庸なアジアの独裁国家で終わる可能性が高くなってきました。

しかし、これはもともとの中国の本質なのかもしれません。中国の実体は、もともとはいくつかの発展途上国の集まりで、それを中国共産党中央政府が警察力や、軍事力を使って無理やり一つにまとめて、一国としてまとめてGDPを大きく見せていただけです。一人あたりのGDPではまだ日本に遠く及びません。

中国共産党中央政府は、世界各国の機関投資家などを幻惑して、これから中国は凄まじく発展すると期待させ、今投資しないと大損をするぞとばかり煽り、外貨を集め、それを国内でインフラ投資することで、大発展したのですが、もうその化けの皮が剥がれ、中国に積極的に投資するものなどいなくなりました。 
そもそも、当の中国人ですら、そのようなことは期待していません。中国の官僚や富裕層が外国に自らの金を逃避させています。習近平でさえもその例外ではありません。中国出身の海外在留者、すなわち華僑も、今では中国に投資はしません。

そんな中国には、もうキャピタル・フライトを防ぐ術はありません。いずれ中国は、凡庸なアジアの独裁国家となり、国力も衰え、いくつかの国の連合体に成り果てることでしょう。いわゆる、一つの省、もしくは複数の省が一つの国のような存在になり、それらの国々は、ある国は中所得国で、ある国は発展途上国ということになるでしょう。中国共産党政府がそれらを一つに、従来よりは緩くまとめるような連合体に成り果てるでしょう。 
というより、これが元々の本質なのですが、それが白日の下に晒されることになるでしょう。従来は、中国共産党中央政府の力が強く、省を強く支配していたというだけのことです。 
中国共産党中央政府が、従来のように締め付けを厳しくすれば、いずれの国も中進国以上には発展し得ないでしょう。あまり締め付けを厳しくしなければ、もしかすると、一国くらいは中進国の罠を抜け出る可能性もあるかもしれません。しかし、そうなれば、その国は連合体から抜け出ることになるでしょう。抜け出なければ、先進国にはなれません。永遠に、中所得国のままで終わります。
支那の本質が、発展途上国であることは支那の軍事産業をみていてもわかります。軍事産業に関しては、いずれの国もその技術の中核的部分は他国にやすやすと譲ることはありません。これに関しては、いずれの国も自国で開発するしかないのです。

国防産業の要ともいえる部品製造用の工作機械装備について、依然として日本は支那の命運を握っています。

デジタル制御工作機械や基本的な製造設備は製造業の「母」であり、その国の工作機械技術レベルと製品の品質は、設備製造業さらには国防産業の発展レベルを示す重要な指標でもあります。

とくに、カギとなる部品や加工生産ツール、現代化された工作機械や工業ロボットの分野において、中国は長きにわたり日本から制約を受けており、今後も一定期間この状況が続くことになるでしょう。

そうして、日本はデジタル制御工作機械の対中輸出を制限するのみならず、その心臓部分と言える制御装置の製造技術の支那による自己開発を実質上制限しています。日本のファナック、ドイツのシーメンスといった巨頭企業が支那制御装置市場の80%を占めています。残念ながら、このレベルの装置は支那では開発できません。

さらに、デジタル制御工作機械以外にも炭素繊維材料、電子部品に代表される工業部品においても支那は日本に依存しています。「紅旗-9」ミサイルには、日本性のリミットスイッチが使われいるし、潜水艦にも日本性のレーダーシステムが搭載されています。

紅旗-9
2015年5月に兵庫県警が「炭素繊維材料を不法に輸出した」疑いで日本人を逮捕しました。2012年にも炭素繊維「M60JB」を密輸しようとした中国人が逮捕されました。M60JBは主に日本ではスポーツ用自転車部品、釣竿などに用いられていますが、これも支那では製造することができません。

高速鉄道欠かすことの出来ない高品質レールも、日本のような高品質のものは、支那は模倣したくてもできない状況です。その他、模倣したくてもできないものはいくつもあります。

ロシアは、GDPは、日本の1/4であり、人口は日本より2千万人多い、1億4千万人です。かつての、ソ連は米国に伍して、冷戦を闘いぬいていました。しかし、現在のロシアは、往時をしのばせるような力はありません。現在は、NATOと対等に戦う力はありません。

しかし、あいかわらず、世界に存在感を示しているのは、未だに高度な軍事技術を擁しているからといっても過言ではありません。現在の支那にはそれすらも存在しないのです。

米国の天才的な破壊者でもある、新大統領トランプ氏は、貿易摩擦を正面に掲げて中国とは本気で戦うつもりです。ただし、関税を上げるのはできません。関税かける代わりに国境税という形もあり得ます。金融制裁という奥の手もあります。


すでに、トランプ氏は『一つの中国』といって今までワシントンや日本が従ってきたものをたった一言で壊しました。本当にシンプルな外交です。

支那は軍事的にも拡大してきていて、その圧力はロシアでも感じています。だからこそ、トランプとプーチンが近づくのには理由があるのです。中国をロシア、アメリカから挟み撃ちしようという考え方が根底にはあります。中国はかなり劣勢です。仮に中国軍が米軍と戦ったら歯がたちません。絶対に勝てません。

今の世界で、これからの10年、20年後を見た時にアメリカに対抗してくる可能性があるのは支那のみです。最も重要なのは今なら支那と戦争したら完勝できるということです。だからトランプ氏はいくら支那を刺激しても“暴発”はないと踏んでいることでしょう。

オバマ時代、米国は支那に寄り添うカタチで外交を進めてきましたが何一つ好転しませんでした。だから一旦は対中強行政策をトランプ氏が仕掛けることは大正解です。

この状況だと、沿岸部の一部の中進国的な地域の経済も落ち込み、支那はほとんどが発展途上国の連合体に成り果てて、図体が大きいだけの凡庸なアジアの独裁国になり果てるだけです。

また、現在の支那が海洋進出やチベット、ウイグル、内蒙古、満州など他国への侵略統治をやめないというのなら、日米を含め世界中の国々が支那をそのようにすべく努力すべきです。日本も、そのための努力を惜しむべきではありません。

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2017年1月22日日曜日

【トランプ大統領始動】「地球上で最も不誠実な輩」とさっそくメディア批判 トランプ氏、就任から一夜明け―【私の論評】分断されていた米社会、トランプ大統領登場で統合への対話が始まる(゚д゚)!

