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2017年5月2日火曜日

北完全包囲!海自最強「いずも」出撃、日米英仏の海軍結集 強引な海洋進出続ける中国けん制の狙いも―【私の論評】在日米軍は、中国牽制のため日本国内再編も実行中(゚д゚)!

北完全包囲!海自最強「いずも」出撃、日米英仏の海軍結集 強引な海洋進出続ける中国けん制の狙いも

海上自衛隊最大の新型ヘリコプター搭載護衛艦「いずも」の引き渡し
式を終え、飛行甲板に整列し敬礼する乗組員ら
2015年03月25日
 朝鮮半島の高度な緊張状態が続くなか、強固な「日米同盟の絆」が示された。海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」が1日午前、海自横須賀基地(神奈川県)を出港、米海軍補給艦の防御を行った。昨年3月に施行された安全保障関連法に基づく米軍の「武器等防護」は初めて。加えて、日米英仏4カ国による初の合同訓練も3日から実施される。核・ミサイル開発を強行する北朝鮮に圧力を加える一方、東・南シナ海で強引な海洋進出を続ける中国を牽制(けんせい)する狙いだ。

 「いかなる事態にも、国民の生命と平和な暮らしを守り抜くことは、政府の最も重要な責務だ。そして、大切なことは『有事を事前に防ぐこと』だ」「平和安全法制(安全保障関連法)では、あらゆる事態に隙間のない対応ができる態勢を完備した」

 安倍晋三首相は先月末、夕刊フジ「GW特別号」(2日発行)の単独インタビューでこう語った。その強い信念と覚悟が表れたといえるのが、海自史上、最大級の護衛艦である「いずも」の動きだ。

 政府関係者によると、「いずも」は、護衛艦「さざなみ」とともにシンガポールで今月開かれる国際観艦式に参加するため、1日に横須賀基地を出港。東京湾を出たところで、米海軍補給艦と合流して西へ向かう。補給艦は、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長率いる北朝鮮に対する警戒で、日本周辺に展開している米軍艦艇に燃料などを届ける。

 「いずも」は基準排水量1万9500トン、全長は248メートルと、東京都庁(243メートル)より大きい。最大14機のヘリコプターを搭載できる。多くの哨戒ヘリを一気に投入することで、潜水艦捜索能力が強化される。米補給艦に近づく他国軍潜水艦の警戒・監視に当たる。

 ただ、防空能力や攻撃能力を必要最低限しか装備していない。このため、「いずも」以外の護衛艦も米艦防護に加わる可能性もある。日米の連携を実際の任務でも示し、「世界規模の脅威」となった北朝鮮の暴発を阻止する。

 韓国で行われていた米軍と韓国軍による合同野外機動訓練「フォールイーグル」は4月30日に終了したが、朝鮮半島の緊張状態は続いている。

 朝鮮人民軍の創建85年の記念日「建軍節」(同25日)に合わせて、南東部にある元山(ウォンサン)一帯で、300門余りの長距離砲などを投入した過去最大規模の火力訓練を行った。同29日には、平安(ピョンアン)南道、北倉(プクチャン)付近から弾道ミサイル1発を発射した。

 米韓両軍は警戒態勢を緩めていない。

 世界最強の米原子力空母「カール・ビンソン」と、韓国海軍の共同訓練は同29日から始まった。韓国からはイージス駆逐艦「世宗(セジョン)大王」などが参加。巡航ミサイル「トマホーク」を154発も搭載する、米海軍最大の原子力潜水艦「ミシガン」も、半島周辺にとどまっている。

カールビンソン
釜山港に入港した「ミシガン」
 アジア太平洋地域の平和と安定を守る、新たな動きも明らかになった。

 日米英仏4カ国による合同訓練に参加するため、フランス海軍の強襲揚陸艦「ミストラル」も先月29日、海自佐世保基地(長崎県)に寄港したのだ。訓練は3日から22日まで、米領グアムなどで実施される。

