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2016年8月31日水曜日

【スクープ最前線】米軍、尖閣周辺に強襲揚陸艦投入で中国威嚇 習政権はG20で大恥も―【私の論評】次期大統領がクリントンなら優柔不断オバマと同じことの繰り返し(゚д゚)!

【スクープ最前線】米軍、尖閣周辺に強襲揚陸艦投入で中国威嚇 習政権はG20で大恥も

強襲揚陸艦『ボノム・リシャール』(右側) 、甲板手前に搭載して
いるのはオスプレイ10機。左は、ドック型揚陸艦『アシュランド』
   中国が焦燥感に駆られている。アジアでの軍事的覇権を強め、沖縄県・尖閣諸島の強奪もチラつかせていたが、先週の日中韓外相会談では一転、隣国との協調姿勢を演出したのだ。9月に中国・杭州で主催する、G20(20カ国・地域)首脳会議を成功させる思惑だけでなく、米軍が東シナ海などに展開させた強襲揚陸艦や攻撃型原子力潜水艦の存在も大きいようだ。ジャーナリストの加賀孝英氏が緊急リポートする。

   米国が「新たな軍事作戦」に踏み切った。これを受けて、習近平国家主席率いる中国は「米国が軍事衝突を決意した」と震え上がっている。

   中国共産党機関紙、人民日報の情報サイト「人民網」は17日、概略以下のように報じた。

  《米軍は、東シナ海の尖閣諸島(周辺海域)に、強襲揚陸艦『ボノム・リシャール』を投入した。最近、同海域に武装警備船や漁船を大挙して派遣している中国に、圧力をかけるのが狙いとみられる》

  《ボノム・リシャールは6日、母港の長崎県・米海軍佐世保基地を出航し、14日からパトロールに入った。日米両国は昨年、日米防衛協力のための指針(ガイドライン)を再改定し、尖閣などを防衛範囲に含めた》

   米軍がついに、わが国固有の領土・尖閣諸島を防衛するために、最強艦船を投入した。安倍晋三首相が実現させた、日米同盟強化の証だろう。

  世界最大級の強襲揚陸艦であるボノム・リシャールは、全長257メートル、全幅34メートル、排水量約4万トン。「動きまわる軍事基地」の異名で恐れられている。

  強襲輸送ヘリCH-46や、直離着陸戦闘機AV-8BハリアーII、新型輸送機オスプレイ、LCAC(エア・クッション型揚陸艇)などを搭載する。約2000人の海兵隊員を収納可能で、ヘリコプターとLCACなどを使って、兵員と戦車などを一気に揚陸させることができる。

 自衛隊関係者は「斬り込み隊長役を務める強襲揚陸艦の中で、ボノム・リシャールは最強だ。万が一の場合、尖閣にも瞬時に海兵隊を展開できる。すさまじい戦闘力で敵を制圧する。中国の空母『遼寧』などハリボテで話にならない」と語る。

 中国は今月に入って、尖閣周辺の接続水域や領海に、公船や海上民兵が乗り込んでいるという約300隻もの漁船を侵入させた。東シナ海は開戦前夜の緊張状態となり、「8月15日、尖閣上陸」情報まで流れた。

 ところが、ボノム・リシャールが14日に尖閣周辺に展開する直前(=12日ごろ)、漁船の大半が姿を消した。防衛省幹部は「強襲揚陸艦の出動を知り、逃げ出したという情報がある」という。

 米軍の軍事作戦はこれだけではない。以下、複数の米情報当局、米軍関係者から得た衝撃情報だ。

 「朝鮮日報は27日、『米軍の攻撃型原潜が、北朝鮮の潜水艦基地に近い公海まで隠密裏に潜入し、北朝鮮の潜水艦を監視・追跡作戦を展開していた』と報じた。実は米軍は、中国の潜水艦にも同様の作戦を行っていた。百戦百勝。相手にならない。中国の潜水艦は籠(かご)の中の哀れな鳥だ」

 ご承知の通り、中国は9月初旬、国家の威信をかけて、浙江省杭州で初の議長国としてG20首脳会議を開催する。失敗すれば、習氏の失脚は免れない。G20成功のため、中国は参加国に「テーマは経済問題に絞る」といい、中国が袋だたきになる南シナ海と東シナ海の問題は取り上げないように、必死で根回ししている。実態は土下座外交に近い。