【トランプ大統領始動】「地球上で最も不誠実な輩」とさっそくメディア批判 トランプ氏、就任から一夜明け

21日、米バージニア州ラングレーのCIAで演説
するトランプ大統領 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
トランプ米大統領は就任から一夜明けた21日朝、メラニア夫人やペンス副大統領とともにワシントン大聖堂での礼拝に参加した後、中央情報局(CIA)で職員を前に演説し、メディア批判を展開した。首都ワシントンやニューヨークなど全米各地では女性を中心とした大規模なデモが行われて数百万人が参加。トランプ氏の差別的な発言に対して抗議の声を上げた。

 トランプ氏はワシントン近郊にあるCIA本部を訪れ、「私とメディアは戦争状態にある。彼らは地球上で最も不誠実な輩だ」と述べる一方で、CIA職員を「1000%支持する」と語った。就任前、トランプ氏はロシア政府が自らの不都合な個人情報を持っているという内容を米情報機関がマスコミに漏らしたとし、「それはナチス・ドイツがやるようなことだ」と批判していた。

 メディア批判でトランプ氏が問題視したのは米情報機関との確執や、就任式行事への参加者数をめぐる報道。トランプ氏はCIAでの演説で聴衆が25万人にとどまったとする報道があったと指摘し、「嘘だ」と断言。「演説をしたときに見たが、100万人か150万人はいるようようだった」と述べた。

 オバマ前大統領の就任式には過去最高の約180万人が参加。今回の就任式には70万~90万人が訪れると見込まれていた。

ワシントン記念碑から見たトランプ氏の大統領就任式の写真(左)と2009年のオバマ氏の就任式の写真
 スパイサー大統領報道官も21日、ホワイトハウスで就任後初の記者会見を開き、「最大規模の観衆が就任式を目撃した。以上だ」と述べた。式典会場を管理する国立公園局が未集計のため「誰にも人数は分からない」として、メディアを非難。質問を受け付けずに記者会見を打ち切った。

「女性の行進」に向かってトランプ氏支持のタオルを振る女性(21日)
 ワシントンで21日に開かれた「女性の行進」には数十万人が参加した。

【私の論評】分断されていた米社会、トランプ大統領登場で統合への対話が始まる(゚д゚)!

トランプ氏は、ブログ冒頭の記事で、「私とメディアは戦争状態にある。彼らは地球上で最も不誠実な輩だ」と述べていますが、これは本心でしょう。

日本のメデイアでは、あたかもトランプ大統領の登場によって、アメリカ社会が分断されたかのように報道しています。しかし、これは真っ赤な大嘘です。

アメリカ社会はトランプ氏の最近の台頭よりはるか以前から分断されていました。どのように分断されていたかというと、リベラル・左派と保守派の2つに大きく分断されてきました。正確な統計などはないのでわかりませんが、実数でも大きく半分にわかれていたと思われます。

アメリカ大統領選挙の結果 赤がトランプ氏が勝利を収めた州

しかし、今回の選挙の前までは、この事実が埋もれていて、一部の人を除きアメリカでも多くの人に知られることはありませんでした。

なぜ、そのようなことになったかといえば、このブログでも過去に何度か掲載してきたように、アメリカのメディアの9割は、リベラル・左派によって占められており、保守は1割程度に過ぎないため、保守派の人々が声をあげても、それはリベラル・左派のメディアには取り上げられることはほとんどなく、取り上げるのはほとんど全部がリベラル・左派の考えや主張だからです。

これを日本にたとえると、大手新聞なら産経新聞は存在せず、朝日新聞や毎日新聞のようなメディアだけが存在している状況です。テレビ局では、フォックスTVのみが保守系で、あとはすべてがリベラル・左派メディアです。

このような状況ですから、保守の声はかき消され、リベラル・左派の声ばかりが報道されるという状況なのです。

米メデイアはほとんどがリベラル・左派であり著しく偏っている
メディアがそのような状況ですので、学校や、企業などにおいても、リベラル・左派の考えが主流であり、保守系の考えはなきがごとくにみなされてきました。

アメリカの保守派は、ルースベルト大統領はソ連と手を結び、共産主義と対峙していた日本と戦争をした愚かな大統領として批判する人々も多いのですが、リベラル・左派の考えでは、ニューディール政策でアメリカ経済を建て直し、第二次世界体制を勝利に導いた英雄という見方をしています。

そのせいでしょうか、たとえば米国歴史学界においては、ルーズベルトを礼賛しないと学界にはとどまってはいられないそうです。そのため、まともな歴史研究をするためには、保守系のシンクタンクや、軍の研究機関に入るしかありません。

さて分断といえば、マイノリティとマジョリティによる分断、あるいは1%の富豪とそれ以外の分断、さらには白人と黒人の分断、いくらでもあります。アメリカ社会は、戦後ずっと分断され続けてきたのです。そうして、その中でも最大のものが、リベラル・左派と保守の分断でした。そうして、この分断はまるで存在しないかのような扱いを長い間受けてきました。

これに対して異議を申し立てたのがトランプ氏とトランプ支持者なのです。

トランプ支持者を一刀両断的に「プアーホワイト」のひと言で片づける論調もありましたが、決してそうではなかったことが今回の大統領選挙で明らかになったのです。アメリカ人のなかでも心ある人は、声に出さなくともトランプ氏の言葉に共感しています。今までのアメリカ大統領候補は「アメリカを否定」してきたからです。 

