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2015年7月14日火曜日

安保「補充審議」シナリオも 官邸と橋下維新に流れる“密約説”―【私の論評】集団的自衛権が世に問われた回数は、安倍総理の三度目の正直をはるか超えていた(゚д゚)!

安保「補充審議」シナリオも 官邸と橋下維新に流れる“密約説”

日刊ゲンダイ

橋本大阪市長

「決めるべき時には、決めるということではないか」――。どうやら安倍首相は、15日(水)衆院の特別委員会で「安保法案」を強行採決するつもりらしい。

審議をつづけるほど国民の反対が増えると、早期の採決に舵を切ったようだ。

「野党から攻められ、支持率も下落し、安倍首相はストレスをためています。これ以上、安保法案の審議をつづけたら、いつキレるか分からない。最近は『舛添さんは、メディアの前で国立競技場のことを批判しているが、なんとかならないのか』と、周囲に当たり散らしています」(官邸事情通)

しかし、15日に採決したら、全野党が「まだ審議は尽くされていない」と抗議し、採決を欠席するのは確実。「強行採決はおかしい」と国民の反対をさらに強めてしまう。

そこで、安倍周辺は、維新の党を採決に引っ張り出す、姑息な“懐柔策”を画策しているという。

「いま囁かれているシナリオは、15日に委員会で強行採決した後、衆院議長が混乱の収拾に乗り出し、与野党に“補充審議”を提案、維新の対案を中心に連日、補充審議を行い、24日に衆院本会議で採決するというものです。たしかに、このシナリオなら、維新の橋下徹氏は『議長の手まで煩わせて申し訳ない。維新の対案を審議してもらったのはありがたい』『維新は本会議の採決に応じるべきだ』と明言する可能が高い。すでに安倍官邸と橋下さんが、このシナリオに合意していても不思議ではありません」(政界事情通)

実際、大島理森衆院議長は「決める時は決めなきゃいけない」と漏らし、橋下氏も「自分たちの意見に沿わないから採決拒否というのは民主主義を堕落させる」と記者団に語っている。維新の「大阪組」は、「将来は自公維の連立政権だ」と吹聴しているという。

維新の党は、安保法案に反対する国民を裏切って、安倍自民党と手を握るのか。国民は監視した方がいい。

【私の論評】集団的自衛権が世に問われた回数は、安倍総理の三度目の正直をはるか超えていた(゚д゚)!

上の記事、悪意に満ちていると思います。自民党としては、野党に協力を依頼するのは当然のことで、それを密約というのはいかがなものかと思います。

それに、橋下氏はこれに関する密約などしていないと思います。それは、明日になればわかります。きっと、密約などないことなどはっきりすることでしょう。

この記事は、相当おかしいですが、そもそも、最近のマスコミは本当におかしいです。そもそも、集団的自衛権に関して、最近突然降ってわいたかのような報道ぶりですが、そんなことは絶対にありません。

