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2014年8月3日日曜日

【コラム】不振の原因を究明しないサムスン電子―【私の論評】原因ははっきりしすぎている! もともとサムスンは、戦術のみで戦略のない日本の下町の業績の悪い町工場のような凡庸な企業が図体がでかくなったというだけ(゚д゚)!

 【朝鮮日報コラム】不振の原因を究明しないサムスン電子

 
サムソン(左)とアップル(右)のスマートフォン

サムスン電子が再び「非常経営」に入った。今年第2四半期(4-6月)にスマートフォン(多機能携帯電話)事業が予想より不振だったことから、危機打開を目指した格好だ。飛行時間10時間以内の海外出張では役員もエコノミークラスを利用することとし、出張費用を20%カットすることも決めた。ソウル市瑞草区の社屋にある経営支援室所属の社員150-200人を水原市などの生産現場に投入する動きも進んでいる。

危機意識は現在のサムスン電子を生み出した力だ。サムスンの成長史を見ると、危機意識が経営の重要なキーワードだった。「女房と息子以外は全て変えろ」と命じた李健熙(イ・ゴンヒ)会長の「新経営宣言」は、変化がなければ滅ぶという危機意識の表れだ。「5年、10年後にどうやって食べていくかを考えると、背筋に冷や汗をかく」という発言も同様だ。

こうした危機意識は未来戦略室を経由し、系列企業にも広がっている。「順調なサムスンが騒ぎ過ぎだ」という反応も聞かれるが、経営環境の変化に非常体制で対応してきたことが成功の要因であることを否定はできない。

この記事の続きはこちらから(゚д゚)! 

チョ・ジュンシク産業2部長

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

【私の論評】原因ははっきりしすぎている! もともとサムスンは、戦術のみで戦略のない日本の下町の業績の悪い町工場のような凡庸な企業が図体がでかくなったというだけ(゚д゚)!

サムスンのデジカメのキャンペーンガール1

朝鮮日報は、国外・国内共に工作資金尽きた。 韓国といえば、東芝の半導体の研究データが韓国のライバル企業に不正流出した事件で、半導体メーカーの元技術者、杉田吉隆容疑者(52)は転職先の韓国企業をわずか3年足らずで事実上、解雇されていた。海外企業が求める人材は二極化し、末端の技術者では技術だけを吸い取られ、“使い捨て”にされる実態が浮かぶ。

これについては、以下の記事が良くまとまっていますので、そのURLを以下に掲載します。
「狙いは技術」日本人は“使い捨て” 韓国企業、危うい引き抜きの実態 
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にサムソン関係の部分のみコピペさせていただきます。
 東芝の半導体の研究データが韓国のライバル企業に不正流出した事件で、半導体メーカーの元技術者、杉田吉隆容疑者(52)は転職先の韓国企業をわずか3年足らずで事実上、解雇されていた。海外企業が求める人材は二極化し、末端の技術者では技術だけを吸い取られ、“使い捨て”にされる実態が浮かぶ。 
送検のため警視庁戸塚署を出る杉田吉隆容疑者 本年3月15日
 日本企業からの技術流出が顕在化したのは、20年以上前にさかのぼる。90年代には、週末のソウル行きの航空機に日本人技術者が大量に搭乗し、韓国のサムスン電子などで技術を伝授する見返りに高額の報酬や接待を受けていたという。 
 「日本型モノづくりの敗北」の著書がある元半導体技術者の湯之上隆さん(52)も知人経由で勧誘を受けたことがあり、「サムスンは次の技術開発に何が必要かを検討し、あらかじめリストアップした日本人技術者の中から適任者を探し、高額な年俸で引き抜いていた」と振り返る。 
 ヘッドハンティングを手がける会社関係者によると、日本人技術者の流出は日本企業でリストラが相次いだ約2年前がピーク。自ら海外企業に売り込む技術者も出始め、雇用条件は一時よりも下がっている。 
 一方で、マネジメント能力も備えた技術者には「年収は前職の2、3倍。車やマンション、通訳に、家族が訪れる際の往復航空券」といった好条件が用意されており、求められる人材は二極化しているという。
このように、サムソンは結局、日本はもとより、韓国内やその他の外国の技術者を高額な年俸で引き抜き、必要な技術をどんどん手元に引き寄せました。

