獣医学部新設をめぐって安倍総理が不公平に友人の加計理事長が運営する加計学園をひいきしたのではないかと疑われている件について、ついに確からしい真実が明らかになった。
結論を言えば「安倍総理がひいきを指示した」という事実はない。伝言ゲームで話が膨らんだだけだった。
netgeek編集部では錯綜する情報をまとめ、できるだけ分かりやすく時系列で総括してみた。
(1)安倍総理の指揮の下、内閣府が戦略特区構想を進める。ただし獣医学部新設は文部科学省の管轄。
(2)内閣府は文部科学省から出向してきた課長補佐の牧野美穂氏(33)を含めて戦略特区プロジェクトを進めることに。
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牧野美穂氏 |
(3)牧野美穂氏は内閣府で打ち合わせを重ねる中で、文部科学省の上司報告用として次のメモを残した。
(5)実は文部科学省では前川喜平事務次官が利権のために獣医学部新設に反対していた。これまで私大を優遇して天下り先を確保してきたのでズブズブの関係を終わらせたくない。天下り先がなくなると自分の責任になる。
(6)牧野美穂氏が上司から「内閣府の言いなりになるな!お前は文部科学省の人間なんだからうちの方針に従ってやれ!」と怒られる。牧野美穂氏は「でも向こうは総理の権力を悪用して無理やりプロジェクトを進めようとしているんです。卑怯ですよ…」と愚痴を漏らす。
(7)安倍総理は卑怯なことをしていると省内で話が広まり、前川喜平事務次官は証拠文書をGET。玉木雄一郎議員にリーク文書を送りつける。
(8)そこには「総理のご意向で加計学園の獣医学部新設が決まった」という事実無根の情報が書かれていた。伝言ゲームで話が膨らんだのだ。担当者なら分かる文書の解釈も読み間違えてしまった。
(8)ここぞとばかりに張り切る民進党に対し、安倍総理と内閣府は当然ながら疑惑を否定する。内閣府の聞き取り調査でもみんなが「そんな事実はない」「そんな文書は見たことがない」と寝耳に水の状態。
(9)内閣府はメールを調べるも流出した文書は見つからない。おかしい…捏造されたものか?
(10)「総理のご意向」と書かれた文書は文部科学省の牧野美穂氏が上司報告用としてPCの個人フォルダに保存していた「メモ」レベルのものだった。だから内閣府の正式な書類と書式やフォントが違ったのだ。
(11)知らぬ間に渦中の人物になってしまった牧野美穂氏は良心の呵責と上司からのプレッシャーの板挟みになりながら苦し紛れに証言する。どうしよう…もう記憶がないで誤魔化すしかない…。
記憶曖昧、全容解明はほど遠く 文書作成者「発言真意は不明
調査対象となった19文書のうち14文書が確認されたが、大半を作成したとみられる職員の記憶は曖昧で、全容解明にはほど遠い結果となった。(中略)
作成したとされる文科省の担当課長補佐は前回調査で「記憶がない」と答えたが、今回は消極的に認めた。ただ、「発言の真意はわからない」とし、あくまで自らの受け止めとの認識を示した。(中略)
調査に対して「当時作ったメモだろう」「ただし発言者の真意は分からない」と答えるにとどまったという。
http://www.sankei.com/life/news/170615/lif1706150062-n1.html
(12)文部科学省と民進党、マスコミは自分たちの間違いに気づいたものの引くに引けない状態。
※以上のまとめは現時点で判明した事実関係から推察した流れ。ところどころ違う恐れもあるが、大まかなポイントは合っているはずだ。
ということで安倍総理は完全に白。悲惨なのはまんまと怪文書に乗ってしまった民進党だ。玉木雄一郎議員ら3人が獣医師連盟からそれぞれ100万円の献金を受け取っていたことが明らかになり、国民の信頼を失うことになった。
なにより決定的なのは牧野美穂氏が作成した文書であろう。
「これは総理のご意向」の「これ」というのは「最短距離の規制改革」を指しているのであり、間違っても「(獣医学部の)設置」を指しているのではない。仮に誤解したとしても次の赤線部分の「総理からの指示に見えるのではないか」の部分で誤解が解けるはずだ。裏を返せば「総理からの指示ではない」ということなのだから。
もともと既得権益を潰されることをよく思っていなかった文部科学省は安倍総理に対する敵対心から被害妄想を膨らませ、さらにそこに伝言ゲームが加わって大きな誤解がマスコミで報道されることになった。
以上が今回の騒動の真実だろう。
もともと既得権益を潰されることをよく思っていなかった文部科学省は安倍総理に対する敵対心から被害妄想を膨らませ、さらにそこに伝言ゲームが加わって大きな誤解がマスコミで報道されることになった。
以上が今回の騒動の真実だろう。
ここで加戸守行前知事の証言「民進党とマスコミは間違いだらけ」を読み返せば綺麗に整合性がとれる。
参考:「民進党とマスコミの推測は間違いだらけ」 獣医学部誘致の最重要キーマンがついに証言
加戸守行前知事は「第1次安倍内閣のときにも獣医学部新設を打診していたが、全く相手にされなかった。もし安倍総理が友人の加計理事長を優遇するのならあのときに決まっていたはず」と説得力のある話を語る。
さらに加計学園が選ばれた理由については「他校に比べて教育理念が正しく、提案の内容が素晴らしかったから」と解釈し、自分でも納得する結果だと証言した。
大いに騒ぎ立てておいて「ただの勘違いでした」では済まされない。今回の騒動、問題行動を起こした人はきちんと責任をとってほしい。
【私の論評】マスコミがゾンビ化したことを象徴した出来事(゚д゚)!