 岸田文雄外相は24日、都内で中国の王毅外相と個別会談を行った。谷内正太郎国家安全保障局長は25日、北京で中国の楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)国務委員と、李克強首相と連続会談した。いずれも中国は協調姿勢を演出したが、G20で前出の議題を回避したかったからだ。

 だが、米国は強気だ。外務省関係者がいう。

 「米国とフランスはG20で、南シナ海と東シナ海の問題を取り上げる意向だ。米仏は、南シナ海で『航行の自由』作戦を決行することでも合意している。習氏は大恥をかく。『親中政策』の見直しを進めているテリーザ・メイ首相率いる英国が、米仏に同調し始めている」

 中国は孤立している。習氏は崖っぷちに立たされている。

 言わせていただく。日本は中国と取引などしてはならない。毅然たる態度で、東シナ海や南シナ海の問題を議論すべきだ。それなくしてG20の存在意義などない。

 加賀孝英(かが・こうえい)

【私の論評】次期大統領がクリントンなら優柔不断オバマと同じことの繰り返し(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事にあるような、米軍の中国に対する牽制は、今にはじまったことではありません。実は2ヶ月以上前から、その動きは見られました。その動きについて以下に掲載します。

米海軍は、6月2日強襲揚陸艦「ボノム・リシャール」(LHD6)と「エセックス」(LHD2)をすでに、それぞれ東シナ海と香港水域に派遣していしまた。うち、ワスプ級強襲揚陸艦「エセックス」は香港に停泊し休息に入いっていました。「ボノム・リシャール」とドック型揚陸艦「アシュランド」(LSD48)は東中国海を航行し、第7艦隊巡航任務を実施しました。この両艦は、両方ともワスプ級強襲揚陸艦です。

ワスプ級強襲揚陸艦(英語: Wasp-class amphibious assault ship)は、アメリカ海軍の強襲揚陸艦の艦級のことです。前任のタラワ級の拡大強化型として開発されたことから4万tを越える大型艦となり、主機関を中心に改良された最終8番艦は後継のアメリカ級のベースともなっています。

エセックス搭載の機動揚陸艇(LCM)
以下に、ワスプ級強襲揚陸艦の航空運用能力と、輸送揚陸機能を掲載します。

航空運用機能

航空機としてははAH-1W スーパーコブラ攻撃ヘリコプターUH-1N ツインヒューイ汎用ヘリコプターCH-46 シーナイトCH-53E スーパースタリオンなど大型輸送ヘリコプターを最大42機か、ヘリコプター最大30機およびAV-8B ハリアーIIV/STOL攻撃機6-8機を搭載。

なお、制海艦任務にあたる場合は、ハリアーを最大20機とMH-60R シーホーク哨戒ヘリコプター6機を組み合わせて搭載することができます。
艦載機構成例
標準的混成空中強襲制海艦
AV-8B ハリアーII6機20機
CH-46 シーナイト
MV-22 オスプレイ
12機42機
CH-53E スーパースタリオン9機
AH-1W スーパーコブラ4機
UH-1N ツインヒューイ4機
MH-60R シーホーク6機

輸送揚陸機能

本級は、1個海兵遠征部隊(MEU)を丸ごと収容することができます。艦内には1,858m²の車両甲板と2,860m²の貨物収容スペースが確保されており、標準的には下記のような構成で搭載されます。 
収容能力
海兵隊員1,894名
M1A1 エイブラムス戦車5両
AAV7LAV-25歩兵戦闘車25両
トラックなど支援車両80両
M198 155mm榴弾砲8門
船体内後部にウェルドック(長さ81m×幅15.2m)を備えており、上陸用舟艇として、LCAC-1級エア・クッション型揚陸艇3隻、あるいは機動揚陸艇(LCM)12隻を収容・運用することができる。タラワ級ではドック内の形状を改良し、貨物積載用ベルトコンベアを撤去したことで、LCACの搭載数が3隻に増加したが、これは本級でも踏襲された。

なお、本級は、医療設備として病床60床(うち集中治療室14床)、手術室4室を備えている。また、医療区画に隣接した海兵隊居住区を一般病床として転用した場合、さらに200床を確保することができる。

