2011年8月23日火曜日

65歳以上の人口7%の「高齢化社会」、10年前から倍増、31地区のうち26地区に―中国―【私の論評】超高齢化大国中国に明日はない!!

65歳以上の人口7%の「高齢化社会」、10年前から倍増、31地区のうち26地区に―中国


2011年8月21日、中国では31の省・自治区・直轄市のうち26地区が、高齢者の割合が7%以上の高齢化社会に突入している。重慶晨報が伝えた。

今年4月に国家統計局が公表した2010年の国勢調査結果によると、中国の人口は13億7000万人で、男性が51.27%、女性が48.73%。このうち、65歳以上の高齢者の人口は1億1900万人で、総人口の8.87%を占めた。

全国31の省・自治区・直轄市のうち、高齢者の割合が10%以上の地区は6地区で、前回(2000年)の調査時より5地区増加した。高齢者の割合が7%以上の地区は前回よりも13地区増え、26地区となっている。
すでに高齢化社会に突入して久しい中国
また、高齢者の人口が100万人を超えている地区は27地区で、前回調査時よりも2地区増加した。このうち高齢者の人口が最も多いのは山東省で942万9800人、続いて四川省、江蘇省、河南省の順だった。

北京大学人口所の穆光宗(ムー・グアンゾン)教授は「21世紀は高齢化の世紀。出生率の低下や平均寿命の伸びなどにより、高齢化は一層進む。今後は各地区で高齢化の進行が早まるだけでなく、影響が深刻化するだろう」と指摘している。

【私の論評】超高齢化大国中国に明日はない!!
中国は、すでに2000年の時点で、高齢化社会に突入しています。また、高齢社会に突入するのは、今から15年後と予想されています。上記の記事は、これが、さらに進んだという内容です。特に、従来は同じ中国でも、まだ、人口が増えている地区もあったのが、そういう地域が少数派になってしまい、中国全土が、高齢化社会となり、さらに、高齢社会へと突き進んでいることが明らかになったと思います。

高齢化社会に関しては、すでに、2007年の時点で、中国国務院新聞弁公室より、先月発表した第一回「中国高齢事業発展」白書が発表されていました。すでにその頃から、中国の人口構成は高齢化に突入したと示していました。中国の高齢人口は2005年末、60歳以上の高齢者人口は1億4400万人で総人口の11%を占め、日本の全人口よりも超え世界で最も高齢者人口の多い国となりました。白書によると、現在の中国は、年平均3%の増加率で高齢化が進んでおり、2025年には2億9000万人に上ると予測され、日増しに厳しくなる高齢化問題に直面しているとしていました。

*高齢化社会へ

白書は、中国の人口構成はすでに高齢型社会に入ったと指摘し、他の国に比べて、中国社会の高齢化の規模が大きく、進行速度が早く、不均衡な発展が特徴であるとしていました。

中国高齢管理委員会事務室の責任者・李本公氏によると、中国の高齢化は急激に進んでおり、人口年齢構成はわずか18年間で成年型から高齢型に転化したとしました。高齢化の地域差が大きく、農村は都市より1・24%も高いとしていました。

白書は、中華人民共和国は建国以来、老年社会保障、福利などにおいて基本の法律制度を完備、老齢者に基本生活の保障を努めてきたと表明したが、米ボストン・グローブ紙の報道では、急速な高齢化と共に、高齢者のための社会福利計画に欠けていることから、中国の高齢者対策は今後の行方の見通しがつかないと指摘していました。

*一人っ子政策は高齢化させる主要原因

当時のVOA放送の報道によると、社会学者・劉暁竹博士(米国在住)は、一人子政策は中国社会を急激に高齢化させた主な原因であると指摘しいすました。

劉氏によると、中国は、以前は利益を均一に配分する原則に沿っていたため、都市の高齢者はある一定の退職金と医療サービスを受けることができた。また、農村においては子どもが多いため、子どもに頼ることができたとしました。しかし、中国は改革開放以降、国の財政が豊かになるにつれ、汚職腐敗も増加し、貧富の格差を生み出す発展は、高齢化問題を悪化させ、特にこれまでの一人っ子政策は高齢化へ促した主な原因であるとしていました。

劉氏は、出産については計画があっても良いが、強制することはできないとし、人口のコントロールができる反面、それなりの代償もあるとし、その代償が今の高齢者たちが耐え忍んでいるものと指摘していました

*高齢者の医療問題

中共当局は、当時から医療保険における改革が失敗したことをすでに認めていました。一人っ子政策がもたらした以外、中国の高齢者は医療保険の問題も直面していとしました。劉博士によると、中国の高齢者は、失敗した医療保険改革の最大の被害者になっているとしまし。劉氏は、中国の高齢者たちは選挙権がないため、中共の統治を脅かすことにならないことから、当局は高齢者の医療保険問題の解決に力を注ぐこともしないだろうと分析していました。「中国の高齢者らは選挙権がないし、若い人のように街頭で抗議する気力もなく、組織の能力もないため、共産党政権に脅威にはならなとし、よって胡錦濤共産党政権が考慮している優先順位の中、高齢者医療保険は最後の最後になるでしょう」としていました。

