記録的な大雪に対処するために長野県佐久市の市長が行ったツイッターの活用法が「すごい」とネットで称賛されている。
以下、佐久市長のツイート。
【広川原の皆さんを激励・拡散】 本当にご心配を頂いた広川原の3人の皆さんと3人と日頃からお世話をされている市川さん。『ヘリコプターは、怖かったけど。安心。避難して良かった。(涙)』 支え合いの地域てすから、いつも3人が一緒なのです。 pic.twitter.com/7btmFJinu8
— 佐久市長 柳田清二 (@Seiji_Ya) 2014, 2月 19
ツイッターで集めた写真などから被害状況を確認して指示を出し、市の対応状況についても逐一報告した。
市民から直接情報を収集
長野県佐久市は、群馬県との県境に位置する人口約10万人の市だ。2014年2月14日から15日にかけて80センチ以上の雪が積もった。柳田清二市長はツイッターで寄せられる情報に個別に応えていたが、各地の積雪・交通状況を確認するため16日にツイッターで市民に情報提供を呼びかけた。
「県道の除雪が出来ていないという情報も入って来ています。 出来れば、写真を貼付していただけないでしょうか? 全力で対応したいので、宜しくお願いいたします」
市長のフォロワーが約3000人いることや、ジャーナリストが拡散に協力した効果があってか、600回以上リツイートされた。市民によってハッシュタグ「#佐久道路」が作られ、「浅間病院前、東はトラック立ち往生のため、動きません」といった具体的な情報が次々に寄せられた。現地の道路の状況を伝える写真も多数添付されていた。
16日夜には、ツイッターで集めた情報などから「道等課題の確認が出来ました」と報告し、佐久市の持つ除雪力では「不足」いう判断から、阿部守一知事に自衛隊出動を要請したことを明らかにした。
その後も、
「【佐久市最新情報・拡散希望】 月曜日早朝から自衛隊が、入ります。少しでも早く市民生活を取り戻したい!」
「7:00 臼田あいとぴあ 入り 8:00 関係者ミーティング このミーティングで今日の活動方針を決定します」
「孤立している馬坂・広河原への対応、除雪能力の向上策、路上駐車トラック対策等を検討、指示しました」
などと写真入りで、こまめに進行状況を伝えた。
「今回の大雪対応でネットを活用した好例」
ネットでは佐久市長のツイッター活用法に対して、
「こういう市長がいる街に住みたい」
「災害時におけるtwitterの有効な使い方のお手本だと思う」
「今回の大雪対応でネットを活用した好例」
と褒め称える声が相次いだ。
市長は個別に寄せられる市民からの要望にも丁寧に応えている。「除雪した雪のステ場所を検討して欲しいです・・・」という意見があると、翌日には「佐久市内6箇所の雪捨て場が、整備できました」と伝えた。
現場へのねぎらいも忘れず、
「消防団ほど、身を粉にして地域を守ってくれてる団体は、ありません。法被を着ている方は、間違いなく消防団の皆さん。感謝、感謝なのです」
とツイートした。
直接の情報収集とすばやい対応に、市民からは感謝の言葉が届いている。
「迅速に対応して頂きありがとうございます。同じ道がこんなに広くなりました。普段除雪車なんてこなかった道もここまで綺麗になって嬉しいです。これで老人の方も街まで出れると思います」
緊急時に市長がツイッターを有効活用できたのは、普段から積極的に使っていたからだと見られる。ほとんど毎日ツイートを行い、硬軟織り交ぜた発言でフォロワーとの交流も重ねてきた。
今回のケースを参考にネットでは「災害対応で重要な役割を果たさなければならない首長はツイッターに慣れておくべきだろう」という意見も出ている。
【私の論評】災害に役立つTwitterを最大限活用した市長がいる一方で、当初自衛隊の除雪請願を拒否した県もあった! この違いはどこから出てくるのか?