フランス海軍の強襲揚陸艦「ミストラル」
 「ともに手を携えて訓練することで、相互運用性を高められる」

 艦長のスタニスラス・ドゥ・シャルジェール大佐は、こう語った。

 「ミストラル」には、英海軍ヘリコプターを搭載しており、水陸両用作戦を担う陸上自衛隊の西部方面普通科連隊員や、米海兵隊員らも乗せて5日に佐世保を出港する。海自の輸送艦「くにさき」と、共同訓練を行いながら南下し、グアム周辺では4カ国で上陸訓練などを行う。

 ドナルド・トランプ米大統領は4月29日、米CBSテレビのインタビュー(同30日放映)で、北朝鮮が「6回目の核実験」を強行した場合、軍事行動に踏み切るのかと聞かれ、次のように答えた。

 「分からない。そのうち分かるよ」

 軍事的選択肢を排除しない考えを明確にした。

【私の論評】在日米軍は、中国牽制のため日本国内再編も実行中(゚д゚)!

以前このブロクで北朝鮮有事の8つのリスクについて掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
北朝鮮有事が日本に突きつける8つのリスク【評論家・江崎道朗】―【私の論評】 森友学園問題で時間を浪費するな!いまそこにある危機に備えよ(゚д゚)!
先月終了した米韓合同演習「フォールイーグル」
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、朝鮮半島リスクのうちの中国がらみのリスクをこの記事から以下に引用します。
 日米韓三か国が朝鮮半島有事対応に追われている隙をついて中国が例えば尖閣諸島に海上民兵――米軍はLittle green menと呼ぶ――を送り込んでくる可能性がある。日本としては、朝鮮半島からの避難民対応で海上保安庁の巡視船を日本海に配備しなければならず、尖閣諸島周辺はがら空きになる。もちろん自衛隊も朝鮮半島対応に追われている。 
 その隙を衝こうと中国なら考えているはずだ。正規軍を送れば国際社会から非難されるが、漁民を装った「民兵」が荒天を避けるために尖閣諸島に避難し、そのまま居座るケースが考えられる。
このリスクに関しては、あり得ると私は思っていましたが、朝鮮半島付近にこれだけまるで武器の展覧会のように、空母などの艦船や潜水艦が集結しているのですから、仮に中国がこのような野望を抱いていたとしても、実行するだけの勇気はないことでしょう。

これだけの大量の武装集団が控えているそのすぐそばで、そのような素振りでも見せれば、まずは激しく牽制されるだろうし、本当に尖閣付諸島に海上民兵でも送り込むようなことをすれば、日本側もこれに厳しく対処するでしょう。

それにこれはどの国からみても、火事場泥棒のように見えますから、米国などもこれに対処しやすいでしょう。米国も南シナ海の中国への牽制として、これを見過ごすことしないでしょう。

そうして、北朝鮮有事でも米軍はこれだけの武装集団を送り込んでくるわけですから、これが中国有事ともなれば、とんでもないことになると、考えていることでしょう。

それと、在日と米軍は、現在の北朝鮮への対応そのものとは直接関係なく、日本国内の米軍の再編を勧めていました。

在日米軍は、元々海兵隊や海軍の最先端航空戦力を中国と北朝鮮に近い日本の西部地域に集中させる再編作業を今年中に終える予定でした。この改編作業が終われば、山口県に位置する米海兵隊の岩国基地は、日本本土から中国と北朝鮮を牽制する前哨基地として生まれ変わることになります。

F35B戦闘機が到着し、関係者らによる式典が行われた=今年1月20日午後、山口県岩国市
昨年8月23日、武井俊輔・外務大臣政務官や宮沢博之・防衛大臣政務官などが、山口県岩国市で福田良彦・岩国市長に、来年1月から米国の最新鋭ステルス戦闘機F-35Bを在日米軍岩国基地に配備する計画を伝えたと公表しました。この計画に基づき、来年1月に10機、8月に6機のF-35Bが岩国に追加配備されます。この機種は一般空軍用F-35A、艦載機用F-35Cとは異なり、垂直の離着陸が可能です。