中国に関しては、特にこの人口問題によって、深刻な影響を受けることが二つほど予想されます。一つ目は、アメリカや、ヨーロッパや、日本のように、経済的にもある程度成熟(特に資産などの充実)する前に、急速に高齢化が進んでしまうことです。個人資産においては、アメリカは世界一位、日本は、世界第二位です。なぜ、個人資産をここであげるかといえば、北欧などの高福祉社会は別にし、高齢者の場合、やはり、頼みのつなは、資産であり、資産があれば、老後も安心だからです。そうして、多数の高齢者が資産をある程度もっていれば、もたない高齢者も、福祉政策で何とかすることができます。しかし、残念ながら、中国では、こうなる前に、高齢化がかなりの勢いで進んでしまっています。資産を持たない、高齢者が多くなるということは、社会にとってかなりの負担になるということです。

ちなみに、以下にいわゆる先進国の個人資産のグラフを掲載しておきます。

さすが、日本!!現金・預金保有高では、世界一です。さすが、金持ち日本です。


2007年までは、アメリカが一位だったのに、2008年で、アメリカと日本が並んだのは、あのリーマン・ショックによるものです。日本は、株式の資産を持つ人は、少ないため、あまり、影響を受けていないということがわかります。日本でも、リーマンショックのときには、日本中で、その影響の大きさが喧伝されてみましたが、グラフにしてみてみると、あの影響を受けたひとは、ほんの一握りであったということが良くわかります。こうして、考える日本は、本当に金融的には、健全であることが良くわかります。

このグラフには、中国はでていませんが、中国はどの程度かといえば、これらの国とは、比較の対象ともなりません。よって、ここには、掲載しませんでした。多くの人が、いわゆるGDPなどにばかり、目を奪われていますが、GDPなど、インフラをこれから整える中国などでは、毎年伸びるがあたりまえであって、ある程度発展した場合には、個人資産でみるのが、正しい見方だと思います。これらには、いわゆる、GDPが伸びている国はほんど含まれていません。やはり、GDPが伸びている国は、成長過程にあるのであって、資産までは金が回らないのだと思います。

二つ目は、最近の急激な経済成長によっても、高齢化があまりに急激であるため、いわゆる、知識労働者の数が全体では増えないことが予想されます。日本などはじめとして、いわゆる先進国では、随分前から、経済成長をしていたので、知識労働者の数が多く、これら知識労働者は、個人差はありますが、かなり高齢化しても働くことができます。ちなみに、アメリカでは、すでに、随分前から、定年は、70歳となりました。日本では、65歳定年制が推奨されています。

しかるに、中国では、高齢者というと、ほんどの人が知識労働の経験がなく、大方の人が、肉体労働をしていたというのが、実体で、先進国のように高齢になってからも働いて、富を創造することなどほとんどが不可能です。中国では、ほとんどの人が上記のように資産にも恵まれていないので、実質若い世代に世話になるしかないということです。そうなると、中国には、あまり良い将来はなさそうです。

あと、20年もたてば、後進国に逆戻りするというのは、確実2384;と思います。それに、ひきかえ、見なおさなければならないのは、アメリカです。最近は、アメリカのデフオルト問題がクローズアップされて、アメリカの特に、経済の凋落ぶりが喧伝されています。しかし、国債発効限度の問題など、実はアメリカでは、毎年の年中行事にすぎず、今回は、日本と同じように、国会では、オバマ大統領の民È27;党が少数派になってしまったため、ねじれ現象により、なかなか、議決されなかったにすぎません。

人口動態でみれば、また、異なるアメリカの側面を観ることができます。良く、アメリカの時代は終わったとか、終わるなどと言っている人もいますが、そんなことはないと思います。アメリカは移民を受け入れているということから、2050年を過ぎても、現在の増加率で人が増え続けていきます。他国は、中国は無論のことですが、特に先進国はすべて人口減傾向です。

それに、アメリカには貧困層が未だ沢山いますし、将来も大幅に減ることはないでしょう。この貧困層が、それこそ、アメリカン・ドリームを実現しようとして頑張り続けることになります。だから、アメリカの活力は当面衰えないでしょう。アメリカを侮ってはいけません。

