小型ヨットで太平洋横断中に遭難し、救助されたニュースキャスターの辛坊治郎氏(57)がさまざまな意味で注目の的だ。辛坊氏らを助けるため、大がかりな救出が行われたことにインターネット上で「税金の無駄遣い」と批判が収まらない。その一方で、救出直後の謝罪会見を評価する声は高く、危機管理の専門家は「下手な言い訳もせずに謝罪を尽くした。90点のでき」と指摘する。
この姿勢を、田中氏は「言い訳しなかった点がまず評価できる。救助する側の大変さを具体的に説明し、感謝を示したことで、今回の問題をきちんと認識できていることが聞き手に伝わった」と分析する。
・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・
ただ、100点にならないのは「救出に際して税金が使われたことに対する批判への対応。あの場で、なにがしかの形で返すと明言していれば満点だった」という。
日本のパフォーマンス学の第一人者で日大教授の佐藤綾子氏も「土下座したり泣き崩れたりといったオーバーアクションや、わざとらしい演出がなかった。互いに示し合わせてやり過ごそうとする作為的な姿勢もなく素直な様子が伝わった。心の底から謝罪している感じが出ていた」とみる。
思わぬ論議を呼んだ辛坊氏の“太平洋漂流記”。今後のキャリアを左右する冒険になったのは間違いないようだ。
【私の論評】非難はしないが、今度似たような企画をするときは、エベレスト登頂の三浦雄一郎さんを見習うべき(゚д゚)!
このニュースそのものは、若干古いのですが、いろいろ考えるところがあって、掲載することにしました。
小型ヨットで太平洋横断中、海上で遭難したニュースキャスター辛坊治郎さん(57)と全盲のセーラー岩本光弘さん(46)。11時間後に救助された辛坊さんは「この国の国民でよかった」と声を詰まらせ、日本中がホッと胸をなで下ろしたのでが、一夜明けた22日から意外な声が上がり始めていいます。 まずは、ネット上でいろいろ炎上したようです。このこともあってか辛坊氏は、自らの公式ブログを削除ました。
今回の救助には航空機の燃料代など巨額の費用がかかったのですが、海自によると、災害派遣要請を受けて自衛隊法にのっとった出動だったため、辛坊さんらが費用を負担する必要はないといいます。こうした報道が流れた途端、ネット上では異論が噴出しました。
「自己責任論者の辛坊さんは当然、国に全額返納するよね?」 「もう税金のムダを批判できないんじゃないか」といった声や、「辛坊さんはたくさん税金を納めている」「それが税金の対価、福祉ってもんだ」といった議論が盛んに交わされているのです。
また、本日の25日の自民党国防部会では、辛坊さんの行動を批判する意見が相次ぎました。中山泰秀部会長は「東日本大震災(の津波)で流し出された人を救出するなら納税者も納得すると思うが、本当に深謀遠慮に足りる計画があったのか」と無謀さを指摘。辛坊さんを部会に呼んで事情を聴くことも検討する考えを示しました。
部会に出席した防衛省の黒江哲郎運用企画局長は、救出費用を当事者に請求しない根拠を問われ、「災害派遣は自衛隊の任務であり、任務遂行のために認められた予算の範囲内で対応した」と説明しました。
辛坊さんは「正直、今後どのツラ下げてという思いはする。自らを省みる時間がいるだろう」と休業を示唆するコメントをしています。実際、完全復帰には時間がかかりそうです。
辛抱さんのケースとは全く異なるので比較の対象にはならないとは思うのですが、非難が殺到したため自殺してしまった人も本日いました。
それは、病院で番号で呼ばれたことに腹をたてた、岩手県会議員の小泉光男氏(56)(写真下)です。まずは、小泉議員の冥福をお祈りさせていただきます。この方は、本日、同県一戸町の大志田ダム付近で死亡しているのが発見されました。毎日新聞などが報県警二戸署は自殺の可能性を視野に入れて捜査しています。
このニュースの詳細は、以下のURLを御覧ください。
この方は、きっと普段から居丈高な態度をとることもあっと思いますが、内心は臆病で、本当は弱い人だったのだと思います。それに、辛坊氏などとは違い、何やら過ちを犯したにしても、適切な対応がとれない人だったのだと思います。だからこそ、普段から強ぶっていたのだと思います。気の毒といえば、気の毒です。こんなことにならないためにも、すぐにブログを炎上させるような執拗な、攻撃はするべきでないと思います。あくまで、非難の範囲内にすべきと思います。
