写真はブログ管理人が挿入 以下同じ |
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国政での「小池新党」なるものが旗揚げされた。小池氏が1人で臨んだ記者会見(25日)は、顔の横にプラカードを掲げて話すやり方から、キャッチフレーズの空疎なところまで、すべてが昨年夏の都知事選出馬時のデジャブであった。
ただ1点、前回と異なるのは、小池氏の周りに、大義はおろか義理さえも忘れたかのような議員や議員くずれの諸氏が集まっていることだ。だが、記者会見に彼らの姿はなく、今回も「小池劇場」の幕開けは一人芝居であった。
キャッチフレーズとして「希望の政治、希望の経済…」など、「希望」を連呼していたが、その中身は具体的に語らない。「日本には希望がない」といい、それがあたかも「官僚」や「国」のせいのようにいう。「悪い既得権者がいる→そのしがらみを壊すため闘う私」というシナリオだ。
景気浮揚の起爆剤となるはずだった2020年東京五輪の準備・工事を遅滞させることで、東京の「希望」を消失させている張本人による、この芝居は、もはやブラックジョークだ。それでも、またダマされる有権者は全国で相当数出るだろう。
政治家にパフォーマンスは付き物とはいえ、小池氏は度を超えている。だが、多くの有権者がそれに気づかない。この成功を支えている鍵は、メディア、特にテレビとの共犯関係にある。
1つ例を上げよう。
昨年10月25日、新聞各紙に「東京五輪 3会場『400億円圧縮可能』…都が試算」(毎日新聞)などと記事が載った。
水泳、バレー、ボート・カヌーの3会場を見直すと豪語した小池氏が、他の自治体を巻き込んで大騒ぎした揚げ句、元の鞘に収まったことは多くの方がご記憶だろう。ただ、工事内容を見直して400億円も削減したと、小池氏の「成果」が報道されていた。
だが、今年になって自民党の川松真一朗都議が6月5日の都議会文教委員会で、これは「予算の付け替えに過ぎない」と疑問を投げかけた。
顛末は、週刊新潮(6月22日号)に「『五輪400億削減はインチキ』に小池都知事が怒髪天 質問議員が語る」と報じられた。400億円削減の内訳は、予算の予備費200億円を減らし、残りの200億円は環境対策を目的とした都債を発行して賄うものだったというのだ。
同誌は、小池氏の「債権を出す、ということはすなわち借金、ということだけではございません。それをいかに活用してゆくか、このような発想が必要ではないかと考えております」という誤魔化しの答弁も紹介している。
小池都政はことごとく、この調子だ。
「立ち止まる」「見直す」とか言って、マスメディアを引きつけ、過去の行政や周囲の誰かを悪者にして騒ぐ。時がたって、皆が忘れたころになってこっそり元に戻す、あるいは騒ぎで空いた穴を埋めるのだが、そのことは決して発表しない。メディアも追わない。
「安全性に問題あり」として移転を延期した豊洲新市場が、実は安全だと後になって自ら口にし、まるで罪人扱いした石原慎太郎元都知事の「潔白」が明らかになっても素知らぬ顔だ。
こうした「小池手法」を国政でも通用させるのか。今まさに、日本の政治と、私たち有権者のレベルが測られる重大な場面を迎えている。
■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『リベラルの中国認識が日本を滅ぼす』(産経新聞出版)、『「小池劇場」が日本を滅ぼす』(幻冬舎)など多数。
【私の論評】有権者は民主党政権誕生のときのような熱狂を繰り返すのか(゚д゚)!
民進党は事実上、希望の党に合流する方向ですが、少なくとも10月22日投開票の衆院選終了までは、政党としての民進党は存続する見通しです。
その背景には、民進党所属の参院議員(49人)や多数の地方議員がいることに加え、民進、希望双方の選挙資金面の事情があります。
政党助成法は、政党交付金の交付を受けている政党が解散した場合、国庫へ返還しなければならないと規定。2009年8月結党の旧みんなの党が14年11月に解党した際には、保有していた政党交付金約12億円を返納しています。
民進に昨年1年間に交付された政党交付金は総額97億4388万円。もともと資金に不安がある希望の党はもちろん、民進党がすぐに解党すれば、希望公認で出馬する民進党候補の選挙資金もあてがなくなります。
このため、前原氏ら一部と参院議員らが当面残って民進党を形式的に存続させ、政党交付金は事実上、希望の党の選挙活動などにあてるとみられます。民進党が今、解党すれば何十億円も返さなければならなくなります。政党交付金を衆院選で活用した後で、正式に希望と合流すれば良いと考えているのでしょう。
小池氏はこの政党助成金を狙って、民進党との事実上の合流を決めたのです。民進党といえば、安倍政権を倒すために、安保法制反対、改憲反対を主張してきた政党です。
このような民進党と合流を決めた、小池氏自身は、安保法制賛成、改憲反対のバリバリの保守です。いわば水のと油のような関係の小池新党と民進党が合流するというのですから、政治信条などは関係なく、小池氏は政党助成金を求め、民進党は小池選挙互助会を求めて合流するということです。これは、偽善以外の何ものでもありません。
以下に前原氏の提案とみられる、文書を掲載します。
この文章からすると、民進党は事実上「希望の党」に合併されることになりそうです。そうして、政党助成金を確保するため、選挙後までは民進党を残すことを、前原氏も小池氏も了承していると考えられます。
民進党籍残したまま希望公認ということになると、民進党は蓮舫氏の二重国籍の次は全議員の二重党籍ということになります。これを多くの有権者はどう捉えるのでしょうか。
民進党前原代表 仙台にて27日 |
民進党の前原誠司代表が次期衆院選に、自身は無所属で出馬するとの意向を、周辺議員に伝えていることが分かったと報道されていますが、最初この報道を目にしたとき、意味が全くわからなかったのですが、上の事実を知ってやっと理解できました。
これだと、「緑の党」は旧民進党の全員を受け入れざるを得ないことになります。仮に、民進党の誰かを排除するということにでもなれば、かなり悶着がありそうです。ただし、前原氏が代表であるということから、前原氏が排除を受け入れれば、「希望の党」にとって、排除したい議員は排除しつつ、政党交付金も手に入るということになります。
現政権が実績が何もないというのなら、「希望の党」に「一度はやらせてみよう」というのも理解できますが、この20数年の歴代政権の中で最も良く経済を立て直し、安全保障や外交面でもきわめて高いレベルで努力した政権を、そもそも最初から何もなかった森友・加計問題でマスコミに煽られ、過去の悪夢を忘れて「新しいから一度はやらせよう」とまた同じことを有権者がしたとしたら、やがて日本は滅びことになることでしょう。
現政権が実績が何もないというのなら、「希望の党」に「一度はやらせてみよう」というのも理解できますが、この20数年の歴代政権の中で最も良く経済を立て直し、安全保障や外交面でもきわめて高いレベルで努力した政権を、そもそも最初から何もなかった森友・加計問題でマスコミに煽られ、過去の悪夢を忘れて「新しいから一度はやらせよう」とまた同じことを有権者がしたとしたら、やがて日本は滅びことになることでしょう。
今回は、過去の民主党政権が生まれたときのような熱狂を有権者が繰り返さないことを祈ります。私は、今回は有権者を信じたいです。
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