2011年3月2日水曜日

入試投稿、仙台の浪人生が関与か―【私の論評】犯罪とはいえないかもしれないが、合格していたら、取り消しとか何年か受験できないようにするなどの措置は必要か?

入試投稿、仙台の浪人生が関与か


京都大学など4つの大学で、入試問題がネット上に投稿されていた事件で、事件に関与した疑いがある受験生は、山形県の高校を卒業した仙台市内の予備校に通う19歳の浪人生であることがわかりました。

この事件は、京都大学や早稲田大学などの4つの大学で、試験中に入試問題がネット上に投稿されたものです。

警察当局は、偽計業務妨害の疑いもあるとみて調べを進めていましたが、投稿に使った携帯電話の利用者が、山形県の高校出身で仙台市内の大手予備校に通う19歳の浪人生であることがわかりました。また投稿に使われた携帯電話は、浪人生の親族名義だということです。

警察当局は今後、この浪人生らから事情を聴くなどして、調べを進める方針です。

【私の論評】犯罪とはいえないかもしれないが、合格していたら、取り消しとか何年か受験できないようにするなどの措置は必要か?
この浪人生もう、ほとんど特定されていると思います。前にも、このブログに掲載したように、インターネットを使えば、必ず、IPアドレスという痕跡が残ります。それに、携帯でも、パソコンからでも、メールを送信したり、どこかのサイトにコメントなど書きこめば、たとえ消去したとしても、携帯や、パソコンの記憶装置を破壊しない限り、ほとんどを再現することができます。サイトへのコメントも同じです。たとえ、消すことができて、消したとしても、ほとんと100%再現することができます。

意外とこういうことが知られていないようです。いままでのニュースなどでは、似たような事件は発生したとても、IPアドレスという言葉がでてくることはなかったと記憶しているのですが、今回は、どこの報道でも、この言葉でてきて、結構詳しく説明していたのは良かったと思います。この受験生も意外とこういうことは知らなかったのかもしれません。

しかし、それにしても、実際の手口は一体どんなものだったのか、まだまだ、疑問が残ります。携帯で発信するにしても、一体どのようにして、問題文を入力したのでしょうか?しかし、意外と簡単なことかもしれません。机の下に隠してブラインドタッチで入力したのかもしれません。ただしし、わずかの隙間から、少しは内容を確認したかもしれません。いずれにせよ、実際の現場での手口がどのようなものだったのか、知りたいところです。

それに、わざわざ、多くの人の目につく、Yahoo知恵袋に投降するという手口を使ったのかも不明です。普通だったら、もっと隠蔽すると思います。

しかし、いろいろ、考えていくと、思い当たるフシもあります。おそらく、この浪人生に関しては、実は、京大などの受験に当落線上にあるというわけではなく、ほとんど合格する見込みがない人なのかもしれません。

だから、答案用紙を半分も埋められないのかもしれません。そのため、時間つぶしにやったというのが、真相かもしれません。試験の時間は、長くても90分というのが多いです。そうすると、まともに、問題を解いているとあっと言う間に時間が過ぎます。しかし、もともと、答案を半分も埋めることができない人にとっては、暇つぶしをするなどのこともできず、苦痛なものです。

私も、覚えていますが、最初に受けた模試に関しては、全然勉強していなかったので、勉強をしていなかったところからの出題も多く、書けないところが多く、退屈で退屈で仕方ありませんでした。おそらく、この浪人生も模試の時にでも、退屈を紛らすつもりで、Yahoo知恵袋に投稿してみたら、どこの誰とも知らない人から、返事がかえってきたので、本番のときにも暇つぶしとしてやってしまったというのが真相ではないかと思います。

もし、当落線上にいたら、はっきりいって、携帯電話で答えを見ているよりも、できるとこを確実に得点するということで、できないところは後回しにして、解答するのと確認するのに時間がかかって、とても、そんなことをしている余裕はないと思います。大学を受験して、そうして、特に合格した方なら、応用力を問われるような問題でも、わずか90分の間では、全くの白紙から考えていたのでは、時間がなく、過去にやった問題の中で似た様なものを必至で思い出して、解答するのが普通だと思います。似たようなものを一切見た覚えのないような問題は後回しというのが普通です。

カンニングに関しては、上の動画にもあるように、道徳的には悪いことですが、犯罪とまでできるかどうかは疑問です。皆さんのうち、あの「坂の上の雲」を読まれたり、あるいはNHKのテレビで「坂の上の雲」で、あの正岡子規がカンニングをしていたということを知っている人も多いのでないかとか思います。

正岡子規は、東大予備門入試の時に、法官という英語がわからずに、秋山真之に試験中にその意味をたずねたところ、秋山が「ほうかん」と答えたので、幇間だと思い込み、答案用紙に書き込んだそうです。夏目漱石も数学の問題をカンニングしたそうです。これらの話が、後からでも、多くの人に伝わったというのですから、かの時代はおおらかといえば、おおらかです。正岡子規に関しては、結局間違った解答をしても、合格したわけです。夏目漱石のカンニングもどの程度のものだったかは、わかりませんが、似たようなものだと思います。

だから、この浪人生に対しても、罪は問わないほうが良いと思います。ただし、道徳的には良いことではないので、厳しくお灸をすえることと、不正を働いた大学に関しては、試験の成績は別にして<不合格にすること、そうして、1~2年くらは同じ大学は受験できないようにするなどの措置で十分だと思います。それ以上の措置は必要ないですし、犯罪としてしまうことには反対です。

それから、カンニングというと思い出すのが、ある保険会社の課長さんです。その方、いつも夜、おそくまで仕事を精一杯していたそうで、昇進試験の勉強がほとんどできなかったそうです。ある日、郵便受けに大きめの封筒が入っていたので、何だろうと思い、開封してみると、昇進試験用のテキストが数冊入っていて、そのテキストの中身を見てみると、ところどころ、マーカーでマークを施してあっので、そこの部分だけ、ほとんど一夜漬けで勉強して試験を受けたら、まさにその部分が出題され、無事合格したそうです。本人は、未だに、誰がそのようなことをしたのかわからないそうです。

私としては、大学とか、会社の昇進試験もそうですが、いわゆる情報を暗記するだけの試験ではどうにもならないと思います。今は、政治改革も必要ですが、教育改革も必要ではないかと思っています。

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