今回、この「ボノム・リシャール」を14日から、尖閣付近の水域に派遣されていたことが、米軍によつて正式に公開されたということです。

これは、まさに中国にとっては不意打ちのようなものだったことでしょう。何しろ、6月の時点では強襲揚陸艦「エセックス」が、香港で休息しているわけですから、中国としては、自国の港で休息をとっている米国の揚陸強襲感と同型の「ボノム・リシャール」をよもや米軍が尖閣沖の水域に派遣するなど思っもみなかったことでしょう。

アメリカとしては、南シナ海では中国には「まさか」との思いで、結局のところ出し抜かれた形なので、尖閣においては大いに中国を慌てふためかせたということで、さぞ溜飲を下げたことでしょう。

それにしても、尖閣で中国漁船が、海上保安庁の船に体当たりして、その後中国公船が尖閣あたりに姿を表わようになったころの、当時の民主党政権がもっと中国に対して毅然とした態度をとって厳しい措置をとっていたり、オバマももっと厳しく、それこそあの時あたりに、尖閣は日本固有の領土と声明をだし、それだけでなく強襲揚陸艦を尖閣付近に派遣するなどのことをしておけば、尖閣問題も今日のようなことにはなっていなかったことでしょう。

しかし、今から振り返ると、鳩山よりもお粗末で、頭がお花畑で、及び腰のオバマでは、そのようなことはできなかったのでしょう。

優柔不断なオバマのせいで、米国の地位は低下した
「優柔不断」といわれるオバマ外交によって、アメリカはウクライナ危機でプーチンに対抗できず、シリアの混乱を収めることができませんでした。中国に対しても、経済効果を重視し、中国との友好関係を強調し、迎合的な姿勢を保ってきました。中国の南シナ海で建設した人工島なども黙認するような姿勢が見えました。  

政権末期になって、ようやっと重い腰をあげ、南シナ海の人工島の12カイリ内でアメリカ軍が巡視活動を始めるなど行動を起こしています。ASEAN関連の首脳会合でも、オバマ大統領は、ASEAN各国に巡視活動への支持を直接働きかけ、中国への外交圧力を強めました。

オバマ大統領も徐々ではありましたが、強硬姿勢に変わりました。しかし、中国が南シナ海に万里の長城を築いた現在では、遅きに失しました。これを元に戻すのは至難の業です。

民主党の最有力候補、そうして現在の情勢では初の女性大統領と目されているヒラリー・クリントン前国務長官は、2014年に『ハード・チョイス』(厳しい選択)という書籍を出版していました。同書で、ヒラリー氏は生い立ちと政治信条を記していますが、はっきりうかがえるのは、日本は米国にとってアジアで最も重要な戦略的友好国と考えてはいないということです。

ヒラリー・クリントンの著書
ヒラリー氏は中国が米国にとって対立的国家であることを認め、中国を牽制するため、「米国はアジアのいくつかの国々と軍事協力体制を強化しなければならない」と主張しています。また、ASEAN(東南アジア諸国連合)などアジアとの地域協定を強化して、「中国を押さえつけるために協力しあわなければならない」とも述べています。

ヒラリー氏のこうした主張は、共和党政権を中心に冷戦を戦ってきた米国の基本戦略から大きく逸脱しています。「日本が米国の安全保障政策にとって重要ではない」という考え方を明らかにした米国の大統領候補は、ヒラリー氏が初めてです。

ヒラリー氏はあれからの2年間、大統領選を展開するにあたり、あらゆる機会に、この主張を繰り広げてきました。オバマ政権は事実上、中国を友好国扱いし、中国との対立を極力、避けてきました。

2016年にヒラリー氏が大統領に当選すれば、米国の政策は大きく変わることでしょう。

ヒラリー氏の考え方は、日本の基本的な国際戦略や安全保障に大きく関わってくることでしょう。安倍晋三政権やその周辺の保守的な評論家や古手外交官らは、相も変わらず日本を最も重要な同盟国とする米国の対中国基本戦略は変わっていないと信じ込んでいるようです。このため、日米安全保障条約を主軸に、集団的自衛権に基づく防衛政策を進めています。

ところが、ヒラリー氏は著書で、「日本はもはや米国にとって昔ながらの味方ではない」と示唆しています。イェール大学のポール・ケネディ教授が『大国の興亡』を書いて以来、米国の人々は日本に対して恐れと不安を持つようになり、「信頼できる友好国ではないと思うようになった」と述べています。

