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2014年9月25日木曜日

首相、増税の影響点検を前倒し 11月初旬に初会合― 【私の論評】増税論議で理解できる!残念ながら、日本は未だ政局やファンタジスタ抜きで、まともな経済対策を遂行できる国にはなっていないということを・・・・・・(゚д゚)!


訪米中の安倍晋三首相は23日夜(日本時間24日午前)、来年10月からの消費税率10%への引き上げの影響を点検する有識者らの会合を11月早々にも始める意向を表明した。景気回復の足取りがもたつく中、11月末から予定していた作業を前倒しし、増税の影響を慎重に見極める狙いだ。増税を決断する場合をにらみ、今年度補正予算案をセットで検討して景気に配慮する狙いもある。

消費増税判断に向けた 今後の政治・経済日程
9月29日臨時国会召集
下旬自民党税制調査会、与党税制協議会が税制改正論議に着手
10月1日日銀短観(9月調査)
16~
17日
アジア欧州会議(イタリア)
11月初旬消費増税に向けた点検会合が始動
10~
11日
APEC首脳会議(中国)
12~
13日
東アジア首脳会議など(ミャンマー)
15~
16日
G20首脳会議(豪州)
17日7~9月期GDP速報値
30日臨時国会会期末
12月8日7~9月期GDP確報値
首相が消費増税の是非 

有識者との点検会合は今年4月の消費税率の8%への引き上げを判断する際にも開いた。約60人のエコノミストや企業経営者、地方自治体首長らから約1週間かけて増税の影響などを聞いた。今回は「前回よりもじっくり聞くことになる」(政府高官)としており、有識者の人数や聴取期間が前回より増える可能性がある。

【私の論評】増税論議で理解できる!残念ながら、日本は未だ政局やファンタジスタ抜きで、まともな経済対策を遂行できる国にはなっていないということを・・・・・・(゚д゚)!

本日も増税関連のニュースをとりあげます。上記の記事にあるように、有識者らの会合をはやめに開催することが決まりました。

しかしながら、未だ日本経済はデフレから脱却しておらず、何を実施すべきか、それ自体は別に有識者の意見を聴かなくても、誰の目から見ても明らかです。

それは当然のことながら、増税見送りです。

増税を見送るということは、緊縮財政をやめて、積極財政をするということです。

増税以外の積極財政を具体的にどのようにするかという話を有識者から聴くというのならわかりますが、実際に増税して、これもともと最初からわかっていることでしたが、失敗したことが明らかになりつつある現在、増税を見送るべきか否かを専門家に聴く必要はないです。

このブログにも度々掲載する高橋洋一氏は、現状では増税を見送るどころか減税すべきことを提唱しています。これは、昨日のこのブログにも掲載したように、ノーベル経済学賞を受賞した経済学者であるポール・クルーグマン氏も提唱しています。

この高橋氏の記事のURLを以下に掲載します。
究極の景気対策は「消費減税」10%を見送り8%を5%に戻す
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に高橋氏の提唱の要旨を掲載します。
 4月の消費増税後、経済指標の悪化が著しくなっている。消費増税をやらない方がよかったのは明らかである。政治的な実現可能性を抜きにして、純粋に経済政策として考えてみよう。 
 消費増税が経済低迷の原因であるのは、消費動向をみればすぐわかる。所得階層別にみれば、消費増税で影響をうけると思われるところで消費低迷が起きている。 
 となれば、それに対する経済対策は4月の5%から8%への消費増税をなかったものにするだけだ。つまり、来年10月の消費税率10%への再引き上げを見送るのは当然として、現状の8%からただちに5%へ減税するのだ。あるいは、すべての品目に軽減税率を導入して5%にするのもいい。 
 消費減税ではなく、それに近い政策として所得税減税と給付金を組み合わせるというのもある。この場合でも、もちろん10%への再増税を見送るのは当然であるが、消費増税3%分に相当する所得減税・給付金を行う。 
 1997年の5%への消費増税の際、景気の落ち込みを考慮して先行して所得税が減税され、レベニューニュートラル(増減税同額)としたことがあるが、今度は事後的な所得税減税を行うというわけだ。 
 消費増税を相殺するのだから、減税政策が良い手になるが、次善、三善の策として、増税分をカバーする財政支出も考えられる。ただ、公共工事などは供給制約があり、有効需要を作りにくい。 
 それでは金融政策をさらに緩和するというのはどうだろうか。金融政策の効果は、タイムラグ(時間のずれ)が大きく財政政策ほどに即効性はない。このため、短期的な景気変動の対応策としては財政政策に比べて力不足になってしまう。金融政策だけでは無理だが、財政政策との併用は当然ながら望ましい。 
高橋氏は、1997年当時の5%増税の時について、景気の落ち込みを考慮して先行して所得税が減税されていたことを指摘しています。この当時は、残念ながら日銀が金融引締めを行っていたため、このような努力もむなしく、日本は1998年から本格的なデフレに陥ってしまいました。

