ラベル トラン府 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル トラン府 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2019年11月11日月曜日

エプスタイン報道を放送しなかった「ABCは他のメディア同様に悪い」とトランプ―【私の論評】米大手メディアは、FOXnews以外はすべてリベラル系であることを再認識すべき(゚д゚)!

エプスタイン報道を放送しなかった「ABCは他のメディア同様に悪い」とトランプ


トランプ大統領

トランプ大統領は10日、ABCニュースがジェフリー・エプスタインの性的虐待に関する報道をもみ消した件についての議論に加わり、「もはや報道の自由が失われている!」と宣言した。

トランプのツイートは、ABCニュースに勤めていた際に録画されていた暴露話をリークしたとされるCBSニュース社員の解雇を受けてのものだ――その問題の若手プロデューサーは涙ながらにその話を否定している。

「ABCは他のメディア同様に悪い。今や報道基準は存在していない。マスコミはあまりにも不正直であるため、もはや報道の自由が失われている!」とトランプはツイートした。

大統領は、プロジェクト・ベリタスの創設者で、自称「ゲリラジャーナリスト」のジェームズ・オキーフのツイートに答えていた。そのプロジェクト・ベリタスがABCニュース司会者のエイミー・ロバックの問題発言の録画を暴露していた。

ビデオの中でロバックは、3年前エプスタインの被害者とされるバージニア・ロバーツ・ジェフリーをインタビューし、エプスタインの性的虐待のネタがあったのに、ABCは放送しなかったと不満を漏らしている。ロバックは疑惑を突き止めていたと話し、ビル・クリントン元大統領、アラン・ダーショウィッツ弁護士、そしてアンドリュー王子の名前を挙げている。

ロバックは、「誰もそれが誰か知らない」ため、また王室が局を脅したために、ABC幹部がエプスタインについての報道を過小に扱ったと不満を漏らしている。

「王室関係者はアンドリュー王子についての彼女の訴えを我々がすべて把握していると知り、ありとあらゆる方法で我々を脅した」と、ロバックはその場で思いを爆発させて語っている。

アンドリュー王子、クリントン、ダーショウィッツは不正の疑惑を全て否定している。

ロバックは、同放送局が意図的にエプスタインの報道を没にしたことはないと声明の中で述べ、録画のことを「個人的な不満の瞬間」と呼んだ。

CBSニュースはその後、25歳のプロデューサー、アシュリー・ビアンコを解雇したが、ABCニュースは彼女が――彼女自身は誤りだと主張しているが――録画のリーク者だと特定していた。

トランプはオキーフの投稿をリツイートしていた。そこには、ABCはエプスタインに対する報道を放送せずに、ブレット・カバノー最高裁判事を性的不品行疑惑で「中傷」した、とFOXニュース司会のジェシー・ワターズが非難しているテレビ番組の場面が含まれていた。

「一体全体ABCの編集基準はどこにあるのか」とオキーフは、ワターズのひとコマを引用してツイートしていた。

【私の論評】米大手メディアは、FOXnews以外はすべてリベラル系であることを再認識すべき(゚д゚)!

ABCは、報道機関に特有の、暴動しない権利を行使したのでしょうか。それにしては、この問題の幅は広く、奥行きは深いです。やはりトランプ大統領のいう「もはや報道の自由が失われている!」とみるのが、妥当なのかもしれません。

エプスタイン事件に関しては、このブログではとりあげたことがなかったので、本日とりあげることにしました。

エプスタインは表向きは金融業界で成功した億万長者でしたが、2005年に自身の所有する大豪邸で少女たちに性行為をしていたことが明らかになりました。彼の犯行は裁判でも確定しています。