さらに、日米両国はこれまで進めてきた在日米軍の再編計画に基づき、現在、米第7艦隊の母港である横須賀に配備された空母「ロナルド・レーガン」などで運用される艦載機59機(FA-18ホーネットとスーパーホーネットなど)を神奈川県厚木基地から岩国に移転します。
FA-18スーパーホーネット
在日米軍はこれまで横須賀に近い厚木基地において艦載機の整備と訓練のための陸上基地として活用してきたのですが、中国や北朝鮮などに近い西部地域に拠点を移すことになります。これに先立ち、在日米軍は2014年8月に沖縄に配備されていた航空給油機KC-130の15機を岩国に移転しました。

こうした一連の動きは、北朝鮮の核・ミサイルの脅威と中国の海洋進出への対抗を迫られている日米同盟にとって、自然な選択と言えます。米国は、日本の集団的自衛権について初めて「歓迎」の立場を明らかにした2013年10月、日米安全保障協議委員会(2+2会議)で、当時開発がまだ終わっていなかったF-35Bを「2017年に(米)国外では初めて日本に前方配備する」計画を明らかにしました。

現在も岩国には米海兵隊のFA-18ホーネットとAV-8ハリアーなどが配備されています。F-35Bはこれらの機種に代わるものとして、昨年1月から新たに配備されました。

岩国基地へのF-35Bの配備は日米同盟と中国の激しい力比べが続けている東アジア情勢に複合的な影響を及ぼすものとみられます。F-35Bは、高いステルス性能を備えている上、行動半径が1000キロメートルを超えます。

また、機体に射程距離が370キロメートルに達する「空中発射巡航ミサイル」(JASSM)を搭載できます。F-35Bが岩国から発進した場合、日本海の公海上で北朝鮮の弾道ミサイル発射基地を原点打撃する能力を備えることになります。


さらに、F-35Bは、有事の際、いずもなど日本の軽空母に離着艦し、弾薬の提供と給油を受けることもできます。日本政府は、米国に対するこのような後方支援ができるように、一昨年9月、安保関連法を改正しました。実際このようなことが行われる可能性も十分にあります。

F-35Bは、中国牽制にも活用されます。この戦闘機を運用する予定の米海兵隊の強襲艦LHD-6 ボノム・リシャールは、長崎県佐世保に駐留しています。米海兵隊の強襲艦がF-35Bを乗せたまま、東シナ海と南シナ海の広い領域を監視し、中国の海洋進出を牽制できるのです。さらに、岩国にはKC-130空中給油機が15機も配置されており、F-35Bの活動範囲は飛躍的に拡大することになります。
強襲艦LHD-6 ボノム・リシャール
現在の北朝鮮有事に備えた行動とは別個に、米国は日本国内でこのような軍事的な再編を行っているのです。

さらに、最近の北朝鮮に備えての日米の緊密な連携ぶりは、中国にとってはかなりの脅威だと認識されていることでしょう。

北朝鮮有事に備えてでさえ、現状の規模の展開がなされているわけですから、これが中国に対するとなれば、この数十倍になることも予想できます。日米英仏どころか、世界中の武装集団が集結することになるかもしれません。

ただし、尖閣の危機が完璧に去ったというわけではありません。沖縄県・尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域で先月30日、中国海警局の船3隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認しました。尖閣周辺で中国当局の船が確認されたのは2日連続でした。

第11管区海上保安本部(那覇)によると、1隻は機関砲のようなものを搭載していました。領海に近づかないよう巡視船が警告した。29日は4隻が確認されましたが、1隻は同日午後6時半ごろに接続水域の外に出ました。

日本側としては、中国が火事場泥棒のような真似をしたら、排除や逮捕するなどして、すぐにこれに対処した上で、全世界に向かって中国の火事場泥棒的行動を非難し、その無法ぶりを世界に強く印象づけるべきでしょう。占拠された後で、これを非難しても後の祭りです。

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