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2015年11月6日金曜日

【異形の中国】死に物狂いで金集めに走る中国 日本株も静かに売却していた…―【私の論評】今の中国が最も恐れるのは南シナ海ではない! 日銀の追加金融緩和と、アメリカの金融制裁だ(゚д゚)!

【異形の中国】死に物狂いで金集めに走る中国 日本株も静かに売却していた… 

天津大爆発は、中国経済に打撃を与えた=8月

中国経済は「アリ地獄」に落ちた。「負の連鎖」が最悪の方向へ暴走し始めたことが、種々の経済データや現状分析から明瞭に観察できる。

今年6月以来の「上海株暴落」と、8月の「人民元切り下げ」。続いた「天津大爆発」により、世界第4位の港湾施設が麻痺(まひ)し、輸出入が激減したばかりか、北京への貨物輸送が途絶えた。

この前後の、経済動態を緻密に検証してみる。リーマンショック直後からの財政出動、強気のインフラ投資、新幹線建設はまだしも、各地にゴーストタウン(鬼城)が出現したあたりから、中国経済は崩落への道に突き進み、「負の連鎖」が始まっていたことが分かる。

中国の経済政策は制度上、国務院(=日本の内閣に相当)が所管する。このため、李克強首相が経済政策の中枢を担い、彼の推進する中国の経済を「リコノミクス」と呼ぶ。
李氏自らが認めたように、中国のGDP(国内総生産)統計は水増しが多く、信頼するに値しない。「電力消費量」と「銀行融資残高」「鉄道貨物輸送量」の3つのデータを重視するとした。

となると、計算上、電力消費量が40%、銀行融資残高が35%、鉄道貨物輸送量が35%として振り分けられる「李克強指標」で見ると、7%成長をうたう中国のGDPは、本当のところ2%前後しかない。 

電力消費量は横ばい、貨物輸送量は10%のマイナスだからだ。「実質はマイナス成長」に陥っていると推定できる。

中国の抱える債務はGDPの282%である。2015年末に400兆円、16年末に600兆円の償還時期がくるが、返済は無理。つまり借り換え、分かりやすくいえば、ギリシャのように「証文の書き換え」が目の前に来ているということだ。

5兆円にものぼった中国国富ファンドの日本株保有も、いつのまにか手元資金不足に陥って、静かに売却していた。

なぜなら、日本企業の株主リストは公開されており、豪のオムニバス・ファンド(=中国国富ファンドの別動隊)の名前が見つからなくなった。中国は日本株をほぼすべて売却していたのである。

あまつさえ中国は保有する米国債を取り崩し、備蓄した金も少しずつ売却している。次に地方政府の債券発行を認め、さらには住宅ローンの貸し出し分を担保の銀行融資枠を拡大し、10月には銀行金利の上限も撤廃した。 

加えて、人民元建ての中国国債をロンドンでも売り出して、死に物狂いの金集めを展開している。

これは末期的症状ではないのか。

■宮崎正弘(みやざき・まさひろ) 

【私の論評】今の中国が最も恐れるのは南シナ海ではない! 日銀の追加金融緩和と、アメリカの金融制裁だ(゚д゚)!

上の記事では、「中国国富ファンドの日本株保有も、いつのまにか手元資金不足に陥って、静かに売却していた」とありますが、その兆候はすでに、2013年当時から見られていました。それに関しては、このブログでも以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
市場から消えた中国マネー4兆円の怪 ~緊迫する尖閣との関連性~―【私の論評】消えた中国マネー4兆円は、中国国内の熱銭不足の解消に遣われただけ!日本が金融緩和という最強「対中カード」を握ったことをマスコミが報道しないのはなぜ(゚д゚)!
 
2012年まで中国政府系ファンドが所有していた日本株式

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、中国系政府ファンド『OD05オムニバス』が2013年当時、日本株を売却していた事実を示す記事を掲載します。
 消えた中国マネーが憶測を呼んでいる。中国政府系ファンド『OD05オムニバス』が9月中間決算を機に、日本の主要企業の大株主から次々と姿を消したのだ。その数、判明しているだけで実に127社。今年3月期には167社(3月決算以外の24社を含む)の大株主ベスト10に登場していたのだから、まさに“激減”の言葉がピッタリである。