ポール・ケネディ氏の著書
しかしながら、ヒラリー氏こそ、オバマ大統領とともに、この5年間の外交で、過去の政権と比べると、考えられないほどの大失敗を繰り返してきた張本人です。

ヒラリー氏は、そうした失敗について釈明を試みているのですが、結局、米国が国際的指導者としての力をなくしてしまったことを自白しているに過ぎません。そうした心情が日本に対する不信というかたちで、現れたとみるべきです。

いずれにしても、ヒラリー・クリントンは日本との関係をもはや重要な戦略的基盤とは思わなくなっています。日本は、これを考慮し、彼女が大統領になったときの安全保障を考えていく必要があります。

もし、彼女が大統領になれば、尖閣沖に強襲揚陸艦を派遣などということもしなくなる可能性が高いです。オバマよりは一見強硬に見えながら、本質的にはさほどオバマと変わらないということも十分に考えられます。

日本は、中国と対峙するために、米国をあまりあてにできなくなるかもしれません。その時に備えて、安倍総理の安全保障のダイヤモンドをより強固にしていく必要があります。特に、米国以外との国々との連携を強めていくべきです。

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2016年5月5日木曜日

クリントン氏のメールサーバーに「繰り返し侵入した」…拘束のハッカー証言「簡単だった」―【私の論評】日本にとって色物、際物であるヒラリーは米国大統領には相応しくない(*_*)


ヒラリー・クリントン
クリントン前米国務長官が在任中に公務で私用メールを使った問題で、米国の拘置施設で拘束されているルーマニア人のハッカーの男(44)が2013年、クリントン氏が自宅で運用していたメールサーバーに繰り返し侵入したとFOXニュースに証言した。男はサーバーへの侵入は「簡単だった。誰にとってもそうだと思う」と話したという。FOXが4日伝えた。

 クリントン氏は大統領選の民主党候補指名争いで優位に立つが、証言が事実なら、公務で私用メールを使っていた姿勢が改めて批判されそうだ。クリントン陣営は報道について「(ハッカーの)主張を裏付ける証拠がない」としている。

 男はルーマニアの刑務所で服役中、クリントン氏の問題とは別のサイバー犯罪に関与した疑いで今春、米国に身柄を引き渡され、バージニア州の拘置施設に収容された。

【私の論評】日本にとって色物、際物であるヒラリーは米国大統領には相応しくない!

昨日もこのブログに掲載したように、クルーズ氏が大統領選から撤退したことにより、トランプ氏が共和党の指名確実な情勢になりました。

日本では、偏った報道により、トランプ氏が色物、際物であるかのような報道ばかりされているので、そのような見方をする人も多く、結局アメリカの大統領はヒラリーになるのではと考える人も多いようですし、そのほうが日本にとっても良いと考えている人も多いようです。

しかし、私は決してそうではないことをこのブログでも以前から主張していました。その記事のリンクを以下に掲載します。
米産業界、トランプ氏へ懸念の声 グーグルも対策議論?―【私の論評】日本にとって自腹で動くトランプが大統領になるより、中華マネーで動くヒラリーのほうがはるかに危険(゚д゚)!
大統領候補トランプ氏
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では中華マネーで動いていると見られる、ヒラリー・クリントン氏のほうが、日本にとつてはトランプ氏よりはるかに危険であるという私の主張を掲載しました。

以下クリントン夫妻の献金問題の部分のみ以下に引用します。
女性初の米大統領に挑戦する民主党のヒラリー・クリントン前国務長官が、献金問題で苦境に立たされている。関係財団が外国政府から多額の献金を受けていたことをめぐり、メディアや共和党が追及姿勢を強めているのだ。
この献金問題について、暴露したのが『クリントン・マネー』という書籍です。この書籍には献金の問題点が掲載されていますが、その中で我が国の国益ともかなり密接な関係があるチャイナ・マネーに関する部分のみ以下に引用します。
この書籍で、もう一つの重要な点は、「チャイナ・マネー」です。南シナ海に人工島を建設するなど、中国による周辺国への脅威は日を追って増すばかりです。日本にとっても、同盟国アメリカと連携して、いかに危険な行動を抑止していくべきかが問われています。アメリカ大統領選は、外交政策を担っていくのかという問題でもあります。



