有料喫煙所"ippku"の入り口 |
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ippukuの内部 |
詳細は、上の記事を読んでいただくものとして、最近の喫煙事情など以下にまとめておきます。喫煙所というと、私は、駅のものを思い浮かべてしまうので、駅の事情を掲載します。私の実家は、札幌なので、函館から札幌には、年数回JRで行くことがあります。そのため、何となく、函館駅と、札幌駅の喫煙事情については知っているので、これをまず掲載させていただきます。
函館駅には、まずは、駅の向かって正面左側に、小さな喫煙室があります。5~6人も入れば一杯になるようなところで、無論座ることはできません。ガラスて覆われています。函館駅では、さらに、改札口を出て、少し歩いたホームの入り口付近にもう一つ駅舎と似たような喫煙所があります。
列車に乗ると、タバコは一切吸うことができません。札幌駅につけば、まずは、各プラットフォームの、下り方向に近いほうのホームの端に、これも、ガラスで覆われた小さな喫煙室があります。これは、規模的に函館のものと同程度です。
札幌駅 |
そうして、喫煙所以外の喫煙できる場所としては、JRで前面禁煙になってから、最初はほとんどなかったと思います。ただし、しばらくしてから、函館駅の2階で吸える店ができたと思います。札幌では、北口の喫茶店がタバコがすえるようになりました。中が、喫煙区画と禁煙区画に分かれていて、店の奥のほうが、喫煙できます。ここでは、無線ランもできるようで、喫煙しながら、パソコンを覗いている人も複数いました。喫煙区画はいつもかなり混んでいます。非喫煙区画もそこそこ混んでいます。私は、ここには、数回行きましたが、いつ行ってもこの状況で、混みあっています。
それから、最近気がついたのですが、改札口を入り、何番ホームか忘れましたが、ホーム下に飲食店があります。ここでは、食事、お酒も飲むことができます。そうして、久しぶりにここに入りましたが、以前は確か禁煙だったのが、喫煙可能でした。ここは、喫煙と非喫煙区画も区分していませんでした。結構混みあっており、私が、座って、コーヒーを飲んでいると、左には、女性が座り、コーヒーを飲みながら、タバコを吸っていました。右側には、男性が座って、テレビを見ながら日本酒を飲んでいました。ここも、かなり混んでいて、喫煙、非喫煙の区別がないにもかかわらず、多くの人が利用していました。
さて、最近タバコの吸える飲食店や、喫茶店などたくさんあるようになりましたから、喫煙者の方もあまり不自由はしなくなったと思います。
それにしても、タバコの害、特に肺がんの危険が指摘されてきましたが、この説は、実は怪しいということをこのブログに掲載したことがあります。しかし、このような店に入っている人で、タバコを吸わない人も結構います。しかし、これらの人たち、タバコの煙などほとんど気にしていないようです。特に、情報として知らなくても、あまり害はないのだと思っているのだと思います。私も、そうです。きちんと、換気扇が回っていて、タバコの煙が充満していない限り、さほど危険だなどと思ったことはありません。
しかし、このような店に入ると、飲食したり、コーヒーを飲まないわけにはいきません。これが、その日コーヒーを飲んでいなくて、はじめて飲むというのなら良いですが、朝飲んで、昼飲んで、午後にどこかに出かけて飲んでなどの後に、飲んだり食べたりというのは、あまりできないと思います。
それに、たかだか、タバコを一二本吸うのに、コーヒーを飲んだり、飲食するとなると、本当に勿体ないです。であれば、上の記事のような、喫煙所は、便利だと思います。
タバコを吸う人は、年々減ってきてはいます。しかし、そうはいいながら、上記のようなサービスを求める人は、必ず存在します。上記のような喫煙所を利用する人は必ずいるものと思います。人通りの多い場所など選べば、これだけで十分事業になると思います。
これは、どんな小さなニーズでも、確実に掴めば事業になり得ることができるという格好の事例だと思います。私たちの身の回りを見回せばまだまだこのようなことはあると思います。
本日は、この喫煙所は、どのような機会を利用したかということを説明するために、下にドラッカーが提唱する7つのイノベーションの機会を掲載します。
