さて前回と前々回は別としてここしばらくは、最後のフロンティアであるホーム市場の脅威を掲載してきしまたが、今回は機会になることがらをあげます。
第2次ベビーブーマーが30歳台に
人口の構成比率が団塊の世代に次いで高い第2次ベビーブーマー(団塊の世代ジュニア)が30歳台に入っています。この年代はライフステージの中で最も消費が旺盛な時期(30歳~40歳)に入っています。第2次ベビーブーマーは人口が7,505千人存在しており、これは全人口の5.9%を占めています。今後10年間はこれらの世代の消費力が経済を力強く牽引していくでしょう。グラフをみると明らかなように、2010年には、これらの世代が35歳のピークを形成しています。その時代にはいわゆる団塊の世代は、60歳程度でピークとなっています。
この世代については、かなり期待が持てるものと考えられます。イトーヨーカドーなどの小売業態の新業態「アリオ」など完全にこれらをターゲットとしていると考えられます。高齢化社会といわれて久しく、福祉などに参入する会社が多かったため、現在高齢者向け福祉の業態などは過当競争気味です。
現状では新たなホーム関連市場を狙うためには、これら第2次ベビーブーマーをターゲットとすることが、最も良いことが理解できると思います。
子供一人当たりの養育費の増大
さらに少子化で子どもの数は減っているが、子ども1人あたりの養育費は増大傾向であり、養育費のうち3割は選択的消費に対するものです。特に年収の高い層程養育費が高くなる傾向があります。(厚生労働省の外郭団体「こども未来財団」調査)。先の第2次ベビーブーマーの数の多さと、子供一人あたりの養育費が高まっていることから、第2次ベビーブーマーのファミリー層は完全に狙い目であることがわかります。2007年からは夫婦と子供からなる今まで通常といわれていた世帯より単独世帯が増えいてきますが、単独世帯や高年齢者の世帯よりは、これらファミリー層がもっと良いターゲットであることは、容易に想定できます。
日本の住宅の構造変化
20年くらい前までの大都市の住宅は狭く、海外から「ウサギ小屋」などと揶揄されたものですが、最近の住宅は従来よりは広くなりアメリカのように10人以上のパーティは無理だが、5~6人程度のパーティは十分可能になりました。またダイニングルームにも変化が見られ、新しい住宅では開放感溢れる明るいオープン・キッチンシステム+ダイニング・ルームが主流となってきています。
しかしながら、こうしたダイニングルームの変化に対応して、新たなライフスタイルを提唱する業態は存在せず。リフォームの業者はリフォームだけ、テーブルの業者はテーブルだけ、食材に至っては食材だけをしかもバラバラに販売しており、新たなライフスタイルを提唱するには至っていません。
こうした現実をみるにつけ、最後のフロンティアであるホーム市場での商品の提供方法やサービスの提供方法がおぼろげながら明確になってきます。
さて、いままで提示した事実から、こうした第2次ベビーブーマーに対しての最後のフロンティアであるホーム市場の機会を訴求することは最も効率の良い事業になりうると判断できます。
ただし、一つ忘れてはいけないことがあります。それは、第一次ベビーブーマーである団塊の世代と、そのジュニア世代とには明確な差異があるということです。
これについては次回以降掲載していきます。
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