2026年2月7日土曜日

2025年10〜12月期GDPはプラス──高市政権誕生で企業が踏みとどまった理由と、日本経済の分岐点


まとめ
  • 2025年10〜12月期GDPがプラスとなった要因は消費ではなく、企業が投資を止めなかったことにある。一時的な需要ではなく、将来を見据えた判断が数字に表れた。
  • 第二に、企業が踏みとどまった背景には、高市政権誕生による「最悪の政策転換は起きない」という政治的シグナルがあった。楽観ではなく、不確実性が一段下がった結果である。
  • 第三に、今回のGDPは回復ではなく分岐点であり、次の政策判断次第で成長にも失速にも転ぶ。ここで順序を誤れば、再び投資が止まる。
1️⃣日本のGDPは「戻った」のではない──それでも、我が国は踏みとどまった


日本の2025年10〜12月期GDPが、再び成長軌道に乗る見通しとなった。2026年2月6日、ロイター通信は民
間エコノミストの予測として、実質GDPが年率換算で1%台半ばの成長になる可能性を報じている。数字だけを見れば控えめだ。しかし、この四半期が持つ意味は、数字以上に重い。


重要なのは、何が成長を支えたかである。今回の成長回帰は、個人消費ではない。企業の設備投資が下支えした。一時的な給付や反動ではなく、将来を完全には諦めていない企業行動が、はっきりと数字に表れた。ここが決定的に違う。

2️⃣企業が踏みとどまった理由──高市政権という政治的シグナル

企業が踏みとどまった背景には、政策環境の変化がある。とりわけ見逃せないのが、高市政権の誕生がもたらした政治的シグナルだ。

高市政権が示してきたのは、場当たり的な人気取りではない。製造、エネルギー、安全保障といった現実資産を軸に据えた国家運営の方向である。企業にとって重要なのは、補助金の細目や制度の枝葉ではない。この国が、どちらを向いているのかという一点だ。

製造業を捨てない。
エネルギーを理念だけで語らない。
安全保障と経済を切り離さない。

この方向が否定されない政権が成立したことで、企業は「今、投資をしても梯子を外されない」という最低限の確信を持てた。今回の設備投資は、景気が良かったから踏み切られたのではない。最悪の選択を回避できるという見通しが立ったからこそ、踏みとどまったのである。


ここで一つ、避けて通れない反事実がある。もし石破政権が続いていれば、今回のような企業行動は生まれにくかった可能性が高い。理由は政策の善悪ではない。方向が読めないという不確実性だ。

石破政権下では、財政健全化が前面に出やすく、エネルギー政策は理念寄りに傾くとの見方が強かった。安全保障と経済を一体で語るメッセージも弱かった。企業投資は期待と予見可能性で決まる。「いずれ引き締めに振れるのではないか」「長期投資の前提が途中で変わるのではないか」。この疑念だけで、投資は簡単に止まる。

今回の設備投資は、政策が優れていたからではない。少なくとも、最悪の方向に急転しないという安心感があったからだ。この差は統計には出にくいが、企業行動には確実に現れる。

3️⃣成長回帰の正体と危うさ──潰すのも伸ばすのも「順序」次第

この四半期、日本を取り巻く環境は厳しかった。戦争は終わらず、物流は不安定で、資源価格の先行きも読めない。中国経済は鈍化し、欧州は理念先行のエネルギー政策の後始末に追われている。

その中で、日本は高成長を遂げたわけではない。しかし、縮小の方向へは舵を切らなかった。製造を完全に捨てなかったこと、エネルギーを理屈だけで断ち切らなかったこと、金融と財政を同時に締め上げる愚を犯さなかったこと。こうした地味な判断の積み重ねが、マイナス成長への転落を防いだ。

この局面で最も危険なのは、今回のGDPを「成功」と呼ぶことだ。成長回帰を潰す最短ルートは明白である。利上げと財政引き締めを同時に行うことだ。

 日本経済は分岐点にある

今の日本経済は、投資が主役で、消費はまだ追いついていない。この段階で金融と財政を同時に締めれば、最初に止まるのは投資である。利上げは金利水準そのものより、「先行きが読めない」という感覚を通じて効く。増税示唆や歳出抑制も、消費ではなく投資を直撃する。

投資が止まれば、賃上げが止まり、最後に消費が折れる。この順序は理論ではない。過去に何度も繰り返されてきた現実だ。

逆に、伸ばすなら奇策はいらない。利上げを勝利宣言に使わないこと。投資を続けさせる条件を壊さないこと。消費を無理に刺激しないこと。消費はエンジンではない。投資の結果として温まる部位にすぎない。

結語

我が国の経済は、甚大なダメージを受けて立ち直れなくなったわけでも、今後大きな成長を見込めないわけでもない。これから大きく成長できる伸び代は、まだ十分に残されている。

問われているのは、能力ではない。順序と方向を維持できるかどうかだ。ここで誤れば、期待は簡単に失われる。守れば、成長回帰は本物になる。

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