 繰り返せば、その中国マネーが日本市場から一気に“蒸発”したのだ。大株主から消えた企業を列挙してみると、自動車ではトヨタ、日産、ホンダ、ダイハツ、スズキ、いすゞなど、ほぼ軒並み。電機ではパナソニック、東芝、ファナック、NEC、富士通などから消えた。ゼネコンでは鹿島、大成建設、大林組、清水建設。商社では三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅。さらにJR東日本、JR西日本、JR東海、NTT、NTTドコモ、新日鉄住金、野村HD、大和証券グループ本社などからこつ然と姿を消した。 
 ベスト10に残っている企業でも日立、ソニー、武田薬品、ソフトバンク、三菱重工などが3月期比で半減している。一方、銘柄としては少数ながらも石油資源開発、富士重工、マツモトキヨシなどは保有株数が増えている。他にベスト10以下にとどまり、第三者にはうかがい知れないケースがあるにせよ、ざっと時価4兆円からの大枚が短期間に市場から消えた計算になるのだから“事件”といえるだろう。
さて、当時中国経済の実体を知らなかったと考えられる人の書いたこの元記事では、このー連の日本株売却を「有事に備えた叩き売り」などとし、「どうやら中国が強力な対日カードを握ったことだけは確かなようだ」と結んでいますが、これはとんでもない見立て違いでした。

なぜ中国がこの時点で、日本企業の株式を売却したかといえば、ブログ冒頭で宮崎氏が説明しているのと同じであり、平たくいうと当時の中国では金融が空洞化しつつあり、万が一に備えて売却せざるを得なかったというのが事実です。

なぜ、そのようなことになったかというと、2013年の4月より、日銀はそれまでの頑な、円高・デフレ政策である、金融引き締め政策一点張りの金融政策をやめ、大規模な金融緩和政策に踏み切っているからです。

そのあたりの事情をさらに、以下に引用します。
日本が包括的な異次元の緩和を行う前の中国を支えていたのは為替操作によるキャッチアップ型の経済成長であり、円高とデフレを放置する日本銀行によるものです。からくりはこうです。 
慢性的な円高に苦しむ日本企業は、過度な「元安」政策をとる中国に生産拠点を移し、出来上がった製品の一部を逆輸入しています。国内で一貫生産するより、わざわざ中国を経由した方がもうかる構造になっていたのです。つまり日銀は、「デフレ政策で日本の産業空洞化を促進し、雇用と技術を中国に貢ぎ続けた」ことになります。 
これ以上、日本経済が中国に振り回されないで済むにはどうしたら良かったのか。答えは簡単でした。日銀にデフレ政策をすぐやめさせることでした。そうして、実際に日銀の金融政策は、黒田日銀になってから180度転換しています。
さて、中国では、日本の金融引締めによる、超円高・元安という恵まれた経済・金融環境の中で、中国人が海外に蓄えた大量の資金を中国国内に再投資(熱銭)して、さら儲けるということが行なわれていました。まさに、大儲けです。
熱銭については、このブログでも以前紹介したことがありますので、その記事のURLを以下に掲載します。これは、 2013年4月の記事です。中国人民銀行総裁周小川の懸念がまさに現実化しました。

"
これも詳細は、この記事をご覧いただくものとして、熱銭に関連した部分のみ以下にコピペさせていただきます。

 
 中国が円安の衝撃を和らげるためには人民元を切り下げるしかない。中国は通貨の自由変動相場制をとっている日米欧と違って、外為市場介入によって人民元相場の変動幅を小さくする管理変動相場制をとっている。 
 従って、人民元を当局の意のままに切り下げることもできるが、米国は中国が意図的に人民元をドルに対して安い水準になるよう操作していると批判している。切り下げると、米国から「為替操作国」だと認定され、制裁関税を適用されかねない。 
 中国自身も国内事情の制約を受けている。というのは、中国の党幹部とその一族や大手国有企業はこれまで国外でため込んだ巨額の外貨を、中国国内に投資して不動産や株で運用してきた。これらが「熱銭」と呼ばれる投機資金であり、その流入によって不動産バブルの崩落は食い止められ、株価も崩壊を免れている。 
 通貨当局はこれまで熱銭を国内にとどめるためもあって、人民元レートを小刻みに切り上げてきたが、一転して人民元切り下げ政策に転換すれば、1000億ドル単位の熱銭が国外に逃げ出す恐れがある。アベノミクスによる円安に対し、中国はどうにも動けない。
このアベノミクスによる円安により、中国投資の魅力が失せて、実際に中国内の熱銭が底をつきはじめたというわけです。特に、 2013年7月頃ではかなり熱銭が減ったとみられます。
"