リベラル・左派は結果としてアメリカの国民のことは考えていませんでした。代わりにアメリカの富豪による世界戦略を考えてきたのです。

アメリカでのトランプ台頭について「ヨーロッパにおける醜い民族主義」などと評されることがありました。

「ヨーロッパで今台頭している醜い民族主義とアメリカのトランプ氏の主張は、どちらもポピュリズムであり、同じものである」という主旨です。私もトランプ現象とヨーロッパで起きていることは底流で結びつくものであるとは思います。

しかし、それは醜い民族主義でも不健全なポピュリズムでもありません。むしろ健全だと思います。

トランプ氏の主張はポピュリズムではない
無論、トランプ氏自身の言葉に現われている過激な側面を礼賛しているわけではありませんし、もちろん、トランプ氏を支持しているアメリカ人が不健全ということでもありません。また、大量の移民受け入れに反対しているヨーロッパの人たちが醜い民族主義者であるともまったく思いません。

しかし、世界のメディア、あるいは言論界、無論日米のそれもたいていこのような観点から見ているのです。彼らはずっと無条件で移民受け入れが良いことであると言い続けてきました。さらに移民に対して無条件に賛成しない人たちやそれを支持する人々をポピュリズムだと決めつけ、保守派の大衆を見下してきました。私たちはそういうメディア、またメディアに巣食う知識人の「きれいごと」に洗脳されてきたのです。

例えば「人権を守らなければならない、人種差別をすべきではない、性差別をすべきではない」という言い方があります。こうした意見に対しては誰も反対できません。しかし、こういうきれいごとと、アメリカやヨーロッパの現実には大きな乖離があります。

こうした乖離について内外の言論人はほとんど取り上げませんでした。だからこそトランプ氏の発言に支持が集まったのです。

移民の問題については、非常にわかりやすいのと、時宜にあっているので、述べましたが、ご存知のようにリベラル・左派と保守の間には他にも、改革をするための進め方や手続き、伝統的な価値観、世界観、安全保障の面でも大きな隔たりがあります。

私たちが注意しなければならないのは、現在のリベラル・左派の「頭のなかで考えていることが、現場の現実とは乖離している」ということです。そうして、問題は「ポピュリズム」まったくのレッテル貼りであるということです。大衆迎合的ということは、すでに価値判断が入ってしまっているということです。迎合という言葉も、大衆という言葉も“上から目線”になっているのです。

米国では上から目線のリベラル・左派の考えが主流だった
この上から目線というのは、移民やその他マイノリティーを守ること、伝統的価値観を捨てて、新しい価値観を受け入れることが、現場の現実からかけ離れていることもあるのに、それを絶対善として、疑問の余地がなく全く正しいものとみなすという偽善的、独善的態度のことです。

無論、リベラル・左派の考え方が何もかも間違いなどというつもりも毛頭ありません。そういう言い方をしてしまえば、現在のリベラル・左派の上から目線と同じことになってしまいます。それは決して生産的なことではありません。

しかし、ここ数十年においては、あまりにリベラル・左派の考え方が、特に米国では強くなりすぎました。あまりに強くなりすぎれば、揺り戻しがあるのは当然です。この揺り戻しが、現在米国で起こっていることなのです。

その揺り戻しのを象徴するのが、今回の米国の大統領選の結果なのです。この背景を理解していなければ、これからのアメリカの政治・経済そうして社会の変化は、全く理解できません。

さて、アメリカ大統領選挙において、トランプ氏が勝利したため、アメリカの人口の半分くらいは存在する保守派の存在が明らかになったと思います。

しかし、これは選挙でそういう結果が出たというだけであって、現在の時点ではまだまだ、アメリカではリベラル・左派の考えが主流です。

アメリカの国民の半分を占める保守派の声は、現在のアメリカ社会ではまだ浸透していません。職場でも、学校でも、メディアの世界でもリベラル・左派的な考え方が主流です。

ただ、政治の世界だけが、大統領がリベラル・左派のオバマ氏から保守派のトランプ氏に変わります。議会も、概ね保守派の共和党が主流派になります。ただし、共和党が全部保守というわけでもありません。それは、日本の自民党の中も保守だけではなく、リベラル・左派の議員も存在するのと同じです。

そういう状況の中では、保守派でトランプ支持派の人々も、自分の職場や学校などの周りの人に配慮して、自分は保守派で、トランプ氏支持派であるとは、面と向かって言い難い雰囲気があるのだと思います。

だからこそ、トランプ氏の就任演説のときの聴衆はオバマ氏のときと比較して少ないのでしょう。

「LOVE TRUMPS HATE」と書かれたTシャツを着た選挙当日のガガ
また、このような変化を理解できない人々が、トランプ大統領反対デモを開催したり、それに参加したりするのです。そうしていわゆるセレブの反トランプデモですが、それをやるなら自分の収入の大半を経済的困窮者に寄附せよと言いたくなります。これは、日本国内での自称インテリが一銭も金を出さずに「文楽を守れ!」と口だけでカッコつけていたのとよく似ています。空虚な言葉より行動をという、トランプ大統領の就任演説の言葉が身に染みます。

しかし、トランプ大統領が登場して時がたてば、まずはマスコミが報道姿勢を変えざるを得なくなります。なぜなら、トランプ大統領の考えは保守的であり、それを報道しなければ、報道機関としてまともに機能しているとはいえません。

そうして、現在米国ではトランプ氏のツイッター発信にメディアが大慌をしています。なぜならオバマ氏とメディアのリベラル・左派同士の協調関係がなくなり、これからは取材力・評論力による完全実力競争時代に突入するからです。以前のように上から目線の取材ではトランプ大統領は納得しないでしよう。ある程度以上の力がなければ記事を作れなくなるのです。

