参院平和安全法制特別委員会で質問する自民党の佐藤正久氏=14日午前、国会・参院第1委員会室 |
14日の参院平和安全法制特別委員会で、民主党の岡田克也代表ら歴代代表が以前、「集団的自衛権の行使を容認すべきだ」と主張していたことが明るみに出た。質問に立った自民党の佐藤正久氏が“暴露”した。民主党議員らはなぜか反発して議場はヤジに包まれ、審議は一時中断した。
佐藤氏は、岡田氏の発言が掲載された平成15年5月の読売新聞と「中央公論」17年7月号、野田佳彦元首相の著書「民主の敵」から発言を抜き出してパネルに示した。佐藤氏の求めに応じ、石川博崇防衛政務官がパネルを読み上げた。
「日本を防衛するために活動している米軍が攻撃された場合、日本に対する行為と見なし、日本が反撃する余地を残すのは十分合理性がある。今の憲法は全ての集団的自衛権の行使を認めていないとは言い切っておらず、集団的自衛権の中身を具体的に考えることで十分整合性を持って説明できる」(岡田氏、読売新聞)
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「仮に集団的自衛権を憲法なり、法律なりで認めるとしてもきちんと制限を明示したほうがよいだろう。いずれにせよ、より具体的な形で議論すべきだ。最後にはその時々のリーダーが政治生命をかけて決断しなければならない」(岡田氏、中央公論)
佐藤氏は、岡田氏の発言が掲載された平成15年5月の読売新聞と「中央公論」17年7月号、野田佳彦元首相の著書「民主の敵」から発言を抜き出してパネルに示した。佐藤氏の求めに応じ、石川博崇防衛政務官がパネルを読み上げた。
「日本を防衛するために活動している米軍が攻撃された場合、日本に対する行為と見なし、日本が反撃する余地を残すのは十分合理性がある。今の憲法は全ての集団的自衛権の行使を認めていないとは言い切っておらず、集団的自衛権の中身を具体的に考えることで十分整合性を持って説明できる」(岡田氏、読売新聞)
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「仮に集団的自衛権を憲法なり、法律なりで認めるとしてもきちんと制限を明示したほうがよいだろう。いずれにせよ、より具体的な形で議論すべきだ。最後にはその時々のリーダーが政治生命をかけて決断しなければならない」(岡田氏、中央公論)
佐藤氏は「まさに必要性を認めている。しかしなぜか6月の党首討論で岡田氏は『集団的自衛権は必要ない』と断言した」と指摘。岡田氏が米艦防護は個別的自衛権や警察権で対応できると主張を変えたことについて「外形上、他国防衛を集団的自衛権でなく個別的自衛権で行うのは危険だ」と切り捨てた。
また、佐藤氏は、前原誠司元外相や長島昭久元防衛副大臣も行使を認める立場であることも付け加えた。
【私の論評】不可解な安保に関する民主党の180度転換と、マスコミ等の歴史修正(゚д゚)!
民主党は、自民党と同じように、必ずしも政治信条が同じ議員の集まりではなく、左翼的な議員から、右翼的な議員まで存在する政党であり、悪く言えば選挙互助会のような組織です。
ただし、民主党は自民党をコピーしたような党なので、コピーした分劣化しているということができると思います。
そのため、民主党内でも、安保法制や、集団的自衛権についても様々な意見を持つ集団です。自民党もそういう傾向がありますが、現状では党内でこれらに対する意見を統一しているということです。
しかし、民主党はそうではありませんでした。このブログでもこのことについて掲載したことがあります。
その記事のリンクを以下に掲載します。
民主、安保審議で得意の「バラバラ攻撃」 保守・リベラル両派が質問で“党内不一致”を露呈―【私の論評】中国による現実的な脅威を認識して、与野党ともまともな政策論議を(゚д゚)!
