読売新聞
2012年11月6日 前回の衆院解散 |
安倍首相が、来年10月に予定されている消費税率10%への引き上げを先送りする場合、今国会で衆院解散・総選挙に踏み切る方向で検討していることが8日、分かった。
17日に発表される7~9月期の国内総生産(GDP)などの経済指標を踏まえて増税の可否を決め、解散についても最終判断する方向だ。首相は、こうした考えを公明党幹部に伝えたとみられる。年内に解散する場合、衆院選は「12月2日公示・14日投開票」か「9日公示・21日投開票」とする案が有力だ。
複数の政府・与党幹部が明らかにした。首相側近議員は8日、「選挙の争点はアベノミクスへの評価だ」と語った。
消費税は、2012年8月に成立した社会保障・税一体改革関連法で、〈1〉14年4月に8%〈2〉15年10月に10%――とすることが決まっている。経済情勢が悪い場合、増税を見送ることはできるが、法改正が必要だ。
【私の論評】安倍総理は国内では「解散」風を吹かせつつ海外メディアを活用して増税見送り機運を醸成し、長期政権を目指すことになるだろう(゚д゚)!
解散は、十分あり得る話になってきました。
7日の、読売新聞には、以下のような記事も掲載されています。
<永田町>解散風にざわつく 想定3シナリオ
詳細は、この記事をご覧いたたくものとして、今後の政治日程と「早期解散」シナリオをまとめた、表を以下に掲載します。
早けれは、年内にも衆院解散ということもあり得る状況になってきました。
私は、これらのどのシナリオになるのかはわかりませんが、いずれにせよ、衆院解散は十分あり得ることであると判断しています。
その論拠として、昨年の8%増税のときの直前の新聞の報道姿勢を掲載します。
消費税増税決定と報道したマスコミの梯子を華麗に外す菅官房長官―【私の論評】外国勢に嫌われようと、増税派に嫌われようと、安倍総理はまた優雅に梯子を外せ(゚д゚)!
結局昨年は、マスコミの梯子を華麗外すことはできなかったが、今年は・・・・・? |
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、昨年はほぼすべての新聞が、安倍総理が増税の決断を公表する前から、さも安倍総理が増税を決断したかのように執拗に報道していました。これは、特に直前が酷かったです。
これは、無論財務省の必死の増税キャンペーンによるものであったと考えられます。それにしても、とんでもない状況でした。政治家もほとんどの人が増税一辺倒であり、反増税派の人々も、安倍総理増税決断の直前には、自民党内でも増税派に寝返ってしまった人々も多数でてしまいました。
これでは、安倍総理も本来は増税は国民にとっても、政府にとっても、そうして特に安倍政権にとっても、良くないことであることは重々承知ながらも、安倍長期政権を目指すためには、増税もやむ無しという判断をせざるをえなかったでしょう。
しかし、今年は違います。かなり増税派の勢いが強いようではありますが、首相が増税をパスして解散するかもしれないという記事をブログ冒頭の読売の記事のように、新聞各社が掲載しています。
消費税にらみ「解散いつ?」 増税延期し年内/実施前の来夏 朝日新聞
再増税延期はマーケットの朗報か 日経新聞詳細は、これらの記事をご覧いただくものとして、読売新聞、朝日新聞、日経新聞とも、昨年は「首相増税」決断と、首相の増税表明前から、報道していたのとは全くの様変わりです。
安倍総理昨年は、政権が成立したばかりなので、「解散」を言い出すことはできませんでしたが、今年は、できます。特に、支持率が落ちている現在は言い出しやすい環境が整っています。増税に大賛成の新聞も、まさか「解散」に関わることに関して、報道しないわけにはいきません。
しかも、その「解散」が増税見送り解散ということにでもなれば、安倍総理が増税見送りをするかもしれないということについて、全く報道しないわけにはいきません。
これは、安倍総理の意図して、意識した戦略によって、「解散」をちらつかせていることは明らかだと思います。
また、安倍総理はこと増税に関しての自らの見解は、日本のマスコミにはほとんど言わず、海外のメディアを利用するように方針を変えています。実際に海外のメディアにより、安倍総理の増税に関する報道がなされるようになりました。このブログにも、それに関する記事を掲載していますので、その記事URLを以下に掲載します。
消費再増税、アベノミクス成功のため冷静に判断=安倍首相―【私の論評】安倍総理は、長期政権樹立のため増税パスの政治的な賭けを実行する可能性が高まってきた!しかし、日本のマスコミはこれをスクープできないだろう(・・;)この記事の元記事はロイターによるものです。
安倍首相が消費増税の延期示唆、経済への影響踏まえ判断=FT―【私の論評】安倍総理は、外国の新聞社には増税見送りの示唆をするが、殺人マシーンと化した財務省に諜略された日経・朝日新聞をはじめとする大手新聞にはそのようなことはしない。しかし、本当にそんな事で良いのだろうか(゚д゚)!この記事の元記事は、イギリスフィナンシャル・タイムズによる安部首相へのインタビューをロイターが転載したものです。
焦点:首相周辺で消費増税延期が優勢、景気腰折れ懸念―【私の論評】恥ずかしくはないかい!日本のマスコミ、政治家、官僚、左翼、似非識者諸君!安倍総理に愛想づかしをされ、本音で話すのは外国のメディアのみになってしまったことを(゚д゚)!