米国メディアは、これからは変わらざるをえないでしょう。米国保守を無視した報道はできなくなります。また、米国の保守は、リベラル・左派の失敗を繰り返すべきではありません。右だろうが、左だろうが、その時々において、良いものは良いし、悪いものは悪いのです。また、良いものが永遠に良いはずもなく、その逆に悪いものが、永遠に悪いものであり続けるということもないのです。

そうなると、一般社会も保守派の考え方にも耳を傾け、良いもの、まともなものは受け入れられるようになると思います。これから、本当の対話が始まるのです。トランプ大統領の登場により、分断したアメリカは、はじめて対話の緒をつかむことができたのです。もしトランプ大統領が登場しなければ、そのような機会はさらに遠のいたことでしょう。

リベラル・左派の人々も、トランプ登場をそのように考え、自分たちの考え方だけが、絶対善であるというような考え方はやめて、保守の人々とまともに対話をすべきです。そうでなければ、この変化についていくことはできません。態度を変えなければ、変化についていくことの出来ないただの認知症で妄想を信じる老人と同じです。

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2017年1月21日土曜日

【トランプ大統領始動】就任演説・英文全文(演説動画付き)―【私の論評】翻訳・解説付き:アメリカ第一をシンプルに訴えたトランプ新大統領(゚д゚)!

【トランプ大統領始動】就任演説・英文全文(演説動画付き)


トランプ大統領の就任演説
以下の英文の太青文字になっている部分は、下で説明を加えています。

Chief Justice Roberts, President Carter, President Clinton, President Bush, President Obama, fellow Americans, and people of the world:

thank you.

We, the citizens of America, are now joined in a great national effort to rebuild our country and to restore its promise for all of our people.

Together, we will determine the course of America and the world for years to come.

We will face challenges. We will confront hardships. But we will get the job done.Every four years, we gather on these steps to carry out the orderly and peaceful transfer of power, and we are grateful to President Obama and First Lady Michelle Obama for their gracious aid throughout this transition. They have been magnificent.

Today's ceremony, however, has very special meaning. Because today we are not merely transferring power from one Administration to another,or from one party to another - but we are transferring power from Washington, D.C. and giving it back to you, the American People.

For too long, a small group in our nation's Capital has reaped the rewards of government while the people have borne the cost.

Washington flourished-but the people did not share in its wealth.Politicians prospered - but the jobs left, and the factories closed.The establishment protected itself, but not the citizens of our country.

Their victories have not been your victories; their triumphs have notbeen your triumphs; and while they celebrated in our nation's Capital,there was little to celebrate for struggling families all across our land.

That all changes - starting right here, and right now, because this moment is your moment: it belongs to you.

It belongs to everyone gathered here today and everyone watching all across America.This is your day. This is your celebration.

And this, the United States of America, is your country. What truly matters is not which party controls our government, but whether our government is controlled by the people.

January 20th 2017, will be remembered as the day the people became the rulers of this nation again.The forgotten men and women of our country will be forgotten no longer.



Everyone is listening to you now.You came by the tens of millions to become part of a historic movement the likes of which the world has never seen before. At the center of this movement is a crucial conviction: that a nation exists to serve its citizens.

Americans want great schools for their children, safe neighborhoods for their families, and good jobs for themselves.These are the just and reasonable demands of a righteous public.

But for too many of our citizens, a different reality exists: Mothers and children trapped in poverty in our inner cities; rusted-out factories scattered like tombstones across the landscape of our nation; an education system, flush with cash, but which leaves our young and beautiful students deprived of knowledge; and the crime and gangs and drugs that have stolen too many lives and robbed our country of so much unrealized potential.

This American carnage stops right here and stops right now. We are one nation - and their pain is our pain. Their dreams are our dreams; and their success will be our success. We share one heart,one home, and one glorious destiny.

The oath of office I take today is an oath of allegiance to all Americans. For many decades, we've enriched foreign industry at the expense of American industry; Subsidized the armies of other countries while allowing for the very sad depletion of our military; We've defended other nation's borders while refusing to defend our own; And spent trillions of dollars overseas while America's infrastructure has fallen into disrepair and decay.

We've made other countries rich while the wealth, strength, and confidence of our country has disappeared over the horizon. One by one, the factories shuttered and left our shores, with not even a thought about the millions upon millions of American workers left behind.

The wealth of our middle class has been ripped from their homes and then redistributed across the entire world. But that is the past. And now we are looking only to the future. We assembled here today are issuing a new decree to be heard in every city, in every foreign capital, and in every hall of power. From this day forward, a new vision will govern our land.

From this moment on, it's going to be America First. Every decision on trade, on taxes, on immigration, on foreign affairs, will be made to benefit American workers and American families.We must protect our borders from the ravages of other countries making our products, stealing our companies, and destroying our jobs. Protection will lead to great prosperity and strength. I will fight for you with every breath in my body - and I will never,ever let you down.



America will start winning again, winning like never before.We will bring back our jobs. We will bring back our borders. We will bring back our wealth. And we will bring back our dreams.We will build new roads, and highways, and bridges, and airports, and tunnels, and railways all across our wonderful nation.

We will get our people off of welfare and back to work - rebuilding our country with American hands and American labor. We will follow two simple rules: Buy American and Hire American.We will seek friendship and goodwill with the nations of the world -but we do so with the understanding that it is the right of all nations to put their own interests first.

We do not seek to impose our way of life on anyone, but rather to let it shine as an example for everyone to follow.

We will reinforce old alliances and form new ones - and unite the civilized world against Radical Islamic Terrorism, which we will eradicate completely from the face of the Earth.

At the bedrock of our politics will be a total allegiance to the United States of America, and through our loyalty to our country, we will rediscover our loyalty to each other. When you open your heart to patriotism, there is no room for prejudice.

The Bible tells us, “how good and pleasant it is when God's people live together in unity." We must speak our minds openly, debate our disagreements honestly, but always pursue solidarity. When America is united, America is totally unstoppable.