しかし、今回は日銀は、金融緩和に転じていますから、もしこれを実現すれば、景気は上向き、いずれデフレからの脱却も可能になります。

いずれにしても、増税は問題外のわけです。

ただし、もう一つ方法もないではないです。

10%増税をしても、5%から8%にした3%、8%から10%にした2%、この合計の5%増税分を所得税減税、給付金によってカパーして骨抜きにしてしまうことです。

これに、さらなる金融緩和をすれば完璧です。

しかし、こんなことを考えるなんて、私もどうかしています。

こんなことをやって、一体誰が特をするというのでしようか。そうです。増税して、減税して、給付金も出すという作業は一体誰がやるのでしょうか。結局それは、役人です。

こんなことをすれば、役人にわざわざ、しなくても良い仕事を与えて、金と時間を無駄にするだけです。

そもそも10%増税など最初からしないで、何らかの減税、給付金対策を速やかにすことが、最も良いということになります。

これが、高橋氏のいう、政治的な実現可能性を抜きにして、純粋に経済政策というものです。

これが、本来すべき経済対策であり、これを妨げているのが政治ということです。

これに関しては、以前にも高橋氏の記事を紹介したブログ記事がありますので、その記事のURLを以下に掲載します。
消費増税スキップしても実体経済に影響なし!リスクは「増税利権に群がる人々」のみ―【私の論評】まともな企業なら日々直面するトレードオフという考え方ができない官僚の単細胞頭が国民を苦しめる(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、高橋氏による元記事は、以下のように締めくくられています。
こう考えてみると、増税をスキップするリスクは、実体経済の話ではなく、増税利権に群がる人々を激怒させるという政治的なものだけになる。さあ、安倍政権はどうするのか。
高橋氏の言わんとするところは、増税利権に群がる人々が激怒すから、増税を見送ることができないということです。

安部総理が増税見送りを決めた場合、自民党内にも大勢いる増税利権に群がる政治家が激怒することになります。そうなると、どうなるのか。激怒した自民党政治家はいっせいに、増税利権を確かなものにしてくれる、人間を総裁にしようということで、安倍総裁おろしに走るわけです。

そうして、ここではっきり言っておきますが、安倍総理とその側近は自民党内では圧倒的に小数派です。前回の総裁選は、石原伸晃氏に圧倒的に有利であり、何もなければ、石原氏になっていた可能性がかなり高いです。

しかし、あの見事なまでのファンタジスタ的発言で、番狂わせが生じて、自民党内の派閥の均衡により、ようやっと安倍総裁が誕生したのです。

安部総理には、このような強力な助っ人であるファンタジスタが二人が味方しています。

これについては、以前のこのブログにも掲載したことがあるので、その記事のURLを以下に掲載します。
民主が社会保障「3党協議」離脱へ―【私の論評】安倍総理には、自分では意図せずに、協力にサポートする二人のファンタジスタがついている!これで鬼に金棒だぁ-(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、もう一人のファンタジスタは海江田民主党代表なのですが、民主党も議員の中にはまともな経済対策を主張する人もいるのですが、そういう議員は一部で、海江田氏をはじめ民主党の幹部はまともな経済対策を立案できる人間はいません。

こういうことが幸いして、安部総裁・総理が誕生して、日銀の金融政策を根本的に変更し、金融緩和に踏みきれたのですが、その後がよろしくなかったです。

やはり、自民党の増税利権に群がる議員たちが、増税見送りということにでもなれば、怒りだし、安倍おろしの嵐が吹き荒れることが予測されたので、安部総理は4月から増税に踏み切ったわけです。

そうして、次の10%増税も、増税利権に群がる議員たちにより、踏み切られてしまう可能性が大です。

しかし、そんなことになれば、経済が低迷し、日本はさらにデフレ・スパイラルの底に沈むことになります。そうなると、またぞろ、前の安倍政権の時のように、安倍おろしの嵐が吹き荒れることになります。

それにしても、一度このどうどう巡りはどこかで断ち切らなけれはなりません。

デフレからの脱却と、長期政権の樹立は本当に難しいです。

やはり、これを両立させるためには、10%増税を実施しつつ、これを大規模な所得税減税と、給付金対策で骨抜きにするしか道はないのでしょうか。

石原氏や、海江田氏を凌ぐファンタジスタはでてくるのか・・・・

こうなると、石原伸晃さんや、海江田さんを凌ぐような、素晴らしいファンタジスタが出てきて、政局を塗り替えような華麗なプレーをして、また安倍政権を強力にサポートしていただきたいと思います。

