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2018年6月1日金曜日

時間のムダだった「愛媛県文書」騒動 確認取らず公表する醜態、ダブスタ目立つ「反アベ」の人―【私の論評】財務省の増税路線を批判しない不思議な野党とマスコミ(゚д゚)!

時間のムダだった「愛媛県文書」騒動 確認取らず公表する醜態、ダブスタ目立つ「反アベ」の人

「愛媛県文書」の存在を知らせる朝日新聞の紙面

 先日の本コラムで、加計学園をめぐり、安倍晋三首相と加計孝太郎理事長が面談したなどと記述された「愛媛県文書」を取り上げた。その際、1年前の「文部科学省文書」とそっくりな構図であることを説明し、最後に、万一事実でなかった場合、メモの提出者と、それを裏取りなしで報道した多くのマスコミの責任は大きいと断じた。

 どうやら、愛媛県文書は事実が書かれていなかったようだ。当事者の加計学園が「誤った情報を与えた」とのコメントを公表したのだ。

 筆者の懸念したとおり、愛媛県文書は書かれている人の確認も取っておらず、証拠能力のある公文書にもならないメモだった。伝聞に伝聞を重ねたようなものだったのだ。文書に書かれている人の確認を取らず、公文書にもならないというのは文科省文書と同じである。

 確認が取れていない文書をそのまま公表したり、マスコミが報じたり、さらには国会で問題視したりすることにどこまで意味があるのだろうか。

 公文書ではないメモを公表するにせよ、書かれている人の迷惑になってはいけないので、その人に事前に確認を取るのが一般常識だろう。

 愛媛県文書も文科省文書もそうした当然の確認行為がないまま公表しており、何らかの意図を持ったものであるといわざるを得ない。その確認をしておけばこのような醜態をさらすこともなかっただろうに。

 そうした文書を報道するためには、裏を取る必要があるだろう。愛媛県文書も文科省文書もともに裏を取るのはそれほど難しいことではないと思われるが、マスコミはそうした当然のことを怠り、あたかも事実のように報道したこともおかしい。

 これを取り上げる国会議員も、国家戦略特区が認可の「申請」を認めただけなのに、認可をしたと間違った理解をしているので嘆かわしい。筆者は以前のコラムでNHKのウェブサイトの記述の間違いを指摘したが、報道は相変わらずである。

 文科省による認可作業は、昨年の4~10月に行われている。3年前に愛媛県と加計学園の間で行われた話が、昨年行われた認可作業にどのような影響があったというのだろうか。

 このように今回の愛媛県文書と1年前の文科省文書にはともに多少「盛って書いた」ところなど共通点が多い。しかし、文科省文書の時には、「首相の意向」と盛って書いた文科省官僚は一切非難されていないが、今回の愛媛県文書の場合、誤った情報を出した加計学園関係者が批判されるのは、ダブルスタンダードだ。

 筆者は、こうしたメモは往々にして伝聞が多く、盛った話ばかりなのでそれを信じないが、首相を追及する手がかりを失ったと残念がる人ほど、こうした「ダブスタ」が多いようだ。

 重ねて言うが、特区で行ったのは単に「認可の申請」だけで、「認可」そのものではない。首相を追及したいなら、この点をきっちりと勉強する必要がある。特区関係の新文書が出てきたと騒いでマスコミが報道し、国会で取り上げるのは時間の無駄でしかない。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】財務省の増税路線を批判しない不思議な野党とマスコミ(゚д゚)!



昨日は、国会で嘘の答弁をしたとして市民から刑事告発されていた佐川氏らが大阪地検により不起訴となりました。この1年間、マスコミ・野党は必死で追及しましたが、この結果でした。

マスコミと野党の財務省の文書書き換え追求の目的は麻生太郎財務大臣の辞任でだったと思います。麻生大臣が辞任すれば、安倍政権の屋台骨が大きくゆらぎ、秋の総裁選での安倍三選に赤信号がともると、反安倍陣営は思っていたのでしょう。

29日の国会で麻生大臣は、森友学園をめぐる文書改ざん問題について「改ざんとか、悪質なものではない」との発言に関しての、野党やマスコミの追求もこの麻生下しが主目的でした。

