2010年10月12日火曜日

Google、次のターゲットは交通問題、ロボット自動車技術を開発―【私の論評】先進国は、もう次の段階にすすまなければならない!!

http://journal.mycom.co.jp/news/2010/10/11/001/index.html

【私の論評】先進国は、もう次の段階に進まなければならない!!



さて、上の動画、マイノリティー・レポートは、トム・クルーズが主演です。この中には、自家用車がでてきますが、これが、まるで、今回のGoogleが目指している交通システムそのものようです。残念ながら、ほとんど車のシーンはでてきませんが、本当に、自分のマンションなどから、直接乗ることができて、目的地まで、運転せずとも到着します。そうして、車自体は目的地で乗り捨てもできます。

Googleは、今までも立派に社会変革を成し遂げてきたと思います。グーグルに批判的な人でも、これは否定はできないと思います。

このグーグルが今度はITの力を駆使しながも、こうした新しい動きに出ていること、他社や、国などもおおいに参考にすべきと思います。

このブログでも、良く参照する経営学の大家ドラッカー氏は、イノベーションとはたんなるアイディアや、思いつきでなく、明らかに会社の外である社会を変えるものでなければならないと語っています。そうして、いわゆる技術イノベーションよりも、社会的イノベーションのほうがはるかに影響力が大きいとしています。私も、そう思います。

最近、ノーベル化学賞を受賞した例の日本人化学者も、それまでには長い道のりがありましたが、確かに彼らの研究が大きな社会変革を巻き起こしています。ノーベル賞もこのように、確かに社会変革をおこしている、あるいは間違いなく起こすであろう研究が受賞の対象になっているのではないかと思います。確かに、ノーベル賞には、国際政治のかけひきなどにどうしても影響される点は否めませんが、しかし、少なくとも理念としては、そうではないかと思います。

私は、トヨタが今の新社長に変わる直前に、トヨタの新しい使命に関して、事例として今回のGoogleの試みについて掲載しました。以下にその一部を掲載します。
それこそ、映画「マイノリティー・レポート」にも出てきたような、車でありながら、公共交通のようなものでもある乗り物の開拓なども良いかもしれません。街中では、電車のようにリニア・モーター・カーのように走り運転もしないですむが、郊外に行くと車としても単体で走れるような車とか。しかも、街中では、いままでだと全く個人の思いつきで走っていたのが、全体の経済合理性にもとづいた運用ができるようになっているとか。
詳細は、下の【関連記事】のところに掲載しておきますので、読まれていない方は、是非ご覧になってください。

これを書いたときには、単に、映画を見て触発されまだ私の頭の中の想像産物に過ぎなかったのですが、誰かが思いつくものは、実行に移せる誰かがその試みを開始しているのだということが、今回の上の記事で良くわかりました。

私は、こうした社会変革を起こすのは、無意識にトヨタのような自動車メーカーであるといように考えていましたが、それにGoogleが着手しているとは驚きでした。しかし、それが、自然なのかもしれません。

先程のドラッカー氏も、新たな技術は、業界の中からやってくるのではない、今で全く異なるところからやってくるとしています。その例として、たとえば、製薬業界におけるバイオなどあげています。製薬業界というと、従来は、化学・生化学・薬学の世界がテリトリーで他の技術なと全く関係ないと思われていました。ところが、バイオテクノロジーが発達した今日、この常識は破られ、新たな薬を開発したり、薬を量産するのに、バイオテクノロジーが使われています。

この事例、新たなGoogleの取り組み、このドラッカーの言っていることの、新たな格好の事例になると思います。いずれ、こうした試みに触発されて、トヨタのような自動車メーカーも独自でやるとか、GoogleTVにソニーも参画しているように、IT関連の会社とジョンイントしてやるようになるかもしれません。

私は、このブログでも以前にも掲載したように、最早先進国は、次の段階に進まなければならないと思います。今までの枠組みで、ものを考えていたのでは、何でも行き詰まると思います。省エネでも、従来トヨタは他社、他国に先駆けてやってきたのですが、これにも限界があります。多くの人々は、電気自動車があるではないかという人もいますが、電気自動車の電気を発生させるために、火力発電所を稼働させたとしたら、果たして、本当に環境に不可をかけないことになるか、一概にはいえないことが、ドイツの研究でも明らかになっています。

いずれにせよ、今ままでの延長線上では、なかなか難しいですが、Googleの実施してるような新たなシステムでブレークスルーが起こるかもしれません。これが成功すれば、大社会変革となります。しかし、これとても、5年、10年で成就するとはおもえません。きっと、長い道のりがあると思います。しかし、いくら巨大とはいえ、一民間企業がこうしたことに果敢に取り組んでいることを高く評価したいです。もう先進国は、こうした次の段階に進まなければならないと思います。

今は、経済が良くないから無理ではないかという考えもあるかもしれませんが、こうした不景気の時期こそ、変革が起こっています。たとえば、信じがたいことに、現在のスーパーの原型は、あの金融恐慌の真っ只中につくられたものです。

現在も金融危機の影響が完全には、過ぎ去ってはいません。それに、日本はデフレの真っ最中です。こんなときに、社会変革など無理と思われるむきもあるかもしれません。さらに、今の日本、中国幻想に酔っていて、中国の経済発展を期待しています。そうして、中国での商売に期待する財界人も多いようです。私はこの考えには反対です。

それには、過去のブログに述べたきたように、中国の経済がこれから停滞することもありますが、もし、停滞しないとしても大反対です。なぜなら、中国に輸出をして、儲けるという考え方は、非常に後ろ向きであり、あたかも、発展途上国のような考え方だからです。これは、まるで、先進国の内需を期待する発展途上国のような考えです。

中国に輸出できたとして、中国は未だ発展途上ですから、先進国が中国に輸出する製品は、既存の車であり、冷蔵庫てあり、テレビや、これらをつくるための工作機械ということになります。これでは、厳密な意味では何も変革にならないからです。確かに、中国の社会を変えることにはなりますが、それは、本来は中国の企業に任せるべきものと思います。そうして、中国の企業がそうすると思います。だから、次の市場としては、本当は期待するべきではない、あるいは期待できないのかもしれません。

先進国は、もう、次の段階に移るべきと思います。国内の需要を喚起して、拡大するためにも、新たな社会的イノベーションを次々と起こしていくべきと思います。そうして、どんな小さな試みでも良いので、私自身もそうした試みに参画したいと思います。

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