本当は、政局もファンタジスタなしでも、まともな経済対策ができる国にならなければならないと思います。

このようなことは、以前もありました。そうです、大東亜戦争です。その中でも、特に米国との戦争です。米国との戦争など、日米戦争の10年前までは、誰も予想しなかったものであり、全く必然性のないものでした。それは、米国側から見ても同じであり、全く必然性がありません。

それがいつのまにやら、日米両国で、日米開戦の空気が醸成されて、本当に戦争に突入してしまいました。これに関しては、ここで詳細は説明しませんが、倉山満氏の最近の書籍など読んでいただければご理解いただけるものと思います。下の、関連図書のところに、その書籍を掲載しておきます。

増税に関しても、するべきではないことは明らかなのに、財務省や増税利権に群がる人たちによって、増税すべきであるかのような空気がいつの間にやらできてしまい、このままでは、増税してしまいそうです。

これについて、少なくとも今のアメリカの経済対策に関してはそうではないようです。本日もそのようなことを示すニュースが入っています。
米FRB、利上げに非常に辛抱強くあるべき=シカゴ連銀総裁
米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、今週は、ハト寄りのメンバーのコメントが続いています。標準的な経済学の知見をもったメンバーが金融政策に携わっていることが、米国経済の強さを支えているようです。

ちなみに、アメリカはここしばらく、デフレに陥ったことはありません。というより、これだけデフレが続いているのは、日本だけです。未だデフレから脱却しきっていないの日本とは真逆です。

これは、増税論議とは直接関係はないのですが、まともな経済学的知見を持った人々が、論議をして経済対策を決定しているという意味で日本とは対照的であるので掲載させていただきました。

それにしても、経済対策といえば、安全保障にも関係が深く、かなり重要な国策なのですが、これが未だに政局に左右されるというのは本当に問題です。もう、15年も日本はデフレに苦しんでいるというのに、これをいつまでも放置し続けるような政治システムはどこか狂っています。

はやく、日本でも標準的な経済学の知見を持ったメンバーによる、政局やファンタジスタ抜きでもまともな国策を遂行できる国になってもらいたいものです。

いろいろな人が、くだらないことで、日本が駄目、日本人が駄目などという批判をしていますが、私は日本が最も駄目な部分は、上で示したような部分だと思います。これが、改善されれば、日本は世界に範を示すことのできる超一流国になることができると思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか(゚д゚)!

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2014年3月28日金曜日

異例の予算前倒し要請、麻生財務相「景気下振れに万全期す」―【私の論評】増税の悪影響は最初から懸念されていたこと、いまさら遅い!公共工事の供給制約が明らかになった今一体何をどうするというの?

異例の予算前倒し要請、麻生財務相「景気下振れに万全期す」

麻生財務大臣
 
 3月28日、麻生財務相は、安倍首相とともに2014年度予算を早期実施するよう各省庁に要請する異例の対応に踏み切った。写真は昨年6月、都内で撮影(2014年 ロイター/Issei Kato)

[東京 28日 ロイター] -麻生太郎財務相は28日の閣議で、安倍晋三首相とともに2014年度予算を早期実施するよう各省庁に要請する異例の対応に踏み切った。

4月1日の消費増税に伴って景気が下振れるリスクを最小限に食い止める狙いからだ。

政府が念頭に置く14年度予算の執行目標は今年6月末までに4割以上、9月末までに6割以上を「実施済み」にするというもの。公共工事や備品購入などに基金事業を加え、14年度予算では早期実施対象を12兆円と想定。財務省幹部によると2月に示した13年度補正予算の早期実施分(3.4兆円)を合わせると、その対象は15.4兆円に上る。

麻生財務相は閣議後に記者会見し、「予算執行に具体的な目標をつくることで早期実施を強力に進め、来年度前半に景気が下ぶれするリスクに万全を期す」と語った。

【私の論評】増税の悪影響は最初から懸念されていたこと、いまさら遅い!公共工事の供給制約が明らかになった今一体何をどうするというの?

