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2012年6月30日土曜日

「傘かしげ」あなたはできますか? 「江戸しぐさ」でモテるマナー美人―【私の論評】「江戸しぐさ」と「武士道」は日本人の精神の支柱!!

「傘かしげ」あなたはできますか? 「江戸しぐさ」でモテるマナー美人:



みなさんは「江戸しぐさ」というのをご存じですか?
NPO法人「江戸しぐさ」によると「江戸商人のリーダーたちが築き上げた行動哲学で、人間関係を円滑にするための知恵」だそう。
生活の知恵として、現代にも通じるところがあったので、さっそくご紹介したいと思います。
■ こぶし腰浮かせ
...空席をつくるためのマナー。混雑している電車でバッグを椅子に座らせて知らん顔をしている人、... 続きを読む
■著者データ
マイスピ
ウェブサイト: http://www.myspiritual.jp/news/
【私の論評】「江戸しぐさ」と「武士道」は日本人の精神の支柱!!

江戸しぐさの、しぐさは仕草ではなく思草と表記します。もともと商人しぐさ、繁盛しぐさといわれ、商人道、哲学として語られています。多岐にわたる項目が口伝により受け継がれたといいます。


現代の世相に鑑み江戸人の知恵を今に生かそうという観点から教育界などで注目され始めています。かつ、一部小中学校の道徳の時間にも取りあげる動きも広がっています。商家に伝わる門外不出の未公開の処世術あるいは、倫理観、道徳律、約束事ともいうべきものですが、未公開かつ口伝であったことから正確たる文書は現存せず芝三光(しば・みつあきら)(本名=小林和雄)とその後継者により普及されてきました。


評論家の牛島靖彦によればそもそも商人(あきんど)しぐさを「江戸しぐさ」と命名したのは、江戸講最後の講師とされる、芝三光であるといいます。本件江戸しぐさを伝えてきたのはわずか一人であり、存在とか内容についても江戸時代の常識と一致しない部分があると批判する意見もありますが、商家の精神とか江戸人の知恵がちりばめられており、その本質とか存在意義を著しく損なうまでには至っていません。その後、芝の弟子の一人であった越川禮子が後継者として名乗りを上げられ、NPO法人を設立され江戸しぐさの普及宣伝活動を行っていらっしゃます。

上の記事でも、江戸しぐさについて掲載ていますが、以下に他のしぐさも含めて再度掲載させていただきます。

傘かしげ
雨の日に互いの傘を外側に傾け、ぬれないようにすれ違うこと

肩引き
道を歩いて、人とすれ違うとき左肩を路肩に寄せて歩くこと
時泥棒
断りなく相手を訪問し、または、約束の時間に遅れるなどで相手の時間を奪うのは重い罪(十両の罪)にあたる。
うかつあやまり
たとえば相手に自分の足が踏まれたときに、「すみません、こちらがうかつでした」と自分が謝ることで、その場の雰囲気をよく保つこと。
七三の道
道の、真ん真ん中を歩くのではなく、自分が歩くのは道の3割にして、残りの7割は緊急時などに備え他の人のためにあけておくこと。
こぶし腰浮かせ
乗合船などで後から来る人のためにこぶし一つ分腰を浮かせて席を作ること。 
逆らいしぐさ
「しかし」「でも」と文句を並べ立てて逆らうことをしない。年長者からの配慮ある言葉に従うことが、人間の成長にもつながる。また、年長者への啓発的側面も感じられる。
お心肥やし(おしんこやし)
体を肥やすのではなく、心を豊かにして、学問を学び、人格を磨きなさいという言葉。学問もを学ぶということも、ただ書物を読んで知識を付けるのではなく、実際に自分で体験し、考えることが大事だと教えています。
打てば響く
鐘や太鼓がたたけば即座に鳴るように人間も打てば響く、つまり気配りをして、即行動する機敏さが尊ばれました。
三脱(さんだつ)の教え
江戸のルールでは、初対面の人に「年齢」「勤め先」「身分」を聞いてはいけないとされ、これを「三脱の教え」といいました。失礼にあたるというより、余計な情報が入ることで一種の色眼鏡で相手を見てしまい、その人の素顔や本心を見通せなくなることを恐れたのです。これは、現代でも十分通用する考え方といえますね。特にビジネス上の出会いならともかく、それ以外の出会いでは、三脱の教えは、今でも堅く守るべきです。
はいはい
世間を広くするも、狭くするも自分の料簡次第である。「はいはいの修養、いかがの注意」まずハイと返事をして、人の意見を聞きなさい。その内容をじっくり吟味して、もし疑問や意見があれば、ところで、この点はいかがでしょうかと、伺いをたてなさい。昔の人はこう言って自分を戒めた。
ゆびきりげんまん、死んだらごめん

