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2016年7月23日土曜日

尖閣について報道されず?沖縄県の大手2紙と中国の「ただならぬ関係」―【私の論評】小池百合子氏も指摘していた反日沖縄地方2紙の思い通りにはならない(゚д゚)!

尖閣について報道されず?沖縄県の大手2紙と中国の「ただならぬ関係」

「沖縄タイムス」と「琉球新報」の偏向報道の疑いを識者が論じている 
中国のプロパガンダのような報道が多く、情報を正しく得られていないという 
中国船の領海侵犯や地元漁船への威嚇もほとんどの県民が知らないとのこと
22日、米軍北部訓練場(沖縄県東村〈ひがしそん〉など)のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)
の移設工事に反対する人々 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
2紙合わせると沖縄県世帯のほぼ100%近いシェアを誇るという「沖縄タイムス」と「琉球新報」ですが、無料メルマガ『Japan on the Globe-国際派日本人養成講座』の著者・伊勢雅臣さんは、「両紙とも中国のプロパガンダ機関かと思うような偏向報道が多く、沖縄県民は尖閣海域の危険性などの情報を正しく得られていない」との懸念を示しています。その実態、どのようなものなのでしょうか。

仲裁裁判所の南シナ海裁定は「紙くず」と言う中国外務省

中国が軍事要塞化を進めつつある南シナ海で、フィリピンが起こしたオランダ・ハーグでの仲裁裁判所の判決が下った。中国が主張する南シナ海の「歴史的権利」は根底から否定された。

中国外務省の幹部は「判断は、紙くずであり無効だ」と粗暴な反発を示し、仲裁裁定でフィリピン漁民らの伝統的漁業権が認められたスカボロー礁に接近した同国漁船を、中国海警局とみられる監視船が妨害した。

東シナ海でも同様に、尖閣諸島周辺海域に武装した中国海警局の船が21日連続で侵入するなど、領海侵犯が常態化している。

尖閣諸島が属する八重山市の地元紙「八重山日報」編集長の仲新城(なかしんじょう)誠氏の新著『翁長知事と沖縄メディア 「反日・親中」タッグの暴走』で、尖閣海域で中国の公船に追われた経験が紹介されているので、その実態を見てみよう。

1,000トン級の中国公船3隻に包囲された漁船

平成25(2013)年5月12日夜、仲新城氏や石垣市議会議員・仲間均氏を乗せた6人乗りの漁船「高洲丸」が石垣島を出発した。出発前に海上保安庁の職員が「島には上陸しないでください」「中国公船には接近しないでください」と注意した。

石垣島から一晩かけて、約170キロ北の尖閣海域に入る。13日早朝から釣りを始めると1メートル級のハマダイやカンパチが次々と水揚げされて、漁業資源の豊かさが実感できた。

高洲丸
午前9時半頃、遠巻きに見守っていた海上保安庁の巡視船から、ゴムボートが近寄ってきて「中国公船が魚釣島の北西から南下しています。挑発しないでください」と伝えた。

午後1時頃、中国の海洋監視船3隻が次々と視界に入ってきた。それぞれ1,000トン級の艦艇で、近くを航行するだけで、わずか6人乗りの高洲丸は転覆してしまいそうだ。

気がつくと、南小島を背にした高洲丸の前と左右に中国監視船が取り巻いている。このまま距離を詰められると逃げられない。しかし、周囲には海保の巡視船9隻がひしめいており、中国公船が高洲丸に近づこうとするたびに、巡視船が猛スピードで間に入る。3対9では勝ち目がないと判断したのか、中国公船はそれ以上、近づこうとはせず、睨み合いとなった。
しかし海保の巡視船がいなければ、どうだったか。 
高洲丸は包囲されて動けなくなり、恐らく中国公船から乗組員が「臨検」のため乗り込んできたことだろう。そのまま拿捕(だほ)され、…高洲丸乗員は中国本土に連行されていたかもしれない。
尖閣海域で日本漁船が拿捕されれば、中国としては尖閣の領有権を世界にアピールする絶好の機会になる。この時、日本の実効支配は、まさに試されていたのだ。 
(『翁長知事と沖縄メディア 「反日・親中」タッグの暴走』)
寝ずに高洲丸を守っていた海保巡視船

中国公船と海保巡視船の睨み合いが続く中で、巡視船からゴムボートが近づいてきて「大丈夫ですか」と声をかけてきた。「釣りができる場所に移動したい」と仲間氏が言うと、職員は巡視船と連絡をとった上で「移動していいです」と答えた。