ロイター本社 |
このように外国のメディアなどに増税のことに関して、話をしたり情報を提供するということは理にかなっています。安倍総理から見れば、もともと日本のマスコミはどこかネジがずれているのですが、昨年の安倍総理が決断もしていないうちから、何度も執拗に「安倍総理増税決断」と報道されたので、日本のメディア信用ならないということもありますが、日本のメディアは相手にしないという方針を固めたのだと思います。
考えてみると、安倍総理の「安全保障のダイヤモンド構想」についても、マスコミはほとんど報道しませんでした。しかし、安倍総理は日本国内ではほとんどこれを議論せずに、直接外国の首脳に会うことにより、これを推進して大きく前進しました。
これについては、このブログにも以前掲載しましたので、その記事のURLを以下に掲載します。
安倍首相の「安保ダイヤモンド構想」、対中抑止へ完成間近-【私の論評】鳩山の構想は報道しても、安部総理の構想は一切報道しない日本のマスコミの存在意義を問う(゚д゚)!
安倍晋三首相とインドのモディ首相 |
しかし、考えてみると、マスコミが安倍総理の『安全保障のダイヤモンド』をほとんど報道しなかったおかげで、これは見事に早期に完成間近までもっていけたのだと思います。
もし、これが日本のマスコミが大報道して、それを糾弾したり、安倍総理が国内で論議をしてコンセンサスを得てから、実行に移すなどのことをしていたとしたら、100年たっても何も進まなかったかもしれません。
しかし、安倍総理自身がこれを直接外国首脳を対象に推進したため、今日大きな成果につながっています。
増税に関しても、日本国内で自らが語っても、報道もされないどころか、印象操作をされて、昨年の新聞各社による「首相増税決断」などと報道されてしまいかねません。
であれば、「安全保障のダイヤモンド」で自らが直接外国の首脳に働きかけたように、日本のメディアなどはスルーして、外国のメディアに働きかけるというように方針を変えたのだと思います。
増税は、安全保障の問題とはまた異なり、国内事情がほとんどですが、だからこそ「解散」風を吹かせて、増税見送りの意図を日本のメディアに拡散させ、外国メディアを活用して、自らの意図を間接的にではあれ、正確に日本国内にも知らしめるという戦略をとっているのだと思います。
消費税増税をしても、税収は増えません。税収が増えないと、財政再建も、その他の政策にも支障をきたします。結局、消費が低迷して、税収の源泉である国民所得が減るからです。こんなことは、過去15年以上も続いたデフレで、見事に示されていることです。
安倍総理自身は、そのことを良く理解しています。もし増税すれば、安倍長期政権は期待できなくなります。安倍総理の天秤では、昨年は、増税見送りリスクのほうが、重かったのですが、現在は、増税見送りリクスと増税実行リスクが拮抗しています。
さあ、どうでるのか。年末には答えがでます。
そうして、私自身は、今回は安倍総理は、解散しても増税はパスすると思います。なぜなら、追加金融緩和を実行した現在、増税を実行してしまえば、経済はまた悪化して、安倍政権の支持率は地に堕ちて、安倍おろしの嵐が吹き荒れることになります。その時に、解散総選挙などすれば、それこそ、麻生政権の二の舞を舞うことになるだけだからです。
第一次安倍政権で、失敗した安倍総理です、その二の轍を踏むとは、私にはにわかには信じがたいからです。
皆さんは、どう思われますか?
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