There should be no fear - we are protected, and we will always be protected. We will be protected by the great men and women of our military and law enforcement and, most importantly, we are protected by God.



Finally, we must think big and dream even bigger. In America, we understand that a nation is only living as long as it is striving. We will no longer accept politicians who are all talk and no action constantly complaining but never doing anything about it. The time for empty talk is over.

Now arrives the hour of action. Do not let anyone tell you it cannot be done. No challenge can match the heart and fight and spirit of America. We will not fail. Our country will thrive and prosper again.We stand at the birth of a new millennium, ready to unlock the mysteries of space, to free the Earth from the miseries of disease,and to harness the energies, industries and technologies of tomorrow. A new national pride will stir our souls, lift our sights, and heal our divisions.

It is time to remember that old wisdom our soldiers will never forget: that whether we are black or brown or white, we all bleed the same red blood of patriots, we all enjoy the same glorious freedoms, and we all salute the same great American Flag.And whether a child is born in the urban sprawl of Detroit or the windswept plains of Nebraska, they look up at the same night sky, they fill their heart with the same dreams, and they are infused with the breath of life by the same almighty Creator.

So to all Americans, in every city near and far, small and large, from mountain to mountain, and from ocean to ocean, hear these words: You will never be ignored again.Your voice, your hopes, and your dreams, will define our American destiny. And your courage and goodness and love will forever guide us along the way.

Together, We Will Make America Strong Again.We Will Make America Wealthy Again.We Will Make America Proud Again.We Will Make America Safe Again. And, Yes, Together, We Will Make America Great Again. Thank you, God Bless You, And God Bless America.

【私の論評】翻訳・解説付き:アメリカ第一をシンプルに訴えたトランプ新大統領(゚д゚)!

以下に、就任演説の日本語訳を掲載し、その後で私の論評を掲載します。

トランプ大統領の就任演説の日本語訳

ロバーツ最高裁判所長官、カーター元大統領、クリントン元大統領、ブッシュ元大統領、オバマ大統領、そしてアメリカ国民の皆さん、世界の皆さん、ありがとう。私たちアメリカ国民はきょう、アメリカを再建し、国民のための約束を守るための、国家的な努力に加わりました。私たちはともに、アメリカと世界が今後数年間進む道を決めます。私たちは課題や困難に直面するでしょう。しかし、私たちはやり遂げます。私たちは4年ごとに、秩序だち、平和的な政権移行のために集結します。私たちは政権移行中の、オバマ大統領、そしてファーストレディーのミシェル夫人からの寛大な支援に感謝します。彼らは本当にすばらしかったです。


しかし、きょうの就任式はとても特別な意味を持ちます。なぜなら、きょう、私たちは単に、1つの政権から次の政権に、あるいは、1つの政党から別の政党に移行するだけでなく、権限を首都ワシントンの政治からアメリカ国民に返すからです。

あまりにも長い間、ワシントンの小さなグループが政府の恩恵にあずかる一方で、アメリカ国民が代償を払ってきました。ワシントンは栄えてきましたが、人々はその富を共有していません。政治家は繁栄してきましたが、仕事はなくなり、工場は閉鎖されてきました。既存の勢力は自分たちを守ってきましたが、国民のことは守ってきませんでした。彼らの勝利は皆さんの勝利ではありませんでした。彼らが首都で祝っている一方で、闘っている国中の家族たちを祝うことはほとんどありませんでした。すべてが変わります。いま、ここから始まります。なぜなら、この瞬間は皆さんの瞬間だからです。皆さんのものだからです。ここに集まっている皆さんの、そして、アメリカ国内で演説を見ている皆さんのものだからです。きょうという日は、皆さんの日です。皆さんへのお祝いです。そして、このアメリカ合衆国は、皆さんの国なのです。本当に大切なことは、どちらの政党が政権を握るかではなく、私たちの政府が国民によって統治されているかどうかということなのです。

2017年1月20日は、国民が再び国の統治者になった日として記憶されるでしょう。忘れられていた国民は、もう忘れられることはありません。皆があなたたちの声を聞いています。世界がこれまで見たことのない歴史的な運動の一部を担う、数百万もの瞬間に出会うでしょう。この運動の中心には、重要な信念があります。それは、国は国民のために奉仕するというものです。アメリカ国民は、子どもたちのためにすばらしい学校を、家族のために安全な地域を、そして自分たちのためによい仕事を望んでいます。これらは、高潔な皆さんが持つ、当然の要求です。しかし、あまりにも多くの国民が、違う現実に直面しています。母親と子どもたちは貧困にあえぎ、国中に、さびついた工場が墓石のように散らばっています。教育は金がかかり、若く輝かしい生徒たちは知識を得られていません。そして犯罪やギャング、薬物があまりに多くの命を奪い、可能性を奪っています。このアメリカの殺りくは、いま、ここで、終わります。私たちは1つの国であり、彼らの苦痛は私たちの苦痛です。彼らの夢は私たちの夢です。そして、彼らの成功は私たちの成功です。私たちは、1つの心、1つの故郷、そしてひとつの輝かしい運命を共有しています。

きょうの私の宣誓は、すべてのアメリカ国民に対する忠誠の宣誓です。何十年もの間、私たちは、アメリカの産業を犠牲にして、外国の産業を豊かにしてきました。ほかの国の軍隊を支援する一方で、非常に悲しいことに、われわれの軍を犠牲にしました。ほかの国の国境を守る一方で、自分たちの国境を守ることを拒んできました。そして、何兆ドルも海外で使う一方で、アメリカの産業は荒廃し衰退してきました。私たちが他の国を豊かにする一方で、われわれの国の富と強さ、そして自信は地平線のかなたに消えていきました。取り残される何百万人ものアメリカの労働者のことを考えもせず、1つまた1つと、工場は閉鎖し、この国をあとにしていきました。中間層の富は、彼らの家庭から奪われ、世界中で再分配されてきました。しかし、それは過去のことです。いま、私たちは未来だけに目を向けています。きょうここに集まった私たちは、新たな命令を発します。すべての都市、すべての外国の首都、そして権力が集まるすべての場所で、知られることになるでしょう。この日以降、新たなビジョンがわれわれの国を統治するでしょう。


