新型コロナウイルスのにおいを、犬が嗅ぎ分けられるかもしれない。犬には、乳がんや前立腺がんといった別の病気を嗅ぎ分けられる能力があるからだ。
フランス・コルシカ島では、消防士たちが新型ウイルスの嗅ぎ分け方を犬に教え込もうとしている。
ロックダウンが解除された後に、空港などで新型ウイルス感染者を特定するのに役立つかもしれないと期待されている。
この取り組みは、イギリスやアメリカなど複数の国で行われている大規模実験の一部だ。
提供元:https://www.bbc.com/japanese/video-52518774
【私の論評】犬の嗅覚に頼らなくても良い日本の底力(゚д゚)!
この試み、無謀なものとはいえません。なぜなら、このような事例はもうすでに存在するからです。
英国の研究チームは、2018年10月29日、犬を訓練してマラリアに感染した患者を見つけ出す実験に成功したと発表しました。犬に靴下の臭いをかがせるだけで、その人がマラリアに感染しているかどうかを診断できるといいます。
マラリア探知犬 |
一部のがんや糖尿病の臭いをかぎ分ける探知犬の訓練は既に行われています。英ダラム大学などの研究チームは、マラリア原虫に感染している患者が特徴的な臭いを発することに着目。医療用探知犬の推進団体と協力して、2頭の犬にマラリアの原虫をかぎ分けさせる訓練を実施しました。
研究チームは、アフリカのガンビアで5~13歳の子ども600人に提供した靴下を回収し、その靴下を使って英国で4カ月かけて犬を訓練しました。使用したのは回収した靴下のうち175足で、30足はマラリアに感染した子どもの靴下、145足は感染していない子どもの靴下でした。
訓練の結果、レトリバー犬の「レクシー」と「サリー」は靴下の臭いを嗅ぐだけで、マラリアに感染した子どもの70%、感染していない子どもの90%を正確に検知できるようになりました。
今回の研究により、犬を使ってマラリアを発見できる可能性があることが分かったと研究チームは解説しました。
ただしこの研究はまだ初期の実験段階にあり、実用化する前にほかの国のサンプルも試す必要があるとしました。
世界保健機関(WHO)によると、2016年のマラリア患者は世界で2億1600万人と推定され、うち44万5000人が死亡している。治療は可能だが、予防のためのワクチンは存在しません。
もしも発症前の患者を発見できれば、特にマラリアを根絶した国では、他国から持ち込まれるマラリア感染の拡大を防止でき、早期の治療を受ける助けにもなると研究チームは説明しました。
ここで、もう一つ心配なのは、犬は中国ウイルスに感染するかどうかという問題です。犬が中国ウイルスに感染し、さら感染した犬から人に感染するというのであれば、これは問題です。
結論からいうと、新型コロナウイルスが人から一部の動物にうつる可能性があることがわかったのですが、現時点では、動物から人間に感染する証拠は見つかっていません。さらなる研究が求められるところです。当面は、ペットについても人間と同様の予防措置を講ずるにこしたことはないです。
メイン州の獣医診断研究所が最近行った研究で、数千匹のイヌとネコから採取した試料を検査した結果、感染は一例も見つかりませんでした。また、中国ウイルスがネコ同士でうつるかを調べた小規模な実験では、実際に感染しうることがわかったと初期のレポートで述べられているものの、ネコがこの病気を人間に広める媒介となることは示されていません。
犬に関しても、犬同士で感染するとか、中国ウイルスを人間に広める媒介となることは示されてないようです。
であれば、犬の嗅覚を中国ウイルス発見に利用できる見込みはあるわけで、実際そうなれば、かなり有用です。
以前にもこのブログに掲載したように、日本ではCTの普及率が世界一であり、これが中国ウイルス感染発見の救世主となっている可能性かあります。他国では、CTといえば、それぞれの地区の拠点病院等にしか設置していないのが普通ですが、日本だと診療所レベルの医療施設にも設置されるのが珍しくありません。
無論、中国ウイルスに感染していることを断定することはできませんが、その可能性を素早く確認できるというのが、素晴らしいです。ご存知のように、これは癌などの病気の早期発見にも相当役立っています。
日本では、PCR検査を万能とみるむきも多いですが、以前このブログにも示したように、誤判断の確率はだいたい3~5割です。簡易検査だとこれをさらに上回ります。であれば、現時点でも、PCR検査は現状のように限定的でも良いのではないかと思います。
日本ではCTが他国に比較してかなり普及している |
そのかわり、CT検査等を実施し肺炎などの症状がない場合は、自宅待機やホテル滞在などとして、肺炎が深刻なレベルに達していれば、入院治療とPCR検査を実行するというので良いと思います。実際現場ではそのように対処しているものと思います。
イギリスなどの他国では、CTが普及しておらず、犬の嗅覚にも頼らざるを得ないところがありますが、日本では、CTがかなり普及しているわけですから、この資産を最大限に活用すべきです。
私自身は、犬が大好きで、犬が中国ウイルス感染者の発見に活躍すること自体は、大歓迎なのですが、残念ながら日本では、CTがかなり普及していることから、犬たちの出番はないのでないかと思っています。ただし、空港や港などの水際などでは、CTを使うということはできないので、有効だと思います。
特に他国からの入国制限が、なくなったときに、水際での発見に威力を発揮することが考えられます。その意味では、犬の臭覚利用も、日本でも検討すべきと思います。
特に他国からの入国制限が、なくなったときに、水際での発見に威力を発揮することが考えられます。その意味では、犬の臭覚利用も、日本でも検討すべきと思います。
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