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2014年5月13日火曜日

上念司「中国包囲網の決定打はモンゴル・トルコのランドパワー強化に在り!」―【私の論評】ソ連崩壊後、小国ロシアになってから国境溶解が顕著になり中国にとって軍事的脅威はなくなった!日本は経済援助を通じて中国と国境を接する国々のランドパワーを強化すべき(゚д゚)!

上念司「中国包囲網の決定打はモンゴル・トルコのランドパワー強化に在り!」


経済評論家の上念司氏は、南シナ海(南沙諸島、西沙諸島)で軍事的圧力を強めている中国に対抗するには、中国に接しているトルコやモンゴルなどの陸の国を経済的に支援して発展させることが解説しています。

上念司氏は、現在はベトナムやフィリピンが主導してASEANの海洋国家で対中国包囲網を敷いていますがそれではまだ不足で、日本は地政学を利用しランドパワーの国に支援して発展させれそれだけ軍事費に使える予算が増えるため、中国に対する圧力が増えて海に出てくる力を弱めることができると説明しています。

【私の論評】ソ連崩壊後、小国ロシアになってから国境溶解が顕著になり中国にとって軍事的脅威はなくなった!日本は経済援助を通じて中国と国境を接する国々のランドパワーを強化すべき(゚д゚)!

上の上念氏の動画でも言っているように、確かにソ連が崩壊してロシアになって以来、中国を取りまくランドパワーは格段に落ちて、それが中国の海洋進出に拍車をかけているのは事実です。

特に冷戦崩壊後のロシアの弱体ぶりに関しては、このブログにも以前掲載しました。そのURLを以下に掲載します。
旧ソ連と同じ罠にはまった中国、米国の仕掛けた軍拡競争で体力消耗―露メディア―【私の論評】ロシアの弱体化を吐露する記事、中国を封じ込めることと引き換えにロシアとの領土交渉を!!
現在、ロシアのGDPは日本の3分の1以下なのです。日露戦争の頃は、ロシアのGDPは日本の8倍でした。100年間(正確には80年間)で日露の国力は大逆転したのです。


 2010年各国のGDP
1.アメリカ
2、中国
3.日本   5兆4500億ドル
4、ドイツ
5、フランス
6、イギリス
7、ブラジル
8、イタリア
9、カナダ
10、インド

・ ロシア  1兆4650億ドル
こんな国が、アメリカなみの、ミサイル防衛網など、構築できるわけがありません。それから、中国が世界第二位の経済大国になったのは、日本のおかげでもあります。それは、このブログに、何回か掲載してきたことですが、日銀が、いつまでも、執拗に増刷拒否など金融引締めをするものですから、固定相場制の中国は、自国の元を好きなだけ、擦りまししても、日本の円が担保となり、インフレを免れてきたということです。しかし、それも、最近では、効き目がなくなりつつあります。日本銀行がまともになったら、中国は、あっという間に、経済大国の座からすべり落ちることでしょう。
ロシアの弱体化は明らかです。現状の小国ロシアに、領土問題などで譲歩する必要など全くありません。日本は、日本銀行に金融引締めをやめさせ、円高誘導をやめさせ、また、世界第二位の経済大国に返り咲くべきです。それに、いますぐするしないは、別にして、核武装の論議をはじめるべきです。それだけで、ロシア、中国、北朝鮮はかなり脅威に感じることでしょう。
こうしたことを背景にして、日本は、弱体化が明らかになった、ロシアと領土交渉を有利にすすめるべきです。そうして、これは、他国ならどこの国でもやっていることです。日本だけができないとか、やってはいけないなどということはないはずです。そのためにも、一日でもはやく、新たな憲法を制定すべぎではありますが、今の日本国憲法の範囲でもできることは、すぐにも実行すべきと思うのは、私だけでしょうか? 
ロシアは、人口も少なくなりました。現在のロシアの人口は、1億4千万人です。これは、現在の日本の人口1億2千万よりわずかに多い程度です。

ソ連崩壊以来、いくつかの国が分離したとはいえ、その広大な領土にわずか、1億4千万人の人口です。ロシアは多民族国家なので、支配階級である、ロシア人は、日本人と同程度の状況です。さらに、国境の溶解現象も起こっています。

かつての中ソ国境紛争の係争地だった黒瞎子島は今では観光地になっている

国境の溶解現象とは、中ロ国境を中国人が多数超えてロシア領内に入り、様々経済活動をしているため国境そのものが曖昧になっていることをさします。

黒竜江とウスリー江を挟んだ対岸は、中国有数の農業地帯であり、 渤海、金以来のさまざまな民族の興亡の地として歴史に残る遺跡も多いです。 わずかに川ひとつ隔てただけで、一方は衣食を外からの供給に仰ぎつつ資源を略奪しつづけ、 年々人口を減らしつづけているシベリアであり、一方は年々人口を急増させつつある 黒龍江省です。