中国公船と対峙している状況でも、「領海内で操業している日本の漁船は何があっても守る」という海保の強い決意とプライドを新仲城氏は感じた。

ただ、その場で「操業しているところを中国公船に見せてやろう」ということになり、釣りを再開した。中国公船の乗組員が、ビデオカメラで高洲丸の操業の様子を撮影している。
尖閣付近で高洲丸を追尾した中国の公2席の船 仲間均氏提供
やがて夕闇が周囲を包んで、中国公船も姿を消した。中国公船が去っても、高洲丸の周辺にはずっとゴムボートが待機し、巡視船が遠巻きの監視を続けている。操業を終えた高洲丸乗組員は就寝したが、午前3時頃、仲間氏が目を覚ますと、すぐ近くにまだゴムボートがいて、海保の職員が目を光らせていたという。
「職員の赤い顔を見ると、寝ていないことが分かる。領海を守るために日夜、奮闘している海保に敬意を表したい」(仲間氏)。同乗者の誰もが海保をたたえた。領海と漁業者を守る使命感と勇気を、日本人として誇りに感じた。
(同上)
こういう海保の奮闘がなければ、南シナ海のように尖閣海域も中国の海となり、日本漁船は中国公船に拿捕されるか駆逐され、いずれは尖閣諸島も軍事基地化されていたであろう。

「沖縄本島では尖閣について何も報道されていない」

しかし、このような中国公船の領海侵犯や地元漁船への威嚇が繰り返されている実態を、沖縄県民のほとんどが知らない。八重山日報以外の県紙や地元紙がまともに取り上げないからである。

県紙というのは沖縄タイムスと琉球新報の二つで、合計30万部、沖縄県の約56万世帯でほとんど100%近いシェアも持つ。距離の関係で、県民が読売や朝日などの全国紙を手にする機会はほぼ皆無である。

高洲丸の乗員の一人が、中国公船に包囲された経験を記事にしてもらおうと、県紙の記者に話したが、全く乗ってこなかったそうだ。両紙とも中国公船による領海侵犯を全く報じないか、小さなベタ記事で伝えるだけである。

八重山日報が社会面で尖閣の危機を大きく報じると、インターネットで記事を読んだという那覇市の住民から電話があり、「沖縄本島では尖閣について何も報道されていない。こんなことが起きているのを初めて知った」と非常に驚いていたという。

両紙は尖閣の危機を報じるどころか、中国のお先棒担ぎをしている。平成25(2013)年6月、中国人民解放軍の幹部が、尖閣や南シナ海での周辺国との争いについて「(領有権問題の)棚上げを支持する」と表明したことを受けて、琉球新報は「対話のシグナル見逃すな」と題する次のような社説を掲げた。
日中双方が領土ナショナリズムを沈静化し、尖閣問題を軟着陸させる知恵を絞ってもいいころだ。…尖閣の領有権問題は根本的解決策が見つかるまで棚上げを再確認してはどうか。日本の実効支配を維持し、武力衝突回避策や日中共同資源開発など包括的なルールを新設する。尖閣の海を絶対に戦場にしてはならない。
(同上)
沖縄タイムスも「『棚上げ』を対話糸口に」と題して、同様の社説を掲げた。尖閣問題に関心のある本土の人間が沖縄を訪れるたびに「全く危機感がない」と嘆くのは、こうした「報道しない自由」と「お花畑主義」の紙面しか読んでいないからである。

中国のプロパガンダ機関

中国共産党系の新聞「環境時報」に掲載された論文によると、中国側の言う「棚上げ」とは、尖閣周辺海域を日中双方の漁船が操業でき、中国公船も日本の巡視船も自由に往来できるようにすることである。

両紙のような意見が「県民の総意」とされてはたまらないと、仲新城氏は八重山日報に次のような論説を掲載した。
尖閣の地元である八重山の住民としては「棚上げ」など断じて認められない。…簡単に言うとその時点で、自分の所有権があいまいであると認めたことになるからだ。相手はそこにつけ込み、後は自分に有利な時期を選んで、必ず争いを再燃させてくる。…安易に「争いを棚上げしよう」という人が国内でも非常に多いことに、驚きを禁じ得ない。
(同上)
戦争したくなかったら「棚上げ」にしろ、というのは、中国側の脅しである。それを認めたら、さらに中国は次の一歩を進めて来ることは、南シナ海を見れば明らかである。「尖閣の海を戦場にしてはならない」ので「棚上げ」に応じよ、というのは、中国側の主張をそのまま代弁しているに過ぎない。