そもそも加計問題とやらで、何がどう悪いのか、短く的確に説明できる人が皆無であったことを考えると、真相は、概ね上のようなものだと考えられます。
このブログで、何度かこの問題について掲載しましたが、結論は、発信番号、発信者、宛先、発信日時など、公文書としての体裁をなしていないメモ書きのような文書をもとに、疑惑を追求しようというのなら、そのメモ書きプラス何らかの別の明確な証拠が必要であるというものでした。
このような、メモ書きのようなものでは、当然のことながら、作成者の憶測含まれるものと、考えるべきでしょう。その点、公文書であれば、主には誰か、いつ、どこで、何を、どのように行ったかなどの、客観的事実が掲載されているのが常です。
やはり、その結論は正しかったということです。そもそも、この程度のメモ書き程度のもので、取締役会などで、代表取締役の不正を追求して、それで辞任に追い込むことができるなら、普通の会社でも、代表取締役はおろか、取締役、一般従業員の誰でも辞任に追い込むことができます。そんな非常識なことが最初から成り立つはずもありません。
そうして、これは、一般社会常識の範囲内のことです。この問題を追求した、野党民進党の議員や新聞社などは、このような一般社会常識に欠けていたということです。
課長補佐の牧野美穂氏(33) |
民進党議員の中には、まともな文書管理がなされていないような環境でしか仕事をしたことのない人もいるかもしれません。そういう人は別にして、新聞社は法律上も大企業ですから、文書管理もまともにできていないような企業であれば、上場を廃止される可能性もあります。
であれば、新聞社に入ってすぐに、文書の取扱など徹底的に仕込まれるはずです。そういうことから考えると、もともと文書自体、それもメモ書き程度のものが違法でもなんでもないのですが、この事実は重いです。要するに朝日新聞と毎日新聞がろくに調べずウソ八百を流したということになります。これらの新聞社の罪は大きいです。
テレビの報道番組はもはやホラー化 |
野党やマスコミは同問題について、いまだに真相が明らかになっていないといっているようですが、私には、内閣府と文科省の課長レベルの議論で勝負がついた後に、文科省が言い訳を言っているだけにすぎないものであったわけです。
課長レベル交渉で決着がついている以上、「総理の意向」が働くことなどありえず、文科省の文書にある「総理の意向」という文言については、文科省側のでっち上げ・口実以外の何ものでありません。
この問題は、ブログ冒頭のネットギーク記事のように、時系列を参照すれば、最初から何も問題はなかったことがあまりにもはっきりしすぎています。
以下に時系列を整理した表を掲載します。
その後に「総理の意向」という例の文科省文書が出てきているのですが、すでに決着がついた問題に「総理の意向」が働くことなどありえません。獣医学部の新設で事態は動いていたものの、獣医系の団体から「新設は1校」と政治的働きがあったため、そこで以前から申請していた加計学園の一校に決まり、京産大は次回に認可される期待をもって辞退した、という簡単な話です。
この時系列の表と、以前このブログに掲載した。国家戦略特区ワーキング議事録、閣議決定の文書を分析すれば、これはかなり明確になります。
①2015年6月8日国家戦略特区ワーキンググループ議事録(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/hearing_s/150608_gijiyoushi_02.pdf)
②2015年6月29日閣議決定(文科省部分、http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu22/siryo/__icsFiles/afieldfile/2015/09/02/1361479_14.pdf)
③2016年9月16日国家戦略特区ワーキンググループ議事録(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/h28/shouchou/160916_gijiyoushi_2.pdf)
加計問題の本質は、これら3つの文書を読めばすぐに理解できてしまいます。
②の閣議決定では、要求されている獣医学部新設の需要見通しについて、許認可をもち需要見通しの挙証責任がある文科省が、まったくその役割を果たせていないことが分かります。しかも、②では、2015年度内(2016年3月までに)に獣医学部の新設の是非について検討するという期限が切られているのですが、それすら文科省は守れていないことがわかります。
これでは、文科省の完敗です。加計問題に係る規制緩和の議論は、課長レベルの事務交渉で決着がついてしまっていたののです。総理の参加する諮問会議の前にこれだけ完膚なきまでに文部省は負けてしまい、さらにはその無能ぶりまでさらけ出してしまってるのです。この問題のいずれかの過程で「総理の意向」が出てくる余地はまったくありません。
要するに、時系列とこれらの文書を参照すれば、そもそも「獣医学部新設」に関して「総理のご意向」などあり得なかったことは、牧野美穂氏の文書などとは関係なく、あり得なかったことが誰にでも最初から理解できます。
ちなみに、週刊文春ではAさんとなっていますが、公表されている議事録では該当部分の発言者は牧野美穂という文科省課長補佐。なら、実名でも良いと思います。
日本のマスコミはすでにゾンビ化 |
結局のところ、新聞もマスコミもそうして野党民進党などもこの文書を読みもせずに、馬鹿なことを繰り返したということです。
そんな当たり前のことが出来ないほどに、マスコミの質が落ちていることに民主主義の危機を感じてしまうのは私だけでしょうか。もう、日本のマスコミはゾンビ化してしまったようです。
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