『クリントン・キャッシュ』を通じて浮き彫りになってくるのは、「ヒラリー大統領」は日本の安全にとってはマイナスであるという点です。外国からの献金をやすやすと受け取ってしまう一家に、アメリカの外交を任せられるのでしょうか。 
実際に、夫のビル・クリントン氏が大統領だった時代には、米民主党が中国からの多額の献金を受けて問題になったこともあります。この書籍から、「チャイナ・マネー」に弱い米大統領が誕生することの危うさを読み取っていただければ、幸いです。
クリントン財団が中国政府から献金を受けていたという問題もありますが、もともヒラリー・クリントンはアジアの中では、中国を重視しており、日本は重要視していません。それに関しても、このブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【世界を斬る】ヒラリー氏は日本を重要と考えていない 外交で大失敗を重ねた張本人なのだが…―【私の論評】オバマの次がヒラリーだったとしたら、日本としては本気で戦後体制からの脱却を考えなければならなくなる(゚д゚)!
詳細、この記事をご覧いただくものとして、日高敏隆氏による元記事を以下に引用させていただきます。
2016年の米大統領選挙で、民主党の最有力候補と目されているヒラリー・クリントン前国務長官が『ハード・チョイス』(厳しい選択)を出版した。同書で、ヒラリー氏は生い立ちと政治信条を記しているが、はっきり伺えるのは、日本は米国にとってアジアで最も重要な戦略的友好国と考えてはいないことだ。 
ヒラリー氏はこれから2年間、大統領選を展開するにあたり、あらゆる機会に、この主張を繰り広げるだろう。オバマ政権は事実上、中国を友好国扱いし、中国との対立を極力、避けてきた。 
だが、2016年にヒラリー氏が大統領に当選すれば、米国の政策は大きく変わる。 
ヒラリー氏の考え方は、日本の基本的な国際戦略に大きく関わってくる。安倍晋三政権やその周辺の保守的な評論家や古手外交官らは、相も変わらず日本を最も重要な同盟国とする米国の対中国基本戦略は変わっていないと信じ込んでいる。このため、日米安全保障条約を主軸に、集団的自衛権に基づく防衛政策を進めようとしている。 
ところが、ヒラリー氏は著書で、「日本はもはや米国にとって昔ながらの味方ではない」と示唆している。イェール大学のポール・ケネディ教授が『大国の興亡』を書いて以来、米国の人々は日本に対して恐れと不安を持つようになり、「信頼できる友好国ではないと思うようになった」と述べている。
ヒラリー・クリントン氏の著書『ハード・チョイス』
もっとも、ヒラリー氏こそ、オバマ大統領とともに、この5年間の外交で、過去の政権と比べると、考えられないほどの大失敗を繰り返してきた張本人だ。 
ヒラリー氏は、そうした失敗について釈明を試みているが、結局、米国が国際的指導者としての力をなくしてしまったことを自白しているに過ぎない。そうした心情が日本に対する不信というかたちで、現れたとみるべきだろう。
いずれにしても、米国は日本との関係をもはや重要な戦略的基盤とは思わなくなっている。日本は、歴史的な視野に立って対応策を考えねばならない。
日本では、多くの人が、限られた報道の中で、トランプ氏が際物扱いされているということで、ヒラリー・クリントンがまともであるかのような認識を持っているようですが、そうとばかりはいえません。

ヒラリー氏は日本を重視せず、中国を重視していること、それ先に述べたように、クリントン財団は中国政府から献金を受けていたということもあり、日本からみればクリントン氏は、トランプ氏よりもはるかに際物という見方のほうが正しいです。

そうして、ブログ冒頭の記事にもあるように、クリントン前米国務長官が在任中に公務で私用メールを使ったという事実もあります。これは、本当に信じられないような初歩的ミスです。

アメリカの大統領をはじめとして、公人の重要人物の公用メールは厳重なセキュリティーを施されています。だから、公用メールを用いている限りでは、秘密が外部に漏れることは滅多にありません。しかし、私用メールであれば、秘密が駄々漏れであったことが懸念されます。

というより、なぜこのようなお粗末なことをしたのか、人格が疑われます。私用であれば、私用メールも結構ですが、公用に用いるということは、常識的に考えられません。

オバマ大統領は、ブラックベリーの愛用者で知られていますが、今はそうではありませんが、iPhoneが出始めた頃は、セキュリティーを理由にIPhoneの使用を禁止されていたため、ブラックベリーを使用していたことを認めているくらいです。