この瞬間から、アメリカ第一となります。貿易、税、移民、外交問題に関するすべての決断は、アメリカの労働者とアメリカの家族を利するために下されます。ほかの国々が、われわれの製品を作り、われわれの企業を奪い取り、われわれの雇用を破壊するという略奪から、われわれの国を守らなければなりません。わたしは全力で皆さんのために戦います。何があっても皆さんを失望させません。アメリカは再び勝ち始めるでしょう、かつて無いほど勝つでしょう。私たちは雇用を取り戻します。私たちは国境を取り戻します。私たちは富を取り戻します。そして、私たちの夢を取り戻します。

私たちは、新しい道、高速道路、橋、空港、トンネル、そして鉄道を、このすばらしい国の至る所につくるでしょう。私たちは、人々を生活保護から切り離し、再び仕事につかせるでしょう。アメリカ人の手によって、アメリカの労働者によって、われわれの国を再建します。私たちは2つの簡単なルールを守ります。アメリカのものを買い、アメリカ人を雇用します。私たちは、世界の国々に、友情と親善を求めるでしょう。しかし、そうしながらも、すべての国々に、自分たちの利益を最優先にする権利があることを理解しています。私たちは、自分の生き方を他の人たちに押しつけるのではなく、自分たちの生き方が輝くことによって、他の人たちの手本となるようにします。

私たちは古い同盟関係を強化し、新たな同盟を作ります。そして、文明社会を結束させ、イスラム過激主義を地球から完全に根絶します。私たちの政治の根本にあるのは、アメリカに対する完全な忠誠心です。そして、国への忠誠心を通して、私たちはお互いに対する誠実さを再発見することになります。もし愛国心に心を開けば、偏見が生まれる余地はありません。聖書は「神の民が団結して生きていることができたら、どれほどすばらしいことでしょうか」と私たちに伝えています。私たちは心を開いて語り合い、意見が合わないことについては率直に議論をし、しかし、常に団結することを追い求めなければなりません。アメリカが団結すれば、誰も、アメリカが前に進むことを止めることはできないでしょう。そこにおそれがあってはなりません。私たちは守られ、そして守られ続けます。私たちは、すばらしい軍隊、そして、法の執行機関で働くすばらしい男性、女性に、守られています。そして最も大切なことですが、私たちは神によって守られています。


最後に、私たちは大きく考え、大きな夢を見るべきです。アメリカの人々は、努力をしているからこそ、国が存在し続けていけるということを理解しています。私たちは、話すだけで常に不満を述べ、行動を起こさず、問題に対応しようとしない政治家を受け入れる余地はありません。空虚な話をする時間は終わりました。行動を起こすときが来たのです。できないことを話すのはもうやめましょう。アメリカの心、闘争心、魂を打ち負かすような課題は、存在しません。私たちが失敗することはありません。私たちは再び栄え、繁栄するでしょう。私たちはこの新世紀のはじめに、宇宙の謎を解き明かし、地球を病から解放し、明日のエネルギーや産業、そして技術を、利用しようとしています。新しい国の誇りは私たちの魂を呼び覚まし、新しい視野を与え、分断を癒やすことになるでしょう。

私たちの兵士が決して忘れなかった、古くからの知恵を思い起こすときです。それは私たちが黒い肌であろうと、褐色の肌であろうと、白い肌であろうと、私たちは同じ愛国者の赤い血を流し、偉大な自由を享受し、そして、偉大なアメリカ国旗をたたえるということです。そしてデトロイトの郊外で生まれた子どもたちも、風に吹きさらされたネブラスカで生まれた子どもたちも、同じ夜空を見て、同じ夢で心を満たし、同じ全知全能の創造者によって命を与えられています。だからこそアメリカ人の皆さん、近い街にいる人も、遠い街にいる人も、小さな村にいる人も、大きな村にいる人も、山から山へ、海から海へと、この言葉を伝えます。

あなたたちは二度と無視されることはありません。あなたの声、希望、夢はアメリカの運命を決定づけます。そしてあなたの勇気、善良さ、愛は私たちの歩む道を導きます。ともに、私たちはアメリカを再び強くします。私たちはアメリカを再び豊かにします。私たちはアメリカを再び誇り高い国にします。私たちはアメリカを再び安全な国にします。そして、ともに、私たちはアメリカを再び偉大にします。ありがとうございます。神の祝福が皆様にありますように。神がアメリカを祝福しますように。

【論評】

この演説は非常に平易な英語を使用しているため、わかりやすいです。多くの英語学習者が、辞書などひかずに聴いてほとんどが理解できることと思います。

これは、選挙戦のとききからのトランプ氏の方針のようです。ヒラリー氏は、候補者に語りかけるとき、小学校6年生程度の英語を使用していたそうですが、トランプ氏は小学校4年生程度の英語を用いていたそうです。

そうして、America First だけを主なコンセプトにした理解しやすい演説です。さずが政治家のスピーチ。なにか哲学的な話を付け加えようとしたり、そこが欠如しているといいたい方もいるでしょうが、政治に関する演説はこのようなシンプルなものが良いです。これは、英語教材としても使えると思います。

就任演説のポイントは3つです。1.アメリカ第一主義、2.口ではなく行動重視、3. 既得権の打破 です。

寒空でほとんどきが起立して聞いている大勢の人々にとってはこれだけで十分です。政治家は文学者でも、評論家でも、哲学者でもありません。内容の賛否はともかく政治家は大きな方向性を示すことが全てです。いわゆる、専門家が今回の演説をもっとらしく分析したとしても全く無意味です。