「即刻辞職し信を問え 民意に背く歴史的汚点」

尖閣危機については頬かむりの両紙は、こと普天間米軍基地の辺野古移転に関しては、大上段に構える。

仲井真・前沖縄県知事が平成25(2013)年12月に、政府が普天間飛行場の移設に向けて申請した辺野古沿岸部の埋め立てを承認した翌日、琉球新報は承認を伝える記事とともに、1面に「即刻辞職し信を問え 民意に背く歴史的汚点」と題した社説を掲載。社会面見開きで「知事、独り善がり」「県民『屈しない』」との大見出しを並べて仲井真前知事を糾弾し、辞職を迫った。

沖縄タイムスも「知事居直り 強弁」「民意 背信に怒号」などの大見出しを並べ、さらに2ページの見開きで、知事を糾弾する50人以上もの「県民の声」を顔写真入りで報道した。

この居丈高な物言いは、赤旗や人民日報ならいざ知らず、自由民主主義国の報道機関としてはどうであろう。確かに仲井真知事は普天間の県外移転を公約しており、それを翻した決定ではあったが、状況によって政策を変えなければならない時もある。「即刻辞職を」という前に、世論調査をして真の「県民の総意」がどこにあるのか事実で示すべきではないか。

沖縄メディアの「脚本・演出」を実現する「主演俳優」

平成26(2014)年11月、3選をかけた仲井真氏を打ち破って、県知事となったのが翁長雄志(おなが・たけし)氏だった。翁長氏はかつては自民党県連の要職を歴任し、普天間基地辺野古移設の旗振り役だった人物である。それが一転して、辺野古移設反対を前面に掲げて勝ったのである。

翁長氏が県内移設反対に「転向」したのは、那覇市長時代だった。米軍の新型輸送機オスプレイの沖縄配備反対で先頭に立ち、「保守系でありながら、反基地を訴える闘士」「良識派」として両紙はさかんに持ち上げた。

翁長沖縄県知事
沖縄県知事選では、それまで保守系候補が4連勝していた。焦りを深めていた反基地派は「革新系候補では勝てない」として、辺野古移設反対の一点に絞って、保守系の翁長氏を担ぎ出した。

翁長氏は「自分は選挙の勝ち方を知っている」「勝つためには何でもする」と公言していた人物である。県外移設を打ち出すことで、沖縄を独占する両紙に絶賛され、革新系の票もとれて、知事の座が確実になると踏んだのだろう。

石垣市の中山市長は平成26(2014)年12月に開かれた市議会で、知事選について、こう語った。
私の率直な感想では、メディアが仲井真知事に対するネガティブキャンペーンを張った。沖縄の民意というが、どれほどの住民が正確な情報を得て投票したのか危惧している。八重山、宮古では県紙より地元紙の購読部数が多いことで仲井真氏が勝った。
(同上) 
言ってみれば、翁長氏は沖縄メディアの「脚本・演出」を忠実に実現する、偉大な「主演俳優」なのだ。
(同上)
と仲新城氏は言う。翁長氏が国連演説で使った「新基地建設」「自己決定権」も両紙が頻繁に使う偏向報道用語である。

舞台に立つためには何でもする、という俳優と、反基地を唱えるなら誰でも良い、という脚本・演出家の野合コンビが16年ぶりの革新派勝利をもたらしたのである。

沖縄の偏向報道空間を打破するには

一方の仲井真氏の方は、県内移設を容認する根拠として「普天間飛行場の危険性除去を」と繰り返すだけだった。危険性除去というなら、県外移設の方がましなので、これでは説得力がない。

県内移設を説くならば、仲井眞氏はこう主張すべきだったと、仲新城氏は言う。

尖閣を守るためには、現時点では米軍の抑止力が必要だ。尖閣に近い沖縄本島に米軍がいることが、最大の抑止力になる。
(同上)
しかし、仲井真氏は尖閣問題については「平和的に解決すべきだ」としか語らなかった。これが仲井真氏の敗因だったと仲新城氏は指摘する。

仲井真氏も「尖閣」と口にするだけでも右翼呼ばわりする両紙を恐れたのだろう。「沖縄の政治家の多くは保守系と呼ばれる人も含め、県紙に批判されることを恐れ、発言や行動を萎縮させている」という(同上)。