安倍財務大臣といえは、財務省の考えを代表しているものと考えられます。だからこそ、増税に関しては、このブログでも掲載したように、安倍総理が決断する前から、増税に前向きと受けら取られる発言をしてきました。それについては、このブログでも掲載したことがあります。

しかし、実際に増税することになって、蓋をあけてみたら、景気が下ぶれすることは間違いないどころか、かなり経済に悪影響を与えることが、明るみに出てきたため、あわてて、上記のような発言になったものと思います。これに関しては、少し内容が違いますが、やはり増税の悪影響を恐れた財務省による財務省が公共事業予算繰越を促すという前代未聞の事柄が発生しています。

これは、どういうことかといえば、とにかく公共工事予算なるものは、年内のものは年内に使い切らないと駄目だということがあり、毎年3月あたりになる全国で、あまり実施する必要もない工事が結構行われている光景を目にしたのですが、財務省がこんなことをしなくても、予算を次年度に繰り延べて実行しても良いということを言い出したわけです。

これに関しては、下の動画で三橋氏が、述べていますので、これをご覧になってください。


2014年度予算を早期実施をしようが、2013年度の公共事業予算繰越をしようが、大勢は変わりません。今になって、ようやっと財務省にも、増税の悪影響が目に見えてわかってきたということだと思います。

今回増税すると、消費がまたかなり冷え込み、消費税も思ったほどには増えず、所得税、法人税などがかなり減り、全体としては税収は増えないということになることでしょう。これは、前回のと前々回の増税でもそういうことになりました。しかし、前回と前々回では、デフレの最中で景気が悪いなか増税というとんでもないことをしでかしてしまいました。

今回、ご存知のように昨年から異次元の金融緩和を実施しつつの増税ですが、そうはいっも、デフレから脱却もしていないうちに増税するのですから、とんでもないといわざるをえません。

それに今回は、20年間にもわたり公共工事を減らし続けたということで、建築・土木業界は疲弊し、公共工事が増えても、それをこなしていけいない状況である、公共工事の供給制約があります。

これについては、以前このブログでも掲載しましたので、その記事のURLを以下に掲載します。

【日本の解き方】高く評価できる黒田日銀の1年目 懸念は増税による成長率下振れ―【私の論評】財政政策にも限りが、追加財政政策をしたとしても、公共工事の供給制約がある(゚д゚)!

詳細は、この記事をごらんいただくものとして、この記事では、以下のグラフを示しながら、公共工事の供給制約について説明しまた。その部分を以下にコピペします。
 以下のグラフは公的固定資本形成(公共事業費)と建設業許可業者数の推移です。
公的固定資本形成の増減に対して、建設業者数が遅れて追従しているのが分かります。
大体5年くらいの遅れでしょうか。国土強靭化により公共事業を拡大しても供給能力が元に戻るには5年くらいの時間がかかってしまうという事です。
要するに、公共工事を実施するのは、無論のこと民間建築業・土木業ですが、それが20年にもわたって、公共工事が減らされてきたため、弱いところから淘汰されてしまい、いくら公共工事が増えたにしても、大々的に工事ができるようになるには少なくとも5年はかかりそうだということです。

金融緩和政策は、間違いなく効き目はありますが、その効果が末端にまで効果を及ぼすようになるまでは、少なくとも2年~3年のタイムラグがあります。これに比較すると、財政政策としての公共工事はかなり即効性があります。大々な公共工事を実施すれば、半年くらいで効き目がでてきます。それも、公共工事の従事者にたいする賃金としてすぐに効果がでてきます。

ただし、安定低的長期にわたって効果が持続するということはありません。それに比較して、金融政策は、長期わたり効果が持続します。だから、両者をうまく組み合わせて、経済対策を行うのがベストなのですが、残念ながら日本では、包括的な金融緩和というアクセスをふかしながら、増税でブレーキを踏むというようなとんでも対策を行うわけです。

これは、本当にとんでもないことです。本来公共工事の供給制約があるなかで、公共工事はじょじょに増やしていくこととし、それに変わる手段としては、現在ならびに効果のある給付ということになるはずです。

しかし、政府は反対に舵を切ってしまい、4月からは増税です。新度予算を早期実施をしようが、20本年度の公共事業予算繰越しようが、ほとんど経済に影響は及ぼしません。

消費税増税が決まっていて、動かせないというのなら、所得税の大幅減税、配偶者控除の拡大、経済に即効性の期待できる給付金の拡大など、一刻も早く実施していくべきです。経済対策としては、法人税減税そのものは、あまり意味がないどころか、悪いほうに傾く可能性が大です。減税しても、景気が悪ければ、企業は余剰資金を溜め込むだけです。そんなことをするくらいなら、企業に対しては、雇用を拡大したり、雇用訓練をしたり、賃金を増加したら、何らかの給付をするというほうが余程効果があると思います。

私は、そう思います。皆さんは、:どう終われますか?

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