それについては、このブログでも二度にわたって、掲載しています。

昨年2月17日午前、衆院予算委員会で答弁のため挙手する安倍首相=衆院第1委員室
この記事は、昨年2月17のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事より安倍総理が集団的自衛権について、最近突然降ってわいたような論議をしているわけではないことを示した部分を以下にコピペさせていただきます。
「政府の最高責任者は私だ。政府の答弁については私が責任を持ち、その上で選挙で国民から審判を受ける。審判を受けるのは、内閣法制局長官ではない」 
集団的自衛権の行使を可能にする憲法解釈見直しをめぐる安倍晋三首相の国会答弁なのだが、なぜか自民党内で問題視されている。
村上誠一郎元行政改革担当相
13日の党総務会で、村上誠一郎元行政改革担当相は「選挙で勝てば、憲法を拡大解釈できると理解できる。その時々の政権が解釈を変更できることになる」と首相の発言を批判。これに、「正面から受け止めるべきだ」(野田毅税調会長)、「拡大解釈を自由にやるなら憲法改正は必要ないといわれてしまう」(船田元憲法改正推進本部長)と村上氏を支持する声が相次いだ。
船田元憲法改正推進本部長
こうした指摘は妥当なのか-。自民党が政権を取り戻した平成24年(2012年)12月の衆院選前に時計の針を戻す。 
同年9月の党総裁選で勝ち上がった安倍首相は、第1次政権時と同じく集団的自衛権の行使に向けた憲法解釈見直しの必要性に度々言及してきた。衆院が解散した11月16日の記者会見でも「集団的自衛権行使の憲法解釈の変更を、この選挙を通じて堂々と訴えたい」と明言した。他の野党からは「日本は(人を)殺し、殺される国に変わってしまう」などと誇大妄想の批判にもさらされた。 
政権公約には「日本の平和と地域の安定を守るため、集団的自衛権の行使を可能」にすると明記していただけだが、少なくとも、解釈見直しに取り組む姿勢を有権者に明確にしていたことは明らかだ。首相は政権選択の衆院選で国民にこの是非を問うたのである。 
ただ、当時の自民党を担当していた身からすると、集団的自衛権の行使容認を打ち出した安倍執行部に、表立って異を唱えた議員は寡聞にして知らない。結局、この公約を掲げた自民党は、圧倒的な議席数を得て、有権者の意志により政権を託された。党内の批判は、先の衆院選での約束を自らほごにすることになりはしないだろうか。
菅(すが)義偉(よしひで)官房長官は14日の記者会見で「行政府の憲法解釈は内閣が責任を持って行うのは当然のことだ。(安倍首相は)首相が内閣を代表し、責任を持って答弁していることを説明したにすぎない」と党内の批判に反論した。

枝野幸男憲法総合調査会長
また、民主党も首相答弁に「最高権力者だから憲法の解釈をどう変えてもいいと取られても仕方のない国会答弁だ。国辱的な発言だ」(枝野幸男憲法総合調査会長)と批判を強めた。だが民主党政権が一時期、「政治主導」の名の下に、法制局長官を国会審議で答弁する「政府特別補佐人」から外し、法令解釈の答弁を官房長官らが担っていたことは指摘しておきたい。 
憲法の解釈権はあくまで内閣にあるのが通説だ。選挙の洗礼を受けない公務員集団の内閣法制局が担えるはずがなく、国民の支持を得た内閣がその権限を有するのが正当性を持った統治のあり方だ。安倍政権は昨年7月の参院選でも勝利を収めた。集団的自衛権の行使に向けた憲法解釈見直しはすでに2回民意を受けたのである。首相はその民意に従い、粛々と実行に移すことが求められている。
安倍総理は2012年の選挙で政権交代をしたときにも、安保法制改革として集団的自衛権の行使を公約にしました。そうして、大勝利しました。2013年の参院選挙のときにも、 もちろん憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使を公約に掲げて大勝利しました。

それにもかかわらず、自民党内では村上誠一郎元行政改革担当相や、船田元憲法改正推進本部長がこれに意義を唱えたわけです。しかし、そんな馬鹿なことが通るはずもなく、今では自民党内で意義を唱えるものはいません。

さらに、昨年暮れの解散総選挙でも、10%増税見送りの他、憲法解釈変更による集団的自衛権の行使も公約に掲げて、これも大勝利しています。

安倍政権は、もうすでに三度も選挙でこれを訴えて、勝利しています。マスコミや、野党はこの事実を意図的に無視しているとしか思えません。こんな馬鹿なことが、民主主義国で許されて良いのでしょうか。そんなことが許されたら、選挙など有名無実ということになってしまいます。

いまさら、与党議員が、異を唱えたとしたら、選挙による国民の民意を無視したということで、議会制民主主義そのものが壊されてしまいます。

しかしながら、最近テレビ報道などをみていると、余程焦っているのでしょうか、コメンテーターなどが、「自民党内にも反対の議員もいるはずだが、何も言わないが・・・・」などと語っていましたが、こんな馬鹿な主張が通るはずもありません。

以上は、昨年の2月の状況です。過去3回の選挙公約にて、憲法解釈の変更によって集団的自衛権を行使できるようにすると公約を掲げて勝利しているわけですから、もし安倍総理が集団的自衛権に関して、何も推進しなかったとしたら、それは公約違反です。

これに対して、元財務相の藤井裕久氏は、「自民党にも反対のものがいるはずなのに声をあげない、今は小物ばかりになってしまった」などと頓珍漢な論評をして、マスコミに利用されていました。この人が過去には純然たる増税派であり、8%増税は最初の想定通り大失敗であったことを考慮するとこの頓珍漢さも理解できます。