民主党岡田代表 |
この記事は、今年の5月30日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事より、この時点では民主党内で集団的自衛権についての統一見解がなかったことに関する部分のみコピペします。
長島昭久元防衛副大臣 |
民主党は28日の衆院平和安全法制特別委員会で、安全保障政策をめぐり立ち位置の異なる2人を質問者に立てた。保守系のと、リベラル系の辻元清美政調会長代理がそれぞれ自らの主張を交えながら政府の考えをただす「バラバラ攻撃」を展開したが、同党は安全保障関連法案への対応を正式に決めていないこともあり、実質審議入り2日目で早くも“党内不一致”が表面化した。
「国家安全保障の要諦は紛争を未然に防ぐことだ」。安保政策の基本方針を訴えた安倍晋三首相に対、長島氏は「おおむね首肯したい」と賛同した。 安保関連10法案を一括提出した政府の対応に「ごった煮で出されても議論しにくい」と注文をつけたが、法案には理解を示す発言を連発し、「できる限り修正を求めたい。政府は広い視野で取り組んでもらいたい」とエールまで送った。
対照的なのが辻元氏。長島氏の質疑ではやじもほとんど出ず「静かな環境」だったが、辻元氏が質問に立つと、雰囲気は一変した。
衆院平和安全法制特別委員会で質問する民主党の
辻元清美氏=28日午前、国会・衆院第1委員室
辻元氏は冒頭から「日本が戦争に踏み切る基準の変更について議論しているのか」と切り出し、政府が「戦争できる国づくり」を進めているかのような視点で挑発した。法案にも「日本がテロに狙われることにつながりかねない」と否定的な観点で追及した。
長島、辻元両氏の質疑について特別委の自民党委員からは「同じ党の2人とは思えない」との声が漏れた。民主党は、5月の時点では、このように党内で安保法制に関する見解が統一されていませんでした。しかし、その後、このようなことでは、安倍政権には対峙することはできないと判断し、党内で見解を統一して現在にいたり、現状では、集団的自衛権や安保法制に反対の立場から国会審議をのり切ろうとしています。
こんなことは、本来国会が開催されれる前に、党内で統一見解を一致させておくべきものです。自民党内では、安倍総理は憲法解釈の変更による安保法制の導入に関する公約をかかげ、過去三回にわたり国政選挙で勝利したため、おいそれと安保法制に反対できるような雰囲気ではなく、最初から見解が統一されていたものと考えられます。
今年5月以前の民主党の幹部の安保に関する発言 |
しかし、民主党ではそのようなこともなく、先に述べたように自民党の劣化コピーのような政党ですから、見解の不一致のまま、国会論戦に突入してしまったというのが真相だと思います。
そうして、過去に遡ると、佐藤氏が上の記事で主張していたことなど、何も目新しいことではなく、過去の民主党では、集団的自衛権を容認していたことは明々白々です。
それについても、このブログに掲載したことがあります。その記事、リンクを以下に掲載します。
日米安保破棄唱える共産党以外は集団的自衛権にNOと言えない―【私の論評】民主党が今更異議を唱えるのはまったく奇異であるこれだけの理由(゚д゚)!