さて、中国はご存知の通り、実際に人民元切り下げを行いましたが、それでも経済は低迷し、株価は低迷し、中国から海外に天文学的な数字の金が流れ続けています。

そのため、外貨準備も底をつき、マイナスに転じていることはこのブログにも掲載しました。

この日本の金融緩和による中国の経済の弱体化は、まるで日本による中国に対する金融制裁のようではありませんか?実際、2012年にまだ白川体制だった、日銀が周りからせっつかれて、いやいやながら、若干の追加金融緩和を決めたときですら、吠えまくりました。

それについても、このブログで掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。この記事は、2012年9月のものです。
中国人民銀、日銀の追加緩和にいら立ち 過度の資本流入懸念−【私の論評】中国の経済破綻が始まる?!日銀を何とかしなければ、日本は草刈場になる!!
中国人民銀行
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、それにしても、この時の周小川の苛立ちの発言は、おかしなものでした。彼の発言は、「日本が金融緩和に転ずると、過度の資本流入の懸念がある」という、奇妙奇天烈、摩訶不思議な発言でした。

日本が金融緩和に転ずれば、当然のことながら、円安傾向になるわけですから、相対的に元高傾向になるわけです。とすれば、日本が円高で苦しんてきたようなことが、中国国内でも起こるわけです。要するに、中国の投資先としての魅力が失せるわけでてすから、当然のことながら、心配すべきは、過度の資本流入ではなく、過度の資本流出を懸念すべきです。

周小川としては、日本の金融緩和によって、本当は資本流出を恐れたのでしょうが、弱みを見せたくないということで、あのような珍妙な発言になったのでしょう。

とはいいながら、白川体制のときの追加金融緩和など微々たるもので、現実には周小川の懸念は、懸念で終わってしまいました。

しかし、日銀が黒田体制に変わり、異次元の金融緩和を実施しはじめたとたん、周小川の懸念は、現実のものとなりました。資本流出が本格的に始まったのです。

無論このときも、周小川はわめきまくりましたが、日本からいえば、円高・デフレを是正するために、金融緩和をしたのであり、これは単なる内政干渉に過ぎません。

だからこそ、2013年には、中国系ファンドが日本株の売却をはじめたということです。そうして、その状況は、今もかわらず、ブロク冒頭の宮崎氏の記事にもあるように、5兆円にものぼった中国国富ファンドの日本株保有も売却するような事態が続いているのだと思います。この流れは、まだ続きます。

瀬戸際に追い詰められた習近平



さて、このような中国が最も恐れるのは何でしょぅか。それは、もうお分かりでしょう。日銀による追加金融緩和です。これが、実施されると、ますます中国から金が逃げて、ほんとうにすっからかんになってしまいます。

それに、中国にはもっと恐ろしいことがあります。現在米国が、南シナ海にイージス艦を派遣していますが、このアメリカの示威行動に、中国が何らかの形で譲歩せずにつっぱり続けるとどうなるでしょうか。

それは、すでに米国が北朝鮮に対して行っている、制裁措置でもある、金融制裁です。実際米国は、今年一月に北朝鮮のサイバー攻撃に対する追加措置として、金融制裁を実行しています。

日本が、追加金融緩和を実施し、アメリカが大規模な対中国金融制裁を行ったとしたら、どうなるでしょうか。当然のことながら、日米もある程度火傷をするでしょうが、中国は、そんなことではすみません。中国経済は本格的に破綻します。

昨日もこのブログに掲載したように、次世代の党の和田幹事長が提唱する、金融緩和で名目成長5%を目指すなどの政策が実行されたら、中国は中国共産党幹部らは、恐慌状態に陥ることになります。

いつも強面を演出する傍若無人な中国ですが、 日米が本格的に金融制裁を発動したら、ひとたまりもありません。経済の崩壊だけではすまないです。習近平体制は完璧に崩れます。それだけで、すめば良いですが、それこそ現在の中国共産党一党独裁体制自体が崩壊する恐れも十分あります。中国が南シナ海で米国を納得させる、譲歩をしなければ最終的にはこうなります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年7月22日火曜日

日本株を見誤る、2つの「曇ったレンズ」日経平均は今後も上昇?日本株の正しい見方とは―【私の論評】増税の悪影響を小さく見積もったり、成長戦略に過度の期待を寄せるのは間違い(゚д゚)!