ジェフリー・エプスタイン

彼は性犯罪者としてSex offender level 3認定を受けていて、これはもう社会の敵と断定されたのと同じようなものです。

彼が凶悪な性犯罪者だったことは確定した事実なのですが、この他に彼が関係する疑惑が2つありました。
1.各界の有力者たちが使う少女人身売買ネットワークがあったのではないか 
2.人身売買サービスを使った人を脅して金をとっていたのではないか (ここで言う人身売買は少女に対して金を対価に性的行為をすることです)
第1のポイントに関しては、すでに彼の豪邸で複数人を相手に性行為をさせられたと証言する女性たちが出ています。彼が最後に逮捕されたのもその容疑があったからです。

彼の豪邸で少女を買春していた複数の男たちの中には有名な人たちの名前がたくさん上がっていて、特に物議を醸しているのが元大統領のビルクリントンやイギリス王室のアンドリュー王子です。

クリントン元大統領は週末にプライベートジェットでエプスタインの島に頻繁に通っていたこともわかっており、またトランプ大統領も「15年の付き合いがある」と2002年のインタビューで言っています。

イギリス女王の息子アンドリュー王子がエプステインの豪邸にいる写真がすでに出ており、被害女性はその写真が「合成ではない」と証言しています。

先日リークされたABCニュースの動画でも、クリントン元大統領を始めとする人たちがエプスタインと関係していることやエプスタインはBlackmail(情報を人質にした脅迫)をすることで財を成したことの証拠が3年前にはそろっていたとAmy Robachが話しています。

このエプスタイン問題は大手メディア以外では情報が多く出回っていて、秘密でも都市伝説でも何でもありません。複数のジャーナリストが調べた結果を公表しているし、エプスタインの豪邸で働いていた人、エプスタインの島に少女を連れてきていた人の証言が出ています。

ではなぜ今回このリークされた動画が重大かというと、大手ネットワーク(放送局)がエプスタイン関係の情報を出すことを許さなかったと言っているからです。元大統領が少女を買春していたことを、現場の人間たちの証言があっても報道しないというのは異常事態です。

人身売買ネットワークがあるだけで大問題ですが、この問題を重大視している人たちはその先にある問題を見ています。

それが2つ目のポイント、エプスタインのBlackmail(ゆすり、恐喝)の話です。

性犯罪を犯したらどんなひとでも社会的に完全に抹殺されるので、絶対にバレるわけにはいきません。ということは、エプスタインに脅されたら口止め料を払うことになります。彼のところで少女たちと性行為する人たちは皆お金持ちですから、自分の身を守るために大金を払うでしょう。

しかし、お金のために有力者たちを脅迫するのは良い考えでしょうか?

エプスタインの豪邸に行っていたのはただの金持ちではなく、有力者たちです。有力者たちを敵に回すということは、自分が消される可能性があるということです。だから有力者たちを脅迫するためには、更に強力な後ろ盾が必要です。

この後ろ盾がエプスタイン問題の核心なのです。エプスタインは金のためではなく、何らかの組織のために動いていたのではないかという話になっていきます。

そもそもエプスタインは10年以上前に有罪が決まっているのに一度も刑務所に入っていません。それを可能にしていたのが彼の強力な弁護団です。どれぐらい強力だったかというと、大手メディアに圧力をかけてエプスタインに関する情報を報道させないぐらい強力だったのです。

しかし弁護士自体にそんな圧力をかける力はありません。弁護士ができるのは「もし報道したらこんな人たちが出てきますよ」とほかの名前を出すことです。つまりエプスタインを守ろうとする組織の伝達係にしかなりません。

ではどんな組織だったらエプスタインをここまで守ることができるのか?どうしてその組織は彼を守っていたのか?

大手メディアを情報統制して、彼を法権力から逃れさせることがどうしてできたのか?

何らかの組織の存在をちらつかせるもう一つの理由がエプスタインの”自殺”です。検死官は彼の首から他殺で付く跡があると証言しています。

もしも彼の”自殺”が、彼の体を解剖した検死官が言ったように他殺であるとしたら、どうやって刑務所内で彼を殺したのでしょうか。

検死解剖で他殺の痕跡がでたにも関わらず、どうして自殺として処理させることが出来たのでしょうか?

