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2016年11月23日水曜日

【正論】「反朴デモ」の首謀者・親北派が政権を握ることを阻止できるか 東京基督教大学教授・西岡力―【私の論評】日本メディアの朴槿恵スキャンダル報道は、単純に鵜呑みにすれば馬鹿になるだけ(゚д゚)!

【正論】「反朴デモ」の首謀者・親北派が政権を握ることを阻止できるか 東京基督教大学教授・西岡力

東京基督教大学教授・西岡力氏 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
 韓国の自由民主主義体制が揺れている。親北左派政権が誕生し、韓米同盟が解消されて米軍が撤退し、半島全体が中国共産党と北朝鮮世襲独裁政権の影響下に入る可能性もゼロではない。

 ≪本質を欠く朴スキャンダル報道≫

 朴槿恵大統領スキャンダルに関する大量の報道は、重要な2つの論点を欠落させている。第1に大規模なデモを主催している勢力が過激な親北反体制派であることがほとんど伝えられていない。第2に半島全体の政治スペクトラム(各政治勢力の配置)の中で事件を位置づける見方がほとんどない。その結果、韓国の自由民主主義体制が重大な危機を迎えているという事態の本質が分からない。

 第1の点から論じよう。2015年11月に、過激な反体制運動を行ってきた労組である全国民主労働組合総連盟(民主労総)や、農民団体など50以上が集まって「民衆総決起闘争本部」が結成された。国家保安法に基づき「利敵団体」と規定された北朝鮮とつながる3つの極左団体「祖国統一汎民族連合南側本部」「民族自主平和統一中央会議」「民主民生平和統一主権連帯」が含まれている。

その「民衆総決起闘争本部」が今年のデモを計画していたところ、崔順実スキャンダルが発覚したため急遽(きゅうきょ)、鉄パイプなどを使わないソフト路線に切り替えて、10月29日から毎週土曜日に集会とデモを行っている。11月12日と19日の集会とデモは「朴槿恵政権退陣非常国民運動」が主催したが、前記闘争本部に「参与連帯」「民主社会のための弁護士会(民弁)」「韓国女性団体連合」「韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会(挺対協)」など1500団体が加わった連合組織だ。特記すべきは、野党はそこに入っていないということだ。

 私が現場で取材した12日の集会でも、参加した野党の幹部や次期大統領有力候補らは司会者が名前を紹介しただけで、壇上にあがって演説することはなかった。壇上で演説したのは、挺対協女性代表、「416の約束(セウォル号事件)国民連帯」女性活動家、ソウル大学病院女性労組員、民弁弁護士などで、崔順実問題についてはほとんど言及せず、朴槿恵政権の対日外交、経済政策などを取り上げて激しい糾弾演説を行った。

 ≪左に偏った半島の政治勢力≫

 「朴槿恵は下野せよ、朴槿恵を下獄させよ」というフレーズが繰り返し出てくる集会の主題歌「これが国か」を作詞・作曲した尹ミンソク氏は、1992年に北朝鮮工作員が作った地下党の傘下組織に加入し、金日成を称(たた)える歌を作ったことをはじめ、これまで4回、国家保安法違反で逮捕された親北活動家である。

尹ミンソク
 半島全体の政治勢力の配置を概観すると、一番左端に金一家の世襲独裁政権がある。国連人権理事会調査委員会はこの政権はヒトラーやポル・ポトに匹敵する「人道に対する罪」を犯していると指摘した。その独裁政権は官営媒体やネットサイトを使って「朴槿恵退陣闘争を進めよ」と煽(あお)っている。

 闘争本部はそのすぐ隣あたりに位置する。運動方針が北朝鮮の煽動(せんどう)とほぼ一致している。なお昨年1月には北朝鮮系ネットサイトで崔順実被告と朴槿恵大統領の関係についての「白書」が公開されていた。