今回の、佐久市市長の大雪対応素晴らしいです。twitterというと、橋下元大阪市長などのツイートなどがクローズアップされがちです。これは、首長などの自らの考えを知ってもらうということには確かに役にたちますが、市民生活に直結したものとはいえません。
しかし、今回の佐久市長の事例は、まさしく市民生活に直結どころか、市民生活の危機に対して、実際に直接手を打ったという点で賞賛に値すると思います。いざというときに、このようなことができるようにしておくには、やはり、普段から市政などにTwitterを用いているとか、それも単に使っているというだけではなく、写真や動画を使ってみたり、ハッシュタグなども用いてることがあるとか、さら根本的には、市長のTwitter上のフォロワーがある程度以上はいるなど、様々な条件がないとこのようには出来ないと思います。
確か、Twitterは、東北大震災のときにも大活躍したことがありました。Twitterは今後もこのような役割も果たし続けるのだと思います。私も普段から使用しているので、この件は本当に素晴らしいと感じました。
それにとも、今回の大雪については、いろいろと考えさせられました。確かに、予想もつかなかったような大雪で、雪の降る北海道からみていても、各地の大雪は酷いものでした。そうして、私がこの大雪の有り様、それも3日4日と通行止めになっている有り様を見て思ったのは、日本のような国で、こんなことが起こるということ自体が信じられなかったということです。
それは、予想もつかない大雪といいながら、たまにはこういうことが起こることもあり得るということは、誰もが知っていたことと思います。にもかかわらず、このようなことが現実に起きてしまったことに驚愕を覚えました。無論、何年か、何十年後に対して発生するかもしれない危機に対して、万全の備えをしておくということは、難しいことなのかもしれません。
しかし、東北の大震災は、1000年に一度ともいわれまたが、その後いろいろな対策が取られている今、大雪対策も何とかすべきと思いました。しかし、雪というと、春になれば完璧に姿を消すわけですから、しばらくすれば、喉元すぎれば熱さを忘れという諺通になってしまうに違いないとも思い、これはなかなか難しいことだと思っていました。
しかし、本日ブログ冒頭の記事を見て、これは今後こうしたことに対する対策にはかなり効果を発揮すると思ったので、本日はこの記事を掲載させていただきました。
それにしても、佐久市の柳田清二市長のように、今回の大雪に対して、twitterを最大限に活用して、素早い対応をした首長がいる一方で、とんでもない首長も存在していました。
記録的な大雪の被害が拡大する中、埼玉県秩父市が15日以降、自衛隊の派遣を要請するよう県に打診していたにもかかわらず、県が当初「除雪のための派遣要請はできない」と拒否していたことがわかっています。
大雪のため大型トラックが動けなくなり、除雪作業に当たる自衛隊員ら(16日、長野県軽井沢町) |
県は17日午後6時半になって自衛隊に派遣要請したましたが、地元からは、「対応が遅すぎる」「秩父を見捨てたのか」などの批判が相次いでいます。
防衛省によると、17日午後3時現在、自衛隊に派遣を要請したのは山梨、群馬、長野、静岡、東京、宮城の6都県。山梨県は最も早い15日午前11時20分に要請しており、群馬、長野両県も同日中に要請しました。
秩父市の久喜邦康市長が電話で県側に自衛隊の派遣要請をしたのは15日午後5時20分頃。それ以降、市危機管理課の担当者らが「病気の人もいるので何とかしてほしい」などと繰り返し依頼したが、県の担当者は「自衛隊と協議したところ、除雪だけを理由に要請するのは難しい」と受け入れなかったといいます。
6都県の多くは「人命救助のための除雪」を理由に派遣要請しており、防衛省は「一般論で言えば除雪が人命救助と密接である場合は要請できる」と説明しています。
こうした県の対応に対し、秩父市民から批判が相次いでいる。同市の主婦(45)は「遅すぎる。もっと早く自衛隊が来てくれれば除雪もスムーズに進んだのではないか」と憤っています。ある男性会社員(53)は「もっと早く来てくれないと意味がない」と怒り心頭でした。
これに関して、県知事などは今のところ何のコメントも発していないようですが、これは、防災担当の一職員がどうのという問題ではありません。首長に責任があることははっきりしていると思います。
なお、大雪だった山梨では、BIKINI NITGTなる催しものがあったそうです。このツイートにも雪の影響がみてとれます。
昨日のBIKINI NIGHTお疲れ様でした!お足元の悪い中遊びにきてくださってありがとうございました♡ CJD集合写真〜(≧∇≦) Hanae.Juri.Lina.Natsu Kanae.Hiroko.Kazue.Rino pic.twitter.com/Men9brU64X
— hana (@hanaetti) 2014, 2月 16
それにしても、一方ではtwitteなどを活用して、素早い対応をしたのに、他方ではこのような対応で、初期対応に遅れが出て、事態をより深刻化させています。
この違いはどこから出てくるかといえば、やはり、Twitterを使う使わないは別にして、どのような方法でも良いから、普段から市民、県民の声を吸い上げる努力を続けているかどうかの違いだと思います。
佐久市市長は、Twitterなども含めて、普段から市民の声を吸い上げていたのだと思います。それに対してどの程度対応ができていたかは別にして、今回のような危急のときには、twitterで普段から吸い上げていたことが基礎となって、素早く対応できたのだと思います。
政治家や、地方自治体などは普段から、国民や市民・県民の声を吸い上げるべきといわれていわれていて、これはもう言い古されていて一見陳腐なようにもみえますが、普段から吸い上げていれば、いざというときに臨機応変に対応できるというということを今回の事例はものの見事語っていると思います。
これは、国や地方自治体にかぎらず、企業や学校、病院、役所などあるゆる組織にあてはまることだと思います。すべからく、組織というものは、普段からその構成員の声をいつも集めている必要があるということです。それが、いざというときに、最大の危機対応になるということです。
私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?
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