中国公船の尖閣諸島海域での侵略を語らず、米軍基地を沖縄から追い出そうとする2紙の姿勢は、中国の戦略と完全に一致している。その2紙が沖縄の言論空間を独占し、歪めている。そして、その戦略は、日本全体においても左傾マスコミによって広められているのである。

ただし、まだ手はある。八重山日報をインターネットで見た那覇市の住民が、尖閣の実態を知って驚いたという事例が良いヒントである。新聞の独占はインターネットで打ち破れる。自由な言論空間さえ実現すれば、中国のお先棒担ぎをする両紙のいかがわしさは、白日の下に曝される。

本誌の読者も、メールやフェイスブック、ツイッター、ブログなど、様々な手段を使って、自由な言論空間作りに協力されたい。それが日本の自由民主主義を守る国民の責務である。

【私の論評】小池百合子氏も指摘していた反日沖縄地方2紙の思い通りにはならない(゚д゚)!

沖縄県の地元2紙の偏向ぶりは、随分前からあったことです。これは、最近、東京都知事に立候補した小池百合子氏も過去に指摘していたことです。それについては、このブログでも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
小池百合子元防衛相が沖縄メディア批判 「言っていることが県民を代表していると思わない」―【私の論評】反日地方紙は、変わらない!!ならば、俺たちの手で引導をわたしてあげよう!!
小池百合子氏
この記事は、2013年3月27日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します。
小池百合子元防衛相が異例のローカルメディア批判を繰り広げた。矛先を向けられたのは、沖縄のメディアだ。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移転問題をめぐり、現地メディアが辺野古移設に反対する世論を煽っているとの見方を披露した。 
沖縄のメディアで大きな影響力を持つとされるのが、琉球新報と沖縄タイムスの2大県紙。産経新聞などの保守系メディアが両紙を批判することはしばしばだが、閣僚経験者が特定地域の地元メディアを批判するのは珍しい。
反日沖縄地方二紙


ブログ冒頭の記事で、沖縄メディアの「脚本・演出」を実現する「主演俳優」とされてた、翁長知事は辺野古移設反対を公約にして県知事選を戦い当選しました。しかし、翁長知事が当選した瞬間に辺野古移設は中止したかといえばそうではありませんでした。

翁長知事は、辺野古移設反対を公約にして当選しても中止させることはできません。なぜなら辺野古移設はすでに決まっていたからです。法治国家である日本で、既に合法的な手順を経て決まっていた辺野古移設を、移設反対を公約にした政治家が当選したとしても中止させることはできません。

与那国島への自衛隊配備を巡って、隊員と家族の移住による経済効果などを訴える賛成派と、有事に攻撃目標となる危険性を指摘する反対派で町が二分されてきました。13年の町長選で賛成派の外間守吉町長が3選しました。

自衛隊配備を受け入れるか否かの権限は町長にあります。議員や住民にはありません。外間守吉町長が受け入れに賛成したから防衛省は14年4月から駐屯地の工事を開始しました。

15年2月には陸自配備の賛否を問う住民投票が行われましたが、賛成が上回りました。外間守吉町長は反対が上回ったら受け入れないと宣言していました。もし、反対が上回ったら陸自配備は中止していたでしょう。

宮古島への陸上自衛隊配備計画を巡り、下地敏彦市長は20日の市議会6月定例会の一般質問で、市民の生命財産や国土の保全、国民の安全を確保する観点から「宮古島への自衛隊配備については了解する」と受け入れを表明しました。下地市長が受け入れに賛成したから宮古島への陸上自衛隊配備は決定しのです。

与那国島、宮古島に見られる通り、自衛隊配備を受け入れる権限は地元の首長にあります。首長が反対すれば、国は配備することはできません。

辺野古も地元の辺野古区、名護市長が移設に反対している時は政府が移設したくてもできませんでした。辺野古区、島袋名護市長がV字型滑走路にすることで賛成し、政府と確約を交わしため辺野古移設は決まりました。これは、政府が一方的に決定したものではありません。

辺野古移設は政治的に2010年に決着しました。それは与那国島の陸自配備や宮古島への陸上自衛隊配備と同じです。辺野古の場合は海の埋め立て工事が必要であり、埋め立ては公有水面埋立法に則ったものでなければならないし県知事の承認が必要でした。防衛局は県に埋め立てを申請しました。県から申請承認を得たのが2013年の12月でした。

政府は埋め立て承認を得たので埋め立て工事のためのボーリング調査を始めました。もし、海の埋め立てがなかったら2010年に辺野古飛行場建設工事は始まっていたでしょう。
県知事選の時に翁長雄志候補が辺野古移設反対を公約したのは移設を決定した後ですので、反対している翁長候補が当選しても辺野古移設を中止することができないのは明らかでした。翁長候補は本来実現不可能なことを選挙公約にしたのです。