 野党は闘争本部よりは少し右だが親北であることは間違いない。第1野党の文在寅前代表は盧武鉉政権で大統領秘書室長をしていたとき、国連北朝鮮人権決議に賛成してもよいかと北朝鮮に事前に問い合わせ、否定的回答があったので棄権させたという。当時の外相が最近出した回顧録で暴露した。

 第2野党の幹部、朴智元氏は金大中政権時代、南北首脳会談実現の対価として4億5千万ドルの外貨を北朝鮮に送金した事件で逮捕され、実刑判決を受けている。

 ≪自由民主主義を守れるかが焦点≫

 その少し右に与党セヌリ党が位置するが、親朴槿恵派と非朴槿恵派に割れ、内紛を繰り返して4月の総選挙で敗北した。その右に退役軍人や教会などを背景にする保守勢力が配置される。

 保守系有力新聞の朝鮮日報や三星財閥系の中央日報などが左派新聞と競うように暴露合戦を続け、国民の大部分が朴槿恵大統領への失望と怒りを募らせたことは確かだ。しかし、朴槿恵政権がこの間、北朝鮮と国内の親北左派に対して毅然(きぜん)たる対応をとってきたことは保守派から評価されている。

 19日のデモは12日に比べて動員が落ちた。数万人のデモ隊が大統領官邸を囲む中で大統領が辞任を強制されるという「革命的状況」はほぼなくなった。今後は憲法秩序の下で、特別検事の捜査と国会での弾劾審議が進むだろう。

 その間に保守陣営が、朴槿恵大統領の崔順実被告との非正常な関係は批判するが、政権の保守的政策は維持発展させるという立場を整理できるかが勝負だ。それができれば、落ち着きを取り戻した国民に親北左派か自由民主主義派かという選択を示して次期大統領選挙で勝てる可能性も十分ある。焦点は親北左派が政権を握ることを韓国の保守が阻止できるかだ。(東京基督教大学教授・西岡力 にしおか つとむ)

【私の論評】日本メディアの朴槿恵スキャンダル報道は、単純に鵜呑みにすれば馬鹿になるだけ(゚д゚)!

韓国では、日々北朝鮮からの浸透の脅威にさらされています。北朝鮮と韓国は国境を接しており、様々な方法をつかって、北朝鮮の工作員が韓国に侵入し、ことあるごとに政府転覆工作を図っています。

過去においては、北朝鮮の指令を受ける地下党組織員出身の韓明淑、金正日の海外秘密資金口座へ4億5000万ドルを不法送金した事件の主謀者の朴智元、左翼革命資金を用意するための強盗傷害犯だった李学永(写真下)が民主統合党の議員として国会に入っていました。

李学永
彼らが歌う党歌は、スパイ事件連累者が作詞し、金日成称賛歌の作曲家が曲を作っていました。韓国マスコミは、このような驚天動地の事実を韓国の国民に知らせてきませんでした。

にもかかわらず、「国民の知る権利」云々する民主党出入り記者たちは記者に偽装した工作員かもしれません。 韓国では、個人的な信念のために事実を隠蔽する者らは地位の上下を問わず、マスコミから追放してこそメディア界が浄化されるとの声が高まっていました。

ジョージ・オーウェルは、「1足す1は2だと言える体制は自由が護れる」と言いましたが、そういう言論の自由を与えても偏向した北の体制に売り払ってしまう記者たちが韓国の自由主義体制を崩壊させることにもなりかねません。韓国の多くの記者たちは「自由の敵」なのです。
李哲禹
民主統合党の党歌が独裁者称賛歌のブログ冒頭の記事にもでてきた、作曲家尹ミンソク、によって作曲された事実を故意に黙殺する記者たちは民主統合党や党歌の作詞家李哲禹(写真上)、や作曲家と理念的な同志なのでしょうか? それとも左翼が怖くて彼らに不利な記事は国民に知らせないのでしょうか? まさに、「党歌事件」は韓国のマスコミの左傾化を告発する事件だったのです。