(1)予期せぬことの生起。予期せぬ成功、予期せぬ失敗、予期せぬ出来事。
最もリスクが少なく、最も容易にイノベーションの機会となるものだが、往々にして無視される。IBMは当初、科学計算用にコンピュータを作ったが、企業が給与計算などの世俗的な仕事にコンピュータを使い始めた。IBMにとっては予想外の出来事で戸惑いを感じずにはいられなかったが、すぐにこのニーズに応じた。
(2)ギャップの存在。現実にあるものと、かくあるべきものとのギャップ。
ギャップには業績ギャップ、認識ギャップ、価値観ギャップ、プロセス・ギャップの4種類がある。
a.業績ギャップ=製品やサービスに対する需要が順調に伸びているにもかかわらず業績が芳しくない場合。
b.認識ギャップ=ある産業の内部にいる人たちがものごとを見誤り、現実について誤った認識を持っている場合。
c.価値観ギャップ=生産者や供給者が提供していると思っている価値と、顧客が真に必要としている価値との間に違いが存在する場合。
d.プロセス・ギャップ=何か1つの作業を行う一連のプロセスの中で、不安に感じたり困ったりする部分がある場合。
(3)ニーズの存在。
漠然とした一般的なニーズではなく、具体的なニーズでなければならない。
a.プロセス・ニーズ=プロセス・ギャップから生じるニーズ。
b.労働力ニーズ=労働力不足の懸念から生じるニーズ。製造業においてロボットが半熟練労働に取って代わるようになったのは、労働力ニーズの圧力があったためである。
c.知識ニーズ=新しい知識を必要とする場合。それらの新しい知識は開発研究によって生み出される。
(4)産業構造の変化。
自動車産業がよい例である。第一の波は20世紀の初頭に訪れた。自動車はかつてのような金持ちの贅沢品ではなくなり、大衆に広まりつつあった。フォードの「Tフォード」はこの産業構造の変化を利用したものである。
第二の波は1960年代から80年代にかけてやってきた。自動車メーカーはそれまでの自国市場独占型の戦略を捨て、グローバル戦略に切り替える必要があった。この動きに真っ先に乗じたのが日本の自動車メーカーであった。GMは日本のメーカーに後れを取ったものの、グローバル企業になる決意をした。クライスラーは完全に乗り遅れた。
(5)人口構造の変化。
人口の増減や年齢構成、雇用や教育水準、所得などの人口構造の変化は明白である。人口構造の変化は突然訪れるものであるかのように認識されている。しかし、20年後に労働力人口に加わる人々は既に生まれている。人口構造の変化が生じるまでには、予測可能なリードタイムが存在する。
(6)認識の変化、すなわち、ものの見方、感じ方、考え方の変化。
コップに「半分入っている」と捉えるか「半分空である」と捉えるかは全く違う。従って、取るべき行動も違う。かつて食事の仕方は所得階層によって決まっていた。一般人は質素な食事をし、金持ちは豪華な食事をした。しかし現在は、一般人が質素な食事もすれば豪華な食事もする。
(7)新しい知識の出現。
一般にイノベーションと呼ばれるものである。起業家精神のスーパースターと言える。成功すれば有名になれるし、金持ちにもなれる。しかし、最も成功が難しいのもこのイノベーションである。
知識によるイノベーションは、実を結ぶまでのリードタイムの長さ、失敗の確率、不確実性、付随する問題が他のイノベーションとは全く異なる。知識によるイノベーションのリードタイムはおおよそ30年である。
(1)から(4)は、企業や社会的機関の組織の内部、あるいは産業や社会的部門の内部の事象であり、内部にいる人にはよく見えるものです。他方(5)から(7)は、企業や産業の外部における事象です。この7つの順番には意味があり、信頼性と確実性の大きい順に並んでいます。
上の喫煙所の例は、「(6)認識の変化、すなわち、ものの見方、感じ方、考え方の変化」をイノベーションの機会として捉えたものといえます。従来は、喫煙所がどこにでもあったものが、今では、なくなり、だからこそ、有料でも使いたいというように認識が変化していることを利用したものです。
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