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2018年12月16日日曜日

北漁船が海保巡視船に接触、一部破損―【私の論評】国家機関に属す北・中国の漁船群が日本水域で違法操業をしている事自体、明白な日本侵略である(゚д゚)!

北朝鮮の漁船に放水する海上保安庁の巡視船

 日本の排他的経済水域(EEZ)にある日本海の好漁場「大和堆(やまとたい)」周辺での北朝鮮漁船による違法操業問題で、海上保安庁の巡視船が北朝鮮漁船から接触され、船体の装備が破損していたことが16日、政府関係者への取材で分かった。北朝鮮漁船による巡視船への投石も続いており、海保は抵抗の激化を懸念、来期に向け警戒を強めている。

投石など抵抗激化

 複数の政府関係者によると、北朝鮮漁船による巡視船への船体接触は今秋に発生。巡視船の甲板に取り付けられた「スタンション」と呼ばれる手すり部分が破損した。漁船は、日本海沿岸に漂着が多く確認されている木造船ではなく、大型の鋼船だったという。

 接触された巡視船は、下田海上保安部(静岡県下田市)から大和堆周辺海域に派遣された中型船。機関やかじなどへの重大な損傷ではなく、業務に支障がないとして公務執行妨害容疑などでの摘発は見送った。

 同船は昨年の取り締まりでも北朝鮮漁船から投石を受け、窓ガラスが破損する被害に遭った。海保は派遣した巡視船の窓に金網を取り付けて対応に当たったが、今期も約20件の投石が確認された。

 海保は今年、対応が出遅れ大和堆への入域を許した昨年の教訓からスルメイカ漁期前の5月下旬に巡視船を派遣。大和堆周辺の海域をAから順にアルファベットで区分けし、A、B海域を巡視船が受け持ち、残りは連携する水産庁の漁業取締船が担当した。

警告6900隻

 巡視船と取締船は海域ごとにEEZの境界付近に展開して北朝鮮漁船を監視。警告件数は延べ計約6900隻で、このうち同2600隻に放水し、大和堆への入域を阻止した。

 一方、今年の取り締まりで海保は不測の事態への備えも強化、装備を拡充して臨んだ。使用の機会はなかったとみられるが、強力な光と音を放ち対象船の動きを止める閃光(せんこう)弾をより効果の高いものに切り替えた。

 政府関係者は「スルメイカは不漁が続いているが、漁業を国策とする北朝鮮側は一定の漁獲量を確保するため、来年もなりふり構わぬ操業をするだろう。根気強く取り締まりを続けるしかない」と話した。

【私の論評】国家機関に属す北・中国の漁船群が日本水域で違法操業をしている事自体、明白な日本侵略である(゚д゚)!

北朝鮮の漁船が日本の排他的経済水域で違法操業をするようになったのは、北朝鮮が近海の漁業権を中国に売り渡してしまったためです。北朝鮮の漁民が北朝鮮当局の指示や承認なしに日本列島に接近出来るわけはないですから、北朝鮮が漁民の利益を考えて派遣している側面は否定できないです。

ところが、その漁場が日本の排他的経済水域であるのを知って派遣している以上、これが日本への政治的圧力として作用することも当然認識しているわけです。さらには大量の漁船群の中に工作船を紛れ込ませ、日本への上陸侵入を画策するのは北朝鮮の工作機関としては当然の行為でしょう。

とはいいながら、工作員が上陸するしないにかかわらず、北朝鮮当局が日本の排他的経済水域での違法操業をさせている時点で既に侵略なのであることは、さきに述べた通りです。侵略に対しては自衛としての軍事対応が国際法上認められています。日本には自衛隊という自衛のための軍事組織が存在しています。ならばなぜ、自衛隊が出動しないのでしょうか。

日本では海上警備は一義的に海上保安庁が担当しています。しかし、ここで思い起こされるのは、2014年9月から12月にかけて小笠原・伊豆諸島周辺の日本の排他的経済水域で中国の漁船群が繰り広げた大規模なサンゴ密漁事件です。密漁とはいいながら、200隻以上の漁船が公然と日本のサンゴを略奪していました。