安倍政権が辺野古移設の意思がある限り翁長知事が移設を阻止できないのは確実です。できるのはせいぜい工事を引き延ばすくらいです。翁長知事は無駄な抵抗をしているだけです。翁長知事がどんな奇策を用いたとしても辺野古移設を中止にすることは不可能です。

安部政権は紆余曲折があって辺野古基地建設を中断していますが、辺野古埋め立て工事を再開するために政府は埋め立て承認取り消しに対する国の是正の指示に沖縄県の翁長雄志知事が応じないのは違法として、違法確認訴訟を起こしました。

承認取り消しは違法ですから、安部政権が裁判に勝つのは確実です。日本国は、法治国家です。翁長知事が違法行為をしても、違法行為であることを判断するのは法廷ですから、訴訟を起こし、司法の判断を仰がなくてはならないです。だから違法確認訴訟を起こしたのです。しかし、判決が下るまでは辺野古の埋め立て工事は中断しなくてはならないでしょう。

安倍政権が辺野古移設を最優先とするなら、翁長知事が埋め立て承認の取り消しをした時に翁長知事の取り消しは違法であると県に通知し、辺野古移設工事を続行すべきだったかもしれません。

しかし、県議会選挙と参議院選挙があるので、選挙を有利に展開するために、安倍政権は対立路線ではなく和解路線を選択したのです。和解路線が順調に進めば県議会選挙と参議院選挙を勝っていたはずなのですが、20歳の若い女性が元海兵隊に暴行殺害遺棄されるという残虐非道な事件が起こり、県民の反米軍基地が高まって県議会選挙と参議院選挙では、敗北しました。

しかし、選挙が終われば勝敗に関係なく、辺野古移設工事を再開する方向に進めるのが安倍政権の方針です。選挙に勝っても負けても翁長知事との対立関係は同じであるし、翁長知事の主張とやり方に変化はありません。

安倍政権が辺野古工事を進めるためには安倍政権のほうから法廷闘争に持ち込むしかないのです。翁長知事の承認取り消しを違法だと主張して辺野古移設工事を続行しながら法廷闘争を続けていれば工事はずっと続けることができたが、安倍政権は裁判所の提案した根本案と暫定案で暫定案を受け入れて県と和解し、訴訟を取り下げて、ボーリング調査を中止しました。

そして、翁長知事との協議を始めました。工事を再開するには協議で翁長知事が辺野古移設を認めるようになれば良いのですが、翁長知事が辺野古移設を認めることは100%なありません。協議を続ける間は辺野古工事は再開できません。


安倍政権が辺野古工事を再開するには法廷闘争をして、翁長知事の埋め立て承認取り消しが違法であるとの判決を勝ち取る以外にありません。

21日午前に官邸で開かれた政府・沖縄県協議会で提訴方針を伝えられた翁長知事は「訴えが可能となる日を待っていたかのように直ちに提訴する判断が示されたことは非常に残念だ」と述べ、国の姿勢を批判しました。

協議では翁長知事が工事再開は絶対に認めることはないので工事再開はできません。一方、埋め立て承認取り消しに対する国の是正の指示に翁長知事が応じないのは違法だとして、不作為の違法確認訴訟を福岡高裁那覇支部に提起したのですが、翁長知事は政府を批判はしても訴訟を止めることはできません。これが法治国家におけるの政治というものです。

政府による22日の提訴後は、地方自治法の規定に基づき「15日以内」に福岡高裁那覇支部で第1回口頭弁論が開かれます。判決までは「数カ月程度」(政府関係者)の期間を要する見通しです。



政府側は和解で中断を確認した「埋め立て工事」に該当しないシュワブ陸上部の「再編成事業」について工事を再開する意向を示しました。県側は辺野古基地建設を前提とした工事ではないか確認する必要があるとして、後日、詳細を説明するよう政府に求めたのですが、実は翁長知事は辺野古埋め立てに瑕疵があるといって埋め立て承認の取り消しをしたのであって、辺野古移設中止を政府に要求したのではありません。

辺野古移設が不当であるから中止するように要求するには2010年の辺野古移設決定が不当であると主張すべきなのですが翁長知事は2010年の辺野古移設決定が不当であるとは主張していません。辺野古埋め立てが不当であると主張しているのです。そのため、シュワブ陸上部の「再編成事業」は翁長知事の承認取り消しとは関係がないため工事を再開するのに県の了承は必要がありません。