日本株を見誤る、2つの「曇ったレンズ」日経平均は今後も上昇?日本株の正しい見方とは

東洋経済ONLINE(村上 尚己 :アライアンス・バーンスタイン マーケット・ストラテジスト兼エコノミスト)


東京証券取引所は本日、売買が多い一部銘柄の株価の刻み
幅を現在の1円から、10銭や50銭に変更して取引を始めた


まずは、時計の針を3か月ほど前に戻そう。筆者は、日経平均株価が1万4000円台半の水準でこう着状態だった4月28日のコラム「日本株は、もう上昇しないのか?」で、「日本株が投資対象として魅力的である」と述べた。次に停滞が続いた5月26日のコラム「日経平均1万4000円台は、魅力的な水準」でも、同様の相場観を強調した。その後、6月初旬に日経平均は1万5000円台を回復し、現時点では1万5000円台半ばと、上昇トレンドを保っている。

幸い、私の予測は正しかったわけだが、それとは別に、7月半ば現在、年初からのTOPIXのリターンはまだ2%前後のマイナスだ。一方、米欧株は年初から6~7%プラスのリターンとなっており、日本株のリターンが10%ポイント程度アンダーパフォームしている。5月半ばには、約15%日本株がアンダーパフォームしていたので、それが6月以降やや縮小している状況だ。

日本株の復調をもたらした、第一の要因は、海外において米中の景気下振れや地政学リスクなどの不確実要因が和らいだことである。それゆえ、基本的には、1万5000円台半ばから日本株の上昇が続くかどうかは、海外経済・米欧株市場の方向次第と考えるのが妥当だろう。

具体的には、米国経済が巡航速度に戻り堅調な雇用回復が続くか、足元で回復モメンタムが弱まっている欧州経済が再び復調するか、そして新興国経済停滞の元凶だった中国経済の持ち直しが続くか、である。現状、欧州経済の回復が鈍っていることを除けば、世界経済の状況はおおむね良好である。

また、日本株の復調をもたらした第2の要因としては、消費増税による日本経済の落ち込みが和らいでいると認識され始め、2014年度の企業業績悪化懸念が和らいだことが挙げられる。実際に、消費増税が実現した4月以降の消費関連データの中には、4月半ばから戻りつつある指標がある。

ただ、実際に、消費増税後の日本経済の落ち込みが軽微だったかというと、決してそうではない。個人消費の駆け込み需要と、その後の5月までの大きな反動減は、前回増税が実現した1997年とほぼ同じある。事前の想定どおりに日本経済は大きく落ち込んだと筆者は判断している。

そして、2014年度は増税の足かせで個人消費回復は期待できないが、春先からの設備投資や輸出の回復で日本経済は復調すると予想している。ただ、こうした筆者が描くストーリーの蓋然性が高まっていると判断できるほど、明確に強い経済指標は今のところない。多くが大きな落ち込みから少し戻っているという、当然の経路をたどっているに過ぎない。こうした意味で、日本経済の状況は、日本株の見通しにとってニュートラルと筆者は判断している。

以下の2つの「曇ったレンズ」を通じて、日本株市場を見てしまうと、今後投資判断を誤りかねない。「思わぬ損失」を被るリスクが高まろう。

第一の曇ったレンズとして、仮に6月以降の日本株の戻りが、この第2の要因、増税後の景気動向への見通しの変化がもたらしているとすればやや心配である。日本経済については、良い、悪い経済指標も混在しているのに、景気動向に対して楽観方向に傾いていることになるためだ。

第二の曇ったレンズとして、安倍政権の成長戦略が6月末に固まり、これが日本株高をもたらしたとの見方もあるようだ。ただ、これまでも説明してきたが、政府が掲げる「成長戦略」には期待するのはまだ時期尚早だし、そして成長戦略のプランの中には、成長阻害につながる危ういメニューも混在している。外国人投資家のアベノミクスに対する期待が戻ったという解釈なのかもしれないが、これも、先に述べたのと同様、「曇ったレンズ」を通じて株式市場を見ているのと同じだろう。

以上の記事は要約記事です。詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】増税の悪影響を小さく見積もったり、成長戦略に過度の期待を寄せるのは間違い(゚д゚)!