しかし、これはアップルやGoogleのように、長期的戦略にのっとり、次の10年の戦略を成就するために、基本的技術で現状では自社にない部分を穴埋めするというようなものではなく、とにかくここ1~2年で販売する製品のため、もともとほとんどない技術を手元にひっばってきていたというのが実態です。

こうして駆り集められた技術者は、サムソンの業績が直近では悪いので、ほとんどが解雇されています。全くの"使い捨て"です。

このような技術力もない、長期戦略もない、人も大事にしない企業とは、どのように形容するが相応しいでしょうか?:結局、町工場の経営者の経営陣が運用する「凡庸な企業」だっということです。

そういわれてみれば、サムソンは、アップルのようなそれまでにない、全く新たな製品を市場に投入したことがあったでしょうか。

アップルや、マイクロソフトだって、何から何まで自分たちで全く新しいものを開発して市場に投入してきたわけではありません。そんな芸当は、とても現実社会では実施できるものではありません。

現在、アップルやマイクロソフトのパソコンに搭載されている、OSはともに、ゼロックス社のものが原型になっています。しかし、そうはいっても、最初に市場に本格的に投入したのは、アップルであり、その後さらに本格的に導入して、しかも、他社製品に搭載できるようにオープンにしたのは、マイクロソフトです。

このように、全く新しいものではなく、原型があったにしても、現在使われているパソコンOSの原型を最初に世の中に広めたのは、アップルとマイクロソフトであるということです。

さらに、iPadや、iPhoneなどのタブレット端末や、スマートフォンをこの世に最初に広めたのはアップルでした。

これにも原型があります、実はiPhoneやiPadがアップルにより市場に投入される5年ほど前に、すでにノキアではこれとほんど変わらない製品のプロトタイプを開発していました。ノキア、これらはまだ市場投入するには早過ぎると判断しました。

スマートフォンの市場投入でアップルの後塵を拝したノキア

市場への投入時期を間違えたため、アップルに先を越され、後塵を拝することになってしまったのです。

以上のように、アップルやマイクロソフトだって、最初に原型があって、その原型を改良して、使いやすいようにして、適切な時期に市場に投入して成功しています。

そうして、このようなやり方は、リミックスともも呼ばれていて、単なるモノ真似ではありません。

それについては、このブログにも掲載したことがありますので、そのURLを以下に掲載します。
『海賊のジレンマ』が教えてくれる「未来のアイデアを育てる」方法−【私の論評】単なる天才のひらめきで、イノベーションはできない体系的なRemixのみが社会を変える!!