小笠原・伊豆諸島周辺の日本の排他的経済水域で
中国の漁船群が繰り広げた大規模なサンゴ密漁

違法操業をする漁船の数があまりに多かったため、海上保安庁は全体として対処できず密漁事件として一隻一隻を調べて船員を逮捕していく他なかったのです。10月末には警視庁が機動隊員ら28人を小笠原諸島に派遣しました。中国漁民の上陸に備えての派遣でした。もし派遣を怠っていれば、大量の中国の海上民兵に島が占領される危険があったのです。

これについては、海上保安庁は明らかに対応不能でした。海上保安庁が対応できない以上、自衛隊が対処するしかないのは明白です。にもかかわらず、なぜ自衛隊が対処しないのでしょうか。

そもそも事は尖閣における漁船衝突事件にまでさかのぼることができます。2010年9月に尖閣諸島の日本領海内で中国の漁船が海上保安庁の巡視船2隻に体当たりし、対する海上保安庁はこの漁船を捕獲し乗組員を拘束しました。

尖閣諸島沖で巡視船「みずき」に衝突する中国漁船=2010年9月


逆ギレした中国政府は北京、上海などで反日暴動を惹(ひ)き起こし在留邦人を恐怖に陥れたばかりか、日本人社員4人を人質に取りました。さらに日本へのレアアースの輸出を停止し、日本に謝罪と賠償を求めました。

ここで米国政府が「尖閣諸島は日米安保条約の発動対象」と明言したため、事はようやく収まったのであす。つまり中国が尖閣諸島を占領した場合、米軍は中国を攻撃すると宣言し中国が慌てて矛を収めたのです。

しかし、米国としても中国と戦争を望んでおらず、そこで米中間で尖閣諸島での軍事行動を双方が控える旨の合意がなされました。つまり中国が尖閣に軍隊を派遣しない限り、日米も自衛隊や米軍を出動させないという約束です。

これは戦争を回避するための合意ですが、逆に解釈すると中国が海洋警察や海上民兵を軍隊でないと主張して派遣すれば、日本は自衛隊を出動させられないのです。中国はこれに味を占めて海洋警察を毎日のように派遣し、しまいに漁船群が押し掛けるに至り、これに北朝鮮も同調したわけです。

端的にいえば、米中のこの合意が、かえって中国や北朝鮮の対日侵略を助長させているともいえるでしょう。

最近、中国海警局の所属が変わりました。従来の中国海警局は13年7月、中国の行政府である国務院の傘下にあった複数の海上法執行機関が統合されて発足したものです。

その目的は、分散していた海上法執行機関を一元的な指揮命令系統の下に置くことで効率的な運用を可能にすることや、予算や装備、人員などを統一的に管理・整備することで法執行力を大幅に強化することなどにあったと考えられます。

この時期の中国海警局はあくまで国務院の管理の下に置かれた非軍事の行政組織であり、所属船舶は公船と位置付けられまし。

中国の武警は純然たる軍事組織

他方、中国海警局が新たに編入された武警は、人民解放軍および民兵と並んで中国の「武装力量」(軍事力)に位置付けられた明確な軍事組織です。今年に入って武警の大幅な改革が実行され、従来の国務院と共産党中央軍事委員会による二重指導が解消されました。

これによって武警は人民解放軍と同様、中央軍事委員会による統一的かつ集中的な指導の下に置かれることになりました。7月の組織改編では、国境管理や要人警護、消防任務、金鉱探査、水利建設などを担っている非軍事部門が国務院などへ所属替えとなり、国防任務に資源を集中するためのスリム化が図られました。

同時に、国務院に所属していた中国海警局が、「武警海警総隊」として武警に編入され、「海上の権益擁護と法執行」を任務として遂行することになったのです。

日本としては米国に働きかけて、中国が尖閣に軍隊を派遣しない限り、日米も自衛隊や米軍を出動させないという合意を破棄させ日米中における新たな安全保障の枠組みを構築すべきでしょう。

すでに、「海警」は軍事組織なのですから、「海警」対応には当然のことながら、海自もあたるべきなのです。

そうして、これは北朝鮮に対しても同じです。北朝鮮に対しても、日本は大規模なものに対しては海自であたるべきです。

そもそも北朝鮮や中国などの漁船は軍などの国家機関の指揮下にあり、有事には海上民兵として戦闘に参加することを義務付けられています。そうした漁船群が日本の水域で違法操業をしている事自体、すでに明白な日本に対する侵略です。

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