それにしても、辛坊氏もこの気の弱い県会議員も、自分の立場というものをあまりわきまえていなかったことには変わりはないと思います。
ある程度の社会的地位のある人とか、有名人の場合は、いつも自分の発言に責任を持つという姿勢で発言をしなければなりません。その点、辛坊氏はある程度対応ができていて、この種の問題を扱う専門家からみても、できは90点ということで、まあ及第点であるのでしょう。ただ平謝り謝るということで、言い訳じみたことは一言も発していません。
しかし、この種の人は、やはりいつも自分の行動には責任を持つという姿勢で行動しなければならないと思います。この点では、残念ながら辛坊氏も及第点ではなかったと思います。おそらく、気の弱い県議会議員も、辛抱さんも、社会的地位があまりないとか、有名でない普通の一般人であれば、ここまで非難されることはなかったと思います。
三浦氏のエベレスト登頂をサポートした女性医師 |
これについては以下の記事を御覧ください。
三浦 雄一郎さんの偉業達成の背景に女性医師の存在がありました。
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、エベレス登山には、このような女性医師の支援もありましたし、三浦さん自身も、登頂後に感謝の意を評していましたが、熟練したシェルパの人たちも複数道案内として同行しましたし、それにその他日本からの隊員もいる大部隊で、登頂しています。計画的に登頂しており無理はしないし、三浦さんの体調が許さなければ、登頂を断念した可能性だって多いにありました。だから、80歳で登頂とはいっても、無謀なことではありませんでした。遭難しそうになれば、登頂は諦めたでしょうし、最悪怪我をしたり、不吉なことをいうようですが、亡くなったにしても、どうにかできるようにして、登頂していました。だから、誰も無謀だなどという人はいませんでした。
エベレスト登頂中の三浦雄一郎氏(右端) |
本来ならば、このようなプロジェクトするというのなら、たとえば、万一の場合に備えて、ブロジェクトの船が近くを伴走するなどのことをしていれぱ、このような大事には至らずにすんだと思います。もし、そのような備えをしていれば、結果として遭難してもあまり非難はなかったと思います。
辛抱さんを救出した飛行艇はかなりの優れもので、このブログにも以前掲載したことがあります。そのURLを以下に掲載します。
海自飛行艇 印へ輸出 中国牽制、政府手続き着手―【私の論評】安全保障のダイヤモンドへの地固めは着実に進んでいる!!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この飛行艇かなり優れもので、3メートルの高波があっても、着水できます。そうして、インドにも輸出され安倍総理の安全保障のダィャモンドにも寄与しています。
こんな素晴らしい飛行艇がなければ、辛抱さん今頃多くの人の非難を受けることもできなかったかもしれません。批判を受けるということは、生きている証拠です。生きていれば、いくらでもやり直しはできます。しばらく休養しても、また戻って活躍していただきたいものです。
今度、何かこのようなブロジェクトを実行しないなど言わないで、挑戦していただきたいと思います。ただし、挑戦する時には、三浦雄一郎さんのように、きちんと準備をして臨むべきことはいうまでもありません。
それにしても、最近もこのブログで掲載したのですが、民主党の幹部の方々は、まるで反省がありません。非難されても、何も感じていないようです。これしゃどうにもなりません。政治家である前に一般社会人の素養をみにつけるべきです。
そうして、結論としては、何か大掛かりなプロジェクトを実行するときには、三浦雄一郎さんのように周到に準備してやれば、たとえ失敗しても、誰も非難はしないということです。これは、特に社会的地位の高い人や、有名人にあてはまることですが、そうではない一般人であっても、程度の差があるだけであって同じことと思います。私はそう思います。皆さんは、どう思われますか?
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