格調を気にした小難しい表現の演説は、自称インテリの評価を気にしたものです。トランプ氏演説は、一般の多くの国民向けのものです。いわゆる、自称インテリは完璧に無視したものです。トランプ氏の演説がレベルが低いと言う人がいるとすれば、その人こそレベルが低いのです。

本当に心に響く演説とは、今回のトランプ氏の演説のようなものです。小難しい言葉を使う演説では、人の心の琴線に触れることはないのです。

さて、非常に平易な言葉で語られている、トランプ氏の演説ですが、平易な言葉であっても、使われいる言葉の背景を知っていなければなかなか理解できないこともあります。以下にそのようなキーワードを含む14のセンテンスをあげ解説します。

【14のセンテンス】

Chief Justice Roberts, President Carter, President Clinton, President Bush, President Obama, fellow Americans, and people of the world:
トランプ氏は演説の冒頭で、宣誓を執り行ったロバーツ最高裁長官のほか、出席していた大統領経験者のカーター、クリントン、ブッシュ、オバマ各氏に謝意を述べた。しかし、大統領選を自身と争い、元ファーストレディーとして壇上に立っていたヒラリー・クリントン氏には言葉を向けませんでした。2001年の就任式でブッシュ氏が、選挙の相手でやはり壇上にいたゴア元副大統領に感謝したのとは対照的でした。 
また、ワシントン初代大統領以来、多くの大統領が使ってきた「Fellow Citizens」(我が同胞市民)という言葉を使わず、「世界の人々」に感謝したのも特徴的でした。
we are transferring power from Washington, D.C. and giving it back to you, the American People. 
トランプ氏は演説で、一貫して「ワシントン」と「アメリカ国民」を対比させ、権力を「国民」に戻すと主張しました。レーガン元大統領が1981年の就任式で「あなたたちの夢、あなたたちの希望、あなたたちの目標がこの政権の夢、希望、目標となる」と語った言葉と通じ合う部分がありますが、トランプ氏の方が「ワシントン」と「国民」を対立させました。 
米メディアによると、トランプ氏は起草にあたって、レーガン氏とケネディ元大統領の就任演説を参考にしていると周囲に語っていました。
The establishment protected itself, but not the citizens of our country
「establishment」は昨年の大統領選を象徴する言葉の一つで、「既成勢力」や「既得権層」などを意味します。トランプ氏は演説でも用いて、こうした層が「自分たちだけを守ってきた」と主張しました。
 This American carnage stops right here and stops right now. 
「carnage」は「殺戮(さつりく)の後の惨状」といった意味で、「死屍累々(ししるいるい)」に近い。戦場などの表現に使われる極めて強い言葉。トランプ氏は直前に都市部の貧困や、犯罪・麻薬の蔓延(まんえん)に触れ、「悲惨な状況にある米国」を描いた。今回の演説を象徴する言葉として、米メディアも注目している。
 We assembled here today are issuing a new decree to be heard in every city, in every foreign capital, and in every hall of power.
トランプ氏は「すべての都市、すべての外国の首都、すべての権力層に向けて、「新しい宣言をする」と述べました。米メディアの間では、ケネディ氏が1961年の就任演説で「今この時、この場所から、友人に対しても敵に対しても、次の言葉を伝えよう」と語った部分と似ているとの指摘が出ています。ただ、ケネディ氏は「新しい世代にたいまつが継がれた」と続け、世界各国で人権を守ると語ったのに対し、トランプ氏の宣言は「この日から、(ビジョンは)『米国第一』だけになる」と語っています。
From this day forward, it's going to be only America First, America First
「米国第一」は、選挙期間中からトランプ氏が強調してきました。歴史的には、第2次世界大戦の前に孤立主義を唱え、「米国が欧州の戦争に加わるべきではない」などと主張したチャールズ・リンドバーグ氏らが使った言葉です。差別に通じるなどとして、ユダヤ系団体が使わないよう求めてきたのですが、就任演説でも中心的な言葉となりました。
We must protect our borders from the ravages of other countries
「ravages」は他国が米国を荒らし、侵害しているという意味です。「carnage」と並んで、米国が悲惨な状況に陥っていると強調するフレーズでした。
shine as an example. We will shine for everyone to follow
トランプ氏が他国に向けて「模範として光を放つ」と語った部分も、レーガン氏の1981年の「我が国は再び自由の模範となり、自由を得ていない人々にとって希望の灯となる」という言葉と重なります。
unite the civilized world against radical Islamic terrorism, which we will eradicate from the face of the Earth
トランプ氏は以前から、オバマ氏が「Radical Islamic Terrorism(過激なイスラムのテロリズム)」という言葉を使わないと批判し、テロが続く一因となっていると主張してきました。就任演説ではあえてこの言葉を使い、「地球上から撲滅する」と宣言しました。
how good and pleasant it is when God's people live together in unity
旧約聖書詩編133からの引用。「見よ、兄弟が共に座っている。なんという恵み、なんという喜び」(日本聖書協会訳)
politicians who are all talk and no action, constantly complaining, but never doing anything about it
トランプ氏は就任式を前に、公民権運動の英雄であるジョン・ルイス下院議員から「正統な大統領と思っていない」と批判された際、「言葉だけで行動が伴わない」と返していました。演説でも同じフレーズを使い、「何も行動しない政治家」は必要ないと訴えました。
whether we are black or brown or white, we all bleed the same red blood of patriots
トランプ氏は演説の中で「愛国主義に心を開けば、偏見の入る余地はなくなる」とも述べ、「米国民」としてまとまることの大切さを説きました。ここでは人種問題に触れ、肌の色が異なっても「愛国者の同じ赤い血が流れている」と語りました
We Will Make America Strong Again. We Will Make America Wealthy Again. We Will Make America Proud Again. We Will Make America Safe Again. And Yes, Together We Will Make America Great Again
選挙スローガンの「アメリカを再び偉大にする」で演説を締めくくるのは、昨年7月の党大会とほぼ同じでした。就任演説では「アメリカを再び裕福にする」という一文が加わりました。
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2017年1月20日金曜日

アパホテルに「情報物の撤去」要望 冬季アジア大会めぐる「着地点」とは―【私の論評】習近平の妄言に振り回される必要性は全くない(゚д゚)!