電話をかけるオバマ大統領
大統領をはじめとして、米国の要人には、当然このように公用には厳重なセキュリティーの施された、電話、スマートホンを使用することが義務付けられているのです。

そうして、この禁を破ったとされる人は、いまのところ報道されている限りではヒラリー・クリントン氏しかいません。このようなことを無頓着なことをする人が、とても米国大統領にふさわしいとは思えません。

一方の、トランプ氏は日本では、過激な発言ばかりが報道され、これがトランプ氏を色も、際物と認識させる結果になっているのですが、これは、トランプ氏の戦術であると思われます。

トランプはご存知のように、選挙資金は自腹です。しかし、ヒラリー・クリントンをはじめ、オバマもブッシュもまたその前の候補者もここしばらく、選挙戦の資金を自前で用意した人はいません。

アメリカの大統領というと、その実体は、アメリカのエスタブリッシュメント(支配層)の操り人形であるといわれてきました。その内実はどうなのか、直接伺い知ることはできません。


しかし、選挙には多額の資金を要するので、最も多額の資金を寄付した人の意見を蔑ろにすることはできないはずです。だから、そうした意味では、トランプ氏以外の候補者は、何らかの形でエスタブリッシュの操り人形だったということは、否定できないと思います。

トランプ氏はそうではないようです。しかし、トランプといえども、誰かと密接な関係があり、そこからかなり稼がせてもらっているなどとのこともあるかもしれません。当然、アメリカの多くの国民もそのような疑念を持ったことでしょう。

そのような疑念を晴らすためには、一見野放図ともみえる、数々の大胆な発言をする必要があったのだと思います。さすがに、トランプ流としか言いようがないあれだけの発言をすれば、トランプ氏の背後に彼を操る人など誰もいないということを、多くの米国民が認めざるをえないでしょう。

そうして、それが多くの人々に支持される理由なのです。米国民の多くは、現在の一握りの大金持ちを除いて、多くの人が米国は大金持ちにとって都合の良い社会になっていることに憤っています。そうして、それがアメリカンドリームを阻む大きな壁になっていると信じています。

今までのところ、トランプ氏のこの戦術は見事にあたっているようで、あれほど色物扱いされたにもかかわらず、結局実質上共和党の大統領候補になっています。

そうして、最後に、日本国内では、米大統領選で共和党候補の指名獲得を確実にした実業家トランプ氏(69)は4日、大統領に就任すれば、日米安全保障条約に基づき米軍が日本防衛のために支出している国防費の全額負担を日本に要求する考えを表明したことが大きく伝えられています。

しかし、これは実はヒラリー・クリントンも同じようなものです。ヒラリーは、日本を重視していません。また、「(日本を)信頼できる友好国ではないと思うようになった」とも発言しています。

トランプと、ヒラリーのいずれが大統領になったにしても、日本は従来通りアメリカは日本を必ず守ってくれると固く信ずることは不可能になったということです。これによって、日本の護憲派はますます追い詰められることになりました。

お花畑の住人の護憲派
そうして、どちらが日本とって米国の大統領に相応しいかといえば、トランプです。なぜなら、トランプ氏はまだ政府の要職についたことはないので、公務で私用メールを使ったというバカ真似はしていません。実業家のトランプは情報機密の重要性は、十二分に理解しているでしょうから大統領になっても当然のことながら、ヒラリーのようなバカ真似はしないでしょう。それに、中国に対しても、トランプは強硬な発言をするばかりですが、ヒラリーは親中派です。

トランプは、日本に「防衛費の全額負担」を求め、さもなければ「米軍撤退」するものの、「日本の核武装」を容認しています。

一方ヒラリーのほうは、日本に対しては「不信感」を抱き、親中派ですが、選挙運動中にはそれはおくびにも出していません。こちらのほうが、日本から見ればよほど色物であり際物です。

そもそも、ヒラリーは信用に足る人物ではないですし、トランプは一見暴言のようにも見えますが、日本が必ずしも米国に追随せずにまともな独立国になっても良いどころか、表現は違いますが、実質上そうせよと強く発言をしています。

これでは、当然のことながら、我が国にとってはトランプのほうが次期米大統領に相応しいといえます。これは、日本が真のまともな独立国になる千載一遇の機会であるとみなすべきです。

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