レディー・ガガのアルバムの写真

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事よりリミックスについて一部分のみを掲載させていただきます。
新しいものが、全くの無から生まれてくることはありません。バッハも、同時代の先輩格のビバルディやコレルリの曲を何曲も編曲して新しい楽曲を生み出しています。特に、バロック時代にはそのようなことは、日常茶飯事に行われていました。今のように著作権法などはありませんでした。このようなことを行っていくうちに、バッハも自分独自の素晴らしい楽曲を作成するに至りました。 
アインシュタインだってそうです。彼自身が、自分がやったことは、過去の人がやったことに1%を付け加えたに過ぎないと言っています。その1%が素晴らしいことだったのです。彼でさえ、99%は、リミックスだったのです。 
特に、社会変革に関する企画に関してはそういうことがいえます。今まで社会でどの時代のものであれ、うまくいったことは、すべて手本にすべきです。近江商人など昔の商人のやったことだって、多いに役立ちます。だから、過去に行われたこと、現在多くの人が行っていることは、徹底的に調べて、まずは、著作権法、商標法などに違反しないかたちで、複写・変形・結合することによって、新しいものを生み出すべきです。 
複写・変形は、すぐに著作権侵害をしてしまう恐れがあります。ただし、誰が最初にやったのかわからない形で、世の中に広まってものは、そのようなことはありません。複数のものを結合して新しいものをつくってしまえば、それは最早、複写・変形の域を超えています。だからこそ、結合が重要なのです。そうして、努力を重ねて、さらに運がよければ、アインシュタインのように、1%の全く新しいものを付け加えられるかもしれないです。そのとき私たちは天才と呼ばれるのかもしれません。しかし、天才と呼ばれることがなくても、商売や事業は十分やっていけます。だから、凡人は、まずは、リミックスすべきなのです。 
リミックスは、今のIT企業の基本的な戦術です。リミックスをしない企業は、すぐにも敗退することでしょう。しかし、戦術は戦術であって、戦略ではありません。たとえば、スターバックスのCEOも語っているように、店数を増やすこと自体は戦術であって、戦略ではありません。基本的な戦略があって、はじめて戦術が生きてくるわけです。

現代では、リミックスという戦術がなければ、多くの企業は競争に負けてしまいます。しかし、優れた技術があっただけでは、それが自社製であろうが、他社製であろうが、必ず戦術面でも、他社に遅れをとってしまいます。

やはり、最低10年くらいを見通した、戦略が必要不可欠です。その戦略にあわせて、戦術を練り、リミックスをしていくのです。

サムソンは、戦略なしに、目先のリミックスだけ繰り返してきました。だからこそ、今日のような姿になってしまっのです。

そうして、それを後押ししてきたのが、日本のデフレ・円高政策です。戦略がなくても、戦術だけで、サムソンがやってこれたのは、これによるものです。これに関しても、このブログに掲載したことがありますので、そのURLを以下に掲載します。
特許権侵害に莫大な賠償命令で韓国パクリ商法に限界が到来か―【私の論評】韓国は、ウォン安、円高というぬるま湯に漬かってきただけ、技能工も育てられなく、部品・素材産業がない韓国経済に未来はない!! 

超円高・超ウォン安というぬるま湯に漬かってきた韓国経済?
これも、詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事より一部、韓国の過去のぬるま湯ぶりを示す部分だけ以下にコピペさせていただきます。
サムスンや現代自動車など韓国のいわゆる超優良企業など、そもそも、最初から幻想にすぎません。韓国の優良企業のすべては、日本の水準からするとすべて凡庸な企業にすぎません。 
国内がかなりのインフレになることと引き換えに、ウォン安にして、しかもつい先日まで、日銀の円高・デフレ誘導により、超ウォン安、超円高により、ぬるま湯に漬かり、わが世の春を謳歌していたにすぎません。 
とにかく、超ウォン安・超円高ですから、部品や素材など日本から購入したほうが、自国で製造するよりもはるかに安く、楽に手に入り、それを組み立てることにより躍進してきただけで、韓国企業にまともな業績・成果などありません。韓国内のパクリでない産業もこの域を出ません。
私自身は、パクリそのものは、上でリミックスを肯定しているせけですから、否定はしません。しかし、戦略なきリミックスは、戦略のない戦術と同意語です。

最初は、うまくいっても最後は失敗に終わります。最近のノキアがまさにそうですし、現在のサムソンがそうです。

超ウォン安は、サムソンの失敗をはやめただけであって、仮にウォンが通常の範囲に収まっていたとしても、いずれ失敗したと思います。


サムソンのデジカメのキャンペーンガール2
再度結論をここで、述べますが、サムソンはもともと戦術はあるものの、戦略のない、日本の業績の悪い町工場のような凡庸な企業に過ぎなかったのであり、まともな戦略を持たない限り、生き残ることはできません。

そうして、現状の韓国では、先進国のこれからを思い描くことも出来ず、このままではサムソンの行く末は破綻でしょう。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2012年10月30日火曜日

技術流出 官民で阻止する態勢作れ−【私の論評】何か本当に大事なことを忘れてはいませんか?!新日本駄目論の呪縛にとらわれていませんか?