ロシア側の、全シベリアの人口を総和しても、数十分の一の面積しかない黒龍江省の半分にしかならないのです。この救いがたい落差は、 つまるところ社会的な圧力になります。ソ連政府はだからこそ国境地帯に厳しい軍事的な緊張を 作り出すことによって、中国からの圧力に対抗していたといえるでしょう。

 国境を挟んだ中国側の吉林省、遼寧省と北朝鮮、 内モンゴル自治区とモンゴル、新彊とカザフスタンおよびウズベキスタン、中国の雲南省とミャンマー、 中国の広東省とベトナムなどを比較してみると、常に面積の少ない中国側の各省が人口ではるかに勝っていることがわかります。

 この明白な不均衡こそが、国境を超えて大量の中国人が流出あるいは進出しつつある 根本的な原因です。この点から言えば、シベリアも例外ではないばかりではなく、 最も典型的なものです。ソ連の軍事的圧力が解消し、 国境貿易が開始されたことは、この過程を一気に促進させました。


中越国境の橋

 ソ連の崩壊によってシベリアのロシア人社会は、直ちに危機に陥いりました。 政府は給与を支払うことができず、多くの労働者が引き上げていきました。 シベリアに市場はなく、シベリア鉄道もいたるところで寸断されようとしていました。 だから、中国からの輸入が不可欠のものとなりましたが、一方で中国に売り渡すものを シベリアのロシア人社会は何も持っていませんでした。その結果、 中国人がシベリアに入り込んできて、役に立つものを探し出し、作り出してゆくしかなくなりました。

こうして、国境溶解が進んていきました。この国境溶解は、無論中国にとっては、軍事的脅威がなくなったことを意味します。

特に現在のロシアは、ご存知のようにウクラナイ問題を抱えており、中ロ国境にソ連時代のように大規模な軍隊を駐留させておけるような余裕はありません。

かつてのソ連の脅威がなくなったどころか、国境溶解でロシア領内にまで浸透できるようになった中国は、この方面での軍事的脅威は全くなくなったということです。

各地で軍事的な脅威がなくなった中国は、これら国境地帯にかつのように大規模な軍隊を派遣する必要もなくなり、従来から比較すると経済的にも恵まれてきたため、海洋進出を開始刷るだけの余裕を持ち、実際に海洋進出を始めました。

中国に国境を接する国々である、ロシア、ベトナム、モンゴル、インド、トルコなどが、経済発展をして軍事的にも余裕ができ、中国に対峙することが可能になれば、中国はこれらの国々の脅威から自分を守るために、国境に軍隊を派遣セざるを得なくなり、海洋進出などしている余裕はなくなります。

昨年インドは中印国境の警備兵を5万人増兵
日本としては、これらの国々に経済援助や、技術援助、軍事援助などしてこれらの国々のランドパワーを強化することにより、中国の海洋進出の夢と野望を打ち砕くことができます。そうして、日本はデフレさえ脱却できれば、そのような支援を実施することは十分に可能です。

こんなことを考えると、安全保障のことを考えても、デフレからの脱却を遠のかせるような、消費税増税などやっている場合ではないのです。いますぐにでも、消費税増税の悪影響食い止めるためにも、公共工事の供給制約がある現在、政府はすぐにでも、所得税減税、給付政策を行うべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年3月30日土曜日

首相外遊、5カ国目はモンゴル 対中戦略、外堀から着々―【私の論評】安倍首相は、すでに情報戦を開始していた!!

首相外遊、5カ国目はモンゴル 対中戦略、外堀から着々


安倍晋三首相は30日から、就任以来5カ国目の外遊先としてモンゴルを訪問する。これまで東南アジア諸国連合(ASEAN)の3カ国と米国を自ら訪れ、オーストラリアとも活発なな外交を展開。今後はインド首相の来日も予定される。一見ばらばらに映るこれらの外交だが、いずれも日本の対中国戦略に欠かせないピースに他ならない。

中国とロシアに挟まれるモンゴルは、日米欧を「第三の隣国」と位置づけ、経済面などでの中露への依存度を下げる外交戦略を描いている。首相はこの戦略に歩調を合わせて連携を深めれば、「対中包囲網というパズルを埋める上で有効な『北方』のピースになる」(政府高官)と判断し、今回の訪問を決めた。

この記事の続きはこちらから!!