アパホテルに「情報物の撤去」要望 冬季アジア大会めぐる「着地点」とは

札幌市などで2017年2月19日に開幕する冬季アジア大会で、選手村の一部にアパホテルが利用されることになった。アパホテルは、「南京大虐殺」を「支那側のでっちあげ」などとする書籍を客室に置いていたとして支那から非難を受けている。

このほど、大会の事務局からアパホテル側へ、書籍を含む「客室内のすべての情報物の撤去」の要望があったという。アパホテルは、どう対応するのか。

アパホテルの客室に置かれている書籍は「撤去」しないが、要望に応じて
「フロントでお預かりする」という(画像はネット上に投稿された動画より)
 「正式な要請があった場合には、個別に対応を検討」

アパホテルの客室に設置された書籍をめぐっては、1月15日、支那のSNS「微博(ウェイボー)」に書籍の内容を指摘する動画が投稿されて主に支那国内で批判が広がった。これに対してアパホテルは1月17日夕方、「書籍を客室から撤去することは考えておりません」などとするコメントを発表していた。

選手村として利用されるのは、「アパホテル&リゾート〈札幌〉」(札幌市南区)。アパホテルを運営するアパグループが1月20日に明らかにしたところによると、選手村として利用することについての打診があった段階で、大会事務担当者から口頭で書籍以外にも「客室内のすべての情報物の撤去」の要望を受けたといい、
「今後、正式な要請があった場合には、個別に対応を検討いたします」
としている。

 「撤去する考えはありませんが...」

具体的な対応方針については、
「言論の自由があり、批判を受けたことを以って書籍を客室から撤去する考えはありませんが、ホテル業として個別のお客様からのご要望に対してはできるだけお応えするべきであると考えますので、個別には書籍をフロントでお預かりすることを含めて対応いたします」
と説明。「撤去」はしないが、要望に応じて「フロントで預かる」というわけだ。アパグループでは
「特別な措置ではなく、ホテル業として当然のことだと考えます」
と、一般的な対応方針であることを強調していた。

【私の問題】習近平の妄言に振り回される必要性は全くない(゚д゚)!

アパホテル 札幌すすきの駅前
この問題については、昨日もこのブログに掲載したばかりです。その後もいろいろな余波があったので本日も掲載することにしました。

ところで、この問題に関する昨日のブログの結論部分は以下のようなものでした。
トランプ氏が新大統領となる前の、昨年のオバマ政権の末期の時期に、習近平政権は、これだけのこと(ブログ管理人注:約1.5万字ある党章と、あまたの習近平講話を、全党員が年末までに手書きで書き写すという習近平からの党幹部への指令)をしなければならないくらいにタガが緩んでいてどうしようもないような状態になっていたことです。
そうして、今年習近平はトランプ氏の仕掛ける「貿易戦争」「南シナ海の対決」、「台湾問題の争点化」という3つの戦いに挑まなければならないのです。

こう考えると、習近平の焦りは手に取るように理解できると思います。だからこそ、通常ならあり得ない日本の一民間企業に過ぎないアパホテルを批判するというような、とんでもない行動に出たのです。そうして、これは何も偶発的に起こったことではなく、すべて習近平が企んだやらせでしょう。 
まさに、今習近平は、不可避の隘路に直面しているのです。今年は、習近平が失脚するか、少なくとも失脚への道筋が明らかにになることでしょう。
簡単言ってしまえば、この問題は、習近平自己都合による政治利用以外の何ものでもありませんし、これは言論の自由への挑戦です。しかも、外国である日本への挑戦です。支那国内でならまだしも、日本の一民間企業に対する批判は全くの筋違いであり、見当はずれです。

世界中のほとんどの人にとって、自分の国が他国の一民間企業に対して、このような批判をすることは、自国の権威を貶めるものとして、忌避されるべきものとうつることでしょう。

さて、昨日の記事には、支那のアパホテルへの批判への対処方法については、述べませんでした。それは、この結論を読んでいただければ、十分にご理解いただけるものと考えたからです。

私が望ましいと考える対処方法は、無論「完全無視」です。そもそも、一民間企業の実施していること、しかも外国のそれに対して、国レベルで批判をするというのは全く異様なことです。このようなことに、まともに対応する必要性など全くありません。アパホテルの対応は、妥当なものだと思います。

そもそも、民間企業が例え会社がどうなろうと自分のイデオロギーを通したいなら、それは全くの自由であるべきであり、政府も北海道も口を出すべき問題ではありません。 

しかし、この問題に関して、北海道の高橋はるみ知事がとんでもない反応を示しています。以下に、その反応を掲載します。

高橋はるみ北海道知事
高橋はるみ北海道知事は20日の定例記者会見で、アパホテルが客室に南京事件を否定する内容の書籍を置いているとして支那で反発が強まっていることに関して「いろいろな議論があることについて、相手国の方々に不快な思いを持たれるのはどうなのかなと率直に思う」と、ホテルの対応に疑問を呈した。
一方で高橋知事は「(行政としてホテル側への)強制手段はないので、今後の対応を見守りたい」と述べた。
そもそも、このようなことを自分自身から言い出したというのであれば、全く見当違いですし、たとえ記者から質問があったにしても、「一民間企業の実施していることに対して、返答するべき立場にありません」などとつっぱねるべきだったでしょう。

この問題に関して、全く支那側の見当違いの筋違いの批判なのですから、マスコミがその事実を報道したりするのは良いですが、それに関してマスコミも知識人も、政治家も、一般の人も完全無視で良いです。

支那の習近平の妄言にいちいち振り回される必要性は、全くありません。

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