技術流出 官民で阻止する態勢作れ

企業アンケートより

最先端の製鉄技術を盗用されたとして、新日鉄住金(旧新日本製鉄)が韓国・ポスコに損害賠償と製造差し止めなどを求めた訴訟は、ポスコ側が全面的に争う姿勢を明らかにした。

国内最大手で世界2位の新日鉄住金と、韓国最大手で世界5位のポスコが真っ正面から対立する図式になったのである。

しかも、新日鉄退職後、技術を持ち出したとされる元社員も賠償請求の対象になっている。長年日本の産業界をリードしてきた企業が技術流出に厳しい姿勢を見せたことを重く受け止めたい。

・・・・・・・・・〈 中略 〉・・・・・・・・・・・

これらは、日本企業が技術流出問題にいかに対応すべきか、訴訟に持ち込むべきか、どうすれば勝訴できるか-などを検討する際の貴重な材料となろう。日本の技術を守るには、こうした前例を積み重ねていくことが大切である。

国も、iPS細胞など特に重要と認めた技術を保護するための新法制定や厳格なルールの設定などを検討すべきだ。日本で生まれた先端技術は日本の宝だ。流出阻止の態勢づくりに国、企業が一丸となって取り組まねばならない。

この記事の詳細はこちらから!!

 【私の論評】何か本当に大事なことを忘れてはいませんか?!新たな日本駄目論の呪縛にとらわれていませんか?

このブログではいつも最新の記事を掲載していますから、少し古い記事なのですが、上の記事を読んでいると、何かやりきれない思いがするので、本日は、はこの話題について掲載したいと思います。

こういう記事を読むと、以下のよう論調が必ずでてきます。その代表的な意見として、以下にある方のブログの記事とその要旨をあげておきます。

■[経営]技術流出を心配する前にやるべきこと

本当に優れた技術者を手放したくないなら、優れた技術者の優れた面をきちんと見出して、そして他の凡百の技術者とはちゃんと差をつけた処遇をして、本人に「この会社でずっと仕事をしたい」と思わせるようなやる気が出る仕事を与えて、といった優れた経営が必要だと思うのです。
優れた技術と優れた技術者が日本に残らない理由、それは、技術者の目利きをできない、あるいはしてもそれにふさわしい処遇をできない、ふさわしい仕事を与えられない経営の問題のように思います。そして、競合の韓国は、それができている。
日本が本当に技術流出を防ぎたいなら、経営者を鍛え、選抜するような社会制度を、国策として考えるべきだと思います。



この方が語っていることは、ミクロ的には、全く正しいとだと思います。しかし、マクロ的にみた場合は、正しいとは言い切れません。少なくとも、上記のことは、日本がデフレでない、円高でもない、日銀による金融政策がまともであれば、まったく正しいと思います。

もう、14年間デフレが続き、記録的な円高にある日本にあっては、日本国内の話として、上記のような話をしても良いと思いますが、それを韓国などの外国までふくめて援用して語ることは正しくありません。

現在のように日銀の引き続く金融引き締めの最中にあっては、異常な円高と、国内のデフレから、特に国内では、モノやサービスが売れず、企業は設備投資は控え、さらに、最近は多少緩和されてはいるものの、かなりの円高であることには変わりありません。

この状況であれば、日本では、どの企業でも生産を控えるために、設備投資は控え、雇用も控えるのは当然のことです。そうなれば、会社が発展する余地はなくなるので、海外に輸出しようと考えるのは成り行きです。そうはいっても、日本で生産していては、円高ですから、海外から比較すれば、製品の価格が高くなるのが当たり前です。