【私の論評】安倍首相は、すでに情報戦を開始していた!!


安倍首相、モンゴル訪問の裏の目的は、中国牽制と鉱物資源開発での協力であることははっきりしていると思います。また、モンゴルは北朝鮮と国交があることも視野にいれているものと思います。

それにしても、安倍総理今回のモンゴル訪問も、本当に抜け目がないです。このようなことを見て、ただ親善訪問などと思っているいる人はいないとは思いますが、もしいたら、よほど鈍感な人だと思います。一連の安倍総理の動きは、中国包囲の意図もありますが、アメリカに対する牽制でもあります。

日本としては、アジアにおいて、アメリカと中国が強力に結びついて、日本が除外されるということにでもなれば、大きな損失です。これは、日本だけではなく、多くの国々にとって大きな損失となります。そんなことにならないために、中国包囲網を築き、このブログにも再三掲載したように、安全保障のダイヤモンドを着々と築いていっているのです。 TPP交渉参加も、対中国包囲網の一つです。

そもそも、安倍総理が、オバマ大統領と会談した後の発表を覚えいらっしゃるでしょうか?以下にその時の動画を掲載します。

訪米中の安倍晋三首相は22日午後(日本時間23日未明)、初めてオバマ大統領とホワ­イトハウスで会談した。


この動画は、訪米中の安倍晋三首相が22日午後(日本時間23日未明)、初めてオバマ大統領とホワ­イトハウスで会談した後の声明の発表に関するものです。

北朝鮮の核実験に対し、両国が連携して厳しく対処する方針を確認。日米両首脳は環太平­洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加について「一方的に全ての関税撤廃をあらかじ­め約束することを求められるものではない」と確認する共同声明を発表しました。

首相は会談後、記者団に「日米同盟の信頼、強い絆は完全に復活したと自信をもって宣言­したい」と述べました。

この強い絆は完全に復活したと自信をもって宣言というところに、注目していただきたいです。実際には、虚々実々のやりとり、かなり強烈なやりとりがあったようですが、安倍総理は、最後にこのようにダメ押しをしています。安倍総理は、このようにはっきり言うことにより、オバマ大統領の言質をとっています。

言質をとるとは、相手の言ったことを自分の言葉に置き換えて、相手の発言の意味をとることです。相手の言葉の言質を取るのは、自分が相手の言葉を理解するために必要なことです。

また、言質を取るのは相手にも自分の発言が理解されたということを示すうってつけの行動です。安倍さんのこの言質は、それを超えて、オバマ大統領に対して、全世界の人々の目の前で、同盟関係を確かなものにしなければならないという負い目すら与えているという点で、大成功だったと思います。

それに、TPPに関して、「一方的に全ての関税撤廃をあらかじ­め約束することを求められるものではない」という言質をとることにも成功しています。

この二点においても、この会談は日本側からすれば、かなり成功したものと思います。そうして、この会談の前から、安倍総理は、安全保障のダイヤモンド構想を発表しており、その後の発言、行動なども、この構想と全く矛盾していないどころか、完全に一致しているし、整合性があります。

それにしても、この安倍さんの一貫した態度当たり前だと思ってもらっては困ります。それは、過去の民主党の総理大臣の態度と比較してもらえば良くわかります。以下にその良い事例となる動画を掲載させていただきます。



この菅、胡錦濤会談は、あまりに酷すぎますが、これと比較すると、安倍総理の行動が、確たる信念を持って行われてるいることが良くお分かりになると思います。菅さんをはじめとする、民主党の閣僚の外遊などとは比較の対象にもなりません。

それから、今から思えば、とんでもない小沢さんの朝貢外交もありました。その時の動画を以下に
掲載させていただきます。


これは、2009年のことですから、2010年の中国漁船の巡視船の体当たり事件の前の年にあたります。本当に、今から見ると、バカ真似以外の何ものでもありません。

こんなことも、配慮せずに以下のような見方をするマスコミもあります。

「オバマ・安倍会談」の成果は特になし

 これは、言質を取られた側の米太平洋軍太平洋安全保障研究センターのジェフリー・ホーナン准教授への東洋経済によるインタビューです。言質を撮られた側として、成果は特になしとして、打ち消ししておいたほうが、アメリカの国益にはかなっています。マスコミはやはり、こういう報道をして、安倍総理の成果を日本国内でなるべく薄めたいのだと思います。

それにしても、オバマ大統領との単発の会談だけではこの手は成功しても、その後の安倍総理の外遊と、その行動を見ていれば、安倍外交の全面否定はできないものと思います。 安倍総理は、すでに情報戦を開始して、意図して意識して一連の外遊を行なっているということです。私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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