しかし、民主党が集団的自衛権にNOと言えないはずであるとの論拠は他にもあります。これについては、枝野氏が二年前に放った発言が物議を醸しています。
その動画を以下に掲載します。
詳細は、この動画をご覧いただくものとして、以下に、動画の発言の内容を一部掲載します。
それについては、このブログにも以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
1:45~
https://www.youtube.com/watch?v=_Jev3GbdbkY 西修(参考人、憲法学者)
「(略)4、集団的自衛権は個別的自衛権と共に主権国家の持つ固有の権利、即ち自然権である点。国連憲章51条であります。不可分であります。
そこで、枝野幸男、現在民主党幹事長は次のように仰っておられます。
『そもそもこうして個別的自衛権か集団的自衛権かという二元論で語ること自体おかしな話です。そんな議論を行っているのは日本の政治家や学者くらいでしょう。』
私はもう個別的自衛権とか集団的自衛権とか区別して論ずるのはもうお止めになっていただきたい。
枝野幹事長のこの言葉、非常に強く重く感じるわけであります。
敢えてこれについて言うならば、岡田党首は党首討論において最後に『私たちは個別的自衛権はやります!集団的自衛権はいりません!』確かそんな風に仰っていらしたと思います。
どうしてこれ分けるんでしょうか。どうやって分けるんでしょうか。またやることにどんな意味があるんでしょうか。
私はあの言葉を聞いてこの枝野幹事長の言葉を思い出した次第であります。この点を是非ご議論頂きたい。こんな風に思うわけであります。(略)」
0:13~
https://www.youtube.com/watch?v=F148WOYQoX8 平沢勝栄
「(略)西先生にちょっとお聞きしたいんですけど、西先生、枝野民主党幹事長のご発言に言及されました。
資料を読ませていただきますと、枝野幹事長は『そもそもこうして個別的自衛権か集団的自衛権かという二元論で語ること自体おかしな話です。そんな議論を行っているのは日本の政治家や学者くらいでしょう。』と。
なかなか立派なこと言っておられるなと思いましたけども、そこで西先生、参考人にお伺いいたしたいと思いますけど、これは文藝春秋の一昨年のやつに出たということ、でしょうね。ですからつい最近のお話ですよね?
ということを確認させていただきたいというのと、もう一つはこういったお考えについて先生はどうお考えになられたか。それをちょっとお聞きさせてください。」枝野氏がこのようなことを語っていたというのですから、民主党の集団的自衛権反対というのは無理があります。しかし、それだけではありません。民主党は過去に、集団的自衛権を認める発言をしていました。
(続く)
それについては、このブログにも以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
"
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、過去に民主党が集団的自衛権に関して、認めていたと判断できる部分のみを引用します。
実は民主党は過去おいては、集団的自衛権を認めるべきだと主張していました。
2010年8月鳩山内閣でまとめた「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会の報告書」で集団的自衛権を行使できないとするこれまでの憲法解釈を批判しまた。
2012年12月野田内閣「国家戦略会議」の報告書で「集団的自衛権の見直しを図るべきだ」と提言していました。
菅内閣では仙谷官房長官が「内閣が責任を持って憲法解釈変更を国民に提示すべきだ」と発言していました。
現在の枝野氏は安保法制改正に現在では、大反対していますが、民主党内閣閣僚のときには「内閣法制局の意見は大事だが判断するのは担当大臣の私であり、最終的には閣議だ」と述べています。
過去の自民党政権で2回。民主党政権で2回。計4回作成された有識者会議の報告書はいずれも政府の憲法解釈変更を提言しています。
一般には、安保法制改正は、安倍首相が突然言い出したように思われていますが、実は麻生内閣でも民主党内閣でも集団的自衛権は認めるべきだとする方向でした。
民主党は野党になったとたんに、これまで主張していたことと正反対のことを言い出したのです。こんなことからも、 民主党が今更集団的自衛権に関して、異議を唱えるのはまったく奇異としかいいようがありません。
"
これらは、過去において民主党は、集団的自衛権を容認するということで、党内で一致をみていたものが、野党に今年の5月以降に180度転換して、集団的自衛権を含む安保法制に反対することで、党内一致をみたということです。
これは、非常に奇異です。要するに、民主党は安倍総理に対峙するということのみで、突如として、党の方針を180度転換したということです。
この180度転換に近いことは、安保法制に関してマスコミなどでも見られます。全く不可解なことです。