デフレになる前までは、日本の輸出のGDPに占める割合は、わずか8%に過ぎませんでした。それが、今までは、16%前後と倍の規模になっています。ただし、この率は諸外国と比較すれば、まだかなり低いほうです。たとえば、中国、韓国、ドイツなどは、40%をこえています。特に韓国は50%を超えています。アメリカは、日本の10年少し前と同じく6%前後にすぎません。

これは、いかに日本のデフレ圧力が凄まじいものであったのかを物語っています。このようなデフレ圧力に輪をかけて歴史的な円高では、企業が生産拠点を外国に移転したりするのは、当然のことです。であれば、技術も技術者も海外に移転して、場合によっては技術そのものまで流出してしまいます。これが、技術流失の背景にあるマクロ的な出来事です。

特に韓国との関係では、このマクロ的な見方が成り立ちます。これに関しては、以前もこのブログに掲載しました。

“竹島問題の背景にある日本の「経済力」の衰退。日韓企業の競争力の差を生む「円高」「ウォン安」の構造を変えよ  | 高橋洋一「ニュースの深層」 | 現代ビジネス [講談社]−【私の論評】韓国の異常な経済は、米国金融界による日本の富収奪システムか?

詳細は、上のURLをご覧いただくものとして、以下に要点を掲載します。
日本の経済力を復活させるに一番簡単で確実な方法は為替の円安誘導だ。ここ20年間、小泉・安倍政権以外はことごとく失敗している。本コラムで何回も紹介しているが、それができない政権は情けない。特に、リーマンショック以降が酷い。
下図をみていただきたい。リーマンショック前から現在までの、円の対ドルレート、韓国ウォンの対ドルレートの推移を示したものだ。韓国はリーマンショック以降猛烈に金融緩和してウォン安にした。その後、ドルも金融緩和してじりじりとウォン安は修正されている。一方、日本は金融緩和せずに、円高になり、それが最近さらに加速している。

この結果、リーマンショック以降、割安な韓国ウォンを武器に大きく輸出を伸ばした。特に、ライバル日本との海外市場での勝負は韓国の勝ちだ。象徴的なのは半導体で、エルピーダはどんなにリストラしても技術がよくても価格競争力で圧倒的に負けた。今でも、韓国ウォンはリーマンショック前から2割安、一方円は4割高なので、韓国企業に対して6割の価格ハンディが日本企業にはある。
こうした話はビジネスマンからあまりでない。為替という外部・マクロ環境のせいにするのが潔いと思わないのか、内部・ミクロ環境に原因を求めがちだ。またマスコミもそのような当事者から話を聞くために為替が原因とはっきり書かない傾向だ。
この傾向は、下のグラフをご覧いただくと株価も含めてはっきりします。


最近は多少は、円高傾向が緩和しているものの、依然としてかなりの円高基調であることには変わりありません。このままだと、国内では企業活動が停滞して、設備投資投資も雇用も停滞し、技術や技術者の海外移転がますます増えるものと思います。


これを止めるためには、円高・デフレの守護神とまでいわれる、日銀の金融引き締め政策による大暴走を食い止めるしかありません。

冒頭の記事では、「流出阻止の態勢づくりに国、企業が一丸となって取り組まねばならない」とむすんでいるものの、日銀の金融引き締め策については、全く言及していません。さらに、上のブログ記事『技術流出を心配する前にやるべきこと』でも、全く言及していません。

そうして、最近テレビなどの報道をみていて、気になるのは、韓国のサムソンなどの企業と、日本のソニーや、シャープなどの企業を単純比較して日本駄目論を報道するものが増えているということです。多くの企業関係者が、上でも掲載したように、謙虚な姿勢で"為替という外部・マクロ環境のせいにするのが潔いと思わないのか、内部・ミクロ環境に原因を求めがち"であることを良いことに、なにやら、日本企業駄目論、韓国企業優秀論などのおかしげな論調が大勢を占めています。これも、マスコミによる日本矮小化の一環だと思います。