以上のように韓国マスコミは左傾化しています。だからこそ、ブログ冒頭の西岡氏がかたるように、韓国のマスコミは、朴槿恵大統領スキャンダル報道をするにしても、大規模なデモを主催している勢力が過激な親北反体制派であることがほとんど伝えていないし、半島全体の政治スペクトラム(各政治勢力の配置)の中で事件を位置づける見方がほとんどないのです。

その結果、韓国の自由民主主義体制が重大な危機を迎えているという事態の本質が韓国民も分からないのです。

そうして、日本のマスコミは、左傾化した韓国マスコミの内容を日本国内で垂れ流すのみです。そうして、この構造は次期米国大統領トランプ氏の報道においても同じ構造でした。

このブログに何度か掲載してきたように、米国のマスコミは、リベラル・左派系が90%を占めており、保守系マスコミは10%を占めるに過ぎず、保守系が何かを主張しても、リベラル・左派系の大声によってかき消されるというのが実体でした。

この構造を脇に置いたとしても、韓国・日本のメディアには大問題があります。それについては、このブログにも最近掲載したばかりです。その記事のリンクを以下に掲載します。
韓国「反・朴槿恵」狂騒 “犯罪者は晒し者に”の社会力学とは―【私の論評】大統領による統治システムは何度も同じ間違いを繰り返した、最早個人の倫理問題ではない(゚д゚)!
朴槿恵大統領の辞任を求めるデモ 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、韓国においては過去に何度となく、大統領が海外逃亡をしたり、暗殺されたり、自殺したり、不正に関わっていたことがあることを掲載しました。

これだけ不祥事がつづているわけですから、韓国の大統領による統治のシステムは、欠陥があるとみて間違いありません。であれば、朴槿恵大統領のみを主に倫理的な観点から追求していたとしても問題は解決しないはずです。

これは、最早個人の問題ではなく、システムの問題なのです。であれば、大統領制による統治のシステムの問題点を改善したり、改革したりすることが、問題の根本的な解決になるはずです。

18日、米華字メディア・多維網は記事「THAAD配備に訪日、朴槿恵大統領の頼みの綱とは」を
掲載した。死に体と揶揄される朴槿惠大統領だが、THAAD配備や日本とのGSOMIA締結など
外交については着々と業務を進めている。資料写真。
しかし、韓国では、もっぱら朴槿恵氏自身の倫理的側面が追求されるのみです。これでは、全く何の解決にもならないどころか、北朝鮮側に朴槿恵スキャンダルを利用され、それこそ、西岡氏が主張するように、韓米同盟が解消されて米軍が撤退し、半島全体が中国共産党と北朝鮮世襲独裁政権の影響下に入る可能性もでてきます。

もし、韓国メディアや日本メディアなど、韓国の大統領による統治のシステムの問題点を明らかにするという姿勢で臨んでいれば、当然のことながら、その過程で西岡氏が主張しているように、大規模なデモを主催している勢力が過激な親北反体制派であり、これに対処する方法をどうすべきかとか、半島全体の政治スペクトラム(各政治勢力の配置)の中で事件を位置づける見方ができていたものと思います。

韓国メディアがそのようなことができないにしても、日本のメデイアは本来韓国から少し離れている日本にいるわけですから、記者などに現地取材をさせることをするにしても、もっと違った角度から取材して客観的に報道できたはずです。

しかしながら、米国大統領選挙の報道でも、そのようなことができなかった左下(左傾化しているだけなく、能力が低いということ)のマスコミには、韓国の朴槿恵スキャンダルにおいても、それは不可能なのでしょう。

それにしても、日本の新聞やテレビなどの朴槿恵スキャンダル報道など全く視聴する価値がないどころか、視聴して単純に鵜呑みにしていれば、馬鹿になるだけということは、確かなようです。

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