この180度転換とは、もともと憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使に関しては、日本では、戦後から佐藤内閣以前までは、当然のこととされていたにもかかわらず、何やら、マスコミはあたかも、戦争直後から一環して、日本では集団的自衛権を認めてこなかったと主張していることです。
これに関しては、先日もNHKの論説委員が、番組の中に「戦後一環して、集団的自衛権を認めてこなかった日本」と発言していており、これは明らかな歴史修正であるため、本当に驚いてしまいました。
日本が、戦後一環して、「集団的自衛権を認めてこなかった」などという発言は、全くの虚偽であり、日本はかつて「集団的自衛権を認めていました」から、完璧な歴史修正です。
これに関しても、以前このブログに掲載したことがあるので、その記事のリンクを以下に掲載します。
その部分のみ以下にコピペさせていただきます。
これに関しては、先日もNHKの論説委員が、番組の中に「戦後一環して、集団的自衛権を認めてこなかった日本」と発言していており、これは明らかな歴史修正であるため、本当に驚いてしまいました。
日本が、戦後一環して、「集団的自衛権を認めてこなかった」などという発言は、全くの虚偽であり、日本はかつて「集団的自衛権を認めていました」から、完璧な歴史修正です。
これに関しても、以前このブログに掲載したことがあるので、その記事のリンクを以下に掲載します。
大新聞 安保法制反対デモは報じるが世界の賛成の声は報じず―【私の論評】中国のため日本国内で報道統制をする習近平応援メデイアには、もううんざり(゚д゚)!詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事で、集団的自衛権に関しては、決して、安倍総理が突然いいだしたものではなく、歴史的にいえば、もともと集団的自衛権の行使が日本では容認されていたものが、佐藤内閣から変わったことを掲載しました。
その部分のみ以下にコピペさせていただきます。
憲法解釈による集団的自衛権の行使に関する誤解
さて、次には、メディアでは、「戦後一貫した憲法解釈を守ってきた内閣法制局」と「それを変えようとしている安倍内閣」との構図で報道されています。しかし、これはそもそも大嘘です。
それどころか、岸信介・池田勇人内閣では核武装まで容認し、集団的自衛権の行使など自明でした。そもそも、日米安保条約など、集団的自衛権を行使するための条約であるという理解が当たり前でした。
そうして、現実には、日本はアメリカの基地を日本に置くということで、集団的自衛権を行使しています。アメリカ軍の基地を日本国内に設置することそのものが、すでに集団的自衛権の行使であることを日本のマスコミはほんど報道しません。
朝鮮戦争勃発から池田内閣までの解釈をすべてひっくり返したのは佐藤栄作内閣の高辻正己法制局長官です。法制局がのたまう「戦後一貫した憲法解釈」など、せいぜい佐藤内閣・高辻長官以来の話にほかなりません。
日本に米軍基地が存在すことそのものが、集団的自衛権の行使である
佐藤栄作政権期に境に集団的自衛権の解釈は明らかに変わっています。佐藤内閣以前の「(集団的自衛権を)持っているから行使できる(あるいはその都度考慮する)」から、「持っているが行使はできない」への変化が始まりました。
この時代には、ベトナム戦争がありました。日本に集団的自衛権はあるが、米国のために他国に自衛隊を派兵することはできないということで、社会党との国会運営をめぐる調整で、佐藤政権が妥協したためこのような妥協が行われました。
集団的自衛権の行使ができないなどという見解は、単なる妥協の産物に過ぎないのですが、今のマスコミはまるで日本が終戦直後から集団的自衛権に関しては、「日本は行使できない」という考え方を貫き通してきたような報道ぶりで、これを正しく伝えません。
そのため、日本では多くの人々が、憲法解釈による集団的自衛権の行使に関して正しい認識を持っていません。
このように、民主党は、集団的自衛権の行使に関しては、元々は容認していたし、つい数ヶ月前にも、国会で、そのような見解を示す議員がいたにも関わらず、最近では180度転換して、現在に至っています。
マスコミや、憲法学者、野党などは、歴史修正をしているか、その歴史修正を正しいものとして、愚かな発言を繰り返しています。
上の記事では、佐藤氏が国会で、民主党が180度転換したことを批判していますが、マスコミ等の現代史の修正に関しては、まだ誰も批判していません。これは、全くおかしなことです。
国会でも、安倍総理をはじめ、他の議員もこれは、批判すべきでしょう。
この国は、歴史修正を公然と行い恥ずかしげもない中国とは違います。日本は、民主主義国です。そのような国で、公然と歴史修正が行われて良いはずがありません。
私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?
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