日本だって捨てたものではありません、日本が超高齢社会に突入したとはいえ、日本の高齢者には、知識労働者が多く、高齢でも、まだまだ働ける人多いです。それに、貯蓄高も世界一という水準です。高齢者にも、働いていただき、さらに、お金がもっと市場に出まわるようになり、景気が上向き、しかし、日本の金融の健全性は確保するようにすれば、多く人の生活水準をあげるということで、まだまだ、成長可能だと思います。公共工事は、悪者という意識が定着した日本で、20年前よりも公共工事が減少していて、これが、不況の大きな原因にもなっています。先進国中では、最低の水準にまで落ち込んでいます。

過去にこのような異常ずくめの、 日本でしたが、中国と比較すれば、打てる手はいくらでもあります。もはゃどん詰まりと言っても良いような中国とは全く異なるわけです。日本が今あたかも、お先真っ暗のように見えるには、政権を担当しているのが、稀代の出来の悪い、バカ政党民主党であること、それに、反日マスコミが、ことあるごとに、駄目日本を演出するからです、この演出なども、本当に稚拙ですぐに見破られるようなことばかりで、最近では、本当に辟易としてきます。このことに関しては、以前のブログにも掲載しました。中国、韓国が素晴らしいというのなら、マスコミと民主党はこぞって、中国や韓国に移住すべきと思います。

まあ、先行きは、中国のように不安定で、お先真っ暗などということはないでしょう。日本国内でも、お先真っ暗なのは、民主党やマスコミであり、その他大多数の国民にとっては、将来はとても明るいです。中国では、今の官僚は、革命やその他内乱のようなことが、い連れ起こって、今の地位など保全できないでしょう。いずれにしても、政治的にも、経済的にも、社会的にもお先真っ暗です。中国の官僚など、この事実を知っているのだと思います。だから、以前このブロク゛にも掲載したように、以下のようなことが起こるだと思います。
中国商務部が先日発表した調査報告によると、ここ30年来、中国から逃亡した官吏の人数はおよそ4千人で、約500数億ドルを持ち逃げしたという。これらの逃亡官吏の大多数は権力があり、金もありのナンバーワンまたは銀行で働いていた官吏である。彼らの中には、国有企業の理事長や社長、銀行支店の頭取、支店の主任、共産党の副市長、庁長、甚だしきに至っては部長級の官吏さえもいた。
上の4千人というのは、あくまで、中国政府が発表したものですが、実体は、2倍、3倍と見ても良いと思います。将来性のある国の官僚がこのようなことをするでしょうか?中国人は、今がつかの間の良い時代なのですから、今を存分に楽しむと良いと思います。まあ、上の官僚のように、政府の金を持ち逃げするのは、良くないですが、自分でお金を貯めた人は、いずれ、自分や、自分の子孫が海外に移住できるように、今から準備を怠るべきではないと思います。そうして、海外に行ってその社会に溶け込めるように、今から、先進国の社会一般通念や社会常識を身につけておくべきと思います。そうでなければ、受け入れ拒否をされるようになると思います。


【関連記事】

中国が直面する最大の問題、腐敗でも貧富の格差でもなく「水不足」―米誌―【私の論評】中国の最大の敵は、ロシアでも、アメリカでも日本でもなく、中国共産党中央政府だ!!

米国人の中国経済への理解に4つの誤り―米誌―【私の論評】日本人も勘違い!!震災直前に日本に多数来ていた中国の富裕層は、あなたよりも、年収が少なかったかもしれない?
急速に“老いる”中国=青少年人口の急減は未来のリスクに―ユニセフ―【私の論評】日本は、世界一の大国?!!

【日経ビジネス】中国の高度成長は始まったばかりだ―【私の論評】はびこる日本国内での中国幻想?


中国巨大な壁にぶちあたる【China Hits A Great Wall】―この記事の内容は、このブログでも再三掲載したことであり驚くには値しない!!


「小日本」の大と「大中国」の小―中国のGDPの意味合いは、先進国のそれとは全く異なりすぎる!?


四千人幹部の逃亡にみる中国のベルリン壁崩壊の兆し―この中国の乱れ具合を日本と比較してみよう!!

1 件のコメント:

kinya さんのコメント...

yutakarlsonさま
中国の高齢化市場に関してのblogの坂梨です。ブログへのコメントありがとうございました。yutakarlsonさまの論評大変勉強になりました。今後とも中国の高齢化市場に関してのblogの応援お願いします。坂梨

特報 米国司法省 IR疑惑で500ドットコムと前CEOを起訴 どうなる岩屋外務大臣―【私の論評】岩屋外務大臣の賄賂疑惑が日本に与える影響と重要性が増した企業の自立したリスク管理

特報 米国司法省 IR疑惑で500ドットコムと前CEOを起訴 どうなる岩屋外務大臣 渡邉哲也(作家・経済評論家) まとめ 米国司法省は500ドットコムと元CEOを起訴し、両者が有罪答弁を行い司法取引を結んだ。 日本側では5名が資金を受け取ったが、立件されたのは秋本司被告のみで、他...