これらの一つとしてお金だけで簡単に出来ることではありません。

現時点でエプスタイン問題の人身売買ネットワーク以外の話は証拠らしきものはありますが、未だ核心がつかめていません。エプスタインの証言が決め手になるはずだったのです。

彼がこれまで刑務所に入らなかったのも、脅迫しながら生きてこれたのも、根回しして大手メディアを情報統制できたのも、刑務所内で殺して足がつかないのもCIAやモサドのような特殊な組織が関わっていないとできないことです。

長年エプスタイン問題を取材してきたジャーナリストの中にはエプスタインがCIAのダブルエージェントだという人たちもいて、その線でも確かにそれらしき情報はあるのですが、まだ決定的なものがありません。

CIAの名前が出たら陰謀論に過ぎないと思ってしまう気持ちはよくわかります。しかし、エプスタインの人身売買ネットワークにはイギリス王室のアンドリュー王子も関わっていた証言+証拠となりうる写真も出ており、国際的に重要な人物たちが人身売買ネットワークで少女に性行為をしていたということになれば大きな国際問題になります。

2001年 ヨーク公爵アンドリュー王子(左端)

容疑がかかっている人たちの地位や、やっていることの規模を考えればCIAのような組織が動く現実的な理由があります。

イギリス王室の次男がいるぐらいだったらほかの国の王室や権力者がいてもおかしくありません。もし人身売買ネットワークを王子が使っていたら、イギリス王室はどうなるのでしょうか?これだけでも世界が動きます。これはイギリス王室の存続にかかわる話です。

ABCのリーク動画では"The Palace found out and threatened us a million different ways" とイギリス王室からエプスタインの件に関して圧力があったという話が出ています。

元大統領すら顧客であると思しき人身売買ネットワークがあったというだけでなく、エプスタインにはCIAやモサドのような組織が深くかかわっている可能性があって、大きな国際問題になるはずの事件なのです。

「誰がエプスタインを殺したのか」「誰がエプスタインを守ってきたのか」のこの2点(答えが同じ可能性が高い)がこの問題の行き先で、これは世界を揺るがす大事件です。

このような大事件をもみ消した、ABCニュースの責任は重大です。このブログでは以前から掲載してきたことですが、米国の大手新聞メディアは、すべてがリベラルです。大手テレビ局は、FOXNEWSを除いてはすべてが、リベラルです。

このようなメディアが、保守系のトランプ大統領をどのように報道するか、日本のメディアの安倍嫌い報道をみていると、想像に難くないと思います。今回は、ABCの深い闇が垣間見れたと思います。

米国のリベラル系メディアの報道だけ、見てトランプ大統領を判断するとということは、日本でいえば、大手新聞の朝日、毎日、読売などの記事だけを読んで、安倍政権を判断するというに等しいです。

それでは、安倍政権の本質がわからなくなると同じく、トランプ氏やトランプ政権の実体がわからなくなります。日本のメディアは米国の大手メディアの報道を鵜呑みにして報道する傾向があるので、まともな国際報道ができません。

日本では唯一NHKだけが、まともな国際報道ができそうですが、残念ながら現状では偏向していると言わざるを得ません。

今回のエプスタイン報道のもみ消しということからも、米大手メディアの報道を鵜呑みするのは、危険だというか、米国の一面のみしか見ていないことがおわかりいただけたと思います。

【関連記事】

特報 米国司法省 IR疑惑で500ドットコムと前CEOを起訴 どうなる岩屋外務大臣―【私の論評】岩屋外務大臣の賄賂疑惑が日本に与える影響と重要性が増した企業の自立したリスク管理

特報 米国司法省 IR疑惑で500ドットコムと前CEOを起訴 どうなる岩屋外務大臣 渡邉哲也(作家・経済評論家) まとめ 米国司法省は500ドットコムと元CEOを起訴し、両者が有罪答弁を行い司法取引を結んだ。 日本側では5名が資金を受け取ったが、立件されたのは秋本司被告のみで、他...