麻生大臣の言葉尻をとらえた、テレビ報道

麻生大臣は「書き換えられた文書の内容を見る限り、少なくともバツをマルにしたとか、白を黒にしたとか、改ざんとかそういった悪質なものではないのではないか。いわゆる答弁に合わせて書き換えたということが全体の流れである」と発言しました。

文書書き換えでも文書改ざんでも、財務省のしたことは国民の信頼を失墜させたことで重大なことには違いありません。しかし、これが麻生大臣の責任かといえば、さすがにそれは違います。

文書の書き換えは麻生大臣の認識できない範疇行われました。あのようなことで、大臣が辞任するということになれば、官僚は大臣をいつでも辞任させることができることになってしまいます。

そうなれば、安倍政権であろうと、安倍首相以外の自民党政権であろうと、他の政党の政権であろうと、文書を書き換えれば官僚はすぐに大臣を辞任させることができます。そんな馬鹿な話はないでしょう。

しかし、マスコミは、麻生大臣が「改ざん、悪質なものではない」「悪質なものではない」と題して、その言葉尻をとらえて報道しています。さらに、野党がこの言葉尻をとらえて、麻生大臣に辞任を迫るという発言も紹介しています。

彼らの報道ぶり、からはマスコミが麻生大臣の言葉尻をとらえていますぐにでもやめさせたいという意図がはっきりとみえます。もちろん野党がそうするのはある程度は、政治的に理解できるところがありますが、マスコミの報道姿勢としてはどうなのでしょうか。 

ところで野党もマスコミも麻生大臣辞任の世論形成にだけ集中しているようで、国民や政治家などの真の敵である財務省については生ぬるい批判しかしていません。さすがに最近の財務省自体は大人しくみえはしますが財政再建や社会保障の拡充という理由で消費増税路線は健在です。

経済財政諮問会議は「骨太の方針」の中に消費増税を明記し、さらに財政再建の期限や目標値を設定しています。昨年の「骨太の方針」では「増税」の文字はありませんでした。

昨年の「骨太の方針」の表紙、中身に「増税」という文字はなかった

昨年なかった「増税」の文字が、今年の「骨太の方針」には現れたということは、野党やマスコミ、識者などの財務省批判などとは全く別に、増税に関しては本来あってはならない財務省の政治的な力は昨年よりもさらに強力になっていることを意味します。

またマスコミも財務省発と思われる消費増税対策を報道したり、または「識者」の中でも消費増税の影響を論じる人が最近目立って増えてきています。

どれも「(消費税の悪影響に)万全の構え」という表現を用いて景気対策の有効性を強調したり、あるいは消費増税の影響自体を過少にみるものが多いです。財務省は見かけは大人しくしていても、その他の増税マスコミや増税政治家、そして増税識者たちが代わりに消費増税を宣伝し、それを着実に具体化していこうとしています。

その増税への熱意は未だに全く衰えていないようです。文書書き換え問題がどうなろうと、国有地売却の疑惑があつたにしても、財務省そのものは何も変わらず、あいかわらず増税路線をひた走りに走っているのです。

消費税増税を前提とした日本経済新聞の記事

増税を推進する、マスコミ、政治家、官僚、識者は消費増税の万全の対策だとか、日本経済への影響は軽微であるとか、2013年から14年にかけて言っていたのと同じような屁理屈で、増税を正当化しています。

しかし、現実は彼らの主張とはまったく異なり、日本経済は大きなダメージを負いました。金融緩和策で雇用は良くなったものの、増税の悪影響が未だ続いており、GDPの伸び率では未だお隣の韓国よりも低い状況です。現状でも、まだ完璧にデフレから回復したとは言い難い状況にあります。これを喜んだのは消費税率を上げることに成功した財務省と増税陣営だけでしょう。もちろん増税陣営の中には野党勢力の多くも存在します。

本当は、麻生大臣の言葉尻りをとらえることよりも、はるかに重大なのはこの財務省の消費増税路線とその弊害です。この問題にこそ日本の将来がかかっています。この問題を追求する野党やマスコミが存在しないというのが、本当に残念です。

もう一度増税すれば、日本経済はとんでもないことになるのは明らかです。また、デフレに戻るのは必定です。そうなれば、円高にもなり、また日本の産業の空洞化がはじまり、若者は、就活に苦しむようになります。やはり、財務省は分割して、他省庁の下部組織につけるという方式で完璧に解体するしかないのかもしれません。

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