辺野古移設と高江のヘリパッド移設が選挙の季節で滞っていたのですが、安倍政権はこれから二つの移設をスムーズに進めることでしょう。

翁長知事は国が違法確認訴訟を提起したことについて「国の強固な態度は異常だ。強行に新基地建設を進めることは、民主主義国家のあるべき姿からはほど遠い」と批判し、高江でヘリパッド建設を再開したことに関しては「強行に工事する政府の姿勢は到底容認できない」と抗議しまし。そして「オスプレイを配備する根拠がみえていない。オスプレイが訓練するのははっきりしている。説明がないまま着工すべきではない」と非難しました。

機動隊が反対する市民や車両などを除去したことについては「強制的に排除する事態が生じていることは県民に大きな衝撃と不安を与えるもので残念だ」と不快感を示しました。マスコミも高江のヘリパット工事再開を強行だと安倍政権と警察を非難しています。

翁長知事やマスコミは安倍政権を非難し、県民の安倍政権へのイメージを悪くしているのですが、安倍政権の辺野古の法廷闘争、高江のヘリパット建設を止めることはできません。

翁長知事もマスコミも安倍政権の政治を止めることはできません。法廷闘争で安倍政権は勝ち、辺野古の埋め立て工事を再開するのは確実です。高江のヘリパッドが建設されるのも確実です。

高江のヘリパッドの位置を以下に示します。下の地図の北部訓練場の付近にあります。


北部訓練場を拡大したのが、以下の地図です。


以上で明らかなように、いくら沖縄地方2紙が、反対しようと、翁長知事があらん限りの奇策を弄しても、いずれ確実に辺野古に基地は移転されますし、高江のヘリパッドの建設も確実に行われます。

結局、この法治国家日本において、翁長知事も沖縄地方2紙も徒労に終わるであろうことを時間と金をかけて執拗に行っているということです。

どうして、このようなことになるのでしょうか。結局、ブログ冒頭の記事にもある通り、中国が後ろで糸をひいているせいだと思います。

同じ糸をひくにしても、まともな法治国家であれば、このようなことにはならないのでしょうが、中国が糸をひくとこういうことになるのかもしれません。

何しろ、中国という国は、法治国家ではありませんし、建国以来選挙もないので、議会制民主主義からは程遠い国です。民主化もされておらず、政治と経済の分離もなされていません。

だから、中国の感覚では、日本の沖縄でも、中国国内のよう最終的には、人治でなんとでもなるという思い込みがあるのではないでしょうか。さらに、政治と経済が深く結びついているので、金で政治的問題もいくらでも解決できるという思い込みがあるのです。

そのため、メディアを手懐けたり、沖縄の人間の一部を手なづけたり、日当を支払ってでも、間接的に金を支払って大規模なデモ隊を派遣したり、翁長知事に肩入れしたり、国政レベルでも親中派・媚中派を増やしたりすれば、ひよっとして、辺野古の基地移転はおろか、沖縄から米国海兵隊を追いやったり、自衛隊も駐屯させないようにできると思い込んでいるのかもしれません。

しかし、法治国家ではそのようなことはあり得ません。日本は戦前から法治国家だったという歴史があることを、中共は理解していません。これに関しては、日本人でも理解していない人がいます。

たとえば、大東亜戦争中に、飛行場にゼロ戦を運ぶために、軍が飛行場までの道路を拡幅しようとしたのですが、裁判となり、軍が裁判に負けたため、拡幅はならず、飛行場までゼロ戦を分解して牛車で運んだという事例があります。

法治国家日本においては、戦前から合法的に何かをしようとするときには、法律を遵守しなければ、何もできません。こういう例を出すと、まるで中共の代弁者のように、拷問で死亡したとされる人の例を出して、「昔の日本は暗黒で、軍部は思い通りに何でもできた」と屁理屈を主張する人もいますが、このような事例はそれが事実だったにしても、あくまで、組織の一部の人間による非合法なものであって、無論表立って人を殺すなどということはできません。

結局、沖縄地方2紙や翁長知事も何もやり遂げることができないでしょうから、このようなコストパフォーマンスの低いやり方は日本のような法治国家では通用しないことに遅まきながら中国もいずれ気付くでしょう。

その時は、本格的に武力で攻めて沖縄を奪取するか、あるいは諦めるかのいずれかです。無論、日本としては、諦めさせるほうに持っていくべきです。

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