子どものころ、こんなことを言った覚えはないだろうか。「指切りげんまん。嘘ついたら針千本飲ます」この後に「死んだら御免」と続く。約束した以上、命ある限り、約束を果たすのが当たり前。こんな覚悟を示したものだった。
「江戸しぐさ」皆さんはどの程度身についているでしょうか。私は、こうしたことは、子供の時分に母や祖母から教わったと思います。母方の先祖は、ずっと商人でした。特に「江戸しぐさ」という言葉は知らなくても、上のようないわゆる道徳教育はされていました。

「傘かしげ」とか、「肩引き」、「七三の道」、「こぶし腰浮かせ」など、何も意識せず、意識せずに行っている所作だと思います。ただし、上の記事のように「傘かしげ」などしない人も増えいるようで、非常に残念です。最近では、歩道を自転車で走る人もいて、しかも、3列並びで、話をしながらなどという人もいます。歩道ならば、人が混み合っているところなら、当然自転車から降りて、手押しで歩くべきです。あまり混み合っていなくても、一列縦隊で走るべきと思います。



このブログにも書いたことがありますか、いわゆる、社会性ということがいわれています。最近では、この社会性を図る尺度SQ(Social Quotient)などが開発され、実際に測定することもできます。私は、これで、社員の社会性を測定したこともあります。



そうして、このような測定方法が書いてある書籍には、測定方法とか現代の社会性などについては書いてあるのですが、肝心要の社会性を養う方法など書かれてありませんでしたる。インターネツトで調べてみたら、相手のいうことを良く聴くということがあげられていました。しかしながら、これらは、あまりにも当たり前といえば当たりまえです。

しかしなが、そんなことは日本では昔から十分に教育されてきたということです。それも、特に学校とかそんなところではなく、家庭内で当たり前にされてきたということです。それが、上の「江戸しぐさ」というものだと思います。こういうことを子供の頃から、躾けられて、育った子供は、育つ過程において、自然に社会性を身につける事ができるのだと思います。

江戸時代の商家の娘の服装
さて、上の例は商人の家庭によるものですが、武家にも無論このようなものはあります。それは、「武士道」というものです。これは、日本の近世以降の封建社会における武士階級の倫理及び価値基準の根本をなす、体系化された思想一般をさします。父方は、武家の出してので、私は、両方の影響を受けたと思います。

教育者で思想家の新渡戸稲造など、文学・思想に大きな足跡を残したキリスト者達(新渡戸、内村鑑三、植村正久など)による異文化接合の形として顕われたのが、もう一つの「武士道」でと呼ばれているものです。ここでは、武士道のことを記載してしまうと、長くなってしまうので、これについては、また、別の機会に述べます。


それにしても、商人も、武家も、このように子供からきちんと躾けられていた日本人は、子供の頃から、かなり社会性が高かったものと思います。そこにもってきて、さらに、武家は武家の藩校、町人は町人の学校で、比較的若い時代に徹底した詰め込み教育を行ったということが、日本の先進性につながったのだと思います。こうした、早期の教育がなければ、日本も、他のアジアと同じように他国の植民地になっていたかもしれません。

江戸時代に末期にいたっても、日本では近代的な大学や、大学院のような施設は存在しませんでした。しかし、子供の頃は、上記のような躾けがなされ、ある程度大きくなって大学に入るくらいまでの年齢までは、徹底的な詰め込み教育がなされた日本人は、当時からクリエーティブであり、あの偉大な明治維新を成し遂げたことができたのです。

明治維新の立役者 坂本龍馬
大学などに入る年齢の頃には、躾けや、詰め込み教育が終了していなければなりません。そうして、はじめて、大学教育やそれに続く大学院教育があります。今の日本は、上の記事に掲載してある、日本の古の知恵をすっかり忘れ去っているようです。ごく最近まで、「ゆとりの教育」などというおろかなことが行われてきました。それに、家庭での躾けもおろそかにされてきました。しかし、これらは、本来は、日本人の精神の支柱であったはずです。

今こそ、私達日本人は、上記のような古を思い出し、子供の頃の躾け、若年層の詰め込み教育を実施し、日本のことを知る、真の国際人を養成していくべきです。その一歩なるのが、上記の商人の知恵でもある「江戸しぐさ」や、「武士道」だと思います。そう思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?


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