以上の村上氏の記事と同じようなことを私は、このブログに何度か掲載してきました。ただし、私は政局のからみで掲載してきましたが、村上氏は上の記事で、ストラテジスト兼エコノミストとしての見解を述べているということです。そうして、私はこの村上氏の見方は、正しいと思います。

村上 尚己


村上氏が語っているように、増税の悪影響を小さく見積もったり、成長戦略に過度の期待を寄せるのは間違いです。村上氏は、他の多くの民間エコノミストが経済のことをあまり咀嚼しないで、頓珍漢なことを語っていて記事を読むと何やら消化不良をおこした気分になるのとは対照的に、経済・金融に関する知識も豊富で、まともな論理展開をするので、信頼がおけます。

村上氏の上の記事で述べている、第一の曇ったレンズである、増税の影響を小さく見積もることのリスクについては、このブログにも何度か掲載してきていますので、その一番新しいもの(昨日)の記事のURLを以下に掲載します。
政府月例経済報告に異議あり!消費税増税の悪影響を認めたくない政府に騙される政治家とマスコミ―【私の論評】財務省はジレンマに陥っている。安部総理と、そのブレーンは肉を切らせて骨を断つ戦略を実行している(゚д゚)!これこそが隠し球かも?
消費者物価指数は明らかに、前2回の増税直後より、悪化している

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事で、私は消費税増税後に明らかにいくつかの経済指標がかなり悪化していることを政局のからみで掲載しました。

経済指標が悪化しているにもかかわらず、このまま経済対策、特に財政政策を実施しなければ、9月か、10月になれば、景気は明らかに悪化して、それを判断材料として、来年の10%増税を判断することになれば、見送られる可能性が高まるであろうとの予測ををしました。

いずれにせよ、直近で、減税・給付などの対策を行なわなければ、上の記事で村上氏が懸念しているように、経済は落ち込み、それに呼応して株価も下がる可能性が大ということです。

第二の曇ったレンズに関しては、まずは、成長戦略なるもののうち、規制緩和以外の成長戦略は、もともと、長期にわたって実現されるものであり、ここ数年以内の経済にとっては、あまり関係ありません。

国レベルで、一つの新たな産業を起こしたり、既存の産業を変えたりすることは、たとえうまくいっても、少なくとも10年くらいはかかるものです。ここ、3年から5年以内に経済に大きく影響を及ぼすことはありません。だから、数年のスパンでは株価などの面からは無視しても良いくらいです。

実施して、すぐに効果が現れるものとしては、規制緩和がありますが、これが曲者で、上の記事で、村上氏が述べていたように、成長阻害につながる危ういメニューも混在しています。規制緩和が実施された場合、それがどのように株価に反映されるのか、見極める必要があります。

それともともと、政府主導の経済成長戦略など成功する見込みはほとんどないということを前提とすべきです。もし、これが成功するというのなら、共産主義も成功していたはずです。

これも、このブログに何回か掲載しています。その代表的もののURLを以下に掲載します。
「成長戦略」には、幻想を抱くな―【私の論評】政府主導の成長戦略は必ず失敗する。もし成功するというのなら、共産主義も成功していたはず! 経済成長はバストの成長を参照すべし、余計なことはするな(゚д゚)!
ノキアはiPhonやiPadと同様なもののプロトタイプをアップルにさきがけて開発していた
が、市場に投入する時期を間違えアップルに先を越された。成長戦略はかなり難しい。

この記事も、村上氏のツイートを論評する形で掲載しました。この記事では、政府主導の成長戦略はあてにならないこを掲載しました。所詮役人の作文にすぎない、政府主導の成長戦略は成功するはずもなく、過去においても全部失敗しました。官僚がやって成功したのは、先送り戦略だけです。要するに、何もしないという戦略のみです。

政府がすべきは、インフラを整えることであり、そのインフラの上で政府が実際に何かをしても、うまくはいきません。インフラで活動すべきは民間企業であり、インフラ上で、企業がしのぎあい、競争することにより、より良いサービスや製品が生まれます。

増税の悪影響を小さく見積もったり、成長戦略に過度の期待を寄せるのは、根本的な間違いです。

市場の動向を推し量るためには、これらを捨て去り、正しいデータと正しい経済情勢の把握による判断をすべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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