エルピーダも、ソニーもシャープも、企業として、韓国企業なとに比較して、特に経営的劣っているということはないです。そうして、これだけの歴史ははじまって以来の円高水準の中で、良く努力しているほうだと思います。企業関係者は、もっと、いつまでも、デフレ・円高政策を転換しない日銀に対して、怒りの矛先をぶつけるべきだと思います。日銀まるで、日本の中央銀行ではなく、韓国や中国の中央銀行でもあるかのような政策しかとりません。こんなことで良いはずはありません。多くの人は、こうした日銀の不手際を忘れ、日本企業駄目論の呪縛にかかって、本当の原因に目が行っていないのだと思います。

それにしても、日本の企業この円高でも、良く耐えて頑張っていると思います。最近では、ソニーがインドで巻き返しつつあることも報道されていました。これだけ不利な状況ですごいことだと思います。それにしても、特にリーマンショック以降、他国の中央銀行は、日本と比較すれば、増刷なども含む徹底した金融緩和策を実施してきたにも関わらず、日銀は何もせず、これだけ、円高・デフレで日本企業をいたぶってきたにもかかわらず、何とか持ちこたえています。

これは、日銀さえまともになれば、日本の企業はすごいことになると思います。おそらく、この厳しさに生き抜いた企業は、これまでとは全く次元の異なる強い企業に生まれ変わり、力強く前進しはじめると思います。


そうして、その日は近いです。なぜなら、自民党の安部総裁は、日銀の政策転換を強力に推進し、増税は先送りし、デフレ克服を政策の第一に謳っているからです。これに比較すると、石原新党などは、デフレ解消などは、後回しと考えているようで、増税も認めています。まずやるべきことは、官僚体制を壊すこととしています。

私としては、官僚体制を壊すこと自体には大賛成なのですが、それよりも、まずは14年間も続くデフレ解消がまず先だと思います。何しろ、デフレは経済の癌ともいわれているほどの経済の病気です。人間でも、癌の人が、まずは病気を治すことを考えるのが普通です。病気を治して、他のことを考えるというのが普通です。


そうして、多くの人が思っているよりは、デフレ退治のほうが、簡単です。まずは、日銀の金融政策を転換させるだけで、円高はあっというまに収束します。それとともに、大規模な財政出動をすれば、かなりはやく克服できます。とにかく、過去10年以上もやってきたことの反対をすれば良いだけです。これに比較すると、官僚体制を壊すことはかなり時間がかかります。

石原氏は、いわゆる根本病にかかっている可能性もあります。根本病とは、「改革を志向する人が、根本問題にのみ囚われている状態」のことです。体制や機構などの変改ばかりが先行して、実態の改善がおろそかになるおそれがあると思います。民主党などは、そもそも、最初から駄目なのに、「政治主導」なる根本病にかかってひどいことになりました。

いずれにせよ、技術や技術者の流出でさえ、マクロ的にはデフレ・円高を容認し続けている日銀の金融政策にかなり問題があるわけです。そうして、日銀の金融政策を変えることは、日銀法の改正など比較的短期間でできます。日銀法の改正ができれば、その後は、特に新たな法律を作るとかなどせず、その時々で柔軟な金融政策ができるようになります。

そうして、財政出動との両輪で、デフレはかなり確実に脱出できます。これでだけでも、随分違います。まずは、これをやってから、官僚体制の破壊をやるべきです。もう、20年近くも放置されて、国民や企業を苦しめる続けるデフレの解消をまず最初にやるべきと思います。今の民主党のように、デフレ克服すらできない政党が、官僚体制の破壊をすることなど、とうていできないと思います。

皆さんは、どう思われますか?

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