元財務相の藤井裕久氏
こんな当たり前の事実を多くのマスコミや、野党は無視しています。民主党などは、公約違反をするのが当たり前になっているので、こうした矛盾には気づかないのかもしれません。

それから、集団的自衛権に関して、最近突然降ってわいたかのようなものではないことを指し示すもう一つの事例があります。これは、集団的自衛権と民主党に関わるものです。その記事のリンクを以下に掲載します。
日米安保破棄唱える共産党以外は集団的自衛権にNOと言えない―【私の論評】民主党が今更異議を唱えるのはまったく奇異であるこれだけの理由(゚д゚)!
長谷川幸洋氏
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では、長谷川幸洋氏の集団的自衛権に関する主張を掲載しました。

この記事で、長谷川氏は、日米安保条約は集団的自衛権を前提としているのは周知の事実であることを主張していることを掲載しました。。だからこそ、長谷川氏は、日米安保破棄唱える共産党以外は集団的自衛権にNOとは言えないとしているのです。

以下にこの記事の【私の論評】から一部を引用します。
さらに長谷川氏は、「2010年に暴露された外務省の密約文書によれば、米国は日本と事前協議しなくても韓国に出撃できる約束になっていた。当時は民主党政権(*注)だったから、民主党は事情を知っているはずだ」とも述べています。 
しかし、民主党が集団的自衛権にNOと言えないはずであるとの論拠は他にもあります。これについては、枝野氏が二年前に放った発言が物議を醸しています。 
その動画を以下に掲載します。


これは、平成27年6月22日 平和安全特別委員会の動画です。西修氏が証言をしています。

詳細は、この動画をご覧いただくものとして、以下に、動画の発言の内容を一部掲載します。
1:45~
https://www.youtube.com/watch?v=_Jev3GbdbkY 
西修(参考人、憲法学者) 
「(略)4、集団的自衛権は個別的自衛権と共に主権国家の持つ固有の権利、即ち自然権である点。国連憲章51条であります。不可分であります。 
そこで、枝野幸男、現在民主党幹事長は次のように仰っておられます。 
『そもそもこうして個別的自衛権か集団的自衛権かという二元論で語ること自体おかしな話です。そんな議論を行っているのは日本の政治家や学者くらいでしょう。』 
私はもう個別的自衛権とか集団的自衛権とか区別して論ずるのはもうお止めになっていただきたい。 
枝野幹事長のこの言葉、非常に強く重く感じるわけであります。 
敢えてこれについて言うならば、岡田党首は党首討論において最後に『私たちは個別的自衛権はやります!集団的自衛権はいりません!』確かそんな風に仰っていらしたと思います。 
どうしてこれ分けるんでしょうか。どうやって分けるんでしょうか。またやることにどんな意味があるんでしょうか。 
私はあの言葉を聞いてこの枝野幹事長の言葉を思い出した次第であります。この点を是非ご議論頂きたい。こんな風に思うわけであります。(略)」 
0:13~
https://www.youtube.com/watch?v=F148WOYQoX8 
平沢勝栄
「(略)西先生にちょっとお聞きしたいんですけど、西先生、枝野民主党幹事長のご発言に言及されました。 
資料を読ませていただきますと、枝野幹事長は『そもそもこうして個別的自衛権か集団的自衛権かという二元論で語ること自体おかしな話です。そんな議論を行っているのは日本の政治家や学者くらいでしょう。』と。 
なかなか立派なこと言っておられるなと思いましたけども、そこで西先生、参考人にお伺いいたしたいと思いますけど、これは文藝春秋の一昨年のやつに出たということ、でしょうね。ですからつい最近のお話ですよね? 
ということを確認させていただきたいというのと、もう一つはこういったお考えについて先生はどうお考えになられたか。それをちょっとお聞きさせてください。」
枝野氏がこのようなことを語っていたというのですから、民主党の集団的自衛権反対というのは無理があります。しかし、それだけではありません。民主党は過去に、集団的自衛権を認める発言をしていました。
・・・・・・〈中略〉・・・・・・
2010年8月鳩山内閣でまとめた「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会の報告書」で集団的自衛権を行使できないとするこれまでの憲法解釈を批判しまた。

2012年12月野田内閣「国家戦略会議」の報告書で「集団的自衛権の見直しを図るべきだ」と提言していました。 
菅内閣では仙谷官房長官が「内閣が責任を持って憲法解釈変更を国民に提示すべきだ」と発言していました。 
現在の枝野氏は安保法制改正に現在では、大反対していますが、民主党内閣閣僚のときには「内閣法制局の意見は大事だが判断するのは担当大臣の私であり、最終的には閣議だ」と述べています。 
過去の自民党政権で2回。民主党政権で2回。計4回作成された有識者会議の報告書はいずれも政府の憲法解釈変更を提言しています。 
一般には、安保法制改正は、安倍首相が突然言い出したように思われていますが、実は麻生内閣でも民主党内閣でも集団的自衛権は認めるべきだとする方向でした。 
民主党は野党になったとたんに、これまで主張していたことと正反対のことを言い出したのです。
 さて、憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使に関しては、このように民主党政権交代以前の自民党政権で2回、民主党政権で2回、計4回作成された有識者会議の報告書により提言されています。

さらに、自民党が政権を奪還直前とその後は、上記で掲載したように、安倍総理は憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使について公約に掲げて、三回も選挙に大勝利しています。

これに、歴代の首相や、政府の幹部の発言なども加えると、憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使など、何度提言されたり、発言されたかなど数え切れないくらいの回数にのぼります。

最近の、世論調査ではメディアや野党の総動員による、集団的自衛権違憲論の流布により、安倍内閣の支持率は若干下がっていますが、それでも歴代の内閣などと比較するとまだ高いほうです。それに、自民党以外の政党の支持率は上がっていません。

私は、最近にのアンケート調査安倍政権反対派に転向した人々は、結局のところ無関心層なのだと思います。これらの層の人々は、元々政治に無関心で、集団的自衛権などにも無関心で、過去の選挙においては、集団的自衛権の行使などには関心がなく、経済が良くなるかもしれないとか、民主党が嫌だからくらいの認識で安倍政権を支持したのだと思います。

ところが、最近の安保法制審議の前後から、マスコミや野党や左翼が大反対キャンペーンを開始して、それで良く認識もしないまま、安倍政権反対のほうに回ったのだと思います。だからといって、では他の野党を支持するかといえばそんなこともないという具合なのだと思います。こういう層の人々は、また時がたち集団的自衛権がマスコミや野党などが話題にしなくなると、また動き出すのだと思います。

それに、アンケートはアンケートに過ぎないわけで、公的なものでも何でもありません。しかし、選挙は公的なものであり、日本国の政治の根幹でもあります。

それから、現政府の安保法制の根拠とするのは、昭和34年の砂川判決です。砂川判決は「わが国が、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置をとりうること、国家固有の機能の行使として当然のことといわなけければらない」というもので、この判決は「必要な自衛の措置は」個別的自衛権、集団的自衛権も区別しないとしか受け取りようがありません。

砂川判決のが重要視されるのは、判決文にある統治行為論です。「わが国の存立の基礎に極めて重大な関係を持つ高度の政治性を有するものについては、一見極めて明白に違憲無効でない限り、内閣及び国会の判断に従う」このことは、民主主義を成熟させて、内閣と国会が高度な政治的判断をすべきだということを示しています。

中には、奇妙な論理で、これを否定する学者なども存在しますが、私はあの判決文を読んだ限りでは、どのように解釈しようが、何回読もうが、どう考えてもこのように受け取る以外はないと判断しました。疑問を感じる方は、是非一次情報にあたってみてください。

安保法制を戦争法案とする人たちは現代史の修正を行っていることに気づいていない!
選挙による公約や、選挙結果を軽々しく扱うわけにはいきません。また、過去の最高裁判決を軽視するわけにもいきません。だから、今安倍政権が、そうして安倍総理が、憲法解釈の変更による集団的自衛権の可能性を探るのは当然のことであり、これに反対する野党やマスコミは、既成事実を無視するものであり、この点において、歴史を自分たちの都合の良いように捻じ曲げて、勝手に変えてしまう歴史修正主義の中韓と非常に良く似ていると思います。

上で述べたように、憲法解釈による集団的自衛権がこの日本で世に問われた回数は、安倍総理の選挙による勝利という三度目の正直の回数をはるか超えていたという事実は、どう